電車に乗ることで、ポイントを貯められる「乗車ポイント」と呼ばれるサービスをご存じでしょうか?
近年、JR各社や大手私鉄が相次いで導入、東急電鉄と京急電鉄も2024年4月からこのサービスを新たに始めます。乗車ポイントのサービスは、事前に登録したSuicaやPASMOなどの交通系ICカードを使って乗車すると、ポイントが還元される仕組みになっています。
ポイント還元の条件はサービスごとに異なりますが、1度簡単な登録手続きを済ませてしまえば、「電車に乗る」だけで意識せずとも少しずつポイントを貯められるのが大きなメリットになっています。そこで、乗車ポイントの主要な10サービスについて、「貯め方」と「貯めたポイントの使い道」を中心にまとめました。
乗車ポイントの還元を受けるには、交通系ICカードが必要になります
各社で導入されている乗車ポイントのサービスで共通しているのは、公式サイトやアプリなどで事前に交通系ICカードの登録が必要な点(各社ともに登録は無料)。手持ちの交通系ICカードで乗車しただけでは、ポイントが還元されない点は注意したいところです。そして、基本的には還元方法は下記の2パターンに大別できます。
(1)乗車運賃の一定割合のポイントを還元
(2)同じ月に「同一運賃」区間(運賃が同じであれば同一区間でなくてもOK)を一定の回数以上乗車すると、一定割合のポイントを還元
(1)(2)いずれかのみ、あるいは両方実施しているサービスもあり、これらに加えてオフピーク通勤に対してポイント付与を行うサービスもあります。主要な乗車ポイントのサービスを下記の表にまとめましたが、具体的な内容を紹介していきます。
最初に紹介するのは、利用できるエリアが広いJR東日本の乗車ポイントのサービス。利用にあたって、記名式Suica・Suica定期券を「JRE POINT WEBサイト」に登録することが必要になります。
同社は、登録したSuicaを使って同社の在来線に乗車するとJRE POINTを還元する「在来線乗車ポイント」のサービスを実施。モバイルSuicaでは運賃50円ごとに1P、カードタイプのSuicaでは200円ごとに1P還元と、前者の還元率を4倍に設定しているのが特徴的です(いずれも定期券の乗車区間は対象外)。
〈在来線乗車ポイントの貯まり方の一例〉
「東京―津田沼」:IC運賃483円(片道)
モバイルSuicaなら1回9P獲得(カードタイプは2P獲得)
週2回(月8回)往復利用:144P獲得(9P×2=往復=×月8回)
加えて同社は、同じ月に同一運賃の区間を繰り返し乗車するとポイントが還元される「リピートポイントサービス」も実施。10回の乗車で運賃1回分、10回を超えると11回目以降は運賃の10%のJRE POINTが毎回還元されます。
このサービスでは、運賃が同じであれば乗車区間は違っても還元対象になるのが特徴的。IC運賃がいずれも230円の「東京―赤羽」を4回、「東京―蒲田」を4回、「品川―川崎」を3回乗車すると、230円区間を計11回乗車したことになり、下記の通り253Pが還元されます。
〈リピートポイントサービスの貯まり方の一例〉
「東京―赤羽」4回乗車、「東京―蒲田」4回乗車、「品川―川崎」3回乗車(いずれも片道)
IC運賃は3区間ともに230円
10回目に230P、11回目に23P(230円×10%)、計253P獲得
還元されるJRE POINTは、Suicaに「1P=1円」としてチャージ可能。また、Suicaグリーン券や特典チケットの交換、JR東日本の駅ビルでの買い物時など、幅広く利用できます。
JR東日本の乗車ポイントのサービス。「気づいたら結構貯まっていた」という声も少なくありません
東京メトロは、PASMOを使った「メトポ」というサービスを2018年から行っています。事前に会員サイトで仮登録を行った後、東京メトロの券売機やICチャージ専用機で本登録作業を行う必要があります(2024年5月22日からモバイルのPASMOであれば、オンラインで会員登録・PASMOへのチャージが可能となるサービスを開始予定)。
「メトポ」の特徴は、東京メトロ線の利用状況によって翌月の会員ランクが決定し、それに応じた還元率でポイントが付与されること。具体的な会員ランクと還元率は下記のとおりです。入会月は誰でもシルバーランクで、2%のポイント還元となります。
レギュラー(ランクスコア599以下):翌月のポイント還元なし
