ソフトバンクグループのSB C&Sは、Beijing Roborock Technology(ロボロック)のロボット掃除機として新ハイエンドモデルとなる「Roborock S8 MaxV Ultra」と、一部機能を省いた「Roborock S8 Max Ultra」、そしてミドルモデルの「Roborock Q8 Max+」の3機種を同時に発表しました。
ロボロックの最新ハイエンドロボット掃除機「Roborock S8 MaxV Ultra」
発売は8月下旬から順次とのことですが(予約は8月1日より受付中)、部屋の四隅を100%カバーする“伸びるサイドブラシ”(「S8 MaxV Ultra」/「S8 Max Ultra」に搭載)などのユニークな機能で、早くも注目を集めているようです。
今回は、特に最新ハイエンド機「Roborock S8 MaxV Ultra」を中心に、新機能をチェックしていきましょう。
ほとんどのモデルが円筒形ボディを採用するロボット掃除機にとって、部屋の角は“鬼門”になりがち。サイドブラシで隅までアプローチを試みても届く距離には限界があり、わずかながら掃き残しが出てしまうのは、どうにも仕方がないとされてきました。
そこで今回、ロボロックの新モデルに導入されたのが、同社独自の“伸びるサイドブラシ”です。
伸びるサイドブラシなら、本来はブラシが届かない部屋の隅まで、ゴミをしっかりと掃き取れます
これは、部屋の隅を認識するとサイドブラシが本体側から自動で「にょきっ」と飛び出すようにして伸び、回転しながら隅まで掃き取るというもの。部屋の隅はどうしてもゴミやホコリが溜まりがちな場所ですから、ここをもれなく清掃できるというのは、単純に掃除効率の大幅アップと考えられそう。
ゴミを効率的にかき出すデュアルゴムブラシ(写真中央)。内蔵カッターで毛絡みを防ぐことで、ブラシの回転が落ちにくいのもポイントです
加えて、吸引力もロボロック史上最大となる10,000Paと文句なし。デュアルゴムブラシでフローリング床からカーペットの奥まで確実にゴミをかき出して、パワフルに吸引します。
また、ブラシカバー内には毛絡みカッターを備えており、ブラシに絡んでしまった毛髪やペットの毛をカット。ブラシ軸の回転効率の低下を防ぎ、吸引力を高い状態で維持してくれるのもポイントです。
性能的には、新機能の“伸びるサイドブラシ”+近年のハイエンドロボット掃除機の吸引清掃機能全部盛りといったところで、まず間違いはないでしょう。
水拭きに関しては、メインとなるのは振動式モップ。最大毎分4,000回にまでパワーアップした高速振動と2か所のデュアル振動、そして600gの加圧で、床面の皮脂や飲食物の汚れ、花粉などをグイグイと拭き取ります。
また、センサーによる汚れ自動検知で、こびりついた頑固な汚れの場合は吸引を止めて、水拭きのパワーを上げるといった「気の利いた掃除」もお手のものです。
毎分4,000回の振動で汚れを拭き取る振動式モップと、壁ギリギリまで拭ける回転式の“壁キワ用モップ”
振動式ブラシでは対応しづらい壁際も無理なく拭き上げていました
ただ、振動式モップはその構造上、本体の真下しか拭けません。つまり、壁際の拭き掃除はどうしても不得手だったわけです。そこをフォローするのが、これも新たに装備された回転式の“壁キワ用モップ”。小さいながら、分速185回転のブラシが本体側面から飛び出して壁に近づくことで、壁際から1.68mmという超至近距離まで攻めた水拭きが可能になりました。
今や、ロボット掃除機の必須機能となった物体回避については、対象までの距離や形状を認識する高精度3Dストラクチャーカメラと、物体の特徴をとらえるRGBカメラの2つを搭載することで、床に落ちている物体をAIが瞬時に判断。最大73種の物体を認識して、スムーズに回避します。
床に寝ているペットを認識した場合は、メインブラシを一時停止させてペットの尻尾などを吸い込まないようにするとのことで、これはペットを飼っている人にはかなり安心できる配慮です。また、ペット用品の周りでは吸引力を自動でアップさせて、抜け毛を残さないようにすることも可能とのこと。
本体正面に備えたデュアルカメラ。顔認証技術を応用して高精度な物体認識を瞬時に行います
AIの性能向上により、従来のロボット掃除機が苦手としていた鏡も的確に認識可能になったとのこと
専用アプリから「ペットを見つける」をタップすると、本体が家中を探し回ってペットの居場所を見つけてくれる機能もユニーク。隅っこに隠れがちなペットのいる家庭では、意外と助かる機能かもしれません。また、掃除中にペットを見つけると、自動でスナップ写真を撮影する機能もあり、飼い主には撮れないようなアングルから撮影したペットの姿を、アプリからダウンロードできます。
ペットファーストな機能の数々。なかでもスナップ機能はかなり面白いのでは?
ペットのいない家庭の場合は、なんなら「Roborock S8 MaxV Ultra」をペット代わりに考えるのもありかも。Wi-Fi接続がなくても「ハロー、ロッキー」という声がけを内蔵マイクで認識し、掃除を開始したり、掃除モードを変更したりできる機能は、かなり愛着が湧きそうです。その場合は、床の汚れや部屋の状況に合わせて吸引力や水拭きの強度を自律判断する「スマートプラン」が効力を発揮しそう。
本体の充電ベースとなるドックは、基本的なケアを全自動化しています。
・モップは、60度の温水と洗剤で99.99%の除菌洗浄。熱風乾燥して生乾き臭カット
・ゴミは60日分のゴミをドック内の紙パックに収集
・掃除開始前のモップへの給水
……など、このあたりは特に大きく進化したという印象は薄いですが、安定して便利そう。
ドック内部のモップ洗浄スペース。“壁キワ用モップ”の洗浄スペースが独立しているのが特徴的です
ドック中央のゴミ収集紙パック。約2か月分のゴミが溜めておけます
ちなみに、前モデルにはなかったのが、洗剤の自動投入機能。ドック内のタンクに洗剤を入れておけば、必要なときに自動投入してくれます。
またもう1点、前モデルまでは「モップを洗浄後に1度本体がドックから出て、180度回転して戻った後に充電する」という謎アクションがあったのですが、今回からはモップ洗浄後にそのまま充電が可能になったようです。
全体の印象としては、とにかく部屋の隅を攻める意識の強さが頼もしいということ。特に、部屋の四隅は従来のロボット掃除機には難しく、かつ人の目につく場所なので、伸びるサイドブラシはかなり効くんじゃないでしょうか。
しかし、さすがにこれだけ新機能や新ギミックてんこもりだと、お値段も307,780円(税込)と、かなり“威圧感”があります……。ですが、なんと「ヤマダウェブコム」では、2024年8月8日までの予約で197,780円(税込)になるという、驚異の早割11万円引きキャンペーン中! 今後しばらくはここまで極端な値引きが予想されないため、「欲しいなら今しかない」と断言できます。
また、2024年9月30日までの購入に限り、性能に満足できなかった場合の全額返金(製品代金のみ)キャンペーンも行われているので、何にせよ狙っている人は早めの購入で間違いはなさそうです。