レビュー
コケ対策も、教えます!

高性能&グッドルッキングな“小型水槽”でアクアリウムを始めよう♪

見た目のよい水槽が流行中

アクアリウムが大好きなライター、マリオ高野です。

ここ最近、アクアリウム趣味の世界では「システム水槽」というオシャレな水槽が流行っているようですね。「システム水槽」とは、一般的なアクアリウムで必要とされるフィルター(ろ過装置 ※詳細後述)と水槽を一体化させることにより、見た目のスッキリ感(インテリア性)と、高いろ過能力を両立させた水槽のことをいいます。「オールインワン水槽」と呼ばれることも。

昔ながらのアクアリウムといえば、ブクブクと泡が出る水中投げ込み式のフィルターや、水温調整用のヒーターが水槽内のどこかしらに設置されているものですが、自然の風景をよりリアルに鑑賞したい人にとって、それらは無粋で不自然なものに。コードやパイプの類いも、鑑賞の妨げとなります。

昔ながらのスポンジフィルターと、サーモスタット一体型のヒーター。このような雑な設置でも筆者は気になりませんが、オシャレなアクアリウムとはほど遠い世界です

最近のエアーポンプはデザイン性にすぐれたものが増えましたが、コードやパイプ類は、キチンと整理しないと見苦しいもの。器具側の問題というより、ユーザーの性格やセンスに左右される部分とも言えますが……

水草や流木などをうまく配置することで、それらをある程度目立たないようにすることはできるものの、最近の流行りであるオシャレ感を高めた小型水槽では、フィルターやヒーター(およびそのコード/パイプ類)の存在が特に目立ってしまい、容積的にも水槽内を大きく圧迫してしまいます。飼育者の見た目にも、水槽内で暮らすサカナや水草にとってもじゃまとなってしまうワケですね。

フィルターやヒーターの側も創意工夫が見られ、小型化やデザインの工夫などで小型水槽内でもなるべく目立たないようになってはいます。しかし、それでもやはり水量が10リットル以下の小型水槽では、物理的にマイナス要因でしかありません。

そこで登場したのが、水槽本体とろ過装置を融合させ、デザイン性と機能性を両立させた「システム水槽」です。基本的には「オーバーフロー方式」と呼ばれるろ過装置(※)を水槽の背面や側面に設置したもので、ヒーターなどはそのろ過槽の内部に収納することで、水槽内にあるのは砂利や水草、サカナのみという状態を実現しました。

※サカナの排泄物やエサなどから出た汚れを分解するフィルター機能を発揮。なくてもサカナは飼えますが、あれば圧倒的に飼育が楽になります。汚れを分解するバクテリアが機能するまで数か月はかかるので、水槽をセットした直後はろ過能力が低い状態であると認識してください。「AQUA-U」の場合、ろ過槽内部の仕切り板に水の汚れを吸着除去する効果のある活性炭フィルター(活性炭スリムマット)が備わっているので、初期段階でもある程度は水の汚れを除去してくれますが、容量的に、過度な期待はできません。

「オーバーフロー方式」そのものは昔からあるろ過装置で、比較的大型の水槽でよく採用されています。水槽を設置するキャビネットやアングル台の内部をろ過槽とすることで、ろ過槽の容積を大きくできるので、ろ過能力がきわめて高いのが特徴。水族館やお寿司屋さんの生け簀(いけす)など、プロ向けの大型水槽では、ほとんどオーバーフロー方式が採用されています。というか、オーバーフローなくして、大型魚を健康に長期間飼育するのは無理と言っても過言ではないでしょう。

大型水槽の場合、水槽とろ過槽を合わせた重量はとても大きくなり、水を循環させるポンプもそれなりに大きな容量が必要とされることから、かつてはかなりマニアックなシステムと言えました。アクアリウム好きの筆者にとっては「いつかはオーバーフロー」と夢見る、昔年の憧れのシステムです。それが、最近では卓上にも置けるサイズの小型水槽でも同じ原理が応用されるようになっているのですね! アクアリウムショップでもよく見かけるようになりました。

