南井正弘の「毎日走って、わかった!」

HOKAのスピードモデル「マッハ 5」を試走レビュー! より速く走りたい人へ

「マシュマロクッショニング」と形容される独特なクッショニングのランニングシューズで知られるHOKA(ホカ)は、その履き心地のよさからランナー以外からの支持も多く集めることに成功している。いっぽうで、新たな走り心地も提案しており、その代表作がより速く走りたいランナーのために開発された「MACH 5(マッハ 5)」だ。HOKAの従来のラインアップとは異なる走行感で、従来獲得できなかった層のランナーが同ブランドに注目するキッカケとなっているという。

HOKA「マッハ 5」(品番:1127893)の「Mountain Spring/Puffin's Bill」

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2022/09/13 07:00

速く走りたいというランナーにピッタリなスペックを採用!

HOKAの「マッハ 5」は、「RESPONSIVE CUSHION(反応の速いクッション)」と「ENERGETIC RIDE(エネルギッシュなライド感)」をコンセプトに掲げたコレクション「FLY」に属するランニングシューズ。

「マッハ 5」の特徴の1つが、「PROFLY+」と呼ばれる2層構造のミッドソール。上層は柔軟かつ軽量で弾性の高い素材を用いることで、「クリフトン」や「ボンダイ」といったプロダクトにはない推進力を発揮する。より速く走りたいというランナーにはピッタリなスペックを採用しているわけだ。

アッパーには、通気性とフィット感を高次元で確保したエンジニアードジャガードメッシュを用いることで、ペースの速い長時間ランでも快適性をキープし続けてくれるという。アウトソールは、硬いソリッドラバーを使用することなく、ミッドソール下部と一体化した「ラバライズドEVAアウトソール」を用いることで、軽量性と舗装路における高いグリップ性を両立している。

以上のように「マッハ 5」は、より速く走るためのスペックを結集させて作られたのだ。

ミッドソールには、「PROFLY+」と呼ばれる2層構造を採用。上層には柔軟かつ軽量で弾性の高い素材を用いることで、「クリフトン」や「ボンダイ」といったプロダクトにはない推進力を発揮する

ミッドソールには、「PROFLY+」と呼ばれる2層構造を採用。上層には柔軟かつ軽量で弾性の高い素材を用いることで、「クリフトン」や「ボンダイ」といったプロダクトにはない推進力を発揮する

アッパーには、通気性とフィット感を高次元で確保したエンジニアードジャガードメッシュを採用。長時間のランでも快適性をキープする

アッパーには、通気性とフィット感を高次元で確保したエンジニアードジャガードメッシュを採用。長時間のランでも快適性をキープする

アウトソールには、ミッドソール下部と一体化した「ラバライズドEVAアウトソール」を採用。舗装路における高いグリップ性と軽さを両立させている

アウトソールには、ミッドソール下部と一体化した「ラバライズドEVAアウトソール」を採用。舗装路における高いグリップ性と軽さを両立させている

ヒール部分のスワローテイル形状が、スムーズな着地やクッション性、バネのある蹴り出しを実現

ヒール部分のスワローテイル形状が、スムーズな着地やクッション性、バネのある蹴り出しを実現

【試走レビュー】転がるというよりも跳ねる感覚が強い!

「マッハ 5」を実際に履いて走ってみた!

「マッハ 5」を実際に履いて走ってみた!

HOKAのシューズと言えば、何と言ってもフワフワとした「マシュマロクッショニング」が大きな特徴で、その独特な走り心地でシェアを伸ばしてきた。しかしながら最近では、あらゆるタイプのスペックのシューズもラインアップしており、2022年1月に本連載でも紹介した「カワナ」は、硬度の高いミッドソールを採用し、安定感と反発性を高次元で両立。ダッシュを繰り返すような動きや、ジムでのトレーニングなど、ランニング以外のシーンにも対応していた。

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今回トライした「マッハ 5」は、「FLY」のコレクションにラインアップされており、より速く走りたいランナーをターゲットとしているという。ちなみに、同ブランドのベストセラー「クリフトン」は、「GLIDE」と呼ばれるコレクションに属し、こちらは「SIGNATURE CUSHION(同ブランドらしいクッション、すなわちマシュマロクッショニング)」と「SMOOTH RIDE(滑らかなライド感)」をコンセプトに掲げている。

まず手に持った状態で、「クリフトン 8」あたりと比較して軽いことを感じる。足を入れてみると、その軽さはさらに顕著となり、走り始めるとある程度ミッドソールの沈み込みを感じつつ、前方への反発を強く感じる。この感覚は、「クリフトン」や「ボンダイ」にはなかったものだ。反対に、従来のHOKAのランニングシューズで感じられるメタロッカー構造による転がる感覚は少ない。6分/kmで走り始めたが、弾性の高い「PROFLY+」のミッドソール構造により、ペースがグングンと上がる。この弾性を強く感じる走行感は、「カーボンX」や「リンコン」といった同社の速めのペースで走れるほかのシューズとも大きく異なる。転がるというよりも跳ねる感覚が強いのだ。最終的に4分30秒/kmほどのペースで走り終えたが、4分/kmを切るペースで走るような上級ランナーにも十分に対応してくれると思った。

【まとめ】「マッハ 5」は中級以上のランナーに最適な1足

以上のように「マッハ 5」は、従来のHOKAのランニングシューズとは異なった、跳ねるような推進力をフィーチャーした1足で、「速めのペースでインターバルトレーニングを行いたい」「自分の脚力で走る感覚は大切にしたい」といった中級以上のランナーに最適な1足に仕上がっていると思う。走行感は「クリフトン」や「ボンダイ」とはかなり異なるが、足にやさしいという部分はしっかりと残しているので、従来からのHOKA愛用者が履き替えても違和感はないだろう。HOKAの「マッハ 5」は、ランニングというスポーツがより好きさせてくれるうえ、次のステップへと進もうとするランナーに最適な1足である。

南井正弘
Writer
南井正弘
1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツシューズブランドのプロダクト担当として10年間勤務後、ライターに転身。スポーツシューズ、スポーツアパレル、ドレスシューズに関する記事を中心に執筆しており、ランニングギアマガジンやランニング全般のポータルサイト「Runners Pulse」の編集長も務めている。
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牧野裕幸(編集部)
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牧野裕幸(編集部)
アイテム情報誌「GetNavi」や映像エンタメ情報誌「DVD&Blu-rayでーた」(当時)の編集者を経て「価格.comマガジン」へ。スティック&ロボット掃除機、コーヒーメーカー、扇風機、電動歯ブラシ、電気ケトルなどの白物家電のほか、AV機器や加熱式タバコを担当しています。LOVE, LINKIN PARK.
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