「G-SHOCK」今月の衝撃!!!

G-SHOCKの回路基板が丸見え! 40周年記念「CLEAR REMIX」7作全部見せレビュー

2023年7月7日、カシオ計算機はG-SHOCK40周年記念モデルとして「CLEAR REMIX(クリア リミックス)」7モデルを発売する。同シリーズはスケルトン素材を採用することで、これまで人の目に触れることのなかった内部の部品まで見えるようにした、まったく新しいデザインを実現している。

G-SHOCKで初めて回路基盤まで見せた「DWE-5640RX」

G-SHOCKで初めて回路基盤まで見せた「DWE-5640RX」

40周年記念シリーズ第5弾は多彩なスケルトンを実現!

「クリア リミックス」は、歴代モデルを現代において再解釈する「フィロソフィーリボーン」をコンセプトに、2022年12月から展開してきた40周年記念シリーズの第5弾。スケルトン液晶を採用した「DW-5040RX」「DWE-5640RX」「DW-6940RX」、デジタルアナログコンビの「GA-114RX」「GMA-S114RX」、八角形ベゼルが特徴の「GA-2140RX」「GMA-S2140RX」の全7モデルを展開する。それぞれケースやバンド、液晶、ボタンなどにスケルトン素材を用いることで、これまでにない表現を実現している。

2023年7月7日に発売されたG-SHOCK「クリア リミックス」シリーズ

2023年7月7日に発売されたG-SHOCK「クリア リミックス」シリーズ

ひときわ目を引くのが、「DW-5040RX」「DWE-5640RX」「DW-6940RX」だ。G-SHOCKとして初めてスケルトン液晶を採用し、内部の回路基板の様子が見えるように仕上げている。

左から「DW-5040RX」26,400円(税込)、「DWE-5640RX」33,000円(税込)、「DW-6940RX」22,550円(税込)、いずれも公式サイト価格

左から「DW-5040RX」26,400円(税込)、「DWE-5640RX」33,000円(税込)、「DW-6940RX」22,550円(税込)、いずれも公式サイト価格

今回は、なかでも象徴的なモデルと言える「DWE-5640RX」を中心に、それぞれの魅力に迫ってみたい。

シリーズを代表するモデルの「DWE-5640RX」

シリーズを代表するモデルの「DWE-5640RX」

回路基板も40周年記念の特別仕様にアレンジ!

前述のとおり、いちばんの特徴は透明なスケルトン液晶の採用によって回路基板まで透けて見える独創的デザインだ。これは、バックライト技術が大きく関係しているという。

スケルトン液晶によって内部の回路基板が丸見えに

スケルトン液晶によって内部の回路基板が丸見えに

文字板の大半を液晶画面が占めているデジタルウォッチの場合、暗所での視認性を確保するために通常はELバックライトが付いている。液晶パネル直下に配置したEL素子に電圧を加え、発光させる技術だ。このEL素子は不透過なパーツなので、液晶をスケルトン化させることはできなかった。

しかし本モデルでは、LEDバックライト構造を採用。EL素子の代わりに「導光板」と呼ばれる透明なパーツを敷き、側面から通常よりも高輝度なLEDライトを投射させている。これによって、液晶のスケルトン化が実現するとともに、ライトの点灯で回路基板がショーアップされる仕掛けとしても作用したという。

LEDバックライト構造の採用で液晶のスケルトン化を実現

LEDバックライト構造の採用で液晶のスケルトン化を実現

こうして白日の下にさらされた回路基板。機能そのものは従来モデルのものと同じだが、一部のあしらいには次のようなアレンジが加えられている。

液晶の視認性を向上するため、基盤に塗布したグリーンカラーのソルダーレジスト(絶縁膜)のトーンを明るめに変更

中央に位置するLSI(大規模集積回路)の金属カバーにIPを施し、40周年を示す4つの星をレーザー刻印

基盤上にG-SHOCKのロゴを新たに追加

鑑賞しようという気持ちを高めてくれるアレンジで、周年記念モデルらしい仕様だ。

特別仕様のモジュールを搭載

特別仕様のモジュールを搭載

そこで気になるのは、スケルトン液晶の見え方だ。カシオいわく、「液晶面に透明素材を使用しているため、時計を見る角度によって、デジタル表示が見えにくい場合があります」との注釈を添えている。実際はどうなのか? 腕に着用し、日中の屋外で試してみた。

顔の真正面に時計を据えてみると、液晶の数字をはっきりと読み取れた。

日中の屋外で液晶の見え方を検証。真正面からははっきり見えた

日中の屋外で液晶の見え方を検証。真正面からははっきり見えた

次は、それぞれ上下左右に画面を傾けてみた。結果は次の画像のとおりだ。

上下左右に傾けたときの液晶の見え方

上下左右に傾けたときの液晶の見え方

上方向や右方向に傾けても液晶画面に表示される数字は濃い色のままで、問題なく視認できた。ただ、下方向や左方向に傾けた場合、数字が薄らいで見えるような角度もあった。時計を左腕に付けた場合、画面を下方向や左方向に傾けて数字を読み取ろうとする状況はまずないので(とても窮屈な体勢になる)、使っていて不便を感じることはないと思われる(いっぽうで、時計を右腕に付けたときには、左方向に傾ける状況は生じやすいかもしれない)。

