ハードウェアからコンテンツまで、VRの可能性が広がる展示が続々と登場

PS VRだけじゃない! 東京ゲームショウ2016で話題のVRの最前線を見てきた

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2016年9月15日から18日にかけての4日間、千葉・幕張メッセで開催される日本最大のゲームイベント「東京ゲームショウ2016」(以下、TGS2016)。今年の見どころは、なんといっても“VR(Virtual Reality)”だ。今年は“VR元年”と言われており、会場には初めてVRに特化した「VRコーナー」が設けられたほか、大小さまざまなメーカーの展示ブースが並ぶ一般展示エリアでも多数のブースでVR関連の展示が行われ、VRの最前線を垣間見ることができた。ここでは、VR関連のブースの模様を中心にレポートする。

発売目前のPS VR向けタイトルを多数展示し、ゲームの新たな可能性を示すSIE

TGS2016の会場内にはVR関連の展示がいたるところで行われていたが、そのなかでもひときわ注目を集めていたのが、会場でもっとも大きい展示ブースを構えたソニー・インタラクティブエンタテインメントブースだ。

TGS 2016 ソニー・インタラクティブエンタテインメントブース

TGS 2016 ソニー・インタラクティブエンタテインメントブース

2014年の「プロジェクトモーフィアス」出展から3回目を迎える今年は、発売間近の「PlayStation VR」(以下、PS VR)の試遊台を多数設け、「バイオハザード7 レジデント イービル」や「アイドルマスター シンデレラガールズ ビューイングレボリューション」、「サマーレッスン:宮本ひかり セブンデイズルーム」、「シン・ゴジラ スペシャルデモコンテンツ for PlayStation VR」といったPS VR向けに開発中のコンテンツを一堂にそろえて展示。VRによる新しいゲーミング体験を訴求していた。

10月13日に発売を控えたこのタイミングで、人気コンテンツを一足早く体験できるということで、ビジネスデーにも関わらず体験ブースには多くの人が駆けつけ、ブースの熱気は非常にすさまじかった。一般公開日となる17日も、PS VRの試遊整理券があっという間になくなったという。来週には発売日に確実に手に入る最後の予約受付も開始される。まだ予約できていない人も大勢いるということで、この勢いは当分の間続きそうだ。

大人気のPS VR体験ブース 「サマーレッスン:宮本ひかり セブンデイズルーム」を体験 「Rez infinite」も体験できた このほかにもPS VR対応のコンテンツが多数展示されていた ゲーム以外のコンテンツも展示され、会場は多くの人でにぎわった

PCと組み合わせてルームスケールVRを訴求するHTC Vive。特徴を生かした6つのコンテンツを展示

PSVR、Oculus Riftと並び、いまもっとも熱いVRデバイス「HTC Vive」。会場に今年から設けられたVRコーナーに大規模な展示ブースを構え、PCと専用デバイスを組み合わせ、ルームスケールのVR体験ができるという同デバイスの特徴を生かした多数のデモンストレーションを行っていた。

VRコーナーに大規模な展示ブースを構えたHTC

VRコーナーに大規模な展示ブースを構えたHTC

筆者も、AMDと講談社が共同で出展していた「Hop Step Sing!」というコンテンツを体験させてもらった。ポリゴン・ピクチュアズと講談社が手掛けるVRアイドルプロジェクト「Hop Step Sing!」では、すでにスマートフォン用VRデバイス向けにアイドルのライブを見ることができるコンテンツを提供しているが、今回はHTC Viveに合わせてチューニングしたものを体験。コンテンツ自体は、アイドル達と同じステージに立ってライブを見ながらアイドル達を応援できるというものなのだが、今回はグリーンバックを使って体験していない人も体験している人と同じ視点で体験できるようになっていた。VRは実際に体験してみないとわからないことが多いが、こういった試みで体験者以外もたのしめるというのは面白かった。

VRアイドルプロジェクト「Hop Step Sing!」のHTC Viveバージョンを体験

このほかにも、スクウェア・エニックス「乖離性ミリオンアーサー」のコンテンツを用いて、カードバトルなどをVRで体験できる「乖離性ミリオンアーサーVR」や、違う場所にいる人がVRを使って同じ世界に入り、SNSやミニゲームなどのさまざまなコミュニケーションを楽しめる「Linked-door loves Space Channel 5」など、合計6つのコンテンツを展示。なかでも「Linked-door loves Space Channel 5」は、ドリームキャストで発売された「スペースチャンネル5」とコラボが事前に発表されていたこともあり、訪れたユーザーの大きな関心を集めていた。

