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経理業務の効率化、キャッシュフローにも余裕が生まれる

経営を強力サポート!「法人カード」を使う3つのメリットと、おすすめの4枚を紹介

出張、接待など会社経費の支払いに使えるクレカ「法人カード」

クレジットカードは、個人が買い物などの支払いに使う、というイメージが一般的ですが、企業や個人事業主に対して発行され、出張費や接待費、公共料金などの経費の支払いに使えるカードがあります。これが「法人カード」です。

「法人カード」なら、個人向けのクレジットカード(以下「個人カード」と表記)と違って、法人口座を決済口座に指定できるので、支払いを一本化して、経費の動きを正確に把握することができます。経理の業務を効率化できる「法人カード」の特徴やメリットに加えて、筆者おすすめの法人カードを紹介します。
(※本記事内の価格表記は基本的に税抜きです)

中小企業・個人事業主向けの「ビジネスカード」、大企業向けの「コーポレートカード」に大別

法人カードは、導入する企業の規模によって2種類の呼び名があります。
一般的には、中小企業・個人事業主向けを「ビジネスカード」、大企業向けを「コーポレートカード」と言っています。機能に大きな違いはありませんが、異なるのは発行可能枚数です。「コーポレートカード」の発行可能枚数は多い、もしくは無制限なのに対し「ビジネスカード」は数枚となっています。ただし、各カード会社が厳密にこの名称どおりに使い分けているわけではないので、申し込む際は発行可能枚数を確認しましょう。

法人カードは、三井住友カードやJCB、アメリカン・エキスプレス、オリエントコーポレーションなど、多くの大手カード会社が発行しています。カード会社が競って発行する理由としては、消耗品の購入から接待費まで、毎月まとまった額の利用が見込めるという点にあります。

「一般」「ゴールド」「プラチナ」の3種類。個人カードより審査は厳しい傾向

法人カードも一般的に、個人カードと同じようにステータスによって以下のように分かれます。
一般カード:年会費1,000円以上
ゴールドカード:年会費10,000円以上
プラチナカード:年会費20,000円以上
法人カードは年会費が高いイメージがありますが、実際は個人カードと変わりありません。年会費が高くなるほど、サービスが充実してくる、という点も同様です。

ただし審査については、法人カードは個人カードに比べて厳しい、と言われています。
「法人としての信用」と「代表者個人の信用」という2つの観点でチェックされ、法人としては「会社設立後3年以上」「2期連続の黒字決算」がひとつの基準のようです。設立したばかりで、経営が不安定な会社や、赤字続きの会社ではリスクが大きすぎると判断され、契約を見送られることがあります。
また、代表者個人についても個人カード同様、過去のクレジットカードやローンの利用・返済状況が審査の対象になります。

法人カードを利用する、ビジネス上の3つのメリット

法人カードを持つと、どんなビジネス上の効果が期待できるのでしょうか。3つのメリットを紹介します。

メリット1:経理手続きがシンプルになり、業務が効率化

法人カードの最大のメリットは、経理手続きがシンプルになることによる、業務の効率化です。
出張費や交際費を従業員が立て替えている場合、領収書を提出する従業員も、それをチェックする経理担当者も、その仕事に少なくない時間を費やすことになります。

法人カードを使って利用明細書があれば、法人税法上の経費として認められ、店から領収書をもらう必要はありません。その処理にあてていた時間を別の仕事に振り分けることができます。さらに、資材調達などの支払いをまとめれば、振り込み手続きと手数料をはぶけるので、業務の効率化につながります。

メリット2:支払いは1〜2か月後。キャッシュフローにゆとりが生まれる

続いてのメリットは、キャッシュフローにゆとりが生まれる点です。法人カードで支払えば、口座からの引き落とし日を1〜2か月後、カードによっては3か月後に設定することができます。法人カードは一括払いのみとしているカードが一般的ですが、なかには分割払いに対応しているものもあります。
経営者にとって支払い期限が延びれば、キャッシュフローに余裕が生まれて、長期的な資金計画を立てやすくなるのは大きなメリットとなるでしょう。

