「G-SHOCK」今月の衝撃!!!
「G-SQUAD」シリーズ最上位モデルとしてスポーツに特化!

G-SHOCK初の「Wear OS」搭載スマートウォッチをじっくりレビュー!

2021年5月15日、G-SHOCKから「G-SQUAD PRO GSW-H1000」が発売された。

本モデルは、G-SHOCKブランド史上初めて「Wear OS by Google」を搭載したスマートウォッチで、スポーツに特化したG-SHOCKシリーズ「G-SQUAD」の最上位モデルとして誕生した。

2021年5月15日に発売された「G-SQUAD PRO GSW-H1000」

2021年5月15日に発売された「G-SQUAD PRO GSW-H1000」

カシオのスマートウォッチ開発は2011年にスタート!

「GSW-H1000」を語る前に、カシオ計算機におけるスマートウォッチ開発の経緯を簡単に振り返ってみたい。

そもそもカシオ計算機は、国産時計メーカーとして最後発であったことから、電子機器企業の強みである先進テクノロジーの積極活用によって独創性を獲得。時計業界にとって革新的存在であるスマートウォッチについては、各グローバルIT企業の後塵を拝したが、2011年、G-SHOCKなどの製品開発を担う時計開発統轄部とは別の新規事業開発部主導でプロジェクトチームを立ち上げ、2016年にはカシオブランドの下で「Wear OS by Google」(当時は「Android Wear」)搭載のスマートウォッチ「スマートアウトドアウォッチ WSD-F10」を発売した。

2016年に発売されたカシオ計算機初のスマートウォッチ「WSD-F10」(生産終了品)

2016年に発売されたカシオ計算機初のスマートウォッチ「WSD-F10」(生産終了品)

後継機「WSD-F20」と「WSD-F30」は、アウトドアウォッチブランド「プロトレック」に移行され、機能の拡充や小径化などで着実に進化。こうした経験を生かし、いよいよG-SHOCKブランドからスマートウォッチを発売する流れとなった。

「G-SQUAD PRO GSW-H1000」の公式サイト価格は、88,000円(税込)

「G-SQUAD PRO GSW-H1000」の公式サイト価格は、88,000円(税込)

カシオ計算機製スマートウォッチが他社製と大きく異なるのは、スマートフォンとの連携によるスマート機能に留まらず、GPS機能や高度計、気圧計、コンパスなどの高度な機能を搭載して独自性を強く打ち出してきたことにある。

本モデル「GSW-H1000」も、そうした開発姿勢を受け継いでおり、方位・高度/気圧センサーやGPS機能に加え、心拍センサー、加速度・ジャイロセンサーも搭載させ、「G-SQUAD PRO」=「G-SHOCKのスポーツ特化ラインの最上位モデル」という新ポジションを確立。ランニングから屋内ワークアウト、ロードバイク、水泳、サーフィン、スノーボードまで、15種のアクティビティと24種の屋内ワークアウトに対応する。もちろん、「Google アシスタント」やメール・電話着信などの各種通知にも対応。さらに、G-SHOCKの名にふさわしい耐衝撃構造や20気圧の高防水性を備えつつ、マイクや充電端子、静電容量式タッチパネルも備えている。

無骨なデザインでG-SHOCKらしさ満点!

今回は、1か月半ほど試用する機会に恵まれたので、感想を踏まえて「GSW-H1000」の特徴を述べていきたい。なお、本稿は2021年6月時点での使用を元に作成しており、今後のアップデートによってアプリの数や内容などは変更される可能性がある。

まずは、デザインから。

1.2インチのカラー液晶ディスプレイの採用や、3つの操作ボタンを右側に集約した設計は、「プロトレック WSD-F30」の設計思想を踏襲したものと考えられるが、比較的シンプルな外装だった「WSD-F30」に比べると、「GSW-H1000」はプロテクター代わりの凹凸を設けたことでG-SHOCKらしさが強調されている。特に、ケースとバンドをつなぐ上下の結合部は、立体感のある造形だ。かたまり感を出しつつ、関節部のような境目を設けたデザインは、武士の甲冑やロボットの装甲をイメージさせる。また、樹脂の表面全体には、微細なハニカムのエンボスが施されており、スポーティーな雰囲気を高めている。