シルバー(同600〜3,999):翌月は東京メトロ線利用額×2%分のポイント還元
ゴールド(同4,000〜7,999):翌月は東京メトロ線利用額×5%分のポイント還元
プラチナ(同8,000〜):翌月は東京メトロ線利用額×10%分のポイント還元
「メトポ」のサービスでは会員ランクに応じて還元率が変化(画像は東京メトロ公式サイトより)
なお、ランクスコアの積み上げ方は下記の4通り。最もインパクトが大きいのがPASMO定期券の保有(3,000ランクスコア付与)で、これだけで2%還元となる「シルバーランク」以上が確定します。
・PASMOチャージ残額を使った、東京メトロの利用金額1円ごとに1ランクスコア付与
・平日10:30〜16:30にPASMOで自動改札機を出場→50ランクスコア付与(1日1回のみ)
・土日祝日にPASMOで自動改札機を出場→70ランクスコア付与(1日1回のみ)
・月初時点で東京メトロ線区間を含むPASMO定期券(メトポ登録済み)を保有→3,000ランクスコア付与(月に1回のみ)
・休日メトロ放題に申し込むと、 対象月に1か月あたり1,000ランクスコアを付与
貯めた「メトポ」は、券売機でPASMOに「10P=10円」でチャージできますが、今春新たな使い道が追加されます。
東京メトロ提携のクレジットカード「To Me CARD」を利用すると「メトロポイント」が貯まりますが、2024年4月15日に「メトポ」と「メトロポイント」のサービスが統合(名称は「メトポ」の名前を継承)。統合後のメトポは、今の「メトロポイント」で可能なANAマイル(メトポ1,000P→500マイル)とnanacoポイント(メトポ500P→500P)にも交換することができ、利便性が大きく向上します。
東急電鉄は、2024年4月1日から「電車とバスで貯まるTOKYU POINT」サービスをスタート。TOKYU POINT会員がPASMOまたはSuica(それぞれモバイルも可)を会員サイトで登録したうえで東急線を利用すると、乗車金額(定期券利用を除く)に対して一律3%のTOKYU POINTが加算されます。
関東のほかの大手私鉄の乗車ポイントサービスとの違いは、PASMOに加えてSuica利用もポイント還元の対象としている点。また、カードタイプの利用よりもモバイルの還元率を優遇しているサービスも多い中、両者ともに還元率を3%に統一しており、サービス内容もシンプルです。
ただし、東急の路線と同時に他社線も乗車したときに、PASOMO利用であれば、東急線区間の乗車金額に対してはポイント付与されますが、Suica利用の場合は全区間(東急線含む)ポイント還元の対象外。Suica利用でポイント還元されるのは、入場・出場ともに東急線の改札機を利用したときに限られます。
2024年4月1日から6月2日までは、サービス開始を記念したキャンペーンを実施。通常の2倍にあたる6%のポイントが加算されます。
貯めたTOKYU POINTは、券売機やセブン銀行ATMでPASMOに原則「1,000P=1,000円」(最小10P単位)でチャージ可能。このほか、東急百貨店、東急ストアなどの東急グループで「1P=1円」として買い物にも使うことができます。
東急電鉄の「電車とバスで貯まるTOKYU POINT」では、PASMOに加えSuicaも還元対象にしているのが特徴的
京急電鉄も2024年4月5日から、乗車ポイントのサービスを始めます。京急プレミアポイントアプリまたはWebマイページに登録したPASMOで京急線に乗車すると、京急プレミアポイントを貯めることができます。
京急プレミアポイントの貯め方は2通り。
ひとつめは同じ月に、同一運賃区間の乗車回数に応じて貯まる「リピートポイント」。還元率は乗車回数が増えるほどアップしていきます。
同一の運賃区間を3〜7回乗車:1乗車につき2P(カードタイプは1P)
同一の運賃区間を8〜15回乗車:利用金額×5%還元(カードタイプは3%)
同一の運賃区間を16〜23回乗車:利用金額×8%還元(カードタイプは6%)
同一の運賃区間を24回以上乗車:利用金額×12%還元(カードタイプは10%)
注目すべきは、モバイルPASMO・Apple PayのPASMOでポイントが2%上乗せされていること。スマートフォンを持っている方は、この機会にモバイルタイプに移行したほうが、ポイントを多く獲得できます。