メリット3:コンサルティングなど、ビジネスをサポートするサービスを使える

法人カードには、ビジネスをサポートしてくれる以下のようなサービスが付帯している場合が多く、こうした点もメリットと言えるでしょう。
・コンサルティングサービス:経営相談に無料(もしくは優待価格)で乗ってくれる
・経費改善レポート:経費の使い方の問題点や見直すべき点を指摘してくれる
・企業情報の提供:企業情報や人事情報をオンライン上で無料で利用できる

このほか、個人向けのクレジットカード同様、空港のラウンジサービスやホテルなどの割引きが受けられる法人カードもあります。カードによっては追加で発行された従業員もこれらのサービスを使えるので、福利厚生として活用することもできます。

法人カードを選ぶときの3つのポイント

では、次に法人カードを作ろうとする場合に、どういった視点で選んでいけばよいのか、考えていきましょう。

ポイント1:カードを利用する人数に合わせて選ぼう

カードを何枚発行する必要があるのか、というのが最初のポイントになります。会社の規模が一定以上で、代表者や役員だけではなく、一般社員も使う必要があるなら大企業向けの「コーポレートカード」を選ぶべきでしょう。

いっぽう、中小企業や個人事業主の方で、使うのは代表者や役員に限られる場合は、「ビジネスカード」が適していると言えるでしょう。ただ、「ビジネスカード」もカードによって枚数の上限は異なりますので、最初にこの上限枚数を確認しておきましょう。

ポイント2:利用限度額の上限はできるだけ高いほうがベター

法人カードの利用限度額の上限は「一般カード」で100万円以下、「ゴールドカード」で300万円以下、「プラチナ」で500万円以下としていることが一般的です。契約する際はこの上限額の範囲内で、契約者ごとに限度額が決まります。限度額は個人カードでも設定されていますが、法人カードではより大きな意味を持ちます。なぜなら、個人カードの場合、限度額を使い切って決済できなくても、我慢すれば済みますが、法人カードで必要なサービスや物品を購入できなければ、ビジネス上のチャンスを失いかねないからです。

法人カードの限度額は、毎月使う経費の少なくとも2倍以上あるのが望ましいとされています。各カードの上限額は契約者ごとの審査で決まりますが、余裕を持って使えるように、限度額の上限が高いカードを持っておくのがベターでしょう。

なお、アメリカン・エキスプレスとダイナースクラブカードが発行する法人カードは、ほかのカードのような限度額の上限が、あらかじめ決められていません。そのため、審査結果によっては、毎月1000万円を超えるようなかなりまとまった金額を使えることもあります。
ある歯科医院は1000万円以上する治療機器を、こうしたビジネスカードを使って、数年ごとに買い換えています。結果的に、個人カードでは考えられないほどのポイントが貯まる、という副産物を得られるそうです。

ポイント3:海外出張? 接待? 多く利用する場面で強みを発揮するカードを選ぼう

個人カード同様、法人カードもカードごとに強みを発揮するシーンが変わってきます。
たとえば、海外企業との交流が活発で、海外出張が多い企業・個人事業主なら、マイルが貯まりやすく、海外旅行保険の充実しているカードを選ぶのが経費節減にもつながります。
あるいは、会食や接待を利用する機会が多いなら、高級レストランで優待が受けられるカードを選ぶ、というのもひとつの方法です。

また、先ほども紹介したとおり、法人カードの中にはビジネスをサポートするサービスを無料(もしくは優待価格)で提供しているカードがあります。とりわけ、設立して日が浅い企業・個人事業主なら、「コンサルティングサービス」などのサービスが付いているカードを作るのも、アリだと思います。

おすすめ「法人カード」4選を紹介

還元率が高かったり、ビジネスにも役立ったりする特徴を持った、筆者がおすすめする4枚の「法人カード」を紹介します。すべて、中小企業・個人事業主向けのカードです。

【1】「セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード」条件クリアで、プラチナ級サービスを年会費10,000円で

「価格.com クレジットカードランキング」の法人・ビジネスカード部門で1年以上にわたり、1位の座を守っているカードです(2019年4月5日現在)。
セゾン永久不滅ポイントが1,000円で1P(約0.5円相当)付与され、基本の還元率は0.5%。年会費は20,000円ですが、年間で200万円以上利用すると、次年度の年会費が10,000円になります。

