山善は、家電の新シリーズとしてバッテリー家電「ELEIN」(エレイン)を発表しました。着脱式のリチウムイオンバッテリーを活用した扇風機やポータブル冷温庫、ポータブルエアコンなど、計16アイテムを家電量販店やECサイトなどで2024年6月上旬(一部製品は7月)に発売します。
インテリア雑貨から調理家電まで幅広く展開している同社が、バッテリー家電に参入するということで、気になる特徴や機能を新製品発表会で見てきたので紹介していきます。
今回の新製品発表会では、一挙に16製品が発表され、新たにバッテリー家電に参入するぞ! という同社の並々ならぬ強い意気込みを感じます。
その背景には、電気料金値上げや省エネ意識の高まり、災害時の備えなどさまざまなニーズがあり、約2年前からバッテリー家電の製品開発を進めていたそう。そして、将来的に業界最大規模のラインアップに拡充し、100億円の売り上げを目指すという大きな目標を掲げています。
少し前置きが長くなりましたが、ここからは気になる製品をピックアップしていきましょう。まずチェックしたいのが、シリーズの中心となる「リチウムイオンバッテリー YBD-5A」です。
本体サイズは120(幅)×73(高さ)×77(奥行)mmで、重量は約670g、約2時間でフル充電が可能。公式オンラインショップの価格は、電池パックのみで10,890円(税込)、充電器のみで2,970円(税込)、電池パック&充電器セットで12,870円(税込)
「リチウムイオンバッテリー YBD-5A」は、着脱式のリチウムイオンバッテリーで、容量は5Ah(90Wh)。本体にUSB-C端子を備えており、モバイルバッテリーとしても使えて便利ですが、やはりいちばんのポイントは、下記で紹介するコンパクトクーラーや扇風機、工場扇などの「ELEIN」シリーズに装着し、さまざまな家電製品をコードレスで使えることでしょう。
本体サイズは230(幅)×322(高さ)×474(奥行)mmで、重量は約8.5kg。冷房能力は400Wで、公式オンラインショップの価格は69,795円(税込)
続いては、工事不要で使える「コンパクトクーラー YBC-C04」。バッテリーでもコンセントでも使用でき、周辺温度から最大-10度の冷風を送り、冷却することができます。
最大4個のバッテリーを装着でき(1個でも使用可能)、4個装着時は最大出力状態でも2時間の連続使用が可能。コードレスで長時間使用できるので、キャンプや車中泊はもちろん、ガーデニングなどアウトドアでの活動を快適にしてくれそうです。
本体側面にバッテリーを装着し、取り外しもワンタッチで簡単に行えます
本体サイズは305(幅)×405(高さ)×175(奥行)mmで、重量は2.6kg(バッテリー取り付け時)。消費電力は24Wで、公式オンラインショップの価格は9,009円(税込)
続いてもバッテリーでもコンセントでも使用できる「扇風機 YBF-A20」。風量を5段階で切り替えられ、自動首振り機能を搭載し、30/60/90度で角度の調整が可能です。
バッテリー使用時の連続運転時間は、最小風量「1」で使用した場合は約20時間。最大風量「5」で使用した場合でも、約4.5時間の長時間運転が可能です。また、本体の下部にLEDライトを搭載しており、災害時や屋外での間接照明としても使えます。
本体背面にバッテリーを装着。重量はバッテリーを装着した状態で2.6kgで、持ち手もあって持ち運びしやすく、室内はもちろん屋外でも使いやすそう
本体サイズは540(幅)×475(高さ)×191(奥行)mmで、重量は4.1kg(バッテリー取り付け時)。消費電力は18Wで、公式オンラインショップの価格は11,880円(税込)
羽根径40cmの大きな5枚の羽根で広範囲に強い風を送れる「工場扇 YBF-B40」は、キャンプやアウトドアでのイベントなどでも役立ちそうです。風量を無段階で調整でき、風向きは上下90度で調整でき、真上にも下側にも送風可能。
バッテリー使用時の連続運転時間は、約6〜44時間とパワフルです。また、バッテリーの残量がないときでもPD対応のTYPE-Cを繋げることで使用できるところもポイントです。
本体背面にバッテリーを装着。背面のつまみで風量を調節可能
また、上記のほかにバッテリー対応ポータブル保冷温庫が7月に発売予定です。庫内の温度を-18度の冷凍保存から、60度の保温まで設定が可能なところがポイントで、夏場はもちろん寒い季節にも活躍しそうです。
庫内容量9L、25L、35Lの3モデル展開で、電源はバッテリーのほかに車のシガーソケット、家庭のAC電源に対応するそうです
ここまでバッテリー装着式の家電を紹介してきましたが、「ELEIN」シリーズでは、ポータブル電源やソーラーパネルもバッテリー家電として展開しています。
ポータブル電源は、バッテリー容量の異なる3モデル「YPB-RS600」「YPB-RS1200」「YPB-RS2400」を発表。リン酸鉄リチウムイオン電池を採用し、充電サイクルは約3,000回と一般的なリチウムイオンバッテリーよりも充放電の耐久性にすぐれているのが特徴です。
また、AC100V、USB-A、USB-C、DC5521、ワイヤレス充電の5種の出力を搭載し、「ELEIN」シリーズのソーラーパネル(別売)と併用することで屋外での充電も可能。キャンプなどのアウトドアはもちろん災害時など、幅広いシーンで活用しそうです。
公式オンラインショップの価格は、バッテリー容量409.6Whの「YPB-RS600」が64,746円(税込)、1,024Whの「YPB-RS1200」が128,007円(税込)、1,792Whの「YPB-RS2400」が198,000円(税込)
ソーラーパネルは、直射日光が当たる場所に設置して使用するスタンダードタイプと、カバンなどに取り付けて発電するポータブルタイプの2種類を発表。
スタンダードタイプは、最大動作電力が60Wの「YSP-M60」と、100Wの「YSP-M100」の2モデルがあり、USB-A、USB-C、DC5521、XT60、XT30の端子に対応し、充電中でも使用できます。
公式オンラインショップの価格は、「YSP-M60」が17,820円(税込)、「YSP-M100」が27,819円(税込)
ポータブルタイプは、最大動作電力7.5Wの「YRSB-M75」、10Wの「YRSB-M100」の2モデル。カラビナが付いていて、カバンやリュックなどに取り付けることができ、移動中でもスマホなどに充電が可能です。また、複数枚を連結して充電効率をアップさせることもできます。
公式オンラインショップの価格は、「YRSB-M75」が3,960円(税込)、「YRSB-M100」が4,950円(税込)
今回の新製品発表会は、山善のバッテリー家電への参入ということで、「ELEIN」シリーズの16製品を一挙に発表する、とても力の入った会となりました。
製品のラインアップも扇風機や冷温庫、ポータブルエアコンなど、これから暑くなるシーズンに向けて活躍しそうなものばかりで、バッテリー家電全体がさらに活発になっていきそうです。
また発表会では、企画担当者から「ELEIN」シリーズの今後の展開として、「生活家電や調理家電、AV機器などでも拡充していきたい」というコメントもありました。このことからも、“第二弾”のラインアップや今後さらなる製品の広がりにも注目していきたいです。