レビュー

使ってわかる「Surface Laptop」は素直に欲しいと思える純粋なWindowsノート

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

マイクロソフトから2017年7月20日に発売されたクラムシェル型のノートPC「Surface Laptop」。価格.com上での最安価格は113,800円。Surfaceブランドとしては「Surface Book」以来第2弾となる正統派ノートPCで、モバイルノートの部類では高い性能を誇り、高級素材の「アルカンターラ」をキーボード部にあしらうなど洗練されたデザインも特徴だ。

本記事では、この「Surface Laptop」を実際に使用して、使い心地や実用度などをレビューする。

「Surface Laptop」は本当に使えるモバイルノートなのか?

「Surface Laptop」は本当に使えるモバイルノートなのか?

シンプルながらも細かな気配りが行き届いたデザイン

「Surface Laptop」は、最近主流の全面アルミニウム素材を使っている。スピーカーをキーボードの下に設置したり、液晶周囲のゴムパーツを廃したりなど、可能な限りシンプルになるようにこだわりぬいて作られている。

本体はフットプリントがA4サイズよりひと回り大きいくらいで、カバンに収まるサイズ。重量は約1.25kgで、モバイルノートしては平均的な重さになっている。劇的に軽いわけではないが、持ち歩いて使用するのにはまったく問題ない。

Windowsのロゴがあるだけの天板。表面はサラサラとした手触り

Windowsのロゴがあるだけの天板。表面はサラサラとした手触り

底面には4隅に滑り止めのゴムが、上部には通気口が備わっている

底面には4隅に滑り止めのゴムが、上部には通気口が備わっている

本体サイズは308.1(幅)×223.27(奥行き)×14.48(厚さ)mm。約1.25kgの重量は片手で持つと少し重たい。カバンに入れると「ノートPCが入っているな」という重量感がある

最大に開いたときでも、ディスプレイ部分は設置面に当たらない。こういった細かい気配りがいたるところに行き届いている

外部インターフェイスはUSB 3.0ポート、ヘッドセットジャック、Mini DisplayPort、Surface Connectという構成になっている。カメラを使うユーザーにとってSDメモリーカードスロットがないのが残念だが、薄さを追求しUSB Type-Cポートのみを搭載したデバイスが増える傾向の中で、まだまだ実用的なUSB 3.0ポートを搭載しているのはポイントが高いだろう。USB 3.0ポートが2つあれば、なおよかったかも。

右側面には充電用のSurface Connectがあるだけ

右側面には充電用のSurface Connectがあるだけ

左側面にUSB 3.0ポート、Mini DisplayPort、ヘッドセットジャックを搭載。SDメモリーカードなどを使用するときは別途アダプターが必要

キーボードとパームレストにはファブリック素材「アルカンターラ」を採用。耐久性や通気性にすぐれており、高級車の内装などに用いられる素材だ。ファブリック素材と言うと汚れに弱いイメージを抱いてしまうが、アルカンターラの上にポリウレタンコーティングを施しているため、高い揮発性を備え汚れにも強い。

実際に使ってみたが、パームレストから手のひらに伝わるファブリック素材独特の感触が非常に心地よかった。金属やプラスチックにはない、しっとりと肌に馴なじむやさしい手触りだ。また、金属のような冷たさがないのも快適な使用感にひと役買っている。「アルカンターラって実際どうなの?」と思っているユーザーでも「意外にいい!」と納得させられるくらいの完成度だ。

アルカンターラが敷き詰められたキーボードとパームレスト。ファブリック素材をあしらったPCというのは非常に珍しい。実際に見るまでは「ノートPCにファブリック素材ってどうなの?」と思っていたが、想像していたよりも違和感はなく、デザイン的にもアリだろう

アルカンターラはしっとりとした非常に心地よい手触り。金属のような冷たさもなく、スリスリとずっと触っていたいくらい。実際に触ってみるまでは布っぽい手触りを想像していたのだが、まったく異なる触り心地だった

レーザーでカットした後に研磨しているため、ボディとのつなぎ目に違和感はない

レーザーでカットした後に研磨しているため、ボディとのつなぎ目に違和感はない

コーヒーなどをこぼしてしまっても、ふき取ればきれいに汚れはとれる

コーヒーなどをこぼしてしまっても、ふき取ればきれいに汚れはとれる

キーボードはキーピッチが19mm。キーストロークは浅くないのだが、打鍵感が少し軽い。キー自体のサイズが大きく、また、パームレストも広いため、使用していて窮屈な感じはしない。取材時のメモや原稿作成などに使用してみたが、かなり使いやすいと感じた

キーボードバックライトは明るさを3段階で調節可能。画像は最も明るく設定したもの

キーボードバックライトは明るさを3段階で調節可能。画像は最も明るく設定したもの

キーボードで気になったのが電源キー。電源キーを押すとスリープ状態になるのだが、Deleteキーの隣にあるため間違って打鍵してしまうことがあった

液晶は13.5型のPixelSenseディスプレイを採用し、解像度が2256×1504 (201 PPI)。フルHDよりも解像度が高く、コントラストの高い色鮮やかな映像が楽しめる。ベゼルは、ファーウェイの「MateBook X」やデルの「New XPS 13」ほど極細ではないが、十分に細くデザインとしても気にならない。

