「G-SHOCK」今月の衝撃!!!

G-SHOCK「オールブラック&リマスター」4作が1〜2万円台! 40年の歴史をバンドに刻む

2023年5月13日、カシオはG-SHOCK誕生40周年を祝う特別シリーズ「リマスターブラック」を発売。4つのシグネチャーモデルをラインアップし、「マイルストーン」をモチーフにこれまでの歴史と新たな進化を象徴している。

2023年5月13日に発売されたG-SHOCK「リマスターブラック」シリーズ。左から「GA-114RE」「DWE-5657RE」「GA-2140RE」「DW-6640RE」

2023年5月13日に発売されたG-SHOCK「リマスターブラック」シリーズ。左から「GA-114RE」「DWE-5657RE」「GA-2140RE」「DW-6640RE」

石碑を彷彿とさせる斬新なバンドデザイン!

40年という歳月が放つ存在価値は、決して軽くない。

確かに“腕時計”という業界だけを俯瞰すれば先達は少なくないが、そこに“電子機器的なテクノロジー”を主とすることを重ねてみれば、これほど長く熱狂的なファンを獲得し続けてきたブランドは珍しい。これは、タフネスというコンセプトが支持されてきただけでなく、新しい技術や革新的なデザインを絶え間なく追求するブランド側の積極的な姿勢があってこそだろう。

そうした40年の歩みを今1度振り返り、次世代へつなげていこうというのが「リマスターブラック」シリーズだ。本シリーズ最大の特徴は、G-SHOCKの歴史の中で輝き続ける歴代モデルの名前をバンドに刻み込んだデザインにある。

年表はホットプリント技術で精密な凹凸を表現している

年表はホットプリント技術で精密な凹凸を表現している

いずれのモデルにも凹凸が少ないシンプル形状のバンドを起用し、マットな質感のブラックカラーで彩色。そこに凹部を表現する微細なホットスタンプを施すことで、歴代モデルとそのデビューイヤーを刻んでいる。まるで後世に遺すために作られた石碑のよう。物事が進化する過程に生じる重要な出来事のことを「マイルストーン」と呼ぶが、もともとは道路や鉄道の中間地点に置かれる標石を示している。そうした造形物を彷彿とさせる意匠に仕上げることで、本シリーズのモチーフでもある「マイルストーン」を表現している。

細かく刻まれた年表が、遠目には幾何学模様のようにも見える

細かく刻まれた年表が、遠目には幾何学模様のようにも見える

以下に、実際にバンドに刻まれた40年&全49モデルの名を記載する(カッコ内は本稿による補足で、バンドへの記載はない)。原点である「DW-5000」に始まり、初めて公式のペットネームが付けられた「フロッグマン DW-6300」や「MR-G」「MT-G」といった上位シリーズの誕生、電波ソーラーや「TRIPLE G RESIST」など先進テクノロジーの採用……など、ファンの胸を熱くさせるような歴史の歩みが詰まっている。

また、この「マイルストーン」を眺めていて気づかされるのは、どこかの時代に偏らず、間断なく名作が生み出されてきたことだ。モノ作りに寄せる情熱は絶えることなく、現代にも息づいているという事実に思わず想いを馳せてしまう。

40周年記念モデルだからこその特別なディテールも!

本シリーズでは「マイルストーン」の意匠のほか、40周年を祝う特別なディテールも随所に施されている。

ひとつは遊環だ。4モデルすべてに、ゴールドに輝くメタル素材の遊環を採用。さらに、40周年を表す4つの星印も刻印されている。星印が描かれた正面はヘアライン、側面はミラーと、異なる仕上げを施すことで高級感を高めている。

4つの星印が刻印されたゴールドカラーのメタル製遊環

4つの星印が刻印されたゴールドカラーのメタル製遊環

また、ヘリック・ヘイズがデザインした40周年ロゴを裏ブタに刻印。これも特別感を助長している。

40周年記念ロゴを裏ブタに表現

40周年記念ロゴを裏ブタに表現

最も使用頻度の高い左下のボタンにも星印を刻印。ベースモデルとの違いを演出している。

ボタンの1つにも星印をデザイン

ボタンの1つにも星印をデザイン

なお、頭頂部をローレット加工した樹脂製ボタンを採用する「GA-2140RE」に限っては、8時位置のガラス面に星印をプリント。さりげなく、それでいて確実に特別モデルであることを示している。