京急電鉄の「リピートポイント」の還元率(画像は京急電鉄公式サイトより)
もうひとつは、各キャンペーンにエントリーして、京急線に乗車すると貯まる「おでかけポイント」です。内容や還元されるポイント数はキャンペーンごとに異なるとのことで(キャンペーン内容については未公表)、京急線の沿線でお出かけする際には活用できそうです。
また、2024年4月5日から5月31日まで、アプリやWebマイページからエントリー後、登録したモバイルPASMOまたはApple PayのPASMOで京急線を利用すると利用金額の20%(カードタイプは12%)還元するキャンペーンを実施します(1億ポイントに達した時点で終了)。
貯めた京急プレミアポイントは、セブン銀行ATMでPASMOに「1P=1円」としてチャージ可能。ただし、このやり方だと1回につき手数料が88P必要になりますが、2024年5月22日からPASMOアプリを使えば手数料無料でチャージできるサービスを開始します。このほか、250ポイントから座席予約券に交換できるほか、アプリを使えば1P→1円として加盟店での買い物や食事にも利用できます。
京王電鉄は2023年10月、「京王トレインポイント」のサービスを開始。京王アプリ内の専用ページで会員登録したPASMOで京王線・井の頭線に乗車するとポイントを貯められるようになりました。
ポイントの還元率は下記のとおり、同一月内に、同一運賃区間の乗車回数に応じてアップする仕組みとなっており、最大で乗車運賃に対して14%還元となります。
同一の運賃区間を5〜8回乗車:月間の合計乗車金額×1%還元
同一の運賃区間を9〜16回乗車:月間の合計乗車金額×4%還元
同一の運賃区間を17〜24回乗車:月間の合計乗車金額×8%還元
同一の運賃区間を25〜32回乗車:月間の合計乗車金額×12%還元
同一の運賃区間を33回以上乗車:月間の合計乗車金額×14%還元
さらに2024年4月1日からは、モバイルのPASMOで乗車すると、上記の還元率に加えて1回目の乗車から運賃の3%分のポイントが上乗せされるサービスが始まります。
また、小児用PASMOの場合、還元率が大幅にアップするのは「京王トレインポイント」の大きな特徴。1回目の乗車から、運賃の50%分の「京王トレインポイント」が還元され、この分を考慮すると実質的に半額で利用できることになります。
貯めた「京王トレインポイント」は「1P=1円」として1円単位でPASMOにチャージ可能(ただし、手数料として1回88Pが必要)。このほか2024年4月1日から、京王グループの金融サービス「京王NEOBANK」の口座を持っている場合、「1P=1円」として交換できます。
ポイント還元率が最大14%になる「京王トレインポイント」(画像は京王電鉄公式サイトより)
西武鉄道はPASMOを使って同社線に乗車すると「SEIBU Smile POINT」が貯まるサービスを2022年7月に開始。事前に「西武線アプリ」の会員登録、PASMOの番号入力をしておく必要があります。2024年度は、以下の3つの方法でポイントが貯まります。
ひとつめは「オフピークプラス」というサービスで、事前のキャンペーンエントリーが必要。平日の朝にPASMO定期券(通勤・大人)を使って西武線の各駅(池袋駅・高田馬場駅・西武新宿駅・小竹向原駅および多摩川線各線を除く)から特定の時間帯(オフピーク)に入場した後、12時までに「池袋」「高田馬場」「西武新宿」のいずれかの駅で出場した場合に、モバイルのPASMOで1日15P、カードタイプで1日5Pが貯まります(1日1回まで)。
対象となる時間帯は各駅で異なり、たとえば「所沢駅」は6時〜7時と8時〜9時の入場が対象です。
参考HP:西武鉄道公式サイト(各駅の対象時間帯が記載)
ふたつめは西武線に同一月内に3回以上乗車すると利用金額に応じてポイントが貯まる「リピートプラス」で、こちらはエントリー不要。ポイント還元率は以下の通りです。
西武線を3〜15回乗車:合計運賃×0.5%還元(モバイルのPASMOは+3.5%、西武線アプリをログイン状態で利用すると+1%)
西武線を16回以上乗車:合計運賃×1.5%還元(モバイルのPASMOは+7.5%、西武線アプリをログイン状態で利用すると+1%)
上記のように、カードタイプとモバイルのPASMOとの還元率の差が最大7.5%と大きいのが特徴的。西武線ユーザーは、モバイルのPASMO導入のメリットは大きいと言えそうです。
