レビュー

運動がはかどるナイキの二刀流シューズ! 「モティバ」を履いてウォーク&ラン

健康維持のため、ダイエットのため、運動不足解消のため。場所や時間を選ばずに、手軽に始められるのがウォーキングやランニング。ケガの予防や快適性を考えるなら、当然専用に設計されたシューズが望ましい。たとえば、バスケットボールシューズをベースとしたスニーカーは、ジャンプ後の着地時の安定性や横の動きに対するサポート力などにはすぐれているが、歩くのに適したしなやかさや、かかとからつま先への重心移動のしやすさには欠けるからだ。

ランニングとウォーキングでは、前方向に一定のペースで進み続けるという点は共通しているが、着地衝撃や足運びには明確な違いがある。確かに、ビギナー向けのランニングシューズでスムーズに歩くことは可能だし、ウォーキングシューズでものんびり走ることはできる。しかし、歩く動作にフォーカスしたモデルのほうがよりウォーキング時の快適性が高まるため、ランニングシューズとウォーキングシューズを別々に開発・販売しているスポーツメーカーは多い。

とはいえ、いざ運動を始めようとしたとき、「そもそもウォーキングをしたいのかランニングをしたいのか、自分でもわからない」「ランニングをしたいけれど、走り続けられる自信がない」「ウォーキングをしてみて、気分が乗ったら走りたい」などと考えている人は案外多いはず。そんな人におすすめしたいのが、「ナイキ モティバ」だ。

歩いても走っても快適。運動を楽しむことを目指したシューズ

「ナイキ モティバ」の開発は、ナイキが提供しているランナー向けのアプリ「ナイキ ラン クラブ」に記録されたあるデータがきっかけとなっている。「ナイキ ラン クラブ」に初めて記録されるワークアウト(つまり意を決してランニングを始めた人の初日のデータ)の大半が、1kmあたり8分程度のペース(早歩き程度のペース)だったという。しかも同じペースで走り続けているわけではなく、記録された運動時間中、走ったり歩いたり、時には止まったりを繰り返していることがわかった。そうした行動に適したシューズとして開発されたのが、「ナイキ モティバ」というわけだ。

“歩く”も“走る”も快適に行える「ナイキ モティバ」。公式サイト価格は13,530円(税込)。写真のカラーはアストロノミーブルー/ハイパークリムゾン/ブラック/アストロノミーブルー

“歩く”も“走る”も快適に行える「ナイキ モティバ」。公式サイト価格は13,530円(税込)。写真のカラーはアストロノミーブルー/ハイパークリムゾン/ブラック/アストロノミーブルー

ナイキの開発チームは、運動として主にウォーキング、ジョギング、ランニングを行っている1,000人以上のニーズを把握するところからシューズの開発をスタート。運動を楽しめて、続けたくなるシューズを作ることを目指して「ナイキ モティバ」は作り上げられた。そう、最初からウォーキングとランニングを快適に行える二刀流シューズとして作られた稀有な存在なのだ。

“次の一歩”をスムーズにするユニークなソール構造

ナイキの開発チームは、ランニング時でもペースが遅いときはかかとから着地する人が多いことに着目(ウォーキングの場合は基本的にかかと着地。エリートランナーは中足部から前足部で着地することが多い)。「ナイキ モティバ」のソールは、前方への重心移動をスムーズにするため、ロッキングチェアのような形状になっている。かかとから着地すると、転がるように中足部、前足部へと重心が移り、蹴り出しを滑らかに行える。

ミッドソールには、クッション性にすぐれた「クシュロン 3.0フォーム」を採用。ランニング時の大きな着地衝撃もしっかりと緩衝する。

ミッドソール全体にクッション性にすぐれた「クシュロン 3.0フォーム」が採用されている

ミッドソール全体にクッション性にすぐれた「クシュロン 3.0フォーム」が採用されている

アウトソールの形状・パターンはかなり個性的だ。必要なときに適切な部分が圧縮することで、よりソフトな履き心地を生み出す「コンフォート グルーブ」と名付けられた凹凸を配置。収縮から反発することで生まれるエネルギーリターンによって、疲労軽減が期待でき、歩く・走るという動作が効率よく、楽しく行えるという。

疲れにくさ、歩行および走行動作の効率のよさを追求して生まれたアウトソール形状

疲れにくさ、歩行および走行動作の効率のよさを追求して生まれたアウトソール形状

着用テスト中、「足幅の狭いシューズが好きではない」という声が多かったことから、前足部にゆとりのある新しいラスト(足型)が採用されている点も「ナイキ モティバ」の特徴。これから運動を始めようとしている人のニーズに徹底的に応えたシューズと言えるだろう。

前足部にゆとりのあるラスト(足型)が採用されている

前足部にゆとりのあるラスト(足型)が採用されている

心地よいフィット感も「ナイキ モティバ」の魅力

「ナイキ モティバ」に足を入れると、まず快適なフィット感が得られる。内部に継ぎ目のないハーフブーティー構造になっていて、特に中足部が足に吸い付くようにフィットする。履き口の周辺にもやわらかいフォームが使われていて、足首まわりの足当たりはとてもソフトだ。フィット感のよさ、足あたりのソフトさは“履きたい”につながるだけでなく、靴擦れやマメなどのリスクを小さくするポイントでもある。

歩き出してみると、着地のソフトさ、重心移動のスムーズさが感じられる。アウトソールの「コンフォート グルーブ」と、ロッキングチェアのような形状の相乗効果だと思うのだが、大玉送りの玉のように、足を前へと送り出されるような感覚が得られた。長時間歩いていても快適性は損なわれず、気持ちよく歩き続けられた。

ハーフブーティー構造が採用されたアッパー。足にぴたりとフィットする

ハーフブーティー構造が採用されたアッパー。足にぴたりとフィットする

もちろんランニングシューズとしても、十分な機能を備えている。レーシングシューズのようなスピードは望めないものの、日々のジョギング、ゆっくりと長く走るLSDのようなトレーニングには最適なバランスのシューズだろう。

【まとめ】ウォーキングとランニングの兼用シューズとして最適な一足

健康維持やダイエットのためにランニングをしようと決意しても、“走り続ける”ことはなかなかハードルが高い。歩く日があってもいいし、ひとまず歩いてみて足腰の調子がよくて気分が乗ったら少し走ればいい、そう考えておくと継続の難易度が下がるはず。歩くにせよ、走るにせよ、まずは有酸素運動を習慣化したい――。「ナイキ モティバ」は、そんな人に寄り添ってくれるシューズと言える。

運動不足解消のためにウォーキングやランニングを始めようとしているならば、最初に購入するシューズの候補に入れておいて損はないはずだ。

ユニークなソール構造がスムーズな重心移動をサポートしてくれるため、足を前へ送り出されるような感覚で歩いたり走ったりできる

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神津文人
Writer
神津文人
雑誌編集者(3媒体でトータル15年。モノ雑誌では副編集長を務める)を経て、フリーランスのライター&エディターに。ヘルス&フィットネス、スポーツ領域を中心に活動中。書籍の構成も手掛ける。趣味は柔術。ときどきランニング。
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岡田 太(編集部)
Editor
岡田 太(編集部)
雑誌とWebでファッション/ライフスタイル系メディアの編集長を務め、「価格.comマガジン」へ。被服費&趣味関連の散財でクレジットカードを使い倒してきた経験を生かし、現在はクレカを中心としたマネー記事を担当。
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