どうにかならないものでしょうか、この連日の猛暑。少しでも外を歩こうものなら「じっくりコトコト煮られてんの!?」ぐらいの気分になって、本当にキツい。普段は季節問わずホットコーヒーを愛飲している自堕落王(ジダラキング)ですが、さすがにこの爆熱気温でホットは無理!
ということで私事ながら、ついにアイスコーヒーに目覚めました。今さらですけど、蒸し暑い中をヒイヒイ歩いたあと、エアコンの効いた室内で冷たいコーヒーをゴクゴク飲むの、最高ですね。汗がスーッと引く感じがたまりません。
で、せっかく飲むなら、よりおいしいアイスコーヒーを飲みたいじゃないですか。苦みを抑えてスッキリした味のコールドブリュー(水出しコーヒー)なんか最高ですが、抽出するまでに8〜12時間ぐらいかかってしまうのがネックで……。思い立ったときにゴクゴク飲みたいのに!
もちろん、テクノロジーを使えば時間はなんぼでも短縮できます。たとえば、真空ポンプでコーヒー粉と水に加圧・減圧を繰り返し、わずか数分でコールドブリューが作れるコーヒーメーカーというのは、すでにいくつか存在します。
ただ、以前に某メーカーのものを試してみたところ、できあがったコーヒーには妙な雑味と強い粉っぽさを感じて、「???」って印象でした。やはりおいしいコールドブリューを飲みたければ、時間をかけるしかないのか……。
そんな話を「価格.comマガジン」の編集者にしたところ、「これ評判いいみたいですよ」とおすすめされたのが「EPEIOS コールドブリューメーカー」です。こちらは元々クラウドファンディング発の製品で、2,900%超の達成率を経て、一般販売に至ったのだそう。
デザインもオシャレなクラファン発の「EPEIOS コールドブリューメーカー 350mL」(EPEIOS)
このモデル、仕組みは以前試したものと同じ真空抽出タイプのようですが、はたして何がどれほど違うんでしょうか? ひとまず見た目はオシャレで涼しげなので、「へぇ……使ってみようかな」という気にはさせられましたけども。
構造としては、真空抽出を行う本体、ストレーナー、フィルターが1セット。あとはこれらを収めるカップという組み合わせです。ちなみに、カップはボディと上部で分離します。
写真左から、本体ユニット、ストレーナー、フィルター、カップのボディと上部カップ。これらを合体させて使います
使う前にまず本体ユニットを充電しておきましょう。マグネット式の充電ケーブルが付属しており、充電時間は2時間ほどでした
本体の充電が完了したら、コーヒーの粉をフィルターに入れます。水240mLに対して、コーヒー粉20gが適正量とのこと。粉の細かさにもよるでしょうが、フィルター内のいちばん上のメッシュまで入れたら大体20gになるようでした。
コーヒー粉20gをセット。ちなみに、粉は深煎り・中細挽きがコールドブリューの基本です。何なら豆から挽いてくれるコーヒーショップで「アイスコーヒーによさげなのをください」とお願いすれば、間違いないでしょう
次にカップに適量の水を注ぎ、本体とストレーナー、粉の入ったフィルターをねじ込んで一体化したものをスポッと上からセットすれば、準備完了です。
本体ユニット、ストレーナー、コーヒー粉を入れたフィルターの順にねじ込んで連結します
本体上部のボタンを押すと抽出がスタート。ポンプの作動音とともにまず加圧が始まり、ストレーナーとフィルターに残っていた空気を押し出します。続いて減圧。ギューンとカップ内の水がフィルターを通してストレーナー内に吸い込まれていきます。で、また加圧して水をカップに戻します。
これを1分間隔ぐらいで繰り返すことで、次第に抽出が進むわけです。
約10分したらポンプが自動で停止して、抽出完了。今回は同社推奨の水240mLで抽出しましたが、容量いっぱいの350mLまで水を入れたり、反対に水を少なくしたりすると、抽出時間は1分程度前後するそうです。
本体、ストレーナー、フィルターを抜いて、カップの上部を外します。それから、付属の携帯フタを取り付ければ、カップがタンブラーに早変わり! これはなかなか面白いギミックだし、別に入れ物を用意する必要もなく、洗い物が1つ減らせます。
本当に10分ぐらいでコールドブリューができあがりました! 冷え冷えで飲みたいので、今回は氷を投入してます。暑いし
