オンの「Cloudflow(クラウドフロー)」は、超軽量で高反発、そして圧倒的な加速感を兼ね備えたハイパフォーマンスモデル。トレーニングにもレースにも対応可能なうえ、あらゆるタイプのランナーにマッチするスピードモデルだ。
今シーズンにリリースされた「Cloudflow 4(クラウドフロー 4)」は、従来モデルの特徴に加え、ソールユニットをボリュームアップすることで、着地時の衝撃吸収性能がアップ。これまで以上に汎用性にすぐれた一足に仕上がっているという。
On「クラウドフロー 4」の「White/Hay」。公式サイト価格は18,480円(税込)
オンの「クラウドフロー」は、初代モデルが2016年にデビューして以来、数多くのアスリートを優秀な成績へと導いてきたシリーズ。幾度かのモデルチェンジを経て、機能性の向上を図ってきたが、「速めのペースにマッチしている」「特に推進力にすぐれている」「前足部で接地感が得られる」「高い着地安定性を確保している」という4つのポイントは継承してきた。
今回リリースされた「クラウドフロー 4」は、これらの特徴に加え、いくつかの改良点がプラスされている。まず、アッパーには超軽量のウーブン素材を使用。同社の最速レーシングシューズ「クラウドブーム エコー」に着想を得て設計されており、通気性とパフォーマンスが向上。前モデルよりも素早い加速が可能となった。
ソールユニットには、超高反発かつ、やわらかなクッショニングをもたらす「Helionスーパーフォーム」を2層で使用している。密度の異なる2種類の「Helionスーパーフォーム」を用いることで衝撃吸収力が高まり、着地感が従来モデルよりもソフトになると同時に反発性も向上。つまり、弾むようなライド感によりこれまで以上にスピーディーな走りを、より幅広い層のランナーに提供できるようになったわけだ。
アッパーには、超軽量のウーブン素材を使用。エンジニアードメッシュやニット素材よりも変形が少ないので、ペースアップした際など、アスリートの動きを素早く効率よく路面へと伝達する
「CloudTec」のミッドソール全体に、密度の異なる2種類の「Helionスーパーフォーム」を使用
ソールユニットには、新たにスプーン形状の「Speedboard」を内蔵。ナイロンを配合することで、前モデルよりも硬度と強度が増しただけでなく、軽量化も実現している。また、アウトソールパターンには、アスファルトやコンクリートといった舗装路で最高のグリップを発揮するタイプを採用
「クラウドフロー 4」を実際に履いて走ってみた!
オンの「クラウドフロー」に関しては、初代からすべてのプロダクトを履いてきて、そのスピードの出しやすさ、着地安定性の高さ、そして蹴り出しやすさを体感してきた。
今回の「クラウドフロー 4」を最初に見たときに思ったのは、「ソールユニットがかなりボリューミーになったなぁ」ということ。特に前足部のソールユニットが厚くなったことで、サイドシルエットは従来モデルの面影がほとんどない。
足を入れてみると、立っているだけでソールユニットの厚みが感じられる。伸びの少ないウーブン素材をアッパーに使用したことで、従来モデルよりも若干タイトなフィット感だが、窮屈さはない。
実際に走り始めてみると、高い着地安定性や推進力による加速のしやすさは従来モデルから継承されているが、明らかにクッション性がアップしている。そして、アッパー素材が変更されたことで、ペースアップした際のシューズへの脚力の伝達がスムーズかつクイックになった。
無理なく速めのペースで走ることができ、日課としている6kmランでは飽き足らず、思わず10kmまで距離を伸ばしてしまうほど。最終的に4分50秒/kmほどまでスピードを上げたが、終始、快適な走り心地で、翌日の疲労感もほとんどなかったことから、「クラウドフロー 4」の保護性能の高さもしっかりと体感できた。
以上のように、オンの「クラウドフロー 4」は、従来の「クラウドフロー」シリーズよりもクッション性を高めたことで、推進力だけでなく保護性能にも留意していることが理解できた。もちろん、これまでの「クラウドフロー」シリーズで継承されてきた「速めのペースにおける走りやすさ」はないがしろにされていないため、歴代「クラウドフロー」を履いてきたランナーも安心してセレクトできるだろう。
昨今の円安やコスト高により2万円を超えるランニングシューズも珍しくなくなったが、「クラウドフロー 4」は走行性能の大幅アップに成功しながらも、2万円以下の価格に抑えているのもうれしいポイントだ。