南井正弘の「毎日走って、わかった!」

ついに40作目! ロングセラー新作「ナイキ ペガサス 40」の魅力をプロが解説

ナイキの「ペガサス」シリーズと言えば、1983年の誕生以来、ナイキランニングカテゴリーの重要モデルとして展開され続けてきたロングセラー。モデルチェンジによって劇的に走行感が変化することもあったが、この40年間変わらなかったのは、高機能を追求しながら、買いやすいプライスをキープしてきたことだ。

今春リリースされた記念すべき第40弾「ナイキ ペガサス 40」も、この理念をしっかりと持ち続けており、トータルバランスにすぐれた1足に仕上がっていた。

「ナイキ ペガサス 40」の「ホワイト/ブラック/フォトンダスト/ウルフグレー」(DV3853-102/税込15,400円)

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2025/08/05 11:00

アッパーの進化によりフィット感が向上!

2023年4月にリリースされた「ナイキ ペガサス40」は、弾むような履き心地で、あらゆるランに対応するベーシックなランニングシューズ。おなじみの「ペガサス」らしいフィット感で目標達成をサポートする。

定評のある反発性とナチュラルなサポート性能はそのままに、この最新モデルでは土踏まずやつま先などの繊細な部分をより快適な設計へと変更。 長距離レースを走ったり、スピードトレーニングに励んだり、グループでのランニングを楽しんだりと、どんなタイプのランに臨んでも、いつもと変わらず信頼できるロード用ランニングシューズに仕上がっている。

ナイキの「ペガサス」シリーズは毎年モデルチェンジを行っているが、最近のパターンとしては、ミッドソール/アウトソールの変更は2年に1度。第39弾から第40弾への今回のモデルチェンジは、ソールユニットはそのままに、足を包むアッパー部分のみの変更されている。自動車で言えば、フルモデルチェンジではなくマイナーチェンジと言える。

通気性にすぐれたメッシュをアッパーに使用。モデルチェンジにより足とのフィット感も向上している

通気性にすぐれたメッシュをアッパーに使用。モデルチェンジにより足とのフィット感も向上している

ミッドソールは「ナイキ ペガサス39」から継承。前足部だけでなくかかと部分にも反発性能にすぐれた「Zoom Airユニット」を内蔵している

ミッドソールは「ナイキ ペガサス39」から継承。前足部だけでなくかかと部分にも反発性能にすぐれた「Zoom Airユニット」を内蔵している

シューズ外側と内側でブランドロゴであるスウッシュのカラーリングを変更するなど、デザインにもこだわっている

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アウトソールはナイキ伝統のワッフルパターン。アスファルトやコンクリートといった舗装路だけでなく、土や芝生といったオフロードでも高いグリップ性を発揮する

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「ペガサス」シリーズの汎用性の高さをしっかりと継承!

「ナイキ ペガサス40」を履いて実際に走ってみた!

「ナイキ ペガサス40」を履いて実際に走ってみた!

ナイキの「ペガサス」シリーズに関しては、復刻版を除いて20種類以上を着用してきたが、いずれのモデルもすぐれた走行性能を有していることはもちろんのこと、その高い汎用性も体感してきた。特に25弾モデルの「ゴアテックス」バージョンは、タイや香港を始めとした東南アジアに渡航した際に八面六臂の大活躍。防水透湿性にすぐれたアッパーは突然の雨でもシューズ内部を快適に保ち、高い走行性能は日課の6kmランにも対応してくれたからだ。これ以外にも同シリーズの数々のモデルを履いてきただけに、今回の「ナイキ ペガサス40」の登場は楽しみだった。

まず外観をチェックしてみると、前作39弾を継承したソールユニットは、業界全体でミッドソールが厚手になった昨今では、さほど厚い部類には入らない厚さ。アッパー部分のモデルチェンジは、視覚的にはシューズ外側と内側でスウッシュのカラーリングを変更している点に気づいた。

足を入れてみると、自分の足の足長と足囲に無理なくフィット。このモデルにはエクストラワイドと呼ばれる幅広の足のランナーにも対応するタイプも用意されているが、自分は標準タイプで問題なくフィットした。

実際に走り始めてみると、「ペガサス」特有の衝撃吸収性や反発性、着地安定性を高いレベルで兼ね備えていることが理解でき、この点からも初心者から中級レベル以上の幅広いランナーに対応可能なこともわかった。

ペースアップしてみると、アッパーのスペック変更によるフィット感の向上により、脚力の路面への伝達効率もよくなっている。第37弾と第38弾モデルにおける厚底化とソール形状の変更で、「ペガサス」シリーズは転がるような走行感へと変化したが、前作では前足部への踏み込みに素早く反応してペースアップできる同シリーズの従来モデルに近い走り心地に戻っていた。それがこの「ナイキ ペガサス40」にも継承されている。

6分30秒/kmくらいのペースで走り始め、最終的に4分50秒/kmほどまでペースを上げてみたが、いずれのペースでも快適に走れたことで、「ペガサス」シリーズの汎用性の高さもしっかりと受け継いでいることを確認できた。他ブランドの初心者対応シューズが保護性能にはすぐれているいっぽうで、ペースアップしにくいのとは対照的だ。

【まとめ】いい意味でクセがない汎用性抜群の1足!

以上のように、「ナイキ ペガサス40」は、前作の走行性能を受け継ぎつつ、アッパーのフィット感の向上に成功。「ペガサス」シリーズが、ランニング業界を代表するトータルバランスにすぐれたランニングシューズの代名詞として長年君臨してきた理由がわかった気がする。従来モデルと同様にいい意味でクセがないのも特徴で、あらゆるタイプ、レベルのランナーに対応することができるだろう。

ひとつだけ心配なのは、現在のメーカー希望小売価格が15,400円(税込)だということ。最近の物価高を考慮すると許せるレベルではあるが、「初心者がランニングシューズに考えている予算は12,000円前後」という売り場の声が少なくないように、それと比較すると3,000円ほど高いのだ。機能性は数代前の「ペガサス」と比べるとかなりアップしているので、その分のコストと考えれば納得できるが……。

いずれにしろ、「ナイキ ペガサス40」は業界屈指の汎用性を備えており、シューズ選びに迷ったときにはまず検討してほしい1足である。

南井正弘
Writer
南井正弘
1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツシューズブランドのプロダクト担当として10年間勤務後、ライターに転身。スポーツシューズ、スポーツアパレル、ドレスシューズに関する記事を中心に執筆しており、ランニングギアマガジンやランニング全般のポータルサイト「Runners Pulse」の編集長も務めている。
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牧野裕幸(編集部)
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牧野裕幸(編集部)
アイテム情報誌「GetNavi」や映像エンタメ情報誌「DVD&Blu-rayでーた」(当時)の編集者を経て「価格.comマガジン」へ。スティック&ロボット掃除機、コーヒーメーカー、扇風機、電動歯ブラシ、電気ケトルなどの白物家電のほか、AV機器や加熱式タバコを担当しています。LOVE, LINKIN PARK.
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