回路基板の存在そのものが液晶画面の視認性を損ねたり、光の具合によって基盤に落ちる液晶の影がジャマしたりする可能性もある。そうした点は、「回路基板をながめて楽しめるというベネフィットのほうが勝る」と感じられれば、気持ちよく使えるだろう。

バンドにもG-SHOCK初のアレンジ

フェイスデザイン以外の要素もチェックしておこう。

スケルトン液晶を取り囲む文字板部分は、シンプルなブラックカラーを採用。上下には細かなストライプが描かれ、回路をイメージさせる。

ベゼルには透明な樹脂を採用。液晶がスケルトンなら、ベゼルもスケルトンというわけだ。透けて見えるケースには、ブラックのカーボン素材が使われている。

ベゼルにも透明な樹脂を採用

ベゼルにも透明な樹脂を採用

また、ベースとなった「DWE-5600」シリーズはカスタム機能が特徴で、今作も特別な工具を使うことなくベゼルを取り外せる。替えベゼルは同梱されておらず、ベゼル単体での購入もできないが、ほかの「DWE-5600」を所有していれば、そちらのベゼルに付け替えることは可能だ(ただし、メーカーはベゼル付け替えについて特に推奨はしていない)。

ベゼルは特別な工具なしに付け替えが可能(メーカーは推奨していない)

ベゼルは特別な工具なしに付け替えが可能(メーカーは推奨していない)

裏ブタにはエリック・ヘイズが特別に描いた40周年記念ロゴが刻印されている。

裏ブタに記念ロゴを刻印

裏ブタに記念ロゴを刻印

スケルトン液晶に次ぐ大きな特徴は、複数の素材・構造を組み合わせたマテリアルバンドだ。

「これまでG-SHOCKで使われてきたバンドを分解し、異なる素材同士をつなぎ合わせて再構築させる」というコンセプトに基づいて開発されたもので、上部はスケルトンの樹脂、下部はゴールド×シルバーが互い違いになったステンレススチールを用いている。

特に面白いのが樹脂部分だ。ラグ付近はいつもの「5600」のバンドと同じで、波打ち形状やピンバックル用の穴が設けられているのに、途中から着脱可能なコマが続いている。上下のバンドを好みの長さに調節するための仕組みで、このようなスケルトン樹脂の調整コマもG-SHOCK初だ。なお、留め具はワンプッシュ三つ折れ式中留で、そこにも40周年を示す4つの星がレーザー刻印されている。

上下で異なる素材を使ったマテリアルバンド

上下で異なる素材を使ったマテリアルバンド

「クリア リミックス DWE-5640RX-7JR」
【SPEC】
●ガラス:無機ガラス
●防水性:20気圧防水
●ケース・ベゼル材質:カーボン/樹脂
●バンド材質:ステンレスムク/樹脂バンド(ワンプッシュ三つ折れ式中留)
●ケースサイズ:43.8(横)×48.9(縦)×13.7(厚さ)mm
●重量:94g

多彩に表現されたスケルトン液晶モデル!

同じくスケルトン液晶を採用した「DW-5040RX」と「DW-6940RX」も見ていこう。

「DW-5040RX」は、ここまで取り上げてきた「DWE-5640RX」と同じスクエアケースだが、文字板はより細長い形状だ。

スッキリとしたスクエア形状の文字板

スッキリとしたスクエア形状の文字板

ベゼルとバンドにはスケルトンな樹脂を採用。ケースにはミラー加工が施されたステンレススチールが使われており、透明な樹脂を通してキラキラとした輝きを放っている。裏ブタも同素材のスクリューバックで、確かな質感を感じさせる。

ケースにはミラー仕上げのSS素材が使われている

ケースにはミラー仕上げのSS素材が使われている

「クリア リミックス DW-5040RX-7JR」
【SPEC】
●ガラス:無機ガラス
●防水性:20気圧防水
●ケース・ベゼル材質:ステンレススチール/樹脂
●バンド材質:樹脂バンド
●ケースサイズ:42.8(横)×48.9(縦)×13.5(厚さ)mm
●重量:78g

「DW-6940RX」では、スケルトン液晶に加え、アイコニックな3つのインジケーターを構成する文字板にもスケルトン樹脂を採用。それによって回路基板が広範囲にのぞけるデザインに仕上がっている。ポイントはいちばん左のインジケーターで、中心に当たる基盤上に「G」のロゴが描かれている。

左のインジケーター中央に「G」のロゴを追加

左のインジケーター中央に「G」のロゴを追加

「クリア リミックス DW-6940RX-7JR」
【SPEC】
●ガラス:無機ガラス
●防水性:20気圧防水
●ケース・ベゼル材質:樹脂
●バンド材質:樹脂バンド
●ケースサイズ:50(横)×53.2(縦)×18.7(厚さ)mm
●重量:72g

定番ビッグケースも人気の八角形ケースも見たことのないデザインに!

