GoogleからAndroidスマホ「Pixel 9a」が4月9日に発表。発売は4月16日から開始されます。公式ストアの販売価格は、128GB版が79,900円、256GB版が94,800円(いずれも税込、以下同)。ミドルハイクラスの価格帯ですが、Google製の最新プロセッサーが採用され、デュアルカメラを搭載。他社のミドル〜ミドルハイクラスのスマホと比較すると少し高価ですが、基本スペックが充実しています。
Google「Pixel 9a」、公式ストア販売価格79,900円〜、2025年4月16日発売
今回は2024年8月22日に発売された上位モデル「Pixel 9」と比較し、どのような点が異なっており、実際の使い勝手や品質に違いがあるのかチェックします。
「Pixel 9a」はPixelシリーズのエントリーモデルに当たります。「Pixel 9」との違いで押さえておくべきものは下記のとおりです。下記以外にもWi-Fiの規格やディスプレイのコントラスト比など細かな点はありますが、使い勝手に大きな違いはないでしょう。
両機種を見たときに個人的に一番気になったのがディスプレイベゼルの幅。本体サイズにはミリ単位の差しかないですが、明らかに「Pixel 9a」のベゼルのほうが太いです。ハイエンドスマホと比べると、「Pixel 9a」はちょっと野暮ったく感じるかもしれません。
「Pixel 9a」(左)のほうがベゼルは太い
ボディサイズは「Pixel 9a」のほうが若干大きく、12.1g軽いですが、実際に握ってもその差は正直わかりません。ただし、両機種には大きな違いがひとつあります。それはカメラの出っ張り。
「Pixel 9a」のカメラの凸部は実測約0.5mmに留まっていますが、「Pixel 9」は実測約3.5mm飛び出しています。もちろんレンズ、イメージセンサーの性能は「Pixel 9」のほうがすぐれていますが、携帯性は「Pixel 9a」に軍配が上がります。加えて、「Pixel 9」よりバッテリー容量が多いので、「Pixel 9a」のほうが駆動時間が長いのも大きなメリットです。
左が「Pixel 9a」。実際に握ってもサイズ差はわかりません
カメラの出っ張りは「Pixel 9a」のほうが目立ちません
「Pixel 9a」はGoogleスマホ最上位プロセッサー「Google Tensor G4」を搭載しており、一般的なアプリ、Webブラウジング、動画視聴などであればまったくストレスなく利用可能です。
また、ゲームに関しては、3DアクションRPG「ゼンレスゾーンゼロ」をグラフィック画質「高」、フレームレート「60」に設定してプレイしてみましたが、快適に楽しめました。より高負荷なゲームであれば多少画質を下げる必要はあるかもしれません。しかし、現時点最新のAAAタイトルであってもデフォルト設定であればスムーズに遊べるはずです。
なお、今回「ゼンレスゾーンゼロ」をプレイした際に、ボディが結構温かくなりました。最大フレームレートにこだわりがないのであれば、30FPSに落としたほうがよいでしょう。
「ゼンレスゾーンゼロ」は快適にプレイ可能。よほど画質やフレームレートを上げない限り、最新ゲームでも遊べそうです
「Pixel 9a」と「Pixel 9」のカメラの違いを簡単にお伝えすると、背面の広角カメラは「Pixel 9」のほうがイメージセンサーのサイズが大きいため、光の取り込み量が多く、画質にすぐれています。
また、超広角カメラは「Pixel 9」のほうが高画素イメージセンサーを採用しており、オートフォーカス機能も搭載しています。カメラのハードウェアとしては「Pixel 9」のほうが上です。
しかし実際に両機種で撮影してみると、画質に差を感じません。下記に「Pixel 9a」で0.5倍(超広角)、1倍、2倍、8倍で撮影した写真を掲載していますが、「Pixel 9」との違いは見つけられませんでした。より厳しい条件の「夜景モード」は両機種で撮影した写真を掲載していますが、こちらも見分けがつきません。
「Pixel 9a」は、撮影後の高度な画像処理により、ハードウェアスペックの高い「Pixel 9」と同等の画質を実現しているわけです。
0.5倍(超広角カメラ)
1倍(広角カメラ)
2倍(広角カメラ)
8倍(広角カメラ)
「Pixel 9a」(上)、「Pixel 9」(下)で撮影(夜景モード)
ただし、カメラ機能でひとつ大きな違いがあります。それは「マクロフォーカス」。両機種ともマクロフォーカス機能が搭載されていますが、「Pixel 9a」は近接撮影が可能な「広角カメラ」、Pixel 9はオートフォーカス対応の「超広角カメラ」によって実現されています。
「Pixel 9」は被写体に近づくと、広角カメラから超広角カメラに自動的に切り替わり、「Pixel 9a」より近い距離でマクロ撮影が可能。「Pixel 9a」でも超解像デジタルズームを利用することで、「Pixel 9」マクロフォーカスと同じような大きさで撮影できますが、撮影の容易さという点では「Pixel 9」のほうが上です。
「Pixel 9a」(上)、「Pixel 9」(下)で撮影(マクロフォーカス)
「Pixel 9a」のコストカットは非常に絶妙。「Pixel 9a」が79,900円から、「Pixel 9」が128,900円からとなっており、カタログスペックとして差別化は多岐に渡りますが、どちらも心臓部であるプロセッサーは「Google Tensor G4」を搭載。そしてハードウェア的な性能差を、AI処理を中心としたソフトウェア技術でほとんど体感できないレベルまで近づけられています。
価格差を考えると、多くの人には「Pixel 9a」がおすすめ。マクロ撮影の容易さ、オートフォーカス対応のフロントカメラ、バッテリーシェア、Wi-Fiの速度などにこだわりがある人は、「Pixel 9」を購入したほうが満足度は高いと言えます。