提供:JMGO
ジンバルスタンド一体型で天井への投写も簡単。JMGO「N1S Ultimate 4K」は4K映像の再生に対応したブランド最上位モデルだ
自在に動いて簡単に大画面を投写できる、ジンバルスタンド一体型プロジェクターで人気を博すJMGO(ジェイエムゴー)の躍進が止まらない。3色レーザーで明るい映像を実現した4K表示対応の「N1S Ultra 4K」などが価格.comでも人気だが、さらにその上位モデルである「N1S Ultimate(アルティメット)4K」が発売されたのだ。より映像が明るくなり、ゲーム向けの低遅延モードを進化させ、さらには日本映画やモノクロ映画に向いた映像モードを備えたというフラッグシップモデルの詳細を紹介しよう。
JMGOの「N1S」シリーズは、RGB(赤緑青)3色レーザーの搭載とジンバルスタンド一体型のデザインが特徴だ。スタンドの縦方向は135度、横方向(底面)は360度回転可能
まず確認しておきたいのは、JMGOの「N1S」シリーズに共通した特徴だ。写真を見てわかるとおり、「N1S Ultimate 4K」はジンバルスタンドが一体型のプロジェクター。左右や上下好きな方向に映像を投写して、どこでも大画面を実現できる。たとえば、天井への投写ならばレンズ面を上に向けるだけ。自動で映像の補正やフォーカス合わせが働いて、レンズを向けた場所が画面に早変わりする。
OSはGoogle TVなので、各種アプリをインストールすれば再生するコンテンツも自由自在。NetflixやAmazonプライム・ビデオなどをこれ1台で再生できる。こうした利便性が「N1S」シリーズが人気である理由のひとつであることは間違いない。
本体のレンズ面を動かすと、自動で台形補正とフォーカス合わせが働き、リアルタイムで“正しい”映像が投写される。手動で細かな設定をする必要のない、初心者にもやさしい設計だ
レーザー光源は日亜化学工業製の小型3色レーザーモジュール「QuaLas(クオラス)RGB」
そして、その利便性を支えるのが3色レーザーと独自設計の光学系による高品位な画質だ。より純度の高い色再現を期待できるという3色レーザー方式は、現在でも特に注目すべきスペックのひとつ。2022年の「N1 Ultra」(日本での発売は2023年)で「Android TVを搭載したホームプロジェクターとして」日本で初めて3色(RGB)レーザーを搭載して以来、RGB(赤緑青)3色が独立したレーザー光源を搭載するプロジェクターのリリースを精力的に続けており、着実にブラッシュアップされてきている。
その効果はスイッチを入れればすぐにわかる。多少部屋が明るくとも、びくともしない鮮やかさと明るさで、思わず「おっ!」と声が出てしまったほど。映像が明るいというのは、基礎体力が高いということ。映像を100インチ以上にしても暗くならないダイナミックレンジの広い映像を再現できる。つまり幅広いシーンで高画質を期待できるのだ。
弟モデルである「N1S Ultra 4K」が3,000ルーメン(ISO)、「N1S Pro 4K」が2,500ルーメン(ISO)というスペックだったのだが、「N1S Ultimate 4K」は3,300ルーメン(ISO)。「N1S Ultra 4K」も「N1S Pro 4K」も実用上は十分に明るい映像ではあるが、明かりのついた部屋で使うかどうかがこれらを選び分けるポイントになるだろう。暗い部屋でも明るい部屋でも使いたいならば「N1S Ultimate 4K」が間違いない。
より明るい映像を再現できる、というだけでプロジェクターとしての根本的な能力向上は十分果たされているのだが、「N1S Ultimate 4K」の進化はそれだけにとどまらない。ゲームユーザーを意識して超低遅延モードを搭載したのだ。
ゲームプレイ時に役立つ超低遅延モードを搭載。4K映像を60p再生する場合の遅延は17ms
プロジェクターの低遅延モードとは、映像の補正機能を使わないことで映像処理のスピードを優先するモードのこと。新設された超低遅延モードでは、台形補正と映像補間機能がキャンセルされる。実際に超低遅延モードを選んだ場合の遅延は17ms(1080/60Hz、4K/60Hz駆動時)。映像補間機能だけがキャンセルされる従来の低遅延モードが35ms(1080/60Hz、4K/60Hz駆動時)なので、大幅な低遅延化を達成していることになる。