さほど高くはないハードルをクリアすれば、10,000円というゴールドカード並みの年会費で、以下に紹介するプラチナ級のサービスを受けられるのが、人気を集めている大きな理由でしょう。また、登記簿や決算書の提出が不要な点も申し込みのハードルを下げています。追加のカードは4枚まで発行可能で、1枚あたり年会費が3,000円かかります。利用限度額は、契約者ごとに個別に設定されます。

JALマイルの還元率が最高峰の「1%」超え

このカードの大きな魅力は、JALマイルが貯めやすい点にあります。「セゾンマイルクラブ(年会費4,000円)」に無料で入ることができ、これにより1,000円でJALマイルが11.25マイル貯まり、マイル還元率は1.125%。JALカードのマイル優遇サービス「ショッピングマイル・プレミアム(年会費3,000円)」ですら、マイル還元率が1%なのを見ても、この還元率の高さが伝わってきます。

世界各地の空港ラウンジが利用できる「プライオリティ・パス」が無料発行されるほか、海外旅行保険は死亡後遺障害が1億円、傷害・疾病治療が300万円、携行品損害が50万円、それぞれ自動付帯されており、海外旅行関連のサービスも充実しています。

航空券や高級レストランの予約の手配ができる「コンシェルジュ」や、事務用品やレンタカーなどを優待価格が利用できる「ビジネス・アドバンテージ」も価値の高いサービスでしょう。

セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード
発行元/クレディセゾン
国際ブランド/AMEX(アメックス)
入会基準/個人事業主または経営者(学生、未成年を除く)
年会費/20,000円
追加カード年会費/3,000円(1名ごと)
ETCカード年会費/無料
利用限度額/個別に設定
ポイント(還元率)/セゾン永久不滅ポイント(0.50%)

【2】「JCBゴールド法人カード」
アマゾンで還元率1.5%など、バランスに富んだ1枚

ポイント還元率や海外旅行保険など、さまざまな点でバランスに富んだ1枚です。
年会費は10,000円(初年度無料)で、使用者を1名追加するごとに3,000円かかります。利用限度額の上限は250万円。発行枚数の上限は定められていませんが、利用限度額は合算して計算されます。たとえば、限度額100万円で計5枚発行した場合、5枚の合計で使えるのが100万円になります。

オフィス用品を優待価格で購入、ETCカードを希望の枚数発行

1,000円につきOki Dokiポイントが1P(約4〜5円相当)付与され、基本の還元率は0.4〜0.5%。ただし、セブンイレブンに加え、業務でも使う商品の品揃えが豊富なアマゾンで、還元率が1.5%にアップするのはうれしい特徴です。出張の手配を法人専用の割安価格でオンライン予約できたり、オフィス用品を優待価格で購入できたりするほか、フィットネスクラブの割引利用など、福利厚生に役立つサポートも充実しています。
カード発行枚数に関わらず、年会費無料でETCカードを希望枚数発行してくれるのも、社用車をたくさん持っている企業にとって重宝する点でしょう。

海外旅行保険も死亡後遺障害が1億円(自動付帯5000万円)、傷害・疾病治療が300万円(自動付帯300万円)、携行品損害が100万円(自動付帯100万円)付いています。

JCBゴールド法人カード
発行元/ジェーシービー
国際ブランド/JCB
入会基準/18歳以上の個人事業主または法人
年会費/10,000円(初年度無料)
追加カード年会費/3,000円(1名ごと)
ETCカード年会費/無料
利用限度額/50万〜250万円
ポイント(還元率)/Oki Dokiポイント(0.47%)

【3】「アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード」マイルや海外旅行保険など出張関連のサービスが充実

100円でメンバーシップ・リワードが1P(約0.3円相当)付与され、基本の還元率は0.33%。年会費は31,000円で、使用者を1名追加するごとに12,000円かかります。追加発行枚数に上限はなく、利用限度額は契約者ごとに個別に設定されます。

