レビュー

Series 6ユーザーが「Apple Watch Series 10」を試した結果、買い替えたくなりました!

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2024年9月20日に発売された「Apple Watch Series 10」。ディスプレイを中心に従来モデルから大きく進化しています。筆者は4年前に発売された「Apple Watch Series 6」を長らく愛用していますが、「Apple Watch Series 10」を2週間ほど試して、すぐに買い替えたくなりました。

アップルのスマートウォッチ「Apple Watch Series 10」(写真は46mmケースのジェットブラック、バンドはスポーツループのインク)。価格.com最安価格は42mmケースが58,006円から、46mmケースが60,987円から。2024年9月20日発売

アップルのスマートウォッチ「Apple Watch Series 10」(写真は46mmケースのジェットブラック、バンドはスポーツループのインク)。価格.com最安価格は42mmケースが58,006円から、46mmケースが60,987円から。2024年9月20日発売

「Apple Watch」史上最大のディスプレイ

まずは進化したディスプレイ周りから見ていきましょう。

「Apple Watch Series 10」には、「46mmケース」と「42mmケース」の2つのサイズがあります(46mmと42mmはケースの縦の長さ)。一世代前の「Apple Watch Series 9」と比較すると、どちらのサイズも1mm長くなりました。

ケースが大型化した「Apple Watch Series 10」(46mmケース)

ケースが大型化した「Apple Watch Series 10」(46mmケース)

「Apple Watch」のディスプレイのサイズは、見慣れた○インチ(型)という数値ではなく、ピクセルと表示領域で公開されています。ディスプレイのスペックは以下のとおり。比較用に従来モデルの「Apple Watch Series 9」と現行モデルのスペックも併記しました。

Apple Watch Series 10
46mmケース:416×496ピクセル、1220 mm²の表示領域
42mmケース:374×446ピクセル、989mm²の表示領域

Apple Watch Series 9(Series 8、Series 7も同じスペック)
45mmケース:396×484ピクセル、1143mm²の表示領域
41mmケース:352×430ピクセル、904mm²の表示領域

Apple Watch Ultra 2
49mmケース:410×502ピクセル、1185mm²の表示領域

Apple Watch SE(第2世代)
44mmケース:368×448ピクセル、977mm²の表示領域
40mmケース:324×394ピクセル、759mm²の表示領域

従来モデルの「Apple Watch Series 9」までは、45mmケース/41mmケースだったので、「Apple Watch Series 10」はケースの大型化にともない画面サイズも大きくなっています。ピクセル数を見ると、横方向が長くなり正方形に近づきました。わずかな差なので、変わったと言われないと、その違いはわからないでしょう。

なお、「Apple Watch Series 10」の大きいほう(46mmケース)のディスプレイは、49mmケースの「Apple Watch Ultra 2」よりも大きく、「Apple Watch」史上最大です。

筆者が普段利用している44mmケースの「Apple Watch Series 6」と比べると、ディスプレイサイズは30%広くなり、より多くの情報を表示できるようになりました。今回試した「Apple Watch Series 10」は46mmケースで、パッと見ではそれほど大きくなった印象は受けませんでしたが、腕に着けて実際に使うと、その差は歴然。文字や画像が大きく見やすいのはもちろん、タッチでの操作もしやすくなっています。

左が46mmケースの「Apple Watch Series 10」、右が44mmケースの「Apple Watch Series 6」。縦の2mmは大きな差です

左が46mmケースの「Apple Watch Series 10」、右が44mmケースの「Apple Watch Series 6」。縦の2mmは大きな差です

単体で見るよりも、装着すると画面が大きくなっているのがすぐにわかります(左が46mmケースの「Apple Watch Series 10」、右が44mmケースの「Apple Watch Series 6」)

単体で見るよりも、装着すると画面が大きくなっているのがすぐにわかります(左が46mmケースの「Apple Watch Series 10」、右が44mmケースの「Apple Watch Series 6」)

斜めから見やすく、「常時表示モード」で秒針の表示に対応

「Apple Watch Series 10」のディスプレイは、画面が大きくなっただけではありません。

まず、新開発の「広視野角OLEDディスプレイ」により、斜めから見たときの明るさが最大40%アップしています。これにより、時刻だけでなく通知や各種情報を、腕を上げずにチラ見で確認しやすくなりました。

