ファーウェイ・ジャパンは2015年10月1日、高級腕時計のようなデザインにこだわったスマートウォッチ「Huawei Watch」を10月16日に発売すると発表した。今年9月に米国と欧州3か国で発売したもので、デザインだけでなく有名ファッション雑誌とコラボレーションした広告を展開するなど、ファッション性を強調したのが特徴だ。クリスマス商戦の12月には、伊勢丹新宿店メンズ館(東京都新宿区)に展示する予定で、腕時計に関心の高い層との接点作りにも力を入れる。国内では4モデルを発売する。市場想定価格は45,800円〜81,800円(税別)。
Huawei Watch(写真は日本未発売モデル)
「ウェアラブル市場は活性化していない。負のスパイラルをふっしょくするため、我々はファション性を打ち出すことにしました」。10月1日の発表会で同社の端末総括本部プロダクトセンター商品企画担当部長の平山広道氏は、こう語った。スマートフォン(スマホ)の次に流行るアイテムと言われて久しいウェアラブルデバイスだが、現時点では普及には至っていない。アップルが今年4月に発売した「Apple Watch」がけん引役となると思われたが、その次が続いていないのが現状だ。スマートウォッチは、腕に装着するパーソナルなアイテムだけに、製品選びにはデザインやブランドなどが重要視される。
Huawei Watchは、高級時計のようなデザインで、いわゆるガジェット感を一切排除したスマートウォッチだ。サイズは高級腕時計の主流であるビッグサイズに分類される42mm。ケースとバンドのラグ(接合部分)は18mm幅で、ほかのバンドに交換できる。残念ながら、純正バンドの別売りは今のところ行わない予定だという。見た目を通常の腕時計に近付けるために、音声認識に必要な穴を目立たちにくい場所に設けたほか、ディスプレイとフレーム間のベゼル幅を極力細くするなど、細部にまでこだわった。
丸型フェイスには、硬度、透過性、電誘率の高いサファイアクリスタルを採用する。ケースには、アレルギーが起こりにくいとされる316Lステンレススチールを使用。それを冷間鍛造で40%硬くしている。傷が付きにくく、衝撃にも強いという。操作はタッチや音声、人間工学に基づいて2時の方角に取り付けられた竜頭で行う。
品質面では腕時計で有名なスイスのメーカーと協業し、160以上の手作業、260以上の製造工程を経て作られるという。IP67の防水性能も備える。国内で発売するのは、シルバーのケースとブラックのレザーバンドを組み合わせた「W1 Classic Leather」、シルバーのケースとチェーンメタルバンドの「W1 Classic Stainless」、ブラックのケースとフラットメタルバンドの「W1 Active」、ゴールドのケースとレザーバンドの「W1 Elite」の4モデル。
シルバーのケースとブラックのレザーバンドを組み合わせた「W1 Classic Leather」。市場想定価格は45,800円(税別)
シルバーのケースとチェーンメタルバンドを組み合わせた「W1 Classic Stainless」。市場想定価格は57,800円(税別)
竜頭を押すとトップ画面に戻れる。ゴールドのケースは、ディスプレイのベゼルがギザギザに彫り込まれており、ほかのカラーとはデザインが異なる
国内で発売する4モデルのバンド
発表会ではモデルがHuawei Watchを装着して登場した
OSにはグーグルの「Android Wear」を採用しており、ペアリングしたスマホにかかってきた電話に出られるほか、メッセージやメールの通知も受けられる。グーグルのパーソナルアシスタント機能「Google Now」にも対応。スマホがどこにあるのかを探せる「携帯検索機能」や、活動量や燃焼カロリー量などを記録できる「スマートトラッキング機能」なども搭載する。最新のAndroid Wearなので、Androidスマホだけでなく、iPhoneと組み合わせても使用できる。
ディスプレイは1.4型の丸型有機EL。解像度は400×400(286ppi)で、コントラスト比が10,000:1と非常に鮮やかだ。動きに強い有機ELを用いたことで、細い秒針もなめらかに動いている。CPUは「Snapdragon 400 APQ8026 1.2GHz」。メモリーはRAMが512MB、ROMが4GB。内蔵メモリーに音楽を保存しておけば、Bluetoothヘッドホンと接続して単体で音楽を再生できる。Bluetoothだけでなく、IEEE802.11b/g/n準拠の無線LAN機能も内蔵しており、無線LAN経由でのOSアップデートが可能だ。
センサーには6軸のモーションセンサー(ジャイロ/加速度)、気圧計、心拍センサー、振動モーターを搭載する。内蔵バッテリーの容量は300mAhで、1.5日間利用できる。充電時間は75分で、専用の充電台を利用する仕組みだ。ケースのサイズは直径が約42mm、厚さが11.3mm。重量はレザーバンドの組み合わせが約61g、フラットメタルが約96g、チェーンメタルが131g。
Android Wearを搭載。フェイスのデザインはクラシック、ラグジュアリー、ビジネス、フェミニンなど40種類の中から選べる
充電は専用台を利用。バッテリー駆動時間は1.5日間(32時間アクティブな状態、8時間のスリープ状態)
ファーウェイ・ジャパンのデバイス・プレジデントの呉波(ゴ・ハ)氏
同社は、今年6月に国内で発売したSIMロックフリーのスマホ「P8lite」を筆頭に、SIMフリーの製品に力を入れており、SIMフリーの市場で存在感を高めている。スマートウォッチでも同じように、存在感を高められるか注目したい。