レビュー

14.6インチでゲームもサクサクな高性能タブレット「Galaxy Tab S10 Ultra」

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サムスン電子ジャパンは、Androidタブレット「Galaxy Tab S10」(以下、Tab S10)シリーズを10月3日に発売します。本シリーズは同社製スマホと同じくハイエンドプロセッサーを採用し、専用キーボードやペンも用意。また、独自AI機能「Galaxy AI」に対応しており、大画面でGalaxy AIのほぼ全機能を活用可能※です。
※Galaxy AIは一部を除きTab S9にも提供されます。

今回は上位モデル「Galaxy Tab S10 Ultra」の詳細スペック、パフォーマンス、カメラ画質、使い勝手などについて実機レビューをお届けします。

※記事中の価格は特に断りがない限り税込価格を表示しています。

サムスン電子ジャパン、「Galaxy Tab S10 Ultra」、市場想定価格219,120〜299,750円

サムスン電子ジャパン、「Galaxy Tab S10 Ultra」、市場想定価格219,120〜299,750円

プロセッサーが高性能モデルに進化

ラインアップは、14.6インチ「Galaxy Tab S10 Ultra」(以下、Tab S10 Ultra)と、12.4インチ「Galaxy Tab S10+」(以下、Tab S10+)の2モデル。プロセッサーは2023年モデルの「Snapdragon 8 Gen 2」から「MediaTek Dimensity 9300+」に変更。モデルとしてはメモリー、ストレージ容量の異なる下記の5モデルが販売されます。

・Galaxy Tab S10 Ultra(16GB/1TB) 299,750円
・Galaxy Tab S10 Ultra(12GB/512GB) 248,600円
・Galaxy Tab S10 Ultra(12GB/256GB) 219,120円
・Galaxy Tab S10+(12GB/512GB) 216,480円
・Galaxy Tab S10+(12GB/256GB) 187,440円

「Tab S10 Ultra」と「Tab S10+」で大きく異なるのは画面サイズ。「Tab S10 Ultra」は14.6インチ、「Tab S10+」は12.4インチが用意されています。どちらも有機ELディスプレイ「Dynamic AMOLED 2X」を搭載しています。なお、2023年モデルと解像度、リフレッシュレートなどは同じですが、画面コーティングを光沢から反射防止に変更。どの角度からでも明るく、クリアな表示を実現したと謳われています。

「Tab S10 Ultra」の有機ELディスプレイはアスペクト比16:10、リフレッシュレート120Hz、コントラスト比1,000,000:1、HDR 10+、ブルーライト低減機能搭載

「Tab S10 Ultra」の有機ELディスプレイはアスペクト比16:10、リフレッシュレート120Hz、コントラスト比1,000,000:1、HDR 10+、ブルーライト低減機能搭載

有機ELパネルは広色域が特徴。階調豊かに画像を表示できます

有機ELパネルは広色域が特徴。階調豊かに画像を表示できます

「Tab S10 Ultra」と「Tab S10+」でもうひとつ大きく違うのがカメラ構成。リアカメラは1300万画素広角+800万画素超広角と同じですが、フロントカメラは「Tab S10 Ultra」が1200万画素広角+1200万画素超広角のデュアル構成で、「Tab S10+」が1200万画素広角のみと差別化されています。また「Tab S10 Ultra」はWi-Fi 7、「Tab S10+」はWi-Fi 6Eとワイヤレスネットワークの速度も異なります。