また、「常時表示モード」(腕を下げているときでも、画面が消えないモード)は画面更新サイクルが「1分に1回」から「1秒に1回」になりました。これまで、「常時表示モード」は秒針を表示しないことで節電していましたが、秒単位で時刻を確認できないというのが難点でもありました。「Apple Watch Series 10」では、これが解消。使い勝手が大きく変わる変更点ではありませんが、一般的な腕時計に近づくという意味では重要な機能強化と言えるでしょう。

秒ごとに画面の色が変わる、新しい文字盤「フラックス」。「常時表示モード」でも「Apple Watch Series 10」では白い線が秒を表しています。「Apple Watch Series 6」では白い線が表示されていません

秒ごとに画面の色が変わる、新しい文字盤「フラックス」。「常時表示モード」でも「Apple Watch Series 10」では白い線が秒を表しています。「Apple Watch Series 6」では白い線が表示されていません

最大輝度は2000二トで、「Apple Watch Series 9」と同じです。ただ、筆者が利用する「Apple Watch Series 6」の最大輝度は1000二トなので、比べると、明るい場所での見やすさは断然アップしています。

1mm薄型化で腕との密着感が向上

本体サイズは内部設計を見直すことで、「Apple Watch Series 9」より1mmほど薄くなりました。厚さは9.7mmで「Apple Watch」史上最薄です。重量はケースが大きくなっているのにもかかわらず、アルミニウムケースモデルは2.3〜3.7g軽量化を実現。チタニウムケースモデルは、ステンレススチールモデルと比べて7.9〜9.8g軽くなりました。

薄型化と軽量化を果たした「Apple Watch Series 10」ですが、装着感は「Apple Watch Series 6」とそれほど大きな違いありませんでした。それでも薄型化されたことで腕との密着感が向上したように感じました。

右の「Apple Watch Series 6」の厚さは、「Apple Watch Series 9」と同じ10.7mmです。並べると、「Apple Watch Series 10」が薄くなっているのがわかります

右の「Apple Watch Series 6」の厚さは、「Apple Watch Series 9」と同じ10.7mmです。並べると、左の「Apple Watch Series 10」が薄くなっているのがわかります

薄型化と軽量化により、腕との密着感がアップ。装着感については、「Apple Watch」本体よりも、バンドのほうが重要になるでしょう

薄型化と軽量化により、腕との密着感がアップ。装着感については、「Apple Watch」本体よりも、バンドのほうが重要になるでしょう

バッテリー駆動時間は「Apple Watch Series 9」と同じ最大18時間です。「Apple Watch」のバッテリー駆動時間は、初代モデルから最大18時間で変わっていません。低電力モードで最大36時間まで延ばせますが、より長いバッテリー駆動時間を求めるなら「Apple Watch Ultra 2」を選びましょう。

筆者の「Apple Watch Series 6」は、さすがに4年使っていることもありバッテリーがへたっており、バッテリーの持ちは「Apple Watch Series 10」が圧倒的に長かったです。「Apple Watch Series 6」は1日1回の充電が必須ですが、「Apple Watch Series 10」は2日に1回で済みました。

また、充電時間が短縮されたのもうれしい進化点です。約30分で0%から80%まで充電できます。「Apple Watch Series 9」では0%から80%まで約45分だったので、15分短縮されました。これなら朝の出かける前に充電するだけで済むケースが増えそうです。ずぼらな性格の筆者でも、これなら充電切れの「Apple Watch」を着けて出かける回数は減りそうです。

 高速充電がスピードアップして、約30分で0%から80%まで充電できます

高速充電がスピードアップして、約30分で0%から80%まで充電できます

新色のジェットブラックがかっこいい

ケースはアルミニウムケースとチタニウムケースの2種類があります。「Apple Watch Series 9」のステンレスケースは、チタニウムケースに置き換えられました。

今回レビューで試したのは、アルミニウムケースモデル。カラーは新色のジェットブラックです。アルミニウムケースモデルはマット仕上げで、「Apple Watch Series 10」のシルバーとローズゴールドもマット仕上げです。そんななかで、新色のジェットブラックだけは鏡面仕上げで高級感のある見た目。アルミニウムのモデルは比較的安価なので、手ごろな価格で“高見え”する「Apple Watch」として新色のジェットブラックは人気が出そうです。

