レビュー

PSファンにはたまらない演出が満載! PS5「アストロボット」全クリレビュー

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2024年9月6日に発売された「アストロボット」は、総合レビューサイトMetacriticでメタスコア94点という高得点を叩き出し、発売以降、国内外でジワジワと評価を高めている。本作をストーリー全クリまでプレイしたのでレビューしていこう。

「アストロボット」とは?

「アストロボット」は、SIE StudiosのひとつであるTeam ASOBIによって開発された3Dアクションゲーム。小さくてかわいらしいアストロボットを操作して6つの銀河に用意された箱庭型ステージをクリアしていくという内容だ。

たくさんのアストロボットたちが、PS5を模した宇宙船、PS5号に乗っている最中に緑色のエイリアンに遭遇。PS5号のキーパーツが大破させられた挙句、アストロボットたちは銀河で散り散りになってしまう。

PS5号で宇宙を冒険するアストロボットたち

PS5号で宇宙を冒険するアストロボットたち

PS5を模した宇宙船がかわいい

PS5を模した宇宙船がかわいい

とある場所で目覚めたひとりのアストロボットが、バラバラになった仲間たちを救出しつつ、壊れたPS5号のパーツを集めるため、銀河を飛び回る。これがゲームの流れだ。

かわいいアストロボットによる遊び心満載のゲーム体験

本作の特徴で触れたいのが、かわいらしいアストロボットだ。カメラを目の前に向ければ手を振り返してくれるし、話す言葉もよく聞くと日本語らしい口ぶりをしている。

放置しているとPSPで遊びだすアストロボット

放置しているとPSPで遊びだすアストロボット

ひとつのステージに隠されているアストロボットは5〜10体程度。なかにはわかりにくい場所にいる場合もある。そのため、ヒントなしですべて見つけるのはなかなかうまくいかないのだが、初見で見つける必要はまったくない。一度クリアしたステージは再度突入すると、お助けキャラであるナビ鳥を呼び出せるようになり、隠し要素に近づくと教えてくれるようになるからだ。

お助けキャラのナビ鳥。パズルピースや隠しステージの入口なども探してくれる

お助けキャラのナビ鳥。パズルピースや隠しステージの入口なども探してくれる

お助けシステムは非常にユーザーフレンドリーな要素だ。自力でがんばってすべてのアストロボットやパズルピースを見つけようとしてもよいし、初見はステージクリアのみに専念し、後でナビを使ってコンプリートを狙ってもいい。どちらにしても仲間たちが見つけられなくて困るようなことはほぼないように設計されている。

忘れてはならないのが、冒険の途中で出会う、さまざまなゲームキャラクターに扮したアストロボットたち(通称カメオボット)だ。SIE Studiosのキャラはもちろん、モンスター・ハンターのアイルーやペルソナ5のジョーカー、クラッシュバンディクーなどSIE産ゲーム以外のキャラクターも非常に多い。

「メタルギアソリッド」のアストロボットたち

「メタルギアソリッド」のアストロボットたち

新旧さまざまなゲームキャラクターが用意されているため、ゲーマーであればキャラクターに出会えったときのうれしさは増す。どんなゲームキャラクターのアストロボットがいるのか探す楽しみが、散り散りになったアストロボットたちを助けていく本作のゲームプレイの根本的なモチベーションになっているのだ。

筆者が愛する作品「人喰いの大鷲トリコ」のトリコも発見できた

筆者が愛する作品「人喰いの大鷲トリコ」のトリコも発見できた

アストロボットを集める楽しさはほかにもある。拠点には隠された道やギミックがいくつも用意されており、アストロボットを表示された数まで集めると解放される仕組みになっている。そもそも最後のボス戦を解放するにも特定の数までアストロボットを集めなければならないので、アストロボットをまったく救出せずにクリアできるようなゲームデザインになっていない。むしろアストロボットたちを集めれば集めるほど、新たな発見につながるデザインになっているのだ。

集まって一本の橋を作るアストロボットたち。これで新しい場所にいける

集まって一本の橋を作るアストロボットたち。これで新しい場所にいける

そして、ひとつの銀河をクリアすると特別ステージが解放される。そこでは通常のステージとは違い、「Horizon」シリーズのアーロイや「GOD OF WAR」のクレイトスとなって、専用のゲームプレイにちなんだステージを遊べる。

アーロイ(上)とクレイトス(下)のアストロボット

アーロイ(上)とクレイトス(下)のアストロボット

アーロイであれば弓で敵を倒したり道を開いたりしていくステージであり、クレイトスであればオノを投げて進んでいくステージが遊べる。往年のPlayStationならではのゲーム体験がごほうび的に用意されているのが、ゲームクリアのモチベーションを高めてくれるのだ。

なんとサルゲッチュを遊べる特別ステージも! サルを網で捕まえるゲームプレイが懐かしすぎる

なんとサルゲッチュを遊べる特別ステージも! サルを網で捕まえるゲームプレイが懐かしすぎる

隠しステージや裏ボス、収集要素も豊富なので、アストロボットを助ける以外にもゲームをやり込んでいく楽しさは尽きない。パズルを集めていくと拠点の施設が解放され、各カメオボット専用のコスチュームや、アストロボットの着せ替えなどが手に入るので、やり込めばやり込むほどアストロボットたちの虜になっていくだろう。

