リンクスインターナショナルは、イギリスのPlanet Computersのモバイル端末「Cosmo Communicator」を日本市場に投入することを発表しました。発売時期は2019年9月末を予定しており、想定販売価格は10万円前後。都内で開催された発表会で実機を見てきたので、スペックなどの詳細をレポートします。
キーボードを搭載するスマートフォン「Cosmo Communicator」
「Cosmo Communicator」は、5.99インチのフルHDディスプレイ(2160×1080)とキーボードを搭載するデバイスです。Android 9.0を搭載しており、電話の応答やGoogle Playからアプリをインストールするなど、スマートフォンと同等の機能を備えながらも、キーボードを使ったノートPCライクな使い方も可能です。開発元のPlanet Computersは、以前に「Gemini PDA」というAndroid搭載のモバイル端末を発売しており、「Cosmo Communicator」はその後継機となります。
基本スペックは、CPUがMediaTek「Helio P70」、メモリーが6GB、ストレージ容量が128GB(microSD最大512GB)、バッテリー容量が4,220mAh。「Helio P70」は、搭載されているスマートフォンこそ少ないものの、ミドルクラスの性能を持つCPUです。本体は、折りたたみ式機構を採用し、折りたたむとスマートフォン、開けるとモバイルPCのような使い方が可能になっています。
※追記:2019年9月9日
CPUの名称に間違いがあったため、「Helio P70」へと修正いたしました。
折りたたみ時のサイズは、170.1(縦)×70.93(横)×10.73(厚さ)mm。重量は326g。6.4インチの「iPhone XS Max」といった大画面スマートフォンよりも大きく、手で持っても分厚くずっしりとした重さを感じました
折りたたむとスマートフォン2台分くらいの厚みがあります
背面には2400万画素のカメラと、2インチの有機ELパネル(タッチスクリーン)、指紋認証センサーを搭載。タッチスクリーンは、電話やメールなどの通知を表示したり、自撮りの際のディスプレイ、Wi-Fiや機内モードのオン/オフなど簡易的な操作を行うことが可能です。
背面にもディスプレイを搭載することで、通知の確認や簡単な設定変更時に端末を開ける必要がない設計になっています
面白いのは指紋認証センサーが物理ボタン式になっており、着信を取る、通話を終了するという操作に対応。また、両サイド(カメラ上部と指紋認証センサー下部)に通話用スピーカーを、端末の天面と底面の両方にマイクを搭載することで、上下が反転した状態でも電話を受けられるようになっています。
青いライトが点灯しているのが、物理ボタンも兼ねた指紋認証センサー
端末の内側に搭載された5.99インチのディスプレイはマルチタッチ操作に対応。ディスプレイ左上に500万画素のインカメラを搭載します。このインカメラを使えば、ビデオ会議などもノートPCライクに行えます。
キーボードを搭載しているため、仕事などにも使えそう。これは一般的なスマートフォンが備えていない魅力
キーボードはしっかりとした打鍵感があり、明るさを調節可能なバックライトを搭載
「Cosmo Communicator」は、AndroidのほかにSailfish、Linux(Debian/Kali)などにも対応し、最大2つのOSをインストールし、必要に応じて使い分けることが可能です。これは、専門的な作業を行うユーザーにはうれしい機能になるでしょう。
インターフェイスは3.5mmオーディオジャックに加えて、USB Type-Cポートを2基備え、両方とも充電、ファイル転送、映像出力に対応。SIMカードスロットは、nanoSIMカード2枚(1つはmicroSDカードと排他利用)を格納でき、デュアル4Gに対応。VoLTEにも対応しているとのことですが、主要メーカーから認証は受けていません。また、日本ではIIJmioがサービスを行っているのみですが、eSIMカードにも対応しています。
通信の対応バンドは、LTE FDDが1/2/3/4/5/7/8/11/18/19/26/28/41/71で、WGSMが850/800/900/1800/1900MHz。Wi-FiはIEEE802.11 ac/a/b/g/nに対応。そのほかの機能は、Bluetooth 5.0、GPS(Glonass/Beidou/Galileo)、各種センサー(加速度/コンパス/光/ジャイロ)となっています。
かなりキワモノな的な製品ですが、刺さる人にはたまらない「Cosmo Communicator」。ガジェット好きならチェックしてみて損はないでしょう。