レビュー

高コスパなfinalのゲーミングイヤホン「VR2000&3000」聴き比べ!

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finalは音質にこだわる国内オーディオメーカーで、リスニング用のイヤホンやヘッドホンだけではなく、ゲーミングイヤホンも手掛けています。その最新モデル「VR2000 for Gaming」(以下、「VR2000」)が2023年8月22日に発売されました。

「VR2000」は、1万円を切る価格ながらも価格以上の音質でユーザーから高い評価を得ている「VR3000 for Gaming」(以下、「VR3000」)の兄弟モデル。基本設計やデザインは共通ですが、「VR2000」は音に素早く反応できることを目指した「反応特化型」、「VR3000」は制作者の意図どおりに空間表現を再現することにフォーカスした「空間特化型」とうたわれています。

今回は、この2モデルを聴き比べてみました。どちらを購入するか迷っている人の参考になれば幸いです。

市場想定価格は「VR2000」が6,980円、「VR3000」が7,980円(いずれも税込)。どちらも1万円を切る価格で提供されているのがポイントです

市場想定価格は「VR2000」が6,980円、「VR3000」が7,980円(いずれも税込)。どちらも1万円を切る価格で提供されているのがポイントです

完全新設計のドライバーユニット「f-Core DU」を採用

「VR2000」「VR3000」はカナル型の有線イヤホンです。finalが完全新設計した6mmダイナミックドライバーユニット「f-Core DU」を採用しており、ゲーム用/3Dサウンド用イヤホンとして精度の高い再現を可能にしているとのことです。

「VR2000」はfinal製品としては珍しく、色味のある「DARK OLIVE」カラーを採用

「VR2000」はfinal製品としては珍しく、色味のある「DARK OLIVE」カラーを採用

「VR3000」のカラーは「MATTE BLACK」。録音用モニター機器として採用されているfinal製品らしいカラーです

「VR3000」のカラーは「MATTE BLACK」。録音用モニター機器として採用されているfinal製品らしいカラーです

ケーブルの途中にコントローラーを搭載。背面にはマイクが装備されています

ケーブルの途中にコントローラーを搭載。背面にはマイクが装備されています

イヤホンプラグは3.5mmの4極端子です

イヤホンプラグは3.5mmの4極端子です

両モデルの市場想定価格は1,000円異なりますが、商品構成は同じ。イヤホン本体、イヤーピース5組、イヤーフック、ケースが同梱されています。イヤーピースは5サイズが用意されているので、自分の耳にぴったりと合ったイヤーピースを選択可能です。

上が「VR2000」、下が「VR3000」のイヤーピース。イヤーピース内部の色も微妙に変えられています

上が「VR2000」、下が「VR3000」のイヤーピース。イヤーピース内部の色も微妙に変えられています

左右のイヤーピースで軸色が異なるので、ちょっと歪ませればイヤホンの左右をすぐに見分けられます。これ、ホント便利。ほかのイヤホンでも採用してほしい工夫です

左右のイヤーピースで軸色が異なるので、ちょっと歪ませればイヤホンの左右をすぐに見分けられます。これ、ホント便利。ほかのイヤホンでも採用してほしい工夫です

没入感を妨げない装着感。イヤーピースの当たりもやわらかくていい

「VR2000」「VR3000」の装着方法は、ケーブルを耳の上に回す、いわゆる「シュア掛け」。この方法の最大のメリットはケーブルが頬に触れないことです。ケーブルがピタピタと頬を叩くことがないので、ゲームへの没入感を阻害することはありません。

また、同梱されているイヤーフックを装着すると、ケーブルと頭部側面が触れることにより発生する擦過音(ケーブルタッチノイズ)が大幅に低減されます。ゲームだけでなく、ウォーキングやジョギング時などにも快適に音楽を楽しめますね。

イヤーピースの挿入感も良好。音導管部分(イヤホンの先端のノズル)には溝加工を施した硬めのシリコン素材が、耳に触れるヒダの部分にはやわらかいシリコン素材が採用されており、ずれにくく、かつ耳当たりがいいです。5サイズの中からピッタリのイヤーピースを選べば、長時間のゲームやVRを快適に楽しめます。

ちなみに筆者は1時間ほどゲームで連続使用しましたが、特に疲労を感じることはなかったです。イヤーフックは装着したままのほうがよいですね。ロック機構が付いており、イヤーフックがケーブルから外れにくいのも気に入りました。