「Tab S10 Ultra」のフロントカメラは1200万画素広角+1200万画素超広角。リアカメラは1300万画素広角+800万画素超広角

「Tab S10 Ultra」のフロントカメラは1200万画素広角+1200万画素超広角。リアカメラは1300万画素広角+800万画素超広角

防水・防塵性能はどちらもIP68と前モデルと同じですが、ボディに硬度が10%向上した「アーマー・アルミニウム」が採用されています。

ボディには硬度を10%向上した「アーマー・アルミニウム」を採用

ボディには硬度を10%向上した「アーマー・アルミニウム」を採用

スタイラスペン「Sペン」は1本同梱。背面に装着可能です

スタイラスペン「Sペン」は1本同梱。背面に装着可能です

いっぽう、2023年モデル「S9 Ultra」と「Tab S10 Ultra」の差分をまとめると下記のようになります。

・カラー
 グラファイト→ムーンストーングレー
・厚さ
 5.5mm→5.4mm
・画面コーティング
 光沢 →反射防止
・プロセッサー
 Snapdragon 8 Gen 2→MediaTek Dimensity 9300+
・メモリー
 12GB→12GB/16GB
・ストレージ
 512GB→256GB/512GB/1TB
・ワイヤレスネットワーク
 Wi-Fi 6E→Wi-Fi 7

今回のハードウェアにおける最大の進化はプロセッサー。「Snapdragon 8 Gen 2」から「MediaTek Dimensity 9300+」に変更したことにより、CPU性能は17%、GPU性能は30%、NPU性能は16%向上したと謳われています。

また、冷却システムに新たなベイパーチャンバーが採用され、「Tab S9」シリーズ比で1.48倍の冷却性能を実現したと謳われています。どのぐらいのパフォーマンスを発揮するかは、次のベンチマークでチェックしてみましょう。

AnTuTu Benchmarkの総合スコアは180万超えを記録

パフォーマンスについては定番ベンチマークを実施。結果は以下のとおりです。

「AnTuTu Benchmark V10.3.4」の総合スコア

「AnTuTu Benchmark V10.3.4」の総合スコア

「Geekbench 6.3.0」のスコア

「Geekbench 6.3.0」のスコア

「3DMark」のWild Life Extremeスコア

「3DMark」のWild Life Extremeスコア

「Geekbench AI 1.1.0」のスコア

「Geekbench AI 1.1.0」のスコア

AnTuTu Benchmarkのランキングによると、1位は「Snapdragon 8 Gen 3 OC」を搭載する「RedMagic 9S Pro+」で2127527、「MediaTek Dimensity 9300+」搭載機の中のトップがランキング5位の「iQOO Neo9S Pro」で2091933。また、「Snapdragon 8 Gen 2」を搭載する「Galaxy Tab S9」のAnTuTu Benchmarkの総合スコアは1516056です。

つまり、今回の「Tab S10 Ultra」は「RedMagic 9S Pro+」の約85%相当、「iQOO Neo9S Pro」の約86%相当、「Galaxy Tab S9」の約119%相当のスコアを記録したことになります。ランキング上位のハイエンドスマホとは差がありますが、前モデルからは着実にパフォーマンスは向上しています。

「ゼンレスゾーンゼロ」を最高画質でプレイしてみましたが、非常に滑らかなグラフィック描画でプレイできました。ゲーミングタブレットとしても高い性能を備えています

「ゼンレスゾーンゼロ」を最高画質でプレイしてみましたが、非常に滑らかなグラフィック描画でプレイできました。ゲーミングタブレットとしても高い性能を備えています

Galaxyスマホ譲りの高画質カメラ

カメラについてはGalaxyスマホ譲りの高画質です。イメージセンサーの画素数自体は決して高くはないものの、精細かつ自然な発色で撮影できます。ナイトモードも明るく撮れますね。

ただし、2倍デジタルズームは問題ありませんが、8倍デジタルズームでは解像度が足らず、ノイズも増えます。デジタルズームについては2倍までを常用と考えたほうがよさそうです。

なお、動画の手ブレ補正についてはアクションカメラほどではありませんが、実用上十分な効果を確認できました。補正に不自然さもないので、基本的には有効にしたままで撮影したほうがいいですね。

超広角カメラ

超広角カメラ

広角カメラ

広角カメラ

広角カメラ(2倍ズーム)

広角カメラ(2倍ズーム)

広角カメラ(8倍ズーム)

広角カメラ(8倍ズーム)