そのほかのモデルも見ていこう。

「GA-114RX」「GMA-S114RX」は、デジタルアナログコンビの「GA-110」「GMA-S110」をベースにしたモデルだ。

左が「GMA-S114RX-7AJR」26,400円(税込)で、右が「GA-114RX-7AJR」26,400円(税込)。いずれも公式サイト価格

左が「GMA-S114RX-7AJR」26,400円(税込)で、右が「GA-114RX-7AJR」26,400円(税込)。いずれも公式サイト価格

同ベースモデルの文字板の特徴的なY字ブリッジに、スケルトン樹脂を採用。立体感がありながら、従来モデルでは見えなかった下部のパーツまで透けていることで、これまでにない表現を生み出した。

Y字ブリッジもスケルトンに

Y字ブリッジもスケルトンに

さらにはインデックスや見切り部分にもスケルトン樹脂を採用。大口径ケースでタフな印象を保ちつつ、スッキリとした印象に見せている。

インデックスと見切りもスケルトンに

インデックスと見切りもスケルトンに

ケース側面には透明ガラス繊維強化樹脂という素材を初採用。従来のケース素材では耐候性が悪く、スケルトンにできなかったが、この新素材を活用することでG-SHOCKならではのタフネスとスケルトン化を両立できたという。

ケース側面に透明ガラス繊維強化樹脂を採用

ケース側面に透明ガラス繊維強化樹脂を採用

「クリア リミックス GA-114RX-7AJR」
【SPEC】
●ガラス:無機ガラス
●防水性:20気圧防水
●ケース・ベゼル材質:樹脂
●バンド材質:樹脂バンド
●ケースサイズ:51.2(横)×55(縦)×16.9(厚さ)mm
●重量:78g


「クリア リミックス GMA-S114RX-7AJR」
【SPEC】
●ガラス:無機ガラス
●防水性:20気圧防水
●ケース・ベゼル材質:樹脂
●バンド材質:樹脂バンド
●ケースサイズ:45.9(横)×49(縦)×15.8(厚さ)mm
●重量:61g

「GA-2140RX」「GMA-S2140RX」は、ラグジュアリースポーツのようなテイストで大人気の八角形ベゼル「GA-2100」「GMA-S2100」がベースだ。文字板全体にスケルトン樹脂を使い、一部のモジュールが透けて見えるデザインに仕上げている。

左が「GA-2140RX-7AJR」21,450円(税込)で、右が「GMA-S2140RX-7AJR」21,450円(税込)。いずれも公式サイト価格

左が「GA-2140RX-7AJR」21,450円(税込)で、右が「GMA-S2140RX-7AJR」21,450円(税込)。いずれも公式サイト価格

立体的なインデックスと見切りもスケルトン素材を採用。造形はこれまでと同様ながら、スケルトン化することで印象が大きく変わった。

立体的なインデックス&見切りもスケルトン化

立体的なインデックス&見切りもスケルトン化

ベゼルもスケルトン素材。カーボンケースはややグレーがかった色合いで、軽快な印象を与える。

カーボンケースが透けて見える

カーボンケースが透けて見える

文字板の3時位置に4つ星を刻印。特別感を盛り上げている。

40周年記念モデルであることを示す4つの星

40周年記念モデルであることを示す4つの星

「クリア リミックス GA-2140RX-7AJR」
【SPEC】
●ガラス:無機ガラス
●防水性:20気圧防水
●ケース・ベゼル材質:カーボン/樹脂
●バンド材質:樹脂バンド
●ケースサイズ:45.4(横)×48.5(縦)×11.8(厚さ)mm
●重量:56g


「クリア リミックス GMA-S2140RX-7AJR」
【SPEC】
●ガラス:無機ガラス
●防水性:20気圧防水
●ケース・ベゼル材質:カーボン/樹脂
●バンド材質:樹脂バンド
●ケースサイズ:42.9(横)×46.2(縦)×11.2(厚さ)mm
●重量:50g

【まとめ】“G-SHOCKの真の姿”がここにある!

ご存じのようにG-SHOCKは先進テクノロジー企業が生み出したタフ&高性能な時計であり、誕生した40年前からその心臓部には電子回路のモジュールを宿していた。当然、テクノロジーの進化とともに小型化・省電力化が進んでいるものの、回路基板を内部に有しているスタイルそのものは変わっていない。

スケルトン液晶によって回路基板を可視化させた本シリーズは、“G-SHOCKの真の姿”を見せてくれたようでいて、感慨深いものがある。さまざまな素材によって実現したスケルトン化は、ある意味“G-SHOCKという存在そのものの透明化”でもあったようだ。改めて、その価値を噛み締めてみたい。

横山博之

横山博之

カバン、靴、時計、革小物など、男のライフスタイルを彩るに欠かせないモノに詳しいライター。時代を塗り替えるイノベーティブなテクノロジーやカルチャーにも目を向ける。

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