アルミニウムケースモデルながら、鏡面仕上げのジェットブラック。仕上げが変わると、印象ががらりと変わります

アルミニウムケースモデルながら、鏡面仕上げのジェットブラック。仕上げが変わると、印象ががらりと変わります

 鏡面仕上げのチタニウム。ツヤツヤで高級感がワンランク上です。カラーは写真左からナチュラル、ゴールド、スレートの3色

鏡面仕上げのチタニウム。ツヤツヤで高級感がワンランク上です。カラーは写真左からナチュラル、ゴールド、スレートの3色

“できること”も着実に増えました

新機能にも注目です。

まず、新しい翻訳アプリは音声認識に対応しました。インターネットにつながっていなくても、言語をダウンロードすれば翻訳アプリは利用可能。旅先などで重宝しそうです。

翻訳アプリ

翻訳アプリ

水温センサーや水深計が搭載され、「Apple Watch Ultra 2」のみに搭載されていた水深アプリが使えるようになりました。ただ、「Apple Watch Ultra 2」は水深40mまでのダイビングに対応しているのに対して、「Apple Watch Series 10」は水深6mまでなので、使うシーンは限られるかもしれない。

水深アプリ(デモ)では、時刻、水深、水温、水中にいる間の最大深度などがわかります

水深アプリ(デモ)では、時刻、水深、水温、水中にいる間の最大深度などがわかります

音楽を鳴らすこともできるようになりました。これまでも通話など音を出すことはできましたが、音楽を再生できるのは「Apple Watch Series 10」が初めてです。気になる音質は、意外と大きな音が鳴るので、パーソナルなBGM程度には十分使えるでしょう。ただ、電車の中などで、「iPhone」で鳴っているのか、「AirPods」で鳴っているのか、“どのデバイスから音が鳴っているのか問題”には気をつけたいところ。

スピーカーで音楽を再生できるようになった「Apple Watch Series 10」。スピーカーは左側面に搭載されています

スピーカーで音楽を再生できるようになった「Apple Watch Series 10」。スピーカーは左側面に搭載されています

ヘルスケアには「睡眠時無呼吸の通知」が追加

「Apple Watch」をスポーツやヘルスケアのために使っている人も多いでしょう。ワークアウトやヘルスケア、転倒検知&緊急通報サービスなどは「Apple Watch Series 9」と同じです。

新しいヘルスケア機能として「睡眠時無呼吸の通知」が搭載されました。就寝中に身に着けている「Apple Watch」が、加速度センサーを用いて「呼吸の乱れ」という新たな指標をモニタリングしてくれるという機能です。30日ごとに呼吸の乱れのデータを分析し、中等度から重度の睡眠時無呼吸の兆候が継続して疑われる場合に通知してくれます。

通知が来るのが30日後なので、どんな結果になるかはレポートできませんが、家族に睡眠時の無呼吸を疑われている筆者としては、ぜひとも活用したい機能です。

新しいヘルスケア機能「睡眠時無呼吸の通知」のアプリ設定画面

新しいヘルスケア機能「睡眠時無呼吸の通知」のアプリ設定画面

まとめ

同じアップルの製品でも、「Apple Watch」は「iPhone」よりも買い替えサイクルが長い製品だと思います。筆者のように数世代前のモデルを長く使っている人も少なくないでしょう。そんな数世代前の「Apple Watch」ユーザーにとって、今回試した「Apple Watch Series 10」は魅力の多いモデルです。

大画面化&薄型化、さらに早くなった急速充電、新色のジェットブラックに、高級感あふれる鏡面仕上げのチタニウムと多く点がアップグレードされています。それでいてアップルストア価格は、「Apple Watch Series 9」と同じです(組み合わせるバンドなどで価格は変わります)。

ファンションアイテムとしても、ワークアウトやヘルスケア向けとしても、「Apple Watch Series 10」は万能です。数世代前の「Apple Watch」ユーザーのみなさん、絶好の買い替えタイミングが来ましたよ!

三浦善弘(編集部)
Writer / Editor
三浦善弘(編集部)
出版社で月刊誌やWebメディアの編集・記者を経験し、2013年にカカクコム入社。「価格.comマガジン」にて、PCやスマートフォン分野を担当。取材歴は20年以上。現在は「価格.comマガジン」全体を統括する。
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