米アップルは2022年3月9日(日本時間)、オンラインイベントを開催し、「M1 Ultra」という新しいチップを搭載した新型デスクトップ「Mac Studio」を発表した。コンパクトな筐体ながら、最大20コアCPUかつ128GBのユニファイドメモリーに対応するモンスターマシンだ。アップルストア価格は499,800円(税込)から。「MacBook Pro」と同じ「M1 Max」を搭載したモデルもラインアップし、こちらは249,800円(税込)から。
Mac Studioと新しい「Studio Display」
Mac Studioに搭載されるM1 Ultraは、2つのM1 Maxを組み合わせて1チップ化したもので、トランジスタ数は1140億にも上る。M1 Maxは元々、Ultra Fusionアーキテクチャという、マルチダイアーキテクチャを採用しており、今回のM1 Ultraはその第1弾と言える。
M1 UltraはM1 Maxを2つ組み合わせて、1チップ化したもの
16の高性能コアと4つの高効率コアからなる最大20コアCPUと64コアGPU、それに毎秒22兆の演算処理が可能な32コアのニューラルエンジンを搭載。ユニファイドメモリーは最大128GBをサポートし、メモリー帯域幅は800GB/sにも達する。メディアエンジンはM1 Maxの2倍の性能を誇る、超高性能なチップだ。それでいて電力効率にもすぐれており、コンパクトな筐体に収められるのも特徴と言える。
その性能と消費電力は、WindowsデスクトップPCで最速の16コアCPUと比べて、同じ消費電力枠で最大90%高いパフォーマンスを発揮するという。また、16コアのXeonを搭載した「Mac Pro」より最大90%高速という。
M1 Max搭載のモデルでも、10コアのCore i9を搭載した27インチiMacよりもCPU性能は2.5倍、GPU性能は3.4倍速い。動画の再生や処理にも強く、世界で唯一、最大18ストリームの8K ProResビデオ再生をサポートするという。
GPU性能は、最上位の外付けGPUと比べて200W少ない電力で同等以上のパフォーマンスを発揮する
筐体は「Mac mini」を大きくしたイメージで、サイズは縦と横が19.7cm、高さが9.5cm。底面から吸気し、本体上部の2つのファンで後ろに排気する排熱システムが組み込まれている。
外部インターフェイスは、前面にSDメモリーカードスロット、Thunderbolt 4ポート×2(M1 MaxモデルはUSB-Cポート×2)を搭載。背面にThunderbolt 4ポート×4、10GbのLANポート、USB−Aポート×2、HDMI、3.5mmヘッドホン出力を備える。
前面
背面
Mac miniを3台重ねたような雰囲気
27インチ5K Retinaディスプレイを搭載する「Studio Display」も3月18日に発売する。600ニトの輝度とP3の広色域をサポートするほか、「Nano-textureガラス」のオプションも用意する。
また、「A13 Bionic」を搭載し、センターフレームに対応した1200万画素超広角カメラを備える。3つのマイクや6つのスピーカーなどサウンド面にもこだわっている。外部インターフェイスはUSB-C×3、Thunderbolt 3ポートを搭載。アップルストア価格は199,800円(税込)から。
Studio Display
ガジェットとインターネットが好きでこの世界に入り、はやいもので20年。特技は言い間違いで、歯ブラシをお風呂、運動会を学芸会、スプーンを箸と言ってしまいます。お風呂とサウナが好きです!