これならば家族で遊ぶリズムゲームやスポーツゲームなどのプレイ時に困ることはないだろう。FPSをシビアにプレイするのは難しいはずだが、そもそもそういうユーザーはもっと小さい画面でプレイするはず。17ms(1080/60Hz、4K/60Hz駆動時)という数値はプロジェクターとしてはかなり優秀であり、実用上の必要十分なスペックと言える。
映像設定のメニューから低遅延モードを選択できる。「低遅延」では映像補間機能を、「超低遅延」では映像補間機能と台形補正機能をキャンセルする
冒頭のとおり、「N1S Ultimate 4K」には日本映画やモノクロ映画に向いた映像モードが追加されている。それが「画像モード」の「ソフト」だ。JMGOのプロジェクターは、鮮やかなだけでなく表現の幅が広いことも特筆されるポイント。以前からの「映画」モードとは何が違うのだろうか。
いわゆる映像モードである「画像モード」として写真の6種が用意される。バラエティ番組などは「標準」、映画作品は「映画」などを使い分けられるほか、日本映画向けのモードとして「ソフト」が追加された
具体的なパラメーターは開示されていないのだが、一般的な映画向けとして用意された「映画」モードとの違いは一目瞭然だった。
「ソフト」モードを試してみると、「映画」モードよりも色温度が高く(青っぽく)、全体のコントラスト感が強調される。「日本映画」とはどういう作品なのか? と疑問に思われるかもしれないが、あまり深く考えず広く使えそうなクセのない画質で、テレビドラマやその延長の劇場版映画などにぴったりフィットしそうだ。
もういっぽうで再生推奨作品としてあげられているのがモノクロ映画。上記の日本映画とは対極にありそうだが、使ってみれば納得。高すぎも低すぎもしない色温度で、ホワイトバランスのとり方が絶妙なのだ。Amazonプライム・ビデオで「雨月物語」(1953年のモノクロ作品)を再生してみると、モノクロ映像の黒がグッと締まり、色の付かないモノクロらしさが感じられるのは「ソフト」モード。「映画」モードよりも断然見栄えのする映像になった。
それだけでなく、「ビビット」や「標準」では色が鮮やかすぎる、と感じるコンテンツがあれば試してみる価値があるだろう。バラエティ番組などはともかく、「ソフト」を常用するモードにしたいと思うほどよくできている。上記のとおりホワイトバランスが適正なので、テレビアニメ作品にもよくフィットしていた。
以前からユーザーが独自に画質をカスタマイズできる余地はあるのだが、万能に使えるプリセットが用意されているのは非常にありがたい。「ソフト」モードは、便利に使えるプロジェクターの魅力を引き立てる、大いに注目すべき新機能だ。
「N1S Ultimate 4K」のスペックだけを確認すると先行したモデルより明るいだけのようにも見えるのだが、実際はそれ以上の価値を提示する、「Ultimate」=究極の名前にふさわしい製品だ。
映像の明るさというプロジェクターの根源的なクオリティを向上させ、どんな場所でも使える利便性をしっかり補完している。それに加えて、大画面で気軽にゲームを楽しみたいという要望に応える超低遅延モードを搭載。さらには日本映画やモノクロ映画向けの「ソフト」という映像モードも新設された。
「N1S Ultimate 4K」は、着実にプロジェクターとしての品質を向上させただけでなく、コンテンツに合わせて再現性を変える懐の深さも持ち合わせたフラッグシップモデルなのだ。JMGOの他製品よりも高価ではあるものの、「どのように使うかと聞かれても困る」「どれを選べばよいかよくわからない」と思ったら、「N1S Ultimate 4K」を選べば間違いはない。
また、これと同時に注目すべきモデルが登場したことも紹介しておきたい。コンパクトな本体に4K表示と3色レーザー光源を詰め込んだ「N1S 4K」だ。「N1S Ultimate 4K」よりもひとまわり小さいのに、4K表示を実現してスペックに妥協なし。よりコストパフォーマンスを重視する人、コンパクトなプロジェクターを求めているという人は必見の製品なのだ。
同時に発表された3製品。中央が希望小売価格397,980円(税込)の「N1S Ultimate 4K」、右が同194,480円(税込)の「N1S 4K」、左が同92,180円(税込)のフルHDモデル「N1S Nano」