シンプルでやりごたえもある箱庭型ステージ

本作は、箱庭型3Dアクションゲームとしてもクオリティが高い。操作やステージの作りがシンプルでわかりやすいだけではなく、簡単すぎず難しすぎない、絶妙なゲームバランスなのだ。

火山や海、砂漠やお化け屋敷など多様な箱庭型ステージを、ジャンプ、パンチなどの基本的なアクションでクリアしていく。DualSenseワイヤレスコントローラーのハプティックフィードバックやアダプティブトリガーが活用されており、草を歩く感覚や水の中を泳ぐ感覚など、さまざまな手触りがプレイヤーに伝わってくる。触覚的な立体感による心地よさは、ステージを進んでいく楽しさを常にプレイヤーに感じさせてくれる大事な要素だ。

特徴的なのは、アストロボットにさまざまな特殊アクションを可能にさせるガジェットの数々。水中で加速できるペンギンジェット、ブーストしてガラスを突き破るブルドッグブースター、両手にはめると腕を伸ばせるようになるツインフロッググローブなど、何種類ものガジェットが用意されている。ステージによって使用するガジェットが決まっており、用意されたガジェットのアクションをメインにステージを進んでいく。

スポンジになって巨大化したり(上)、ネズミになって小さくなったりすることも可能(下)

スポンジになって巨大化したり(上)、ネズミになって小さくなったりすることも可能(下)

面白いのことに、1つのガジェットは1回のステージで終わりではなく、後々も使用する機会があることだ。ステージを重ねるごとに、ガジェットの活用法を理解しステージを攻略するため、ガジェットを使いこむ楽しさもしっかり演出されている。

PSVRのガジェットで時を止めるステージはタイミングが難しい

PSVRのガジェットで時を止めるステージはタイミングが難しい

基本的に1回攻撃を喰らったらチェックポイントからリスポーンするのだが、これはやりごたえを生むうえで重要な仕様になっている。ゲームに慣れている人であれば、ほぼ問題なく進んでいける場面がほとんどであるいっぽう、気を抜くと失敗してしまうギミックの構造や敵の配置になっているところが多々ある。気楽に遊んでいるつもりが、適度に集中力や思考を求められるため、ステージをクリアしたときのほどよい達成感につながっていると感じた。

そして、大トリともいえるステージが、銀河の最後に用意されたボス戦である。ボスもどことなくキャッチーな見た目をしており、愛着も感じられる。

ボス戦は3回までダメージが許されているのだが、これがほどよい難易度だ。スムーズに攻撃を入れられるいっぽう、理不尽な攻撃も時折飛んでくる。そのため、ボス戦は簡単すぎて歯ごたえがないということがなく、全然倒せなくてイライラするということもない。多彩な演出によってボス戦が盛り上がる設計になっていて、ボス戦がいちばんやりごたえのある瞬間だと感じられた。

ボスを倒すとPS5号のパーツが1つずつ戻ってくるのだが、パーツをPS5に戻すのもプレイヤー自身が行うのがまた面白い。壊された宇宙船を直していく楽しさと喜びが、アストロボットたちに感情移入できるきっかけになっているのだ。

やりごたえと、クリアのごほうびがしっかり用意されているゲームデザインは、なじみのある箱庭型アクションゲームであると同時に、短い時間で高い満足感が得られる濃度の高いゲーム体験を実現している。ゲームをクリアした後も同じステージで何度も遊びたくなるほど、ずっと触っていたくなる楽しさの詰まった作品だ。

総評

本作はアストロボットによる遊び心満載のゲーム体験と、純度の高い箱庭型3Dアクションゲームの融合によって、大人も子どもも楽しめるすばらしい3Dアクションゲームに仕上がっている。むしろ、「マリオ」シリーズなどに心奪われた童心に返れるからこそ、大人のほうがより楽しめる作品かもしれない。非常に幅広い層にオススメできるゲームであるのはもちろん、家族や友人と一緒にプレイしても楽しい作品だ。

ゲームのクリア時間はストーリーのみであれば10時間程度、やり込み要素をすべて遊べば25〜30時間とサクッと遊びたい人にもおすすめ。なお、本作の購入を検討する人には、PS5にプリインストールされている無料ゲーム「ASTRO's PLAYROOM」を一度プレイしていただきたい。本作の前身となる魅力が存分に詰まっているので、「ASTRO's PLAYROOM」を遊んで興味を持った人は本作を買ってみても後悔しないだろう。

ぐう実況(ゲーム紹介系YouTuber)
Writer
ぐう実況(ゲーム紹介系YouTuber)
YouTubeを中心に活動するゲーマー。PSやPCのソフトを中心にゲーム紹介をする機会が多く、同分野を専門に活動しています。プライベートでは任天堂などの作品も頻繁に遊びます。
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水川悠士(編集部)
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水川悠士(編集部)
デジタル系メディアから価格.comへ。スマホ、スマートウォッチなどのガジェット周り、ゲーム関連を担当。触ってきた製品は数えきれないほど多いです。価格.comマガジンのYouTubeにも出演中。
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