新世代の“超小型オーバーフロー水槽”をテスト

オーバーフロー方式を採用する「システム水槽」と呼ばれるジャンルの新世代水槽は、アクアメーカー各社からさまざまな製品が発売されていますが、今回試してみたのは、アクアリウム器具の老舗メーカー、ジェックスの「AQUA-U」。その名のとおり「U」の字型に水槽とろ過槽を配置することで、超小型のオーバーフロー方式水槽とした画期的な水槽です。

見るからにオシャレな水槽! 2018年に発売された新しい製品で、グッドデザイン賞を受賞しています

見るからにオシャレな水槽! 2018年に発売された新しい製品で、グッドデザイン賞を受賞しています

水槽の底から水を吸い込んでろ過槽へ送り、ろ過層を通過した水が水槽に戻るという循環システム。数あるシステム水槽の中でも特に効率がよくコンパクト。特許も取得しています

水槽本体は幅18cm、高さ26cmほどの極小サイズながら、ろ過槽分により水量は9リットルを確保。水や底床の量にもよりますが、セット時の総重量は12〜13kgほど。センスと工夫次第で、さまざまな動植物の育成が楽しめます

製品を箱から出して見ると、確かにオシャレでスッキリとしていますが、はたしてろ過機能をはじめとする水の循環がスムーズに行われるのかどうかが気になりました。水槽本体のサイズが小さいので、水流の強さ加減も気になります。いかにオシャレで見栄えがよくても、肝心の循環機能がダメなら意味がありませんので。今回は、セットしてから2週間での印象を報告します。

セッティングはとても簡単で、機械オンチな人でも難なく組めるでしょう。器具をセットしながら感じたのは、思いのほか細部まで配慮が行き届いているということ。オーバーフロー式の場合、水槽の底面にある排水口など、水の循環経路のどこかが詰まったりして水が流れなくなると、水槽から水があふれてしまう恐れがあります。しかし、「AQUA-U」ではろ過槽タワー内部(U-TOWERと呼ばれる部分)に設けられたバイパス構造により、排水口が目詰まりしても水があふれない安心設計。

どこに置いてもインテリアのじゃまにならないシンプルなデザイン。タテヨコ、どちらに設置するかはお好み次第ですね。ただ、小さいながら水を入れると重さは12kgを超えるので、不安定な場所に設置するのはNGです

<本品とは別途購入が必要なもの>
・「ヒーター(サーモスタット機能付き)」*
・「低床(ソイルや砂利)」
・「ろ過材(ジェックス社の「ベストロカバイオリング」など)」
・「水道水のカルキ抜き」
・サカナや水草

*メダカやタナゴ、金魚など、日本原産の生体を飼育する場合、ヒーターは不要。 ただし、冬場も活発な様子を鑑賞したい場合は必要、サカナの数を多く入れたい場合や、多めの溶存酸素量を必要とするサカナを飼育する際はエアーポンプも別途必要になりますので、熱帯魚ショップなどに相談しましょう。

今回、低床には、サイズが2mm以下と小粒の「ソイル」と呼ばれる土を使ったので、低床のソイルから微細な土が巻き上げられることが心配されましたが、モーターのパワー加減が絶妙だったため、杞憂に終わりました。低床を小粒のソイルではなく、昔ながらの砂利にすれば、底面フィルターとしての機能も期待できるでしょう。低床をソイルにしても、ごくわずかながら低床内部の水が動くことが期待でき、低床内部の嫌気性微生物の増加を抑える効果が得られるかもしれません。