イヤーフックにはロック機構が2つ付いており、ケーブルから外れにくくなっています。メンテナンス時以外は装着したままにしておきましょう

イヤーフックにはロック機構が2つ付いており、ケーブルから外れにくくなっています。メンテナンス時以外は装着したままにしておきましょう

イヤーフックなしでも「シュア掛け」ができますが、イヤーフックを付けたほうがケーブルタッチノイズは減ります。また、イヤーフックを装着していたほうがケーブル自体への負担も低減してくれると思われます

イヤーフックなしでも「シュア掛け」ができますが、イヤーフックを付けたほうがケーブルタッチノイズは減ります。また、イヤーフックを装着していたほうがケーブル自体への負担も低減してくれると思われます

ゲーム/VRで試して音質や定位感をチェック

さて、「VR2000」「VR3000」を実際にゲームやVRで使ってみた感想ですが、まずどちらも価格以上の音質を備えていると感じました。

「VR2000」は「反応特化型」、「VR3000」は「空間特化型」とされていますが、そもそもゲームがスタートしてBGMが流れた瞬間に、イヤホンとしての基本性能の高さががわかります。それぞれの音がしっかりと分離し、解像感が高く、それでいて中・低音にもしっかりとボリュームがあります。ゲームやVRだけでなく、音楽やミュージックビデオも楽しめるクオリティーのイヤホンだと感じました。

そのいっぽうで、両者に「反応特化型」と「空間特化型」と言えるほどの違いがあるとは私の耳では判断できませんでした。ハイレゾ音源を「VR2000」と「VR3000」で聴き比べてみると、「VR2000」のほうが音は軽やかに感じられますが、ゲームでは正直違いがわかりません。

とはいえ、どちらのイヤホンでも射撃音や足音の方向をしっかりと判断できる定位感は備わっています。eスポーツ選手には両製品の特性の違いを感じられるのかもしれませんが、筆者のような一般ゲーマーであればどちらでも十分ですし、ゲーミングイヤホンならではの恩恵を受けられるのだと思います。

VRヘッドセットに装着したときの体験も、ゲームをプレイしたときとあまり違いはありません。とは言ってもVRヘッドセットに内蔵されているスピーカーよりも、「VR2000」と「VR3000」のほうが臨場感は断然上。特に、VR向けASMRコンテンツのユーザー体験を向上させる周辺機器として、非常にコスパのいいアイテムです。

「フォートナイト」や「PUBG」では音による索敵が重要。敵の位置を正確に判断できる定位感を備えているので、遠くに離れている敵や、壁越しの敵でもいち早く位置を把握し、忍び足で接敵できます

「フォートナイト」や「PUBG」では音による索敵が重要。敵の位置を正確に判断できる定位感を備えているので、遠くに離れている敵や、壁越しの敵でもいち早く位置を把握し、忍び足で接敵できます

VRヘッドセットをかぶっているときにケーブルが頬に触れたらせっかくの没入感が台なし。「シュア掛け」ができ、耳当たりのいい両製品なら長時間のVRプレイも快適です

VRヘッドセットをかぶっているときにケーブルが頬に触れたらせっかくの没入感が台なし。「シュア掛け」ができ、耳当たりのいい両製品なら長時間のVRプレイも快適です

モニターイヤホンらしい音作りの「VR2000」がおすすめ

今回「VR2000」と「VR3000」を試用しましたが、個人的には断然「VR2000」のほうがおすすめです。正直「反応特化型」「空間特化型」という違いは私の耳ではよくわかりませんでした。となると、希望小売価格で1,000円安い「VR2000」のほうがお得ですよね?

付け加えると「VR2000」のほうが音のキレがよく、モニターイヤホンらしい音作りだと感じました。ゲームやVRだけでなく、音楽鑑賞用でも私は「VR2000」を選びます。

ただし、eスポーツ選手レベルのプレイヤーであれば、「VR2000」と「VR3000」には反応速度など勝敗を分けるだけの差があるかもしれません。個人的には「VR2000」を推しますが、迷っている人は試聴コーナーがある店舗で試してみてください。

いずれにしても、1万円切りのイヤホンとして両製品ともコスパ抜群。どちらを買っても満足できるはずです。

ジャイアン鈴木
Writer
ジャイアン鈴木
レビューした製品を高確率で買ってしまう物欲系ITライター。守備範囲はPC、スマホ、VRがメイン。ゲーム、デジタルトイも大好き。最近サバゲにはまっています。愛車はスイフトスポーツで、断然マニュアル派です。
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水川悠士(編集部)
Editor
水川悠士(編集部)
デジタル系メディアから価格.comへ。スマホ、スマートウォッチなどのガジェット周り、ゲーム関連を担当。触ってきた製品は数えきれないほど多いです。価格.comマガジンのYouTubeにも出演中。
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