「ペットは家族の一員!」。価格.comマガジン読者の中にも、そんな風に愛犬・愛猫を大切にして暮らしている方は多いのではないだろうか。ペットの“家族化”が進んでいる今、シャープから、飼い猫のライフログを取得できる猫用トイレ「ペットケアモニター」が発表された。大切な家族である愛猫の健康を、AIシステムで管理するという提案だ。
「ペットケアモニター」(型番:HN-PC001)と、同製品を使用したライフログ取得サービスが2018年7月30日に提供開始される
一般財団法人日本ペットフード協会が2017年度に実施した調査によれば、日本国内で飼育されているペットの数は1,845万頭にものぼるという。その8割以上が室内飼いであり、飼い主の多くは上述の通り「家族の一員」としてペットを大切にしている。
しかしいっぽうで、夫婦共働きの家庭が増えており、平日の日中は家にいるペットの状況を把握できない飼い主も多い。そこで最近は、室内カメラとスマートフォンを連携させたペット見守りサービスの需要も増えている。
そこからさらに一歩踏み込んで、“飼い猫のライフログ”を取得できるようにしたのが、今回シャープが発表したペットケアモニターだ。簡単に言うと、「各種センサーを内蔵し、Wi-Fiでクラウドとつながる猫用のシステムトイレ」となる。
猫がトイレをするたびに、体重や尿量などが計測され、そのデータがクラウドに送られて、飼い主のスマホから確認できるというのが大枠の仕組みだ。
本体(写真左)で取得した飼い猫のデータを、スマホの専用アプリ(写真右)から確認可能
猫がトイレをするために入ったところのイメージ
利用にあたっては、ペットケアモニター本体を購入の上、シャープの提供するクラウドサービスへの申し込みが必要となる。本体価格は24,800円(税別)、クラウド連携サービスの利用料は月額300円(税別)で、2018年7月30日からサービススタート予定だ。
ペットケアモニターで計測できるのは、「尿量」「体重」「尿回数」「トイレの滞在時間」「室温」の5種類だ。本体の底面には、重量センサーと温度センサーを内蔵したセンサーユニットが搭載されている。これにより、猫がトイレをするため中に入ると、体重や尿量の重さを同時に自動計測してくれる。
なお、猫はトイレの設置場所が寒すぎると、トイレに行くのを我慢することがある。そこで、ペットケアモニターは設置場所の周辺温度を計測できるのもポイントだ。
本体の底面に、重量センサーと温度センサーを搭載するセンサーユニットを装備
Wi-Fiユニットもこのセンサーユニット部に内蔵する。なお、脚部が重量の測定部になっている(写真右)
ペットケアモニターが計測したデータは、無線LANまたはBluetooth接続経由でインターネットを通じ、シャープの専用クラウドに送信される。
クラウド上では、鳥取大学とシャープが共同開発したAI「異変検知アルゴリズム」によって、データの解析が行われる。もし、普段とは異なるデータが検出された場合は、AIが飼い主のスマホに「尿量が減っています」などと通知してくれる。
外出先や仕事中でも、スマホさえあれば愛猫の健康状態をチェックできる。なお利用時には、最初だけ本体とスマホのペアリング設定が必要
また、最近はいわゆる“多頭飼い”で、ひとつの家庭で複数匹の猫を飼っている場合も多い。そこでシャープでは、別売の個体識別バッヂ(3,980円/税別)を用意している。
このバッヂを飼い猫の首輪に取り付ければ、最大3匹までの個体を識別して、それぞれのライフログを個別データとして取得し蓄積してくれる。なお、利用する猫が2〜3匹に増えても、サービス月額利用料は300円(税別)のままでよい。
個体識別バッヂを取り付けて、最大3匹までの猫をアプリに登録できる
上述の通り、センサーユニットは別体なので、本体を取り外してしっかり洗えるようになっている。なお、内蔵センサーによる重量計測に影響が出ないよう、中に使用するチップとペーパーは専用品を使用することが推奨されている。
チップとペーパーは専用品の使用を推奨
本体下部にセットする排尿用のペーパーは、2〜3日に1度の割合で取り替える必要があるとのこと
近年シャープは、独自のAIシステムを採用したIoT家電事業を“AIoT”と名付けて推進しているが、今回のペットケアモニターは、このAIoT技術をペット分野にも広げていく取り組みとなる。
同社は、上述のペットケアモニターのほかに、犬のバイタルを計測できるAIoT活用サービスを展開することも発表した。こちらはペット事業者や研究機関を対象としたBtoB向けサービスとなるが、これらのシステムを使って得た情報をビッグデータとして蓄積し、さまざまなペット事業への応用も視野に入れている。
犬の緊張やリラックス状態と相関する自律神経バランスを数値化する「犬向けバイタル計測サービス」も、BtoB向けに2018年7月1日から提供開始する
シャープでは、これらAIoTを活用したペット向けサービスを「COCORO PET」のブランド名称で統一し、訴求していく構えだ。
ペットは、体調が悪くなっても人間の言葉をしゃべることができない。そこで、クラウドベースのペット用ヘルスケアサービスを活用すれば、飼い主がペットの体調の変化に気づきやすく、病院に行くきっかけにもなり、病気の早期発見にもつながるというわけだ。
なお、シャープの製品といえば、プラズマクラスター発生器を搭載した空気清浄機も人気だが、そもそもこれもペットのいる家庭に最適な家電である。今後の展開として、プラズマクラスター空気清浄機とペットケアモニターのセット提案なども期待したい。
オーディオ&ビジュアル専門サイトの記者/編集を経て価格.comマガジンへ。私生活はJ-POP好きで朝ドラウォッチャー、愛読書は月刊ムーで時計はセイコー5……と、なかなか趣味が一貫しないミーハーです。