このカードの大きな魅力は、T&E(旅行と娯楽)に強いアメリカン・エキスプレスが発行しているだけあって、出張に関連するサービスが非常に充実した内容になっています。

自宅と空港間の荷物を無料配送。有料オプションを使うとANAマイル還元率1%に

マイルはANAマイルに「2,000P→1,000マイル」で交換できます。「メンバーシップ・リワード・プラス」(年会費3,000円)に登録すると、「1,000P→1,000マイル」と還元率が倍増し、ポイントの有効期限が無期限になるので、あわてることなく利用できます。スーツケースを自宅と空港間で無料で配送してくれるほか、国内出張でも東京駅や新宿駅で手荷物を預かり、指定エリア内のご宿泊ホテルへ当日無料配送するサービスも行っています。

海外旅行保険は死亡後遺障害が1億円(自動付帯5000万円)、傷害・疾病治療が300万円(自動付帯200万円)、携行品損害が100万円(自動付帯50万円)付いています。病気やケガでの入院で出張や旅行に行けなくなったときに、年間最高10万円まで補償する「キャンセル・プロテクション」も備わっています。入札・企業情報を無料で閲覧できるなど、ビジネスをサポートするサービスも充実しています。

アメリカン・エキスプレスは現在、若いスタートアップ起業家を囲い込もうとしているとされ、法務局に行って登記を終えると、すぐにアメリカン・エキスプレスから勧誘があったという話も聞くぐらいです。こうした高いレベルのサービスを設立間もない段階で申し込めるのは、若手起業家にとってプラスになるでしょう

アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード
発行元/アメリカン・エキスプレス・インターナショナル・インコーポレイテッド
国際ブランド/AMEX(アメックス)
入会基準/20歳以上
年会費/31,000円(初年度無料)
追加カード年会費/12,000円(1名ごと)
ETCカード/年会費540円
利用限度額/個別に設定
ポイント(還元率)/メンバーシップ・リワード(0.33%)

【4】「三井住友ビジネスカード for Owners ゴールドカード」
決算書や登記簿の提出不要。設立すぐの企業にも門戸

1,000円でワールドプレゼントポイントが1P(5円相当)付与され、還元率は0.5%。大手コンビニ3社(セブンイレブン、ローソン、ファミリーマート)とマクドナルドでは還元率が2.5%になります。年会費は10,000円(インターネットからの申し込みで初年度無料)で、使用者を1名追加するごとに2,000円かかります。利用限度額の上限は300万円。「JCBゴールド法人カード」と同様に、発行枚数に上限は定められていませんが、利用限度額は合算して計算されます。

分割払いにも対応し、キャッシュフローの改善に貢献

この法人カードの最大の特徴は、通常は必要になる登記簿謄本や決算書の提出が不要で、代表者個人の確認書類のみで審査を受け付ける点にあります。このため、設立間もなく、経営がまだ安定していな企業・個人事業主でも申し込むことができます。分割払いにも対応し、キャッシュフローの改善にも役立てることができます。

海外旅行保険は、死亡後遺障害が5000万円(自動付帯1000万円)、傷害・疾病治療が300万円(自動付帯300万円)、携行品損害が50万円(自動付帯50万円)付いています。国内主要空港のラウンジも無料で利用できます。

三井住友ビジネスカード for Owners ゴールドカード
発行元/三井住友カード
国際ブランド/VISA
入会基準/20歳以上の個人事業主または法人の代表者
年会費/10,000円(インターネットからの申し込みで初年度無料)
追加カード年会費/2,000円(1名ごと)
ETCカード年会費/500円(初年度無料、年に1回以上の利用で次年度無料)
利用限度額/50万〜300万円
ポイント(還元率)/ワールドプレゼントポイント(0.5%)

まとめ

法人カードの特徴と選び方、そして筆者がおすすめする4枚の法人カードを紹介してきました。個人カードより種類は少ないと言っても、法人カードの特徴もさまざまです。自分の会社の規模や条件に合ったカードを選べばメリットも多く、経営を強力にサポートする武器になるはずです。しっかりと選んで、上手に使いこなしていきましょう。

岩田昭男

岩田昭男

クレジットカード評論家・早稲田大学を卒業後、月刊誌の記者を経て独立。クレジットカードのオピニオンリーダーとして30年にわたり活動しています。

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