カロスの最新GPSウォッチである「COROS PACE Pro(カロス ペース プロ)」は、高性能プロセッサや色彩鮮やかなAMOLED(有機EL)ディスプレイを搭載。業界をリードする低電力消費テクノロジーを、コンパクトな本体に凝縮しており、最先端のトレーニング体験を提供できるようになった。そして、この高性能をリーズナブルプライスで実現している点にも注目が集まっている。
カロスのGPSスポーツウォッチ「カロス ペース プロ」。公式サイト価格は49,940円(税込)
「カロス ペース プロ」(以下、「ペース プロ」)は、カロスのウォッチコレクションにおいて、ロードランや屋内スポーツ、マリンアクティビティ向けモデルである「PACE(ペース)」コレクションにラインアップされる最新モデルだ。
ちなみに、2016年リオデジャネイロオリンピック、2020年東京オリンピックで男子マラソン競技を2連覇したエリウド・キプチョゲ(ケニア)や、日本を代表するマラソンランナーである大迫 傑も、このコレクションの愛用者である。その比類なき軽量性は、トップアスリートの走りを妨げない。このコレクションの登場によって「GPS=重い」という従来のイメージが払拭され、世界トップレベルのマラソン選手がレース時にもGPSウォッチを使用するようなったと言っても過言ではないだろう。
今回「ペース プロ」に採用された、常時点灯が可能なAMOLEDディスプレイは、鮮やかな色合いや1,500 Nitsの明るさから、日中だけでなく夜間でも画面が見やすいのが特徴。ディスプレイが、同じコレクションに属する「ペース 3」の1.2型から、1.3型へと大きくなったことも相まって、走行中の視認性が大幅にアップしている。
常時点灯可能なAMOLEDディスプレイは、日中だけでなく夜間でも画面が見やすい。ディスプレイが1.3型になったこともあり、走行中の視認性が格段に向上
インターフェイスは以前のカロスとほぼ共通なので、以前からの同ブランドの愛用者は使い方に迷うことはない
常時オンのモードで、スタンバイモードはこの表示となる
筆者はこれまでに数十のGPSウォッチを使ってきて、そのうちカロスは4モデルだった。最も気に入っていたのは「ペース3」で、GPSの正確性も信頼していたし、その軽量性とフィット感はフルマラソンのような長時間走行でも快適な着け心地をキープしてくれた。ただ、唯一不満だったのが、他ブランドの多くが採用していた視認性の高い有機ELディスプレイを使用していなかったこと。日常生活からレースまで「ペース3」をレギュラーで使用していたものの、レビューのために他ブランドの有機ELディスプレイ採用モデルをテストするたびに、「カロスがこれくらい見やすい液晶ディスプレイだったらなぁ……」と思っていた。
幾多のGPSウォッチを試してきた筆者の評価は……?
そんなときに「ペース プロ」が登場したわけで、実際に使い始めると、思わず「コレコレ、これを待ってたんだよ!」と声が出た。「ペース3」との違いは細かい部分でいくつかあるが、シンプルに言えば、「ペース3」の機能性を継承しつつ、AMOLED(有機EL)ディスプレイの採用で視認性が大きくアップした、ということ。操作方法やインターフェイスもほとんど同じなので、使い方に迷うことはないだろう。
マップ機能が追加されたのも朗報だ。それゆえに手に入れて間もないタイミングの「おかやまマラソン」も、「ペース3」ではなく「ペース プロ」で走った。重量も49gと、シリコンバンド使用時で10gほど重くなっただけで、その違いはほとんど感じなかった。さらに業界最先端のプロセッサの使用により、全システムオンで38時間と、「ペース3」よりもバッテリー寿命が延びているのもうれしいところだ。
個人的にひとつ残念だったのは、充電端子の形状が変更されたこと。USB Type-C対応のキーリング付きのアタッチメントになったのは便利だが、従来の形状のままであれば、以前の充電コードも使用できたので、より便利だったと思う。
カロスの「ペース プロ」は、「ペース3」から継承されたGPSの正確性や軽量性、フィット感、ロングバッテリーライフにAMOLEDディスプレイの採用による視認性の高さをプラスしており、満足度がとても高いプロダクトとなっている。
「ペース3」の希望小売価格が33,000円(税込)なのに対して、「ペース プロ」は49,940円(税込)と、16,940円の価格差があるが、個人的にはこのディスプレイの美しさに17,000円弱を払う価値はあると思う。マップ機能がプラスされたのも大きなアドバンテージだ。
ちなみに他ブランドであれば、同程度の機能やスペックを有していると6万円は超える価格設定になっていることが多い。「ペース プロ」は、初めてのGPSウォッチとしても最適だし、「ペース2」や「ペース3」からの買い替え候補としても強くプッシュしたいプロダクトである。
同程度のスペックを持つモデルで比較すると、他社ラインアップよりもリーズナブルなプライス設定がうれしい(画像はメーカー公式サイトより引用)