ケース径は、横幅56.3mmとG-SHOCKの中でも大きめだが、画面をタッチして操作することを考えると、これくらいのサイズ感が必要だろう。

G-SHOCKらしい無骨な外装デザイン

G-SHOCKらしい無骨な外装デザイン

裏ブタには、心拍計測が可能な光学式センサーを装備。耐食性や抗アレルギー性にすぐれたチタン素材が使用され、さらにチタンカーバイト処理で耐摩耗性も強化している。

裏ブタの上下には、装着感と耐衝撃性を向上させるための別体パーツを付属。同パーツは、正面から一部がのぞける作りで、デザインのアクセントにもなっている。

裏ブタの中央には、光学式センサーを搭載

裏ブタの中央には、光学式センサーを搭載

本モデルは、激しい運動を想定したスポーツ仕様であるため、バンド穴のピッチを狭くして装着感を向上。遊環も固定しやすい作りで、余り部分をしっかりホールドできる。

穴のピッチを狭めにしたバンド

穴のピッチを狭めにしたバンド

3つの操作ボタンは、ケース右側に集約。使用頻度の高い「STARTボタン」にはアルミ素材を採用し、視認性と操作性を高めている。左側には、充電用コネクターとセンサーを備える。

ケースサイド。操作ボタンは、本体右側(写真上)に集約

ケースサイド。操作ボタンは、本体右側(写真上)に集約

充電は、専用端子を使用し、常温下において約3時間でフル充電できる。専用端子の先端には、強力なマグネットが付いているので、着脱は容易だ。

充電状況も、グラフィカルに表示される

充電状況も、グラフィカルに表示される

重量は103g。ほかの樹脂製G-SHOCKと比べれば、わずかに重い部類に入るが、使用中に重さを感じるレベルではなかった。

さまざまなアプリを直感的に操作できる!

デザインにおいて特筆したいのが、インターフェイスのデザインだ。

下の写真をご覧いただければわかるとおり、各種データをわかりやすく、かつセンスのあるデザインで表している。必要な情報を表示させつつ、適切に設けられた余白、フルカラーディスプレイながらあえて抑えられた色数、そしてシンプルかつ見やすいフォントなどの採用がもたらした成果と言える。

いくらセンサーが優秀で、数多くの機能を備えていても、情報の受け取り手であるユーザーが理解しにくければ台なしになってしまうもの。「GSW-H1000」は、最適化されたデザインによって、ユーザーと時計とのスムーズなコミュニケーションをうながしている。

わかりやすく表示された「日の出/日の入り」(左)と「高度」(右)

わかりやすく表示された「日の出/日の入り」(左)と「高度」(右)

「気圧」(左上)、「方位」(右上)、「心拍数」(下)も、ひと目で把握しやすい表示だ

「気圧」(左上)、「方位」(右上)、「心拍数」(下)も、ひと目で把握しやすい表示だ

アクティビティ計測や各種センサーを使った測定といった、「GSW-H1000」独自の主要機能は、「CASIO's APPS」として集約され、本体右下の「APPボタン」、またはメニュー内のアプリ選択画面から呼び出すことができる。

「CASIO's APPS」の画面では、外周部に配列されたアイコンを指で回転するようにスワイプでき、アイコンは6時位置にくると中央に大きく表示される。これをタッチすると、起動する仕組みだ。直感的な操作が可能だし、グリグリ回転させるのも楽しい。

「CASIO's APPS」の画面。外周部を回転するようにスワイプすると、アプリのアイコンが閲覧できる

「CASIO's APPS」の画面。外周部を回転するようにスワイプすると、アプリのアイコンが閲覧できる

本体に搭載された機能の中でユニークなのが、「センサーオーバーレイ」だ。

これは、スマートフォンアプリ「G-SHOCK MOVE」と連動させることで、アクティビティ中の計測データを合成した動画や静止画を作成できるもの。基本的には、時計着用者とは別に協力者を用意し、スマホでアクティビティの様子を撮影してもらう必要があるが、たとえば、「マウンテンバイクで難所のカーブを華麗に曲がっていく」様子を撮影した動画に、速度や心拍数データを簡単に付けられるのは面白い。SNSでのシェアも楽しめそうだ。

計測データと動画/静止画を合成できる「センサーオーバーレイ」

計測データと動画/静止画を合成できる「センサーオーバーレイ」

アプリに関してはもちろん、「Google Fit」や「Google マップ」といった多彩なGoogleのアプリサービスを利用できるし、基本的な操作はほかの「Wear OS by Google」搭載スマートウォッチと同じなので、そういったものを利用した経験があれば、「GSW-H1000」はすぐに使いこなせそうな印象だ。

ほかの「Wear OS by Google」搭載スマートウォッチと同様に、Googleのアプリサービスも使える

ほかの「Wear OS by Google」搭載スマートウォッチと同様に、Googleのアプリサービスも使える

約200通りものカスタムが可能なウォッチフェイスを検証!