広角カメラ(ナイトモード)

広角カメラ(ナイトモード)

14.6インチの大画面でGalaxy AIを活用可能

「Tab S10 Ultra」最大の魅力は14.6インチの有機ELディスプレイ。HDR 10+に対応しているので、YouTubeやNetflixなどでHDRコンテンツを再生可能。また画面比率が16:10なので、特に動画コンテンツを鑑賞するのに適しています。

設定しなくても、YouTubeやNetflixなどでHDRコンテンツを再生できます

設定しなくても、YouTubeやNetflixなどでHDRコンテンツを再生できます

そのいっぽうで電子コミックの見開きでは左右のアキが目立ち、大画面を最大限生かせていまえん。縦持ちではそれほど気になりませんが、見開きで電子コミックを読みたいのであれば、ほかのタブレット端末を選択したほうがよいかもしれません。

電子コミックの見開きでは左右のアキが目立ちます※鈴木みそ氏「ナナのリテラシー 1」より

電子コミックの見開きでは左右のアキが目立ちます※鈴木みそ氏「ナナのリテラシー 1」より

縦持ちであればアキはそれほど気になりません

縦持ちであればアキはそれほど気になりません

さて、「Tab S10 Ultra」はGalaxy AIをほぼフルサポートしているのが売りのひとつ。そこで今回は、ラフな下書きからイラストを生成する「AIスケッチ」を試してみました。下記がその結果なのですが、正直驚きました。「Copilot+ PC」にも「コクリエイター」という同様の機能があるのですが、AIスケッチのほうがラフに忠実で、なおかつイラストとしての完成度も高いです。

筆者のライターという仕事でもちょっとしたイラストが欲しいときがあるので、この機能だけでも「Tab S10」が欲しくなりますね。「Tab S9」シリーズでもGalaxy AIは使えますが、CPU性能が向上した「Tab S10」のほうが生成AIの処理は向いているでしょう。

画面に表示されている「エアコマンド」からSペン関連のアプリを起動できます

画面に表示されている「エアコマンド」からSペン関連のアプリを起動できます

これは筆者がササッと描いたラフです

これは筆者がササッと描いたラフです

ラフをもとに、配色を変えた5枚のAIイラストが生成されます

ラフをもとに、配色を変えた5枚のAIイラストが生成されます

これがそのうちの1枚。ラフに忠実でありつつ、見栄えのいいイラストに仕上げられています

これがそのうちの1枚。ラフに忠実でありつつ、見栄えのいいイラストに仕上げられています

Galaxy AIの新機能をフル活用したいのなら「Tab S10」が有力候補

「Tab S10 Ultra」と「Tab S9 Ultra」のスペックを比較すると、ハードウェア的には大きな進化はないように見えます。しかし、プロセッサーを変更することで、性能が向上。ゲームだけでなく、クリエイティブ系アプリも快適に動作させられるパフォーマンスを備えています。

またGalaxy AIは従来モデルにも提供されますが、数学や幾何学の問題を支援する「宿題」、AIアシスタント「Gemini」を起動するための「AIキー搭載キーボード」、音声とBGMを認識して動画の音量を調節する「ダイアログブースト」などはTab S10だけの新機能です。

最大限にGalaxy AIの新機能を活用したいのなら、やはり最新の「Tab S10」シリーズが有力候補と言えるでしょう。

ジャイアン鈴木
Writer
ジャイアン鈴木
レビューした製品を高確率で買ってしまう物欲系ITライター。守備範囲はPC、スマホ、VRがメイン。ゲーム、デジタルトイも大好き。最近サバゲにはまっています。愛車はスイフトスポーツで、断然マニュアル派です。
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水川悠士(編集部)
Editor
水川悠士(編集部)
デジタル系メディアから価格.comへ。スマホ、スマートウォッチなどのガジェット周り、ゲーム関連を担当。触ってきた製品は数えきれないほど多いです。価格.comマガジンのYouTubeにも出演中。
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