カップに飲み口付きの携帯フタをかぶせると、そのままタンブラーとして使えるのが便利
以前試した他社製品と違うなと感じたのは、加圧/減圧の時間です。その他社製品は減圧時間が長く、ギュンギュン水を吸い込み続けていたのですが、「EPEIOS コールドブリューメーカー」は水を吸い込んでストレーナーが満水になると、その瞬間にアッサリと減圧が終わります。その分、加圧に時間かけているように見受けられました。
これがはたして味にどう影響してくるのか? ワクワクしながら飲んでみると……おおー! これはかなりウマいんじゃないでしょうか。
付属のフタだと、飲み口が小さすぎてちょっと飲みづらいかも……? と思いつつ、ゴクリ
あっ、ウマーい! 渋味や酸味が少なく、スッキリとした味です
いかにもコールドブリュー! なクリアさがありつつ、コーヒーの香りはしっかり十分に出ています。物足りなさはまったく感じません。後味もスッキリ軽いけど、きちんと「コーヒー飲んだなー」という満足感は残りました。これが10分ほどでできちゃうの、結構すごいのでは。
ただ、メッシュフィルターに圧をかけて水を通す、という力技な抽出方法だからでしょうか。わずかですが、ザラつく粉っぽさは感じました。これは仕方ないのかも。
この機種ならではの裏ワザ……というほどのものでもないですが、ストレーナーを活用すると、より楽しみ方の幅が広がります。
まずはコーヒーの抽出時に、ストレーナーに氷を入れてみましょう。すると、抽出中のコーヒーがどんどん氷で冷やされていくので、常温の水で抽出しても、できあがるころにはキーンといい感じに冷えているというわけ。
コーヒーを淹れる前に、ストレーナーに氷をインしておくと……
抽出しつつ冷やせるので、できあがったらもうキンキンに冷たいコールドブリューが飲めます。うれしい!
「低温で抽出するとコーヒーの成分が抽出されづらくなり、香りや味わいが減ってしまう」という話もありますが、筆者はこれでも十分においしく感じました。常温水を使えばもっとおいしいのかもしれませんが、抽出後に冷蔵庫で冷やすのが面倒くさい。すぐ淹れて、すぐゴクゴク飲みたいからこそ、こういうマシンを使ってるわけですし。
また、ストレーナーとフィルターに冷凍のミックスベリーを詰めて、水で抽出すると、お手軽ベリーウォーターも作れます。ふわっと広がるベリーの香り、ほんのりした酸味と甘味がとても爽やか。ミントの葉なんか浮かべると、暑い盛りにゴクゴクいきたい最高のオシャレドリンクが完成します。
コンビニで冷凍のミックスベリーを買ってきたら、それもストレーナーにイン。フィルターにも入れておくと、より濃く味が出せます
真空抽出で爽やかさが際立つベリーウォーターも簡単に。オシャレが過ぎる……!
こういったマシンは片付けの手間がかかる印象があったんですが、面倒なことはほとんどありませんでした。何せ、本体ユニット以外は食洗機に対応していますし。
食洗機がない場合、残粉を捨てたフィルターとストレーナーは、大きめのボウルに洗剤少しとぬるま湯を張った中で振り洗いをしてやれば、それだけで十分にキレイになります。
カップも上下を分解すれば、普通のコップを洗うのと変わりありません。本体ユニットは、濡らして絞ったペーパータオルや布で拭いてやればOKです。
食洗機がなくても、水を張ったボウルに浸けて振り洗いすれば、割とスムーズに洗えます
スッキリと雑味のないコールドブリューがワンボタンで飲めるという簡単さは、やはり相当にポイントが高いと思います。しかも、かかる時間はわずか10分ほど。
たとえば、汗だくで外出から戻ってきたら、エアコンをオンにしつつ、コーヒー粉と水をセットしてボタンプッシュ。あとは身支度を整えているうちに、ゴクゴク飲めるおいしいコーヒーが自動でできちゃうと考えたら……どうでしょう。最高じゃないですか。
ちなみに、ゴクゴクどころかガブガブ飲みたい派には、最大680mLの大容量モデルもラインアップされているので、そちらをどうぞ。
最新機能系から雑貨系おもちゃ文具まで、何でも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は大手文房具店の企画広報として企業ノベルティの提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。