最強カメラシステムを搭載したフラッグシップ
※本記事は検証機でのレビューを掲載しているため、実機とは詳細が異なる可能性があります。
シャオミ「Xiaomi 15 Ultra」、市場想定価格179,800円〜(税込。以下同)、2025年3月18日発売
シャオミのフラッグシップスマートフォン「Xiaomi 15 Ultra」は、前世代モデル「Xiaomi 14 Ultra」に引き続き、ライカと共同開発したカメラシステムを搭載。望遠性能をさらに強化し、最強カメラスマホとしてさらなるパワーアップを遂げた。
“スマホ付きカメラ”と呼ばれるほど、カメラの高性能っぷりが話題となった前モデル「Xiaomi 14 Ultra」の登場が記憶に新しいが、新モデル「Xiaomi 15 Ultra」のデザインは、前世代モデル以上にカメラっぽさが高まっている。
一眼レフのレンズを思わせる大型カメラシステムと、シルバーとブラックのツートーンボディのデザインは、もはやカメラそのものだ。
本体のブラック部分は、クラシックカメラのグリップを彷彿させる凹凸のあるフェイクレザーを使用
気になるライカ共同開発のカメラシステムをチェックしよう。4眼構成で、メインカメラ(広角)、3X望遠カメラ、4.3X望遠カメラ、超広角を搭載。すべてライカのブランドレンズである「LEICA VARIO-SUMMILUX光学レンズ」を採用している。
ボディから大きくせり出したカメラシステム部分
メインカメラは5000万画素の広角レンズ。絞り値はF1.63。35mm換算(以下同)で23mm、28mm、35mmの可変絞りシステムを採用している。前世代モデルで採用されていた無段階可変システムは採用されていない。
スマートフォンに搭載されるセンサーとしては最大級の大きさの「Sony LYT-900イメージセンサー(1インチ型)」を搭載。14EVのハイダイナミックレンジと合わさり、暗い場所での撮影でも、ディテールを繊細に再現しながら、濃淡を豊かに表現できそうだ。さらに、光学式手ブレ補正(OIS)も搭載する。
続いては、3X望遠カメラ。約5,000万画素で70mmのフローティング望遠。フローティングは、焦点距離を変更しても画質の劣化が少ないのが特徴だ。マクロ撮影にもすぐれており、約10cmの距離まで近づいての撮影が可能。こちらも光学式手ブレ補正(OIS)を搭載する。
3つ目は、「Xiaomi 15 Ultra」最大の特徴となる4.3X望遠カメラだ。約2億画素で焦点距離は100mm。絞り値はF2.6。1/1.4インチの大型センサーと光学式手ブレ補正(OIS)を搭載する。スマートフォンでは難しかった遠くの被写体も、手ブレを抑制しながら撮影できる。
4つ目となる超広角カメラは、約5,000万画素とこちらも高画素なイメージセンサーを採用している。
大型イメージセンサーの実力をチェックするために、夜景とズーム性能を中心に撮影してみた。
等倍(23mm)での夜景
光学3倍望遠(70mm)で撮影
光学4.3倍望遠(100mm)で撮影
前世代モデルで人気だった「ファストショット」を搭載。このモードは、撮影時の画面内にレンジファインダーカメラを模した撮影フレームが登場し、撮影気分を盛り上げてくれる。23mmから135mmまで、6つの焦点距離が選べるうえ、約0.7秒の高速撮影にも対応する。
「ファストショット」では、画面内に撮影フレームが現れる。撮影した写真は、このフレームで切り取られる
「ファストショット」ではシャッターボタンのカラーを変更可能。また、Leicaの透かしの種類、オンオフを選択できる
Leicaの透かしを使って撮影すると、なんでもない写真がよい雰囲気に仕上がってうれしい
光学ズーム対応望遠カメラの搭載によって、何気なく撮影した写真も、ボケ味が豊かで、よいカメラで撮ったかのような雰囲気に。また、光学式手ブレ補正によって、室内での撮影も、きれいに仕上がるのは、素人としてはありがたい限りだ。
料理を撮影
梅を撮影
前世代モデルと同時販売された、装着することでカメラとしての操作性を向上させる「フォトグラフィーキット」は、「Xiaomi 15 Ultra」でも別売りで発売されるようだ。
写真は、グローバル版のXiaomi公式サイトに掲載されていた「Xiaomi 15 Ultra フォトグラフィーキット レジェンドエディション」(別売)
ここからは、「Xiaomi 15 Ultra」の基本スペックを確認しよう。
OSは、Android 15をベースとした最新の「Xiaomi Hyper OS 2」。SoCも最新世代となる「Snapdragon 8 Elite Mobile Platform」を搭載する。価格は179,800円(16GBメモリー+512GBストレージ)と199,800円(16GBメモリー+1TBストレージ)の2モデルを販売。防水防塵性能はIP68。SIMカードスロットには、2枚の「nanoSIM」を搭載でき、「eSIM」にも対応する。
残念ながらFelicaは搭載しておらず、「おサイフケータイ」は非対応となっている。
ディスプレイは、約6.73インチの有機ELディスプレイ。画質はWQHD+(3200×1440)。リフレッシュレートは120Hzで、アクションゲームも難なくこなせるほど高い。
本体サイズは約161.3(幅)×75.3(高さ)9.48(厚さ)mm
カメラ部分がせり出してはいるが、スマホ自体は薄い。重量は229g
搭載されたハイエンドSoC「Snapdragon 8 Elite Mobile Platform」の実力を確認するために、定番ベンチマークソフト「AnTuTu」を使ってチェック。2回の計測結果は、スコア2450324とスコア2562453となった。約250万スコアは、現状のスマートフォンのなかでも、きわめて高いハイエンドモデルと言って差し支えないだろう。
「AnTuTu」での総合スコアは約250万、CPUスコアは約55万、GPUスコアが約100万となった
また、「Xiaomi 15 Ultra」には、シャオミ独自のAIツール「Xiaomi HyperAI」が搭載されており、AIを使った文章作成や音声認識、翻訳。画像処理や消しゴムといったさまざまな文章、画像編集機能が搭載されている。加えて、GoogleのAI「Gemini」にも対応したことで、かこって検索などのGoogle AI機能も使用できる。
スマホの表示画像を指でなぞると検索できる「かこって検索」(左)。「Google Gemini」に「Xiaomi 15 Ultra」の魅力を教えてもらった結果(右)
最後に、バッテリー容量は5,410mAh。急速充電にも対応しており、メーカー公証値によると、同梱する充電器「90W Xiaomi ハイパーチャージ」を利用すれば、約52分でフル充電が可能とのことだ。
100mm相当の光学望遠カメラを搭載したことで、スマートフォンでも望遠ズームを使って、きれいな写真が撮れるようになったことは大きな進化だ。さらに高性能なSoCと高リフレッシュレートで、重たいゲームもサクサク楽しめるだろう。Felica非搭載によるタッチ決済やモバイルSuicaが使えないという弱点が気にならなければ、ハイエンドなスペックを存分に味わえる一台だ。