Western Digitalは2016年10月24日、同社独自のWDブランドでは初となるSSD製品「WD Blue SSD」と「WD Green SSD」の2シリーズを10月下旬から発売とすると発表した。いずれもデスクトップPC向けのSSDで、それぞれ2.5インチモデルと基板型のM.2 2280モデルを用意する。容量は120GB〜1TBで、価格はオープンプライス。SanDiskを傘下に持つWestern Digitalがブランドを分けて展開するSSD製品の違いは何か。プレス向け発表会での情報を交えてレポートする。
Western Digital「WD Blue SSD」「WD Green SSD」
HDDメーカー大手のWestern Digitalは、2012年にHDDに強いHGSTを、2015年にはフラッシュメモリー大手のSanDiskを買収。HDD、SSD、フラッシュメモリーと多種多様なストレージをカバーする企業になった。同社の内蔵HDDの国内市場シェアは51%を占め、5年連続1位となっている。
そんな同社が今回送り出す「WD Blue SSD」と「WD Green SSD」は、いずれもインターフェイスにSerial ATAを採用したSSD製品だ。M.2タイプのSSDの中には、SATAより高速なPCI Expressインターフェイスを採用したモデルも最近人気だが、本シリーズでは用意されていない。その理由について同社は、メインストリームのクライアントPCの8割がSATAを採用していると指摘。当面は様子を見る構えだ。
今回発表された2シリーズのうち「WD Blue SSD」は、クリエイターやゲーマーなどのハイエンドユーザーをターゲットにした製品。公称の転送速度は、読み込み545MB/秒、書き込み525MB/秒(250GBモデルのみ読み込み540MB/秒、書き込み500MB/秒)。また、ヘビーな使用にも耐える高耐久性も特徴で、たとえば1TBモデルなら1日当たり80GB分書き込んでも14年は持つという。容量ラインアップは250GB/500GB/1TBの3モデル。
250GB/500GB/1TBの3モデルをラインアップする「WD Blue SSD」
「WD Blue SSD」は高ワークロードに耐えるすぐれた耐久性が特徴だ
「WD Blue SSD」の各モデルの仕様
いっぽうの「WD Green SSD」は120GBと240GBの2モデルをラインアップ。公称の転送速度は、読み込み540MB/秒、書き込み435MB/秒(120GBモデルのみ書き込み405MB/秒)で、日常用途では十分な性能を備え、リーズナブルな価格で提供されるとのこと。120GBモデルで総書き込み容量は40TBとなっているが、これはデスクトップPCの1日当たりの平均書き込み量20GBで、約6年は問題なく使い続けることができるという。
ちなみに、「WD Green SSD」はこれからSSDが普及する地域を主なターゲットにした製品であるため、国内市場ではほぼ「WD Blue SSD」が主力になるとのこと。
120GBと240GBの2モデルをラインアップする「WD Green SSD」
日常用途に適した性能を備えつつ価格を抑えた低価格モデルが「WD Green SSD」だ
「WD Green SSD」の各モデルの仕様
搭載コントローラーは、「WD Blue SSD」がMarvell製、「WD Green SD」がSilicon Motion製。気になるNANDフラッシュについてはSanDiskのものと同じ、東芝製の15nmのTLC NANDが採用されているという。
そのほか、SSDを監視/管理ソフトウェア「WD SSDダッシュボード」(無料)を用意しており、ファームウェアのバージョンや本体の状態が確認できる。
なお、Western Digitalでは、競合する製品があるSanDiskブランドも引き続き展開していくとしており、互いにユーザーターゲットを定めてすみ分けしていくという。
「WD SSD ダッシュボード」の画面