今、G-SHOCKの中で売れているモデルとは?
国民的人気を誇るカシオ計算機の腕時計ブランド「G-SHOCK」は、価格.com上でも人気だ。
価格.comの「腕時計 人気売れ筋ランキング」においては、ロレックスやオメガといった超有名高級時計ブランドがひしめく中で上位に食い込み、持ち前の強さを発揮している。
それでは、G-SHOCKの今の人気モデルは何なのか? 同ランキングにおけるG-SHOCK のTOP5(2020年4月27日時点)を取り上げ、現在のトレンドに迫ってみたい。
まずは5位から。
TOP5に食い込んだのは、2018年発売の「MT-G MTG-B1000D-1AJF」だ。
2018年10月に発売された「MT-G MTG-B1000D-1AJF」。公式サイト価格は110,000 円(税込)
「MT-G」は、メタルと樹脂を融合したデザインコンセプトと、すぐれた機能をかけ合わせたG-SHOCKのハイエンドシリーズ。2018年6月、箱型フレームでモジュールを保護する「新コアガード構造」の採用で、ケースのミドルサイズ化を果たした「MTG-B1000」が発売され、現行「MT-G」シリーズのコアモデルとなっている。
ミッドサイズ化を果たし、着用しやすくなった
当初お披露目された「MTG-B1000」は樹脂バンドのみが付属していたが、より高品位なSS(ステンレススチール)バンドを採用したのがこの「MT-G MTG-B1000D-1AJF」だった。
バンド裏面には、軽量かつ高耐久性を誇るファインレジンパーツを組み合わせており、タフさと軽量性に加え、アクセントカラーとしての存在感を高める要素として機能している。
バンド裏面にファインレジンパーツを採用
現在ではいくつかのカラーバリエーションが揃っているが、メタルの素材感とG-SHOCKらしさが的確に表現されていることから、このシルバーケース×レッドのアクセントというカラーが人気だ。
ミッドサイズとはいえ、G-SHOCKらしい存在感は健在
価格.comのユーザーレビューには、
「色もデザインも抜群です」
「このゴツゴツしたデザイン最高です!」
といったコメントが寄せられており、MT-Gシリーズが目指すひとつ上の高級感がしっかりと伝わっているようだ。
続く4位にランクインしたのは、こちらも2018年発売の「GMW-B5000-1JF」だ。
2018年6月に発売された「GMW-B5000-1JF」。公式サイト価格は55,000 円(税込)
G-SHOCKというブランドのみならず、国内時計業界においても2018年最大のトピックスのひとつとなったのが、G-SHOCK35周年の節目に合わせてケースのフルメタル化を実現した「GMW-B5000」の登場だった。4位にランクインした「GMW-B5000-1JF」は、その衝撃のデビューから約2か月経ったのちに登場した続弾モデルだ。
バンドにソフトウレタンを起用
特徴は、フルメタルのケースはそのままに、バンドにソフトウレタン素材を採用したこと。これにより、SSバンドよりも大幅な軽量化を実現するとともに、フィット感を向上させている。
バンド取り付け部に「トロガミド」を採用
落下時に最も衝撃が加わるバンド取り付け部には、高い耐衝撃性を誇る素材「トロガミド」を採用し、バンド取り付けパイプに加わる衝撃を低減。ただソフトウレタンに換装させただけでなく、高度なテクノロジーをしっかりと盛り込んだところに、同シリーズがG-SHOCKのひとつの集大成だという意気込みを感じさせる。
装着感の高さも魅力
ユーザーレビューでは、
「臨機応変に装着具合を変えられるのはウレタンバンドの魅力」
「見た目もG-SHOCKらしくて、すごくカッコイイ! バンドも樹脂なので軽くて楽です」
と評価する声が続出。「GMW-B5000」シリーズの魅力と着けやすさを両立させたいユーザーの心を射止めたようだ。
3位には、現行「MT-G」シリーズの中でも最上位に位置付けられる「MTG-B1000XBD-1AJF」がランクイン。
2019年10月に発売された「MTG-B1000XBD-1AJF」。公式サイト価格は148,500 円(税込)
デザインや基本性能は、5位のモデルと同じミドルサイズの「MTG-B1000」。ただそれと異なっているのは、業界初の「カーボン積層ベゼル」を搭載したことだ。
ストライプ柄を描いたカーボン積層ベゼル
時計などの工業用品に使われるカーボン素材は、シート状の素材を重ねて焼成したうえで切削成形することが多い。そうすると、通常カーボンシートは焼成過程で混ざり合うのだが、G-SHOCKのデザイナーは積層面をデザインのひと要素として表現できないかと発案。試行錯誤の末、見事なストライプ柄の表現を成功させた。時計は顔が命だが、サイドビューにまでこだわるところにG-SHOCKの挑戦的な野心をうかがわせる。
ベゼル表面はカーボンの織り柄を表現
ベゼル表面には、カーボンらしい織り柄を表現。2019年には、G-SHOCKは第3の素材としてカーボンの活用に注力しており、本機はデザイン表現として最大限に生かした好例と言えそうだ。
カーボンのよさを最大限に発揮
ユーザーレビューには、
「ブラックIPとカーボンベゼルに、多層になった赤の差し色がかわいらしさもあってオシャレです」
「カーボンを取り入れた軽量化、ケースのコンパクト化により実用的になって、カーボンブラック×レッドのカラーリングは絶妙でカッコよくオシャレです」