液晶の周囲にゴムパーツが取り付けられていないのもシンプルだ。クラムシェル型のノートPCの場合、開閉時におけるディスプレイへの衝撃をやわらげるためにゴムパーツを付けることがあるが、「Surface Laptop」はキーボード部にファブリック素材の「アルカンターラ」を施しているため、そもそもゴムパーツを付ける必要がない。

また、液晶の左右とパームレストにマグネットが入っていて、引き合うように“パタン”と閉じるのも、使っていて気持ちいいポイントだった。

2256×1504の高解像度ディスプレイは「Gorilla Glass 3」を採用し耐久性にすぐれている。画質に関しては文句なしの出来栄え

ベゼルは極細とまではいかないが、それでも十分な狭さ

ベゼルは極細とまではいかないが、それでも十分な狭さ

ディスプレイ上部にはカメラを搭載しており、「Windows Hello」の顔認証が使用できる。液晶を開いて1秒以内に顔を認識しサインインしてくれるのは、超絶便利だ。一度使用すると、従来のパスワード入力によるサインインには戻れないだろう。「Windows Hello」による顔認証がどれくらい早いのかは以下のムービーから確認できる

スピーカーはキーボードの左右に埋め込まれている。キーの隙間やアルカンターラ素材の繊維の穴を使って音を出しており、スピーカー用の穴を本体に開ける必要がないそうだ。スピーカー穴がないにも関わらず、こもるわけではなく迫力のある音を楽しめる。実際に音楽を聴いてみたところは以下のムービーから確認してほしい

スペックはモバイルノートとして十分、遊びから仕事まで幅広くこなす

今回試用したのは、CPUが「Core i5-7200U」(2.50 GHz最大3.10 GHz)でメモリー8GB、SSD容量256GBのモデル。教育機関向けの「Windows 10 S」が標準搭載されているが、「Windowsストア」からしかソフトウェアをインストールできないため、プライベートや仕事用としては正直なところ使いづらい。2017年12月31日までは「Windows 10 Pro」に無料でアップグレードできるので、素直にアップデートしたほうがよいだろう。

ベンチマークソフトの「PCMark 8」のHome acceleratedの結果は「3044」。3Dゲームをプレイしたり、動画編集をバリバリ行ったりするのでなければ、十分なスペックを備えていると言える。冷却用のファンがキーボードの右下部に搭載されているのだが、ベンチマークプログラムを回しているときでも音はほとんど気にならなかった。

バッテリー駆動時間は、公称値で14.5時間。フル充電の状態から輝度マックス、電源モードを高パフォーマンスで2時間の映画(ストリーミング配信)を見たところ、バッテリーは76%まで減少。輝度や電源モードを調節すれば、もっと長くなる。“朝から晩までカフェで作業”のような場合を除けば、外出時でも十分に持ちこたえられそうだ。

よほどのことがない限り「Windows 10 Pro」にアップグレードするのが無難。アップグレードは2〜3分で終わり、アップグレード前のデータは消えずに残っていた

「PCMark 8」のHome acceleratedの結果

「PCMark 8」のHome acceleratedの結果

ストレージの読み書き速度を測定する「CrystalDiskMark 5.2.1 x64」(ひよひよ氏作)の結果

ストレージの読み書き速度を測定する「CrystalDiskMark 5.2.1 x64」(ひよひよ氏作)の結果

デザイン、スペックともに非常にバランスがとれたモバイルノート

「Surface Laptop」は、細かいところまで使いやすさが追求されていて、ユーザビリティとデザインともに完成度の高いモバイルノートPCになっている。世界最軽量、世界最薄、最高クラスの性能といった一点に特化したデバイスではないが、全体としてのバランスが非常によい。ようやくマイクロソフトから使いやすいWindowsモバイルノートが出てきたという感じだ。

今回試用したのは価格.com上で129,790円のモデルだが、ありとなしでは2〜3万円近く価格が変わる「Office Home & Business 2016」がプリインストールされており、この値段を本体価格から差し引くとコストパフォーマンスは比較的高いと言えるだろう。モバイルノートの購入を考えている人は、選択肢に入れてみてはいかがだろうか。

水川悠士(編集部)
Writer / Editor
水川悠士(編集部)
デジタル系メディアから価格.comへ。スマホ、スマートウォッチなどのガジェット周り、ゲーム関連を担当。触ってきた製品は数えきれないほど多いです。価格.comマガジンのYouTubeにも出演中。
記事一覧へ
記事で紹介した製品・サービスなどの詳細をチェック
本ページはAmazonアソシエイトプログラムによる収益を得ています
関連記事
SPECIAL
ページトップへ戻る
×