「GA-2140RE」はガラス面にも星印

「GA-2140RE」はガラス面にも星印

このほか、「DWE-5657RE」と「DW-6640RE」には、ELバックライトを点灯すると40周年ロゴが浮かび上がる仕掛けも施されている。

ライト点灯で40周年記念ロゴが浮かび上がる「DW-6640RE」

ライト点灯で40周年記念ロゴが浮かび上がる「DW-6640RE」

ブラックが基調の4モデルそれぞれの魅力をチェック!

ここからは、本シリーズにラインアップされた4モデルについて紹介していく。

「リマスターブラック」のシリーズ名どおり、いずれのモデルもG-SHOCKのブランドカラーであるブラックが基調だ。バンドの「マイルストーン」表現をくもらせないよう、全体の仕上がりはいたってシンプルだ。

ベゼル交換によって2通りのデザインが楽しめる!

最初に取り上げる「DWE-5657RE」は、G-SHOCKのオリジンを愛する往年のファンにたまらないモデル。1987年に発売され、90年代の爆発的ブームを牽引したスクエアケース「DW-5600C」と、ラウンドケース「DW-5700C」をオマージュしている。なぜ2つのモデルが対象なのか? それは、ベゼル交換によって2通りのデザインが楽しめるからだ。

「リマスターブラック DWE-5657RE-1JR」の公式サイト価格は22,000円(税込)

「リマスターブラック DWE-5657RE-1JR」の公式サイト価格は22,000円(税込)

「5700」は海外の大物ミュージシャンが愛用していたことで旋風を巻き起こし、さらに発売からしばらくは海外のみの販売だったことも手伝って、熱狂的なファンを生んだモデル。スクエアケースとはまるで違う外見をしているが、実は搭載されているモジュールや液晶などのパーツは同一で、兄弟のような間柄だった。

「DWE-5657RE」では、近年G-SHOCKで対応モデルが拡充している「ベゼル付け替え」の仕組みを活用し、スクエアとラウンドの夢の共演を実現。歴史的にも味わい深いし、デザイン的に一石二鳥でお得感も満点だ。

側面から剥がすようにしてベゼルを外せる

側面から剥がすようにしてベゼルを外せる

スクエアケースとラウンドケース、2通りが楽しめる

スクエアケースとラウンドケース、2通りが楽しめる

文字盤は「CASIO」のロゴ以外を省略したミニマルデザイン。これにより、どちらのベゼルを付けても齟齬が生まれず、洗練されたセンスも漂っている。

ブラックで統一したシンプル文字盤

ブラックで統一したシンプル文字盤

【SPEC】
●ガラス:無機ガラス
●防水性:20気圧防水
●ケース・樹脂(バイオマスプラスチック)
●バンド材質:樹脂(バイオマスプラスチック)
●ケースサイズ:43.8(横)×48.9(縦)×13.7(厚さ)mm
●重量:58g

ライトとグラフィック表示が特徴的なデジタルモデル

次に紹介する「DW-6640RE」は、1994年に発売された「DW-6600」がベース。G-SHOCKで初めてELバックライトを搭載し、グラフィック表示が特徴的なデジタルモデルだ。

「リマスターブラック DW-6640RE-1JR」の公式サイト価格は18,700円(税込)

「リマスターブラック DW-6640RE-1JR」の公式サイト価格は18,700円(税込)

フロントボタンを備えた「DW-6600」のラウンドケースデザインをそのまま踏襲。そのうえで、ライトをスーパーイルミネーターへとアップデートさせることでテクノロジーの進化を印象付けている。

瞬時に画面を明るくするフロントボタンのデザインも健在

瞬時に画面を明るくするフロントボタンのデザインも健在

【SPEC】
●ガラス:無機ガラス
●防水性:20気圧防水
●ケース・樹脂(バイオマスプラスチック)
●バンド材質:樹脂(バイオマスプラスチック)
●ケースサイズ:50(横)×53.2(縦)×18.7(厚さ)mm
●重量:71g

