何だかんだで常に身体のどこかがダルくて、気がつくと肩やら首やら腰やらふくらはぎを手でグリグリ押しちゃっている皆さま、お元気でしょうか(元気なワケがない)。もちろん、自堕落王(ジダラキング)こと筆者も大体朝起きて寝るまでずっとダルいです。ことに今年の夏はほぼずっとエアコンの風に当たりっぱなしだったこともあってか、この時期になっても背中全域がガッチガチに固まっている感じが抜けず、かなりしんどい。
昨今は在宅ワークからオフィスへ戻った人も多く、となるとエアコンがキンキンにきいたオフィスでずっと冷えながら仕事をしてきたわけで。私のような“身体ダルい民”が、さぞかし大量発生していることでしょう。
できればこまめに強張りをほぐしたいところですが、オフィスで同僚や上司の目がある中でハンディマッサージャーなどの器具を使うのは、ちょっと度胸が必要でしょう。じゃあどうすればいいのか? マッサージしているって、バレなきゃいいのでは。
実のところ、背中ガッチガチ状態で仕事をしようとしても、万全のパフォーマンスが発揮できるとは思えません。さすがに仕事中はどうかと思いますが、休憩時間を使って自分の身体をメンテするというのも大事なことのはず。積極的にほぐしていこうよ、マジで!
とはいえマッサージャーとか使うと周囲の目が気になるし……というなら、バレないようにやっていきましょう。
電動マッサージャーを搭載したクッション「実はこっそりマッサージしてるんです。」(ドウシシャ)
そういう文脈で誕生したのが、ドウシシャ「実はこっそりマッサージしてるんです。」(以下「こっそりマッサージ」)。これが商品名ということで、ダイレクトさがスゴイ(笑)。
まさに「オフィスでマッサージャーを使うのは気が引ける」という人のための、カメレオンのごとく周囲に溶け込むマッサージャーなんです。
単に「背もたれに薄いクッションを置いただけ」に見えますが、この椅子はもうマッサージチェアなんです
どれぐらい周囲に溶け込むかというと、椅子に置いた感じがこう。いや〜、これはバレないでしょ。なんと厚みが最大で8cmということで、見た目は「いつものオフィスチェアにクッションひとつ足しました」くらいの印象しかありません。
何なら腰痛対策のランバーサポートクッションと言い張っても十分に通るはずです。実際に腰周りも揉んでくれるので、ちゃんと腰痛対策にもなりますし。
マッサージクッションなのに、厚みはわずか8cm。薄い!
側面の電源スイッチを2秒長押しすると、クッション中央に配置された大小2つの揉み玉がウィーンと動き出し、ゆっくり回転しながら背骨に沿うよう上下に往復運動します。従来の電動マッサージクッションは、揉み玉が上下動するためのレールが不可欠で、そのレールを支えるためにはクッション内周にがっちりしたフレームが必要でした。その結果、そこそこ分厚くなってしまう。
対して「こっそりマッサージ」はクッションの裏板にレールを備えることでフレームが不要になり、ここまで薄くできたというわけです。
操作は電源ボタン(上)と緊急停止ボタン(下)の2つのみ。シンプルです
動作中の操作は、電源ボタンを押すたびにモード[弱]と[強]が切り替わり、電源ボタン長押しでオフになります。
ただ、たとえば上司に急に声を掛けられたときなどは、悠長に長押しできません。そんなときは、電源ボタンの下に配置された緊急停止ボタンを押すと、素早くピタッと終了します。オフィスで気を遣いながら運用するには必須のボタンかもしれません。
給電はUSB-Type Cケーブルで行います。充電中は緑色で点滅し、満充電で点灯に切り替わります
電源はUSB-Type Cで充電して、満充電で約6回(×15分)使用可能。ケーブルとACアダプターが付属していますが、一応モバイルバッテリー(5V 2.0A)でも充電は可能でした。私用でオフィスの電源を使わずに済むかも。
筆者は在宅フリーランスなので、そもそも周囲にバレないよう気を遣う必要がありません。しかしそれでもこの製品がアリだと感じたのは、この見た目でありながら意外と本格的な電動マッサージャーだということ。何より気に入ったのは、玉の移動距離の長さとパワーです。
一見すると仕事をしている風ですが、がっつりとマッサージを堪能しています
クッション内部の揉み玉は、かなりゴツめ。これが背骨に沿ってグリグリと動いてくれるので、しっかりと満足感があります
というのも、実は以前に別メーカーの電動マッサージクッションを購入したことがあるんですが、それは上下動の距離が短く、腰なら腰の周囲だけ、肩甲骨周りならそのあたりだけ、とかなりピンポイントにクッション自体を身体に合わせて当てる必要がありました。正直、それは面倒くさい。
「こっそりマッサージ」はクッション面が縦に長く、かつ割と上下端のギリギリまで揉み玉が動きます。なので、効果範囲がかなり広い!
クッションのサイズによる限界はありますが、これでも肩甲骨の下まで揉み玉が当たってくれます。気持ちいいー!
もちろんこちらのボディサイズにもよるんですが、身長175cmで胴長体型の筆者の場合でも、腰椎の一番下から肩甲骨の下側ぐらいまでフォローしてくれました。これならクッションに当てる位置