かかととつま先の高低差のないゼロドロップ構造で、人間本来の姿勢やランニングフォームを提供するALTRA(アルトラ)は、世界中のランナーから「怪我をしにくいシューズ」という評価を得ているブランドだ。そんなアルトラのオンロードモデルにおけるベストセラーのひとつである「TORIN(トーリン)」がフルモデルチェンジ。まったく新しいスペックを採用した「TORIN 8(トーリン 8)」は、ブランド史上最高のフィット感を追求したモデルとなった。
アルトラ「トーリン 8」。公式サイト価格は、22,000円(税込)
「トーリン 8」は、アルトラのロードカテゴリー随一の万能モデルとして人気が高い「トーリン」の最新モデル。同ブランドの歴史においても最高のフィット感を追求した一足である。
アッパーのヒール部分から前足部までの自然なフィットにより、どんな距離やスピードでも快適にストライドを重ねることが可能に。その鍵となるのは、従来のアルトラのシューズにない硬めの成形ヒールカラー。フィット感を格段に向上させると同時に、自然な足の着地をうながし、一歩一歩を力強くサポートしてくれるという。
また、新たに採用されたジャカードメッシュアッパーが、軽量性とすぐれた通気性を実現。長距離の使用でも快適さを維持する。「ALTRA EGO MAXミッドソール」は、コンパウンドの調整によりクッション性が向上。ラグジュアリーな履き心地を長時間キープし、快適なランニング体験を提供する。
アッパーには軽量性と通気性の高いジャカードメッシュを採用
ミッドソールの「ALTRA EGO MAX」によりクッション性が向上。ラグジュアリーな履き心地を長時間キープする
アスファルトやコンクリートといった舗装路で最高のグリップ性を発揮するアウトソールパターン
筆者は、これまで数え切れない数のアルトラのシューズを履いてきて、裸足で立っているときの状態に近いゼロドロップというコンセプトの革新性に触れてきた。この構造のシューズは中足部着地をうながして、脚全体をショックアブソーバーのように使えて、着地衝撃を緩和することから、ランニング障害に悩まされてきたランナーから高い支持を受けてきたのが頷けた。
今回リリースされた「トーリン 8」は、同ブランドが誇るオンロードカテゴリーにおけるベストセラーの一角を占める人気の一足。個人的に特に注目したスペックは、これまでアルトラのシューズはかかと周囲をやわらかくし、足に沿うような構造で知られていたのに対して、硬めの成形ヒールカラー、すなわちヒールカウンターを採用したこと。初めは「アルトラらしさを失ってしまうのでは!?」と心配したが、足を入れて走り始めると、その心配は杞憂に終わった。
アルトラらしさは健在か!?
アルトラらしい中足部からの着地をうながし、脚全体を使うような走行感はしっかりと継承。それでいて、他ブランドからの履き替えランナーが感じていた、「こんなやわらかいヒールカウンターで大丈夫なのか?」という心配を払拭してくれるかっちりとしたかかと部分のフィット感と、アルトラらしい走り心地を兼ね備えているのだ。
さらにミッドソールの「ALTRA EGO MAX」は、従来よりもクッショニング性能が増しており、これまで以上に楽しく、快適に走れるようになった。個人的には1週間から2週間に一度はアルトラのランニングシューズを履いて、人間本来の脚部の動きを忘れないようにしているが、このシューズの登場により、その頻度を増やそうと思う。それほど快適だ。
アルトラの「トーリン 8」は、従来のアルトラらしい走行感を失うことなく、新たなユーザーを獲得すべく、硬めのヒールカウンターという、これまでにないスペックをプラス。走行レビューにもあるように、これまで以上にクッション性を増したことで、ファンランナーも気に入る一足になっていると思う。税込みで22,000円という価格設定は、以前のアルトラのランニングシューズと比較すると高く感じるかもしれないが、そのパフォーマンス性能や昨今の他ブランドのプライスを考慮すれば、決して高くないと思う。