西武鉄道の「リピートプラス」では、モバイルのPASMO利用を優遇(画像は西武鉄道の公式サイトより)
3つめは、「おでかけプラス」というサービスで、西武線沿線の観光地やイベントに出かける際に西武線や西武バスに乗車すると、ポイントが還元されるというもの(出場駅などの条件あり)。
たとえば、「西武バス土休日おでかけプラス」では、土休日などの対象日に西武バスまたは西武観光バス(秩父地区・軽井沢草津地区)に乗車すると、乗車1回ごとにモバイルのPASMOで4P、カードタイプで3ポイントが貯まります(別途エントリーが必要)。ほかにも、埼玉西武ライオンズの試合開催日などには、イベントに合わせたキャンペーンを実施。サービス内容は随時更新しているので、チェックしておきましょう。
貯まる「SEIBU Smile POINT」は、セブン銀行ATMやPASMOアプリでPASMOに「1P=1円」としてチャージ可能。このほか、駅ビルやプリンスホテルなどの加盟店、特急ラビュー・レッドアロー号の特急券購入などにも使うことができます。
小田急電鉄は、PASMOを使った乗車ポイントのサービス「小田急おでかけポイント」を2022年4月にスタート。貯まるポイントは小田急ポイントで、事前に同社のサービスプラットフォーム「ONE(オーネ)」への登録が必要です。
「小田急おでかけポイント」は、同じ月に小田急線の同一運賃区間を2回以上利用するとポイントが貯まる仕組みになっており、還元率は下記のとおりです。
同一の運賃区間を2〜6回目の乗車:乗車回数分の運賃×0.5%還元
同一の運賃区間を7〜10回目の乗車:乗車回数分の運賃×4%還元
同一の運賃区間を11〜25回目の乗車:乗車回数分の運賃×8%還元
同一の運賃区間を26回以上の乗車:乗車回数分の運賃×12%還元
「小田急おでかけポイント」の還元の仕組み(画像は小田急電鉄公式サイトより)
小児用PASMOは1回目から一律2%を還元。小田急線は現在、小児IC運賃を全区間一律50円としているので、1回の乗車ごとに1ポイントが貯まることになります。定期期券区間内は対象外ですが、小田急線沿線に住んでいる方や習い事や仕事で利用機会が多い方は、貯めるチャンスが多いでしょう。
なお、2024年5月末まで、小田急おでかけポイントに大人用PASMOを登録のうえ、小田急ONEサイトからエントリーするともれなく200ポイント、2回乗車すると200ポイントがもらえるキャンペーンを実施中。さらに、5回以上乗車すると抽選で5,555名にホテルのアフタヌーンティーペアチケットなど豪華なプレゼントが当たります。すでに登録している方も、エントリーすると参加できるので見逃せません。
貯まる「小田急ポイント」は、小田急沿線にあるスーパーや飲食店などで利用できるほか、セブン銀行ATMやPASMOアプリを使えば「1P=1円」としてPASMOにチャージ可能です(セブン銀行でのチャージは、手数料として1回あたり88Pが必要)。
東武鉄道はPASMOを使った乗車ポイントのサービス「トブポマイル」を2021年10月に開始。TOBU POINTアプリにPASOMOを登録することが必要になります。「トブポマイル」の貯め方は2パターンあります。
ひとつ目は「おでかけマイル」というサービスで、東武線運賃の3%のマイルが貯まります。たとえば、IC運賃481円 の「池袋―川越」を片道1回乗車すると14マイル貯まることに。ただ、こちらは「Apple PayのPASMO」と「モバイルPASMO」が対象で、カードタイプのPASMOではポイント還元されない点は注意が必要です。
2つ目が「リピートマイル」というサービス。こちらはカードタイプのPASMOも対象となり、同一月内に同一運賃区間を8回以上乗車するとマイルが還元されます。還元率は以下のとおりです。
同一の運賃区間を8〜15回乗車:乗車回数分の運賃×4%還元
同一の運賃区間を16〜23回乗車:乗車回数分の運賃×8%還元
同一の運賃区間を24回以上乗車:乗車回数分の運賃×12%還元
たとえば、「新越谷―北千住」(片道324円)を12往復(24回利用)したときには、「324円×24回×12%」で933マイル(小数点以下切り捨て)貯まります。なお、「リピートマイル」と「おでかけマイル」は併用可能です。