その半面、低床に水草用の固形肥料を埋めている場合は、肥料成分が水中に溶け出しやすくなることが予想されるので、コケ対策として、ソイルを敷いた場合は、換水の頻度は高くしたほうがいいでしょう。そもそも、容量に余裕のない小型水槽では、換水はなるべくマメにすべきです。水槽が小さく水量も少ないので、そんなに手間ではありません。飼育するサカナのコンディションにもよりますが、コケを一切出したくない人は、セット直後の水槽内の環境が不安定な時期に、毎日でも換水したほうがいいでしょう。

今回、ソイルは7cmほどとやや厚めに敷きましたが、ソイルに含まれる微量成分が水中に溶け出す感覚は、通常の水槽(スポンジフィルターや外かけフィルター使用時)と変わらない様子でした。

排水口と吸水口の位置は、水槽の真ん中にするか、やや端に寄せるか選択可能。粒が大きめ(2ミリ以上)の低床素材は底面ろ過として機能します。粒の細かいソイルを敷く場合は排水口にスポンジを装着

ろ過槽タワー内部(U-TOWERと呼ばれる部分)には、仕切り板に活性炭フィルター(活性炭スリムマット)が付いていますが、これはろ過機能としては気休めでしかないので、ろ過槽タワー内部(U-には必ず何らかのろ材(※)を入れましょう。製品の箱にはジェックス社の「ベストロカバイオリング」が推奨されているので、手持ちのろ過材の中からよく似たタイプの「エーハイム メック」というセラミック製のリング状ろ過材を入れました。すでに、ほかの水槽で数か月以上使用しているフィルター内部のろ過材を入れると、新規で立ち上げた水槽でも安定するのが早くなります。すべて新規で水槽を立ち上げる場合は、ろ過バクテリアのタネ系のケミカルを使用するとよいでしょう。

※ろ過槽の中に入れる材料。軽石のようなものや、小さな筒を輪切りにしたセラミック素材など、さまざまなものがあります。サカナの排泄物やエサなどから出た汚れを分解するバクテリアが増えるよう、なるべく表面積の大きな素材が望ましいです。各社からさまざまなものが発売されていますが、「AQUA-U」はジェックス社の「ベストロカバイオリング」を推奨しています。何らかのろ過材を別途買い求めてください。

個人的に、バクテリアのタネ的なケミカルはあまり信用していなかったのですが、コレはオススメできます。新規立ち上げ水槽の安定感が明らかによくなります

ろ過槽内には何らかのろ過材を入れましょう。外部フィルター用のろ過材であれば何でもよさそうですが、通水性の悪い素材はろ過槽内の水の流れを悪くするので注意

ろ過槽タワー内部には、小型水槽用のヒーターと、水草育成のための二酸化炭素添加レギュレーターがギリギリ収まりましたが、コード&パイプ類も含めて、完璧に整理された雰囲気に感動です。水草をあまり重視せず、生体の個体数を増やしたい場合はエアーポンプによるエアレーションを入れてもよいでしょう。

ヒーターは既存のものを。最小クラスのヒーターでないとろ過槽タワー内部に入らないのでご注意ください

ヒーターは既存のものを。最小クラスのヒーターでないとろ過槽タワー内部に入らないのでご注意ください

ろ過槽タワー内部に、ヒーターと二酸化炭素添加レギュレーターを収めた様子。もちろん普段はフタをしていますが、内部が崩れたりしないか時々チェックしています

付属の照明は、6500Kの明るさを発揮する高輝度LEDライトで「クリアLEDリーフグロー」という製品名。これは単体でも発売されていますが、「AQUA-U」と同時開発されたものなので、相性はバッチリ。一般的な水草ならこれだけで十分生育できます。場合によっては光が強すぎるので、コケを生やしたくない人は、点灯時間が8時間を超えないように注意しましょう。できればタイマーで点灯時間を管理したいものです。

小型水槽用のライトは光量不足気味とのイメージがありましたが、コレはかなり明るいです。ただ、ややピンポイント気味なので、水槽全体を均一に照らすのは難しいかも

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