「今まで数多くのG-SHOCKを購入してきましたが、着け心地のよさ、高級感×スポーティーなデザインで、この『MT-G』が1番理想的なモデル」
といった書き込みが散見され、同ブランドの前衛的な取り組みを支持するユーザーが多かった。
【より詳しいレビューはこちら!】
G-SHOCKの新「MT-G」はこだわり尽くし! 従来品との大きな違いは側面にあった
2位は、フルメタルケースシリーズの「GMW-B5000GD-1JF」。
2018年9月に発売された「GMW-B5000GD-1JF」。公式サイト価格は74,800 円(税込)
今作は、シリーズデビューから約5か月後、新たなカラーバリエーションとして登場したブラックモデルだ。
パーツごとに異なる仕上げが高級感を生んだ
本モデルは、すべてをブラックカラーに統一。その上で、ベゼル正面とSSバンドはヘアライン、ケースはポリッシュというように各パーツで異なる仕上げを施すことで、メタルを使ったシリーズらしい高級感を醸成させている。
また、液晶には斜めの角度からでも時刻表示が判読しやすい液晶「STN-LCD」を用いており、視認性も向上させた。
見た目どおりの重厚感を評価する声も
レビューのコメントには、
「重量感あるケースと軽快なブレスレットが何とも言えない道具感を醸し出します」
「とにかく作りがよいです。艶あり部分とサテン仕上げ部分が絶妙なバランスで高級感を高めてくれています」
「ベゼルのポリッシュ部は、光の加減で黒曜石のように輝き、正面のヘアライン部分は下地のシルバーがうっすらと見える感じで角度によってはガンメタルのような鈍い輝きを放ちます」
と、見た目のよさを評価する声が数多く載せられていた。
このほか、
「腕時計を着けている!っていうずっしり感がむしろ好きな人にはよい重さです」
「メタルらしい重量感があり、機械式時計を着けている時との違いがない」
と装着感に関する部分や、
「反転液晶でもここまでとはと言えるほどのうれしい誤算があり、周りの人からは高級感があると言われ、ますます買ってよかったと実感しています」
「反転液晶は予想以上に視認性がよく、斜めからでも見やすい」
と、液晶の見やすさに言及する人もおり、さまざまな視点で満足度の高いモデルであることがわかった。
そして堂々の1位に輝いたのは、「GMW-B5000D-1JF」だ。
2018年4月に発売された「GMW-B5000D-1JF」。公式サイト価格は66,000 円(税込)
2位と4位にもランクインした「GMW-B5000」シリーズの初代となるのが、本モデル。
発売後1年近くは売り切れが続出し、購入できる店舗を探し回る“難民”が続出するほどの爆発的人気を記録。今では品切れを起こすことはなくなったが、それでも人気No.1の座に君臨しているのだから、驚くほかない。
画面のデザインもオリジナルに忠実
人気の背景には、そこに至る必然もあった。
元々、メタルを使ったスクエアケースというアイデアは、30周年の際に金無垢素材のコンセプトモデルが発表されたのが初出だった。あくまで非売品のコンセプトモデルだったが、世間に与えた衝撃はすさまじく、それがファンの中で「いつか製品化してほしい」という欲望をマグマのように煮えたぎらせることとなった。こうした期待に応え、SS素材でのメタル化を実現した「GMW-B5000」シリーズは、はたして多くのファンから諸手をあげて歓迎されることとなったのだ。
ケースサイドの凹凸も樹脂モデルと同様のデザイン
現在、ケースカラーは「シルバー」のほか、「ブラック」や「ゴールド」、「ブルー」がラインアップされている。このシルバーカラーがシリーズ第1号として登場したことと、「一瞬ブラックも渋いと思ったが、樹脂モデルと見分けが付かないのでやめた」との声があるように、メタルらしさをわかりやすく表現できるものとして「シルバー」が高評価されているようだ。
メタルらしさのある「シルバー」カラー
「やはりオリジナル。完成されている。デジタル時計のアイコン」
「実は初代からあるデザイン。でもオールステンレスで生まれ変わったこの高級感あるたたずまい。最高です」
「不変のデザイン、しかし時代に合ったリファインがされており、とてもかっこよいです」
「大人がしていても恥ずかしくない高級感があって性能もブランドイメージもよく、言うことないですね」
「最高にかっこいいG-SHOCK」
など、購入者から絶賛のコメントが寄せられている。
G-SHOCKは、毎月のように数多くの新作を登場させ、それも下は1万円未満から上は数十万円と実に価格帯の広い商品構成で展開している。売れ筋となれば、より多くのファンが購入しやすいお手頃なモデルも票を稼ぎそうなものだが、結果TOP5に入ったのは公式サイト価格で55,000円を上回るハイエンド寄りのモデルばかりだった。
オリジンを踏襲する「GMW-B5000」も、高機能な「MTG-B1000」も、先進的な機能や技術を駆使しつつ、G-SHOCKらしい見栄えを実現したシリーズだ。進化し続けながらも、変わらない“G-SHOCKらしさ"に、多くの時計ファンが心を惹かれているようだ。
カバン、靴、時計、革小物など、男のライフスタイルを彩るに欠かせないモノに詳しいライター。時代を塗り替えるイノベーティブなテクノロジーやカルチャーにも目を向ける。