東武鉄道のリピートマイルの還元の仕組み(画像は東武鉄道の公式サイトより)
トブポマイルの使い道は、「PASMOチャージ」と「TOBU POINTへ交換」の2つ。
交換レートは前者が「1マイル→1円」なのに対し、後者は10%上乗せされて1,000マイル→1,100Pとなります。そのため、東武百貨店や東武ストア、エキアといった加盟店をよく利用するならTOBU POINTへの交換が第一候補。
いっぽう、こうしたお店をあまり使わない場合は、より汎用性が高いPASMOチャージを選ぶといいでしょう。なお、モバイルのPASMOならアプリから直接チャージできますが、カードタイプの場合はセブン銀行ATMでチャージする必要があります。
JR西日本は、同社の交通系ICカード「ICOCA」を利用した乗車ポイントのサービスを実施しています。こちらも、公式サイトやJR西日本管内の自動券売機などで事前に利用登録が必要。貯まるのはJR西日本のサービスで利活用できる「WESTERポイント」で、貯め方は2通り用意されています。
ひとつめは「時間帯指定ポイント」で、京阪神地区の一部エリアが対象となります。平日の午前10時〜午後5時および土日祝日(終日)の利用で、1か月間の対象区間(グループ)の4回目以降の利用ごとに、運賃の10%のポイントが貯まります。
たとえば、「京都―新大阪」と「桂川―大阪」はどちらも運賃580円で同じグループとしてカウント。両区間を2往復ずつ(計8回)利用した場合、4回目〜8回目がポイント還元の対象となり、合計290Pがたまる計算になります(580円×10%の5回分)。平日の混雑する時間帯を避けて、同じグループをたくさん利用するほどポイントがたまる仕組みです。
参考HP:JR西日本「時間帯指定ポイントの適用区間及び適用区間グループ」
ふたつめは「利用回数ポイント」。こちらはJR西日本が管轄するICOCAが使えるエリア全体が対象になっており、1か月間の同一運賃区間で、11回目以降の利用1回ごとに運賃の10%のポイントが貯まります。
参考HP:JR西日本公式HP「ICOCAエリア」
たとえば、「大阪―京橋」と「大阪―西九条」はIC運賃が170円と同じなので、この両区間を6回ずつ(計12回)乗車した場合、11回目と12回目に17Pずつ、計34P貯まる計算になります。
ただし、「時間帯指定ポイント」がついた区間(グループ)の乗車は「利用回数ポイント」の対象外。利用回数が4回未満で「時間帯指定ポイント」がつかなかった場合のみ、「利用回数ポイント」に加算される点は注意しましょう。
貯めたWESTERポイントは、WESTER会員にひも付けしたICOCAアプリのICOCA、SMART ICOCAに、「1P=1円」としてチャージ可能。このほか、JR西日本ネット予約や駅ビルでの買い物など、多くの使い道が用意されています。
JR西日本も乗車ポイントのサービスを行っています
阪急阪神ホールディングス傘下の阪神電鉄と阪神電鉄も、ICOCAを使った乗車ポイントのサービスを実施中。券売機での事前登録が必要です。
阪神電鉄は、同一路線の同一運賃区間を11回以上乗車すると、11回目以降の合計額の10%分をポイント還元するサービスを実施。たとえば、「大阪梅田―甲子園(片道IC運賃:280円)」を1か月に8往復(16回利用)した場合は、「280円×10%×6回」=168Pが貯まります。貯めたポイントは、券売機で利用登録とチャージを行うと、「1P=1円」として電車の乗車や買い物に利用できます。
阪急電鉄も、同様の乗車ポイントサービスを行っています。こちらは、11〜30回目は利用金額の10%、31回目以降は15%分のポイントが貯まります。
以上、JR各社や大手私鉄の乗車ポイントのサービス内容を紹介しました。
どのサービスも最初に会員登録やPASMO/Suicaとのひも付けは必要ですが、その後は放っておいても自然とポイントが貯まっていくので、まずは登録してみるのがおすすめ。基本的に定期券区間は対象外なので、「出社は週に2日程度だから、定期券を購入せずにその都度運賃を支払っている」という人や、「習い事や趣味などで決まった区間を定期的に利用する」という人に向いています。
また、JR東日本や西武鉄道など、カードタイプよりモバイル型のICカード利用時の還元率を高く設定しているサービスも少なくありません。この機会に、「ICカードをモバイルへ移行」を検討するのもアリかもしれません。