ロングセラーのビッグケースがスタイリッシュに

「GA-114RE」は、2010年の登場以来ロングセラーを続けている「GA-110」がベースだ。いわゆるビッグケースモデルで、数多くのスペシャルモデルのベースとしても重用されてきている。

「リマスターブラック GA-114RE-1AJR」の公式サイト価格は23,100円(税込)

「リマスターブラック GA-114RE-1AJR」の公式サイト価格は23,100円(税込)

本モデルは迫力の大型文字盤や複雑に造形されたパーツを、スタイリッシュなモノトーンカラーで表現。そこに、先述の遊環や8時位置のガラス面に描かれた星印を始め、裏ブタの特製ロゴといった40周年を祝うあしらいを施し、特別感を高めている。

モノトーンの世界観で複雑な文字盤を構成

モノトーンの世界観で複雑な文字盤を構成

【SPEC】
●ガラス:無機ガラス
●防水性:20気圧防水
●ケース・ベゼル材質:樹脂(バイオマスプラスチック)
●バンド材質:樹脂(バイオマスプラスチック)
●ケースサイズ:51.2(横)×55(縦)×16.9(厚さ)mm
●重量:81g

ハイコントラストなホワイトを差し込んだ八角形ブラックモデル

最後の「GA-2140RE」は、2019年より登場した「GA-2100」がベース。八角形ベゼルを特徴とし、今やG-SHOCK人気を牽引する存在だ。

「リマスターブラック GA-2140RE-1AJR」の公式サイト価格は21,450円(税込)

「リマスターブラック GA-2140RE-1AJR」の公式サイト価格は21,450円(税込)

「2100」の既存モデルにもいわゆるオールブラックカラーは存在しているが、今作はブランド名や機能名表示にハイコントラストなホワイトを差し込んで違いを表現。もちろん、ゴールドメタルの遊環や星印付きのボタンなど、40周年モデルならではのデザインも随所にあしらわれている。

ブラックを基調に一部ホワイトも差し込んだ文字盤デザイン

ブラックを基調に一部ホワイトも差し込んだ文字盤デザイン

【SPEC】
●ガラス:無機ガラス
●防水性:20気圧防水
●ケース・ベゼル材質:カーボン/樹脂(バイオマスプラスチック)
●バンド材質:樹脂(バイオマスプラスチック)
●ケースサイズ:45.4(横)×48.5(縦)×11.8(厚さ)mm
●重量:57g

なお、4モデルともにベゼルやバンドの樹脂部分には、バイオマスプラスチックを使用。つい最近になってタフネスが求められるG-SHOCKブランドでも採用が始まったサステナブル素材であり、そこへの力の入れようを感じさせる。「DWE-5657RE」と「DW-6640RE」については、最新の省電力技術により電池の長寿命化も実現している。

また、アニバーサリーモデルらしい特別仕様に仕上げながらも、それぞれ公式サイト価格で2万円前後という手を出しやすい価格帯に設定されていることも見逃せないポイントだ。

【まとめ】マイルストーンという歴史の重みを感じる

「原盤を新しく作り直す」という意味を持つ「リマスター」。各時代に現れたG-SHOCKのマイルストーンに敬意を払いつつ、バイオマスプラスチックや省電力技術といった現代の技術を融合させた今作は、まさにリマスタリングの手法が奏功したシリーズだ。

また、“G-SHOCKの歴史年表”をホットプリントでバンドに刻み込むというデザインも印象深い。決して派手ではなく、他人に見せびらかせるようなデザインではないが、だからこそ40年という歴史を自分の心の内で噛みしめたいモデルだ。今後45周年、50周年と歳月を重ねるごとに、その歴史的な価値は重みを増していくはずだ。

横山博之

横山博之

カバン、靴、時計、革小物など、男のライフスタイルを彩るに欠かせないモノに詳しいライター。時代を塗り替えるイノベーティブなテクノロジーやカルチャーにも目を向ける。

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