多彩な機能を有した本モデルだが、実使用において最も目にするのが、メイン画面だ。そこで、数あるオリジナルのウォッチフェイスのうち、主要パターンである「DIGITAL」をじっくりと検証してみた。

「DIGITAL」は、各種情報を同時に表示できるウォッチフェイスのひとつで、取扱説明書においては、「特にアクティビティ計測のために本機を使用するためには、日常的に当ウォッチフェイスをご使用になることをおすすめします」とされている。

プリインストールされたウォッチフェイスのひとつ「DIGITAL」」

プリインストールされたウォッチフェイスのひとつ「DIGITAL」」

「DIGITAL」の特徴は、ウォッチフェイスの上段/中段/下段にそれぞれ好みの機能を入れられるということ。選べる機能を、以下にまとめてみた。単純計算で約200通りものカスタムが可能だ。

【上段に入れられる機能表示】
・消費カロリー/歩数/心拍数
・電池残量
・日の出/日の入り
・心拍数
・気圧/気圧グラフ
・気圧/フィッシングタイム
・時刻/ワールドタイム

「DIGITAL」上段の設定メニューその1

「DIGITAL」上段の設定メニューその1

「DIGITAL」上段の設定メニューその2

「DIGITAL」上段の設定メニューその2

【中段に入れられる機能表示】
・時刻/ワールドタイム
・時刻
・心拍数
・消費カロリー/歩数/心拍数

「DIGITAL」中段の設定メニュー

「DIGITAL」中段の設定メニュー

【下段に入れられる機能表示】
・消費カロリー / 週間統計
・心拍数
・歩数 / 週間統計
・予定
・時刻 / ワールドタイプ
・高度 / コンパス
・高度 / 高度グラフ

「DIGITAL」下段の設定メニューその1

「DIGITAL」下段の設定メニューその1

「DIGITAL」下段の設定メニューその2

「DIGITAL」下段の設定メニューその2

たとえば、センサー類による計測をあまり気にせずに日常使いしたいという人の場合、中段は「時刻」を表示させて時計としての基本的な役割をカバーしつつ、下段は「予定」にして次のスケジュールを常にチェック。上段は「電池残量」でバッテリーがいつまで持つかを常に気にしておく、という使い方ができる。

シンプルな日常使いに最適な、表示の組み合わせ

シンプルな日常使いに最適な、表示の組み合わせ

トレイルランニングなど、アクティビティ中の各種データを、リアルタイムで確認したいという人の場合はどうだろう。上段は「気圧/気圧グラフ」、下段は「高度/コンパス」で今の自分が置かれている周辺環境を把握しつつ、中段は「消費カロリー/歩数/心拍数」で自分自身の状況を数値で確認する、という使い方ができそう。

この組み合わせのように、時計として不可欠と思われていた「時刻」表示をなしにできてしまうのも面白いところだ。

トレイルランニング中に、自身と周辺環境の状況を把握したい場合の組み合わせ

トレイルランニング中に、自身と周辺環境の状況を把握したい場合の組み合わせ

なお、「GSW-H1000」は、360×360ピクセルのカラーTFT液晶とモノクロ液晶による2層構造を採用しており、「常に画面をON」の設定が無効の場合、操作してから一定時間が経過するとモノクロ液晶に自動で切り替わってバッテリーの持ちをより長くできるようになっている。このモノクロ液晶では、シンプルなウォッチフェイス「2レイヤー」に準じたデザインのみを表示でき、モノクロ液晶に切り替わった際は「DIGITAL」で表示できていた情報の一部が非表示になる場合もある。先述の例にあげた「トレラン仕様」の場合、モノクロ液晶に切り替わった際は、消費カロリーと歩数の表示が省略される。

例にあげた「トレラン仕様」が、モノクロ液晶に切り替わった際の画面

例にあげた「トレラン仕様」が、モノクロ液晶に切り替わった際の画面

また、電池残量が0%になると、強制的にモノクロ液晶へと切り替わり、時刻/日付/曜日のみが表示される状態になる。残量が完全にゼロになるまで、時計としての最低限の役割を維持してくれる仕組みだ。

バッテリー残量が少なくなると、モノクロ液晶に自動的に切り替わる

バッテリー残量が少なくなると、モノクロ液晶に自動的に切り替わる

「DIGITAL」は、背景画面やカラーも変更でき、より自分好みにカスタムできる。

背景を地図情報にしたり、好みのカラーに変更したりとカスタマイズが楽しめる

背景を地図情報にしたり、好みのカラーに変更したりとカスタマイズが楽しめる

詳細な情報表示でトレーニングのモチベーションも上がる!

次に、「GSW-H1000」を実際のランニング中に使用してみた。

本体右上の「STARTボタン」をプッシュすると、直近で選択したアクティビティの選択画面が表示され、すぐに計測を開始できる。

アクティビティ計測を開始する直前の画面

アクティビティ計測を開始する直前の画面

さらにもう1度「STARTボタン」を押すと、GPSを捕捉した後に計測を開始。計測中は、各種パラメーターがリアルタイムで表示されるので、走行タイムやペース配分を意識しながらランニングすることができた。画面の背景において、走破した道のりが書き込まれていくグラフィック表現にも、センスを感じた。

ランニング中の画面。画面の背景には、走ったルートが描き込まれていく

ランニング中の画面。画面の背景には、走ったルートが描き込まれていく

なお、このアクティビティ計測中の画面は、ウォッチフェイス「DIGITAL」の表示形態のひとつであり、上段/中段/下段で表示させる内容を自分好みにカスタムできる。「ランニング」で表示できるのは以下のとおり。

【上段に表示できるデータ】
・ペース
・心拍数
・距離
・総上昇量/総下降量
・気圧/気圧グラフ
・日の出/日の入り時刻
・目的地の方向
・電池残量
・時刻/ワールドタイム
・消費カロリー

【中段に表示できるデータ】
・心拍数
・ペース
・タイム
・時刻
・スピード
・ラップ

【下段に表示できるデータ】
・時刻/ワールドタイム
・タイム
・距離
・高度/コンパス
・高度/高度グラフ
・ストライド/ピッチ
・消費カロリー
・心拍数

アクティビティ中の画面も、自由にカスタムできる

アクティビティ中の画面も、自由にカスタムできる

アクティビティの結果は、終了後すぐにウォッチ画面で確認できる。表示される内容は、次のとおりだ。

【アクティビティ終了後の表示内容】
・タイム
・距離
・ペース概要/詳細
・消費カロリー
・ルート(走行した軌跡)
・高度グラフ
・心拍数グラフ
・運動強度

アクティビティの結果は、レベル別カラー棒グラフで、割合がひと目でわかる運動強度の結果表示のように、詳細なグラフなどで表示されるため、視覚的に把握しやすく、成果を実感できた。

結果画面その1

結果画面その1

結果画面その2

結果画面その2

本モデルは、スマートフォンと同期させれば、スマホのアプリ上でもログを閲覧できる。こちらでは、走行ルートが運動強度の色別に表示されるので、どの場所がどれくらいキツかったのかを振り返ることもできる。

スマホでも詳細なログを管理・閲覧可能

スマホでも詳細なログを管理・閲覧可能

【まとめ】独自機能が大ボリュームで搭載されたスマートウォッチだった!

G-SHOCK初の「Wear OS by Google」搭載スマートウォッチとして話題を集めた本モデルは、そのニュース性にふさわしい性能を有していた。他メーカーの「Wear OS by Google」搭載スマートウォッチは、外装はバラエティ豊かなものの、中身は「OS由来の基本機能をベースに、独自アプリをちょっとプラスしてみた」程度のモデルも少なくないが、本モデルはこのプラス部分のボリュームが圧倒的に大きい。高度なセンサー開発や省電力設計など、これまでカシオ計算機が築き上げてきた技術力のおかげだ。

G-SHOCKとして新たなる歴史を刻むことになった「GSW-H1000」。本モデルを皮切りとして、今後の“G-SHOCKスマートウォッチ”の展開にも注目したい。

【SPEC】
●防水性:20気圧防水
●ケース・ベゼル材質:樹脂
●バンド材質:樹脂バンド
●ケースサイズ:65.6(縦)× 56.3(横)× 19.5(厚さ/センサー突起を含まない場合)mm
●重量:103g(バンド含む)

横山博之

横山博之

カバン、靴、時計、革小物など、男のライフスタイルを彩るに欠かせないモノに詳しいライター。時代を塗り替えるイノベーティブなテクノロジーやカルチャーにも目を向ける。

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