離れた場所にいる人とVRをつかってコミュニケーションがとれる「Linked-door loves Space Channel 5」 ブースの中を歩きながらFPSをプレイできるデモも行われていた

ゲームメーカーのブースにもVR関連の展示が登場。PS VR向け以外にもさまざまなコンテンツで魅せる

ゲームタイトルを開発するゲームメーカー各社のブースにおいても、VR関連の展示が多数行われていた。

カプコンブースでは、PS VRの実機を多数用意し、2017年発売予定の「バイオハザード7 レジデント イービル」のVR版を体験できる試遊デモを実施。SIE以外のブースでPS VRを体験できる数少ないブースということで、会場直後から多くの人でにぎわっていた。また、カプコンブースの一角に設けられた「バイオハザード ミュージアム」でも、先日の「2016 PlayStation Press Conference in Japan」で発表された「バイオハザード」とL'Arc〜en〜Cielがコラボした新機軸の音楽映像体験コンテンツ「Don't be Afraid -Biohazard × L'Arc-en-Ciel on PlayStation VR-」の体験試遊台を用意。ゲームとは違った新しいVR体験の提供を訴求していた。

カプコンブース 「バイオハザード7 レジデント イービル」の試遊デモはかなり混雑していた 「バイオハザード7 レジデント イービル」の試遊デモの様子 「バイオハザード7 レジデント イービル」の試遊デモの様子 音楽映像体験コンテンツ「Don't be Afraid -Biohazard × L'Arc-en-Ciel on PlayStation VR-」のデモも用意 こちらも体験希望ユーザーが多く、常に列ができていた

スクウェア・エニックスのブースでは、“プロジェクトHikari”というVRとマンガをかけ合わせたデモンストレーションが行われていた。VR技術を使ってマンガの世界に行けるという非常にユニークな試みで、「月刊ビッグガンガン」で連載中の「結婚指輪物語」のコンテンツを使用したデモンストレーションでは、2Dと3Dが絶妙に融合したこれまでにないマンガ体験を楽しめる。スクウェア・エニックスというと、最先端のゲーム開発を行っているというイメージがあったので、こういったゲーム以外のコンテンツ開発に積極的なところには非常に驚いた。

VRとマンガをかけ合わせた実験的な試みだ 体験時間は約8分ほど。こちらも多くの人が列を作っていた

「World of Tanks」や「World of Warships」などを手掛けるウォーゲーミング・ジャパンのブースでは、戦場を駆け抜ける戦車の上に立っている様子を体験できる「GET VIRTUALLY INSIDE WORLD OF TANKS」や、戦艦大和に乗っている様子を体験できる「VR Special photo zone YAMATO」など、同社らしいVRコンテンツを展示していた。筆者も「VR Special photo zone YAMATO」を体験したが、映像内の大和や敵戦艦、戦闘機は細部までしっかりと再現されており、さすがはウォーゲーミング・ジャパンといったところ。HTC Viveのコントローラーで敵戦艦を狙い、弾数制限なしにどんどん砲撃できるという内容もスカッとして非常に気持ちがよかった。

ウォーゲーミング・ジャパンブース 戦場を駆け抜ける戦車の上に立っている様子を体験できる「GET VIRTUALLY INSIDE WORLD OF TANKS」 体験している様子はモニターで確認できる 戦艦大和に乗っている様子を体験できる「VR Special photo zone YAMATO」 グリーンバックを使い、体験者の観ている内容をモニターで表示。3Dモデリングがかなり精細だ コントローラーの向きに合わせて砲塔が動く。砲弾は撃ち放題!

このほか、スマートフォン向けアプリ「スイートルームで悪戯なキス」に登場する一ノ宮英介による壁ドンならぬ“椅子ドン”を体験できるVRコンテンツ(ボルテージブース)や、名刀を擬人化した大人気刀剣育成シミュレーションゲーム「刀剣乱舞-ONLINE-」(通称:とうらぶ)とコラボレーションしたVRコンテンツ(DMM GAMESブース)、劇場アニメ「KING OF PRISM by PrettyRhythm」(通称:キンプリ)に登場する一条シンとの握手会をVRで再現したコンテンツ(シーエスレポーターズブース)など、女性向けのVRコンテンツの展示も非常に多かった。椅子ドンやとうらぶVRなど、女性向けVRコンテンツの詳細については、こちらの記事を参照してほしい。

椅子ドンVR 恥ずかしい人はカーテンを閉められる とうらぶVR 本丸の縁側を再現したブースで体験できる スマホ用のVRモードを搭載する美少女RPG「オルタナティブガールズ」の展示もあった 展示ブースでは、作品に登場する生徒たちとの交流が楽しめた 体験した人にはオリジナルのVRゴーグルがプレゼントされていた

VRヘッドセットと体感マシンを組み合わせた体感型コンテンツも!

台湾に拠点を置くFuturetown社のブースでは、VRヘッドセットと体感マシンを組み合わせた体感型コンテンツのデモが行われていた。

VRコーナーにブースを構えたFuturetown

VRコーナーにブースを構えたFuturetown

デモを行っていたのは、バイクのライダーとなってコースを駆け抜ける体験を楽しめる「INFINITY RIDER:MotorbikeVR」をはじめ、リアルなスキー体験を楽しめる「Whiteout:Ski VR」、馬に騎乗してアフリカの大地を走る体験ができる「Stallion Adventures:Horse RidingVR」、サーフィン体験ができる「Wave Breaker:Surf VR」の全4種類。いずれも、専用の体感マシンを使うことで、まるで実際に体験しているようなリアルなフィードバックを体験できるのが特徴だ。

VRの没入感をさらに高める手法として、HTC ViveやOculus RiftといったVRヘッドセットと、専用の体感マシンを組み合わせるという方法はこれまでにもいくつかあったが、コントローラーを使ったVRゲームとはまた違った体験で非常に面白い。VRの可能性のひとつとして、今後もこういった体感型コンテンツが増えていきそうだ。

バイクのライダーとなってコースを駆け抜ける体験を楽しめる「INFINITY RIDER:MotorbikeVR」 専用体感マシンにバイクのようにまたがってプレイする リアルなスキー体験を楽しめる「Whiteout:Ski VR」 馬に騎乗してアフリカの大地を走る体験ができる「Stallion Adventures:Horse RidingVR」

コンテンツだけじゃない! 視線トラッキング対応やメガネ型の世界最軽量デバイスなど、新型VRヘッドセットも多数展示

会場ではVRコンテンツの展示だけでなく、新型のVRヘッドセットの展示も多数行われていた。

FOVEブースでは、眼の動きを追ってくれる視線トラッキングや、眼の瞬きを判断する独自の技術を搭載した新型VRヘッドセット「FOVE」を出展。眼の動きだけでターゲットを合わせられるシューティングゲームや、瞬きするとステージが切り替わるスクロールアクションなど、FOVEの特徴を最大限生かしたというオリジナルコンテンツを用意していた。現時点ではメガネをしたままだと使えないなどの課題が残っているというが、技術そのものは非常に面白い。11月より予約を開始するということなので、今後の情報にも注目したいところだ。

眼の瞬きを判断する独自の技術を搭載した新型VRヘッドセット「FOVE」 シューティングゲームでは、眼の動きをとらえ、敵を見るだけでターゲットカーソルを合わせられる

Shenzhen Dlodlo Technologies/双日プラネットブースでは、今後発売を予定している新型VRヘッドセットを多数展示していた。なかでも注目なのが、重量88gで世界最軽量をうたう「Dlodlo V1」。PS VRやHTC Viveなどが頭から装着するタイプなのに対し、Dlodlo V1はメガネ型でさっと装着できるのが特徴。非常にコンパクトな製品ながら、2K+(2400×1200)の解像度にも対応する。専用のデバイスからワイヤレスで映像を送る必要があるものの、さっと取り出して簡単に使える点は、これまでのVRヘッドセットにはない大きな魅力といえる。日本国内での発売は2017年を予定しているという。

メガネ型VRヘッドセットのDlodlo V1をTGSの会場でお披露目 重量88gで世界最軽量をうたう 見た目はまるでサングラス Dlodlo V1を横から見たところ レンズ部分の厚みも思ったより厚くない Androidスマートフォンを装着して使うDlodlo H2 CPUなどを搭載したオールインタイプのDlodlo X1 iPhoneを装着して使うDlodlo A1

immerexブースでは、E3 2016で発表のあった重量約200gのメガネ型VRヘッドセット「VRG-9020」の試作機が展示されていた。まだ開発途中ということもあり、視野角や装着感がまだまだな部分が多いが、持ち運んで手軽に装着して楽しめるという点はやはり便利だ。今後、こういった手軽にVRを楽しめるデバイスが増えてくると、VRの普及にますます弾みがつきそうだ。

メガネ型VRヘッドセット「VRG-9020」の試作機。近未来感あるデザインが特徴 まだ試作機ということで、眼や鼻が当たる部分から光が入りこむなどの課題もあった
遠山俊介(編集部)

遠山俊介(編集部)

PC・家電・カメラからゲーム・ホビー・サービスまで、興味のあることは自分自身で徹底的に調べないと気がすまないオタク系男子です。最近はもっぱらカスタムIEMに散財してます。

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2017.1.19 更新
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