Daddy’s Sneaker

1万円切りのアディダス「スーパースター」! 夏の着こなしにもピタッとハマる

本企画「Daddy’s Sneaker」は、30〜40歳代のパパにとって本当に使えるスニーカーを模索する連載企画。ここで言う同世代の平均的パパたちとは、以下のように定義づけています。

・平日はスーツ姿で出勤。休日は全身ファストブランドで無難な感じにまとめがち
・休日のお出かけは、家族や子供を連れて公園や地元のショッピングモールへ
・自由に使える1か月分のお小遣いは3〜5万円

そんなパパたちがスニーカー選びで押さえておくべきは以下の3点です。

・生活圏内でも浮かないデザイン
・公園でも子供と走り回れる機能性
・地方でも買えて、値段は10,000円台前半が理想

以上の条件から導き出されるのは「トレンドを超越したスタンダード」。履けば思わずテンションが上がり、とはいえ浮くことはない、ひと言で表すなら、“地に足のついたスニーカー”。そのオススメモデルと、その履きこなし方をここでは紹介します。

●第1回はこちらから。
やっぱり履きたいです、「エア マックス」! パパのスニーカーとしても最適なワケとは

第2回テーマ「学生時代に1度は履いた『スーパースター』」

さて、連載第1回では、「クッション性」と「思春期の憧れ」という2つの視点から、ナイキの「ナイキ エア マックス90」を取り上げましたが、今回も引き続き、“思春期”というワードをクローズアップ。さらに、パパたちの足下選びに必須の“合わせやすさ”に焦点を絞って考えていきます。

30〜40歳代のパパ世代が学生時代を過ごした1990〜2000年代初頭。「ナイキ エア マックス」が当時における憧れの象徴的モデルだとしたら、「リーズナブルに手に入りやすく、なおかつコレを履けばサマになる」、そんなデイリーユースの象徴的モデルが、コンバースの「オールスター」、そしてアディダスの「スーパースター」ではなかったでしょうか?

奇しくも、ともに「スター」を名前に冠する両モデル。シンプルで汎用性の高いデザインが魅力の前者に対し、ほどよいボリューム感とストリートカルチャーとの蜜月関係もあって人気を博した後者。今回は、その後者である「スーパースター」に注目してみました。

アディダスの公式オンラインショップで今販売されている「スーパースター」の一部

アディダスの公式オンラインショップで今販売されている「スーパースター」の一部

まず、「スーパースター」がどんなモデルなのか。その歴史からひも解いていきましょう。

アディダスはドイツ生まれのスポーツシューズメーカーですが、「スーパースター」誕生のきっかけは1960年代のアメリカ。「(当時人気を誇っていた)『コンバース』や『プロケッズ』などに対抗できるバスケットボールシューズを作ってほしい」という現地ディーラーからの提案で、キャンバス素材のアッパーが主流の中、レザー素材のバッシュを開発します。こうして生まれたハイカットの「プロモデル」とローカットの「スーパーグリップ」は、驚くほどの軽量性とすぐに足になじむフィット感で、瞬く間にプロのバスケットボール選手たちを虜にしました。

そして1969年。これらをベースに「スーパースター」が誕生。最大の特徴は、つま先部分にある補強用のラバーパーツです。貝殻を思わせる形状から「シェルトゥ」や「シェルトップ」と呼ばれ、後に同モデルの代名詞となります。その後の1980年代なかばには、ニューヨーク出身のヒップホップグループ「Run-D.M.C.」のメンバーが愛用し、コート外で再び注目を集めます。この出来事を契機に、スニーカーはストリートカルチャーと結びついたファッションアイテムとして認知されるようになり、「スーパースター」はファッションシーンにおけるスニーカーの地位を確立した1足として、2020年で誕生50周年を迎えてなお、根強い人気を誇っています。

なぜ「スーパースター」がパパにオススメなのか?

さて、そんな「スーパースター」ですが、パパ世代には“学生時代にサッカー部が履いていたスニーカー”というイメージをお持ちの人も多いのでは? かくいう筆者もそのひとり(個人的な認識ですが)。サッカー部が登下校時に履くアフターシューズ的な印象だったこともあり、「バッシュだった」という事実を知らなかった人も多いはず。量販店でリーズナブルに、しかもいつでも買えたので、履き潰してはまた新たな1足を買うのも簡単でした。そんなデイリーユースでの活躍度の高さは今でも健在です。ちょっと話が長くなってしまいましたが、ここらで実物をご覧いただきましょう。

いたってシンプルなのに存在感は抜群

アディダスオリジナルス「スーパースター」
品番:EG4958
カラー:フットウェアホワイト/コアブラック/フットウェアホワイト

ひと口に「スーパースター」と言っても、アパレルブランドとのコラボモデルや、80年代のオリジナルをシルエットからディテールまで再現した上級モデルなど、“素人からすればパッと見は同じようでも、実は細部が異なる”さまざまなバリエーションが存在します(もちろんお値段もピンキリ)。今回は現行ラインアップの中から、全国のシューズ量販店で気軽に買える、最もベーシックなモデルを選びました。誰しもが思い浮かべる「スーパースター」の特徴をしっかりと踏襲しながらも、プレーンに仕上げられており、どんな着こなしにもハマってくれること請け合いです。

アイコニックなデザインと履きやすいフォルム

アッパー素材は、「シンセティックレザー」(合皮)を採用。天然皮革に比べると履き込んだ際の風合いの点でかなわない部分はあるものの、お手入れはこっちのほうがイージー。白ベースのスニーカーは清潔感をいかに保つかが重要ですが、その点もクリアしていると言えるでしょう。

デザインのポイントとしては、ヒール部分にアディダスの象徴たるブランドロゴ「トレフォイル」をあしらい、シュータンには金色のラベルをオン。サイドにひときわ輝く「SUPERSTAR」の文字もあいまって、その名に違わぬ高級感が演出されています。あっ、もちろんサイドに走る3本ライン「スリーストライプス」も忘れるべからず!

続いてフォルムにも着目。パパ世代のボトムスでは、細身&テーパードシルエットが定番です。したがって、ボリュームがありすぎると足元だけが悪目立ちし、「さりげなくオシャレ」という大前提からも脱線しちゃいます。しかし、このフラットなフォルムなら、最大の特徴である「シェルトゥ」の存在感を強めつつ、足入れしやすく気軽に履けるという2点を見事にフォローしてくれます。

“万札1枚”で手に入るお手軽さ

ちなみに本連載「Daddy’s Sneaker」におけるもうひとつのポイント、「買いやすさ」についてはどうでしょうか? 

先述したように「スーパースター」のお値段はピンキリ。1980 年代のオリジナルモデルを再現した「スーパースター80s」は公式サイト価格15,400円(税込)ですし、2019年末に大きな話題となったプラダとのコラボモデルなんて、バッグとセットで驚愕の40万円オーバー! 庶民にとってはちょっと縁のない話ですが、その点こちらは公式サイト価格定価9,889円(税込)と1万円札でお釣りもバック。争奪戦が繰り広げられる心配もないのでご安心を。

では、実際に着用してみましょう。

夏らしく、目にも鮮やかなイエローのTシャツとスリムフィットのジーンズをジャストで合わせてみました。若かりしころならば、太めのボトムスに合わせるのが定石でしたが、大人がやると子供っぽく見えてしまう恐れが……。その点、細身で濃色のジーンズなら80年代 NYストリート的なクラシック感が狙え、何より足元もしっかり際立ちます。今回はジャストサイズで着用しましたが、インチアップしてシューレースをきつめに絞るのもアリ。トゥのボリュームが強調されることで、脚のすっきり見せ効果も。続いては、夏らしくハーフパンツに合わせるとどうなるのかを検証しました。

白を基調としたカラーリングもあいまって、実に爽やか! 脚のすっきり見せ効果は、こちらのほうがわかりやすいのでは。ちなみに、ハーフパンツに合わせる際に注意したいのがソックス選び。柄物は子供っぽく、長過ぎたり色が黒だったりするとオッサンぽい。さらに、くるぶしよりも短いと清潔感が損なわれてしまいます。というわけで、くるぶし丈&白のショートソックスならば間違いありません。

夏のハーパンにもハマるスリッポンスタイルもチェック!

せっかくの50周年イヤーなので、今の時期にピッタリなニューモデルも紹介します。

アディダスオリジナルス「スーパースター シューレースレス」
品番:FV3018
カラー:コアブラック/フットウェアホワイト/コアブラック

こちらは、今春より新たに登場したスリッポンスタイル。最初に述べたように、80年代のヒップホップカルチャーと密接に関係する「スーパースター」らしく、当時のニューヨークで活躍したブレイクダンサーやラッパーたちが、あえてシューレースを通さず履いていたという逸話をデザインに落とし込んでいます。

ここで注目すべきは、金色のラベルが輝くシュータン部分。幅広かつファットに設計され、クッション性も上々。さらに脇部分に幅広のゴムを内蔵し、シューレースがなくとも足を包み込むようなフィッティングが楽しめます。歩きやすく、脱ぎ履きも楽チンだから言うことなし。

ファットなシュータンと幅広なゴムが抜群のフィッティングを生み出します

ファットなシュータンと幅広なゴムが抜群のフィッティングを生み出します

最初に紹介した「スーパースター」では白ベースを選んだのに対し、こちらは黒を基調としたカラーリングをチョイス。ちなみに、シューレースもちゃんと付属するので、シューレースを通す/通さないはご自由に。では、こちらも着用してみたいと思います。まずは、デニムパンツとのコンビネーション。

履いてみると、シューレースによるフロントの締め付けがなく、シュータンには厚みがあることで、通常よりもボリューミーに感じられます。とはいえ、ソールがアッパーと同色なので、全体はキリリと引き締まった表情に。最後は、ハーフパンツで合わせてフィニッシュとしましょう。

ヒザ丈のハーフパンツとの相性は抜群! 全体的にボリュームがあり、シューズに目がいくので、「運動不足の足を出すのは恥ずかしい」なんていう人にもピッタリ。また「トップスを大きめで着たい」という人にも、バランスが取りやすいのでオススメです。

【まとめ】履くだけで“あの頃”の気持ちを思い出す!

というわけで、今回はアディダスオリジナルス「スーパースター」をピックアップしました。新たな生活様式とともにリスタートした日常。そんな中で来る夏。フィジカル的にもメンタル的にも、これまでにない息苦しさを感じる瞬間があるかもしれません。ですが、そんな時にこそ、この懐かしくもフレッシュなパートナーを履いて街を歩く。それだけで、毎日が自由で楽しかった“あの頃”の気持ちを、少なからずプレイバックしていただけるのでは?

TOMMY

TOMMY

メンズファッション誌を中心に、ファッションやアイドル、ホビーなどの記事を執筆するライター/編集者。プライベートでは漫画、アニメ、特撮、オカルト、ストリート&駄カルチャー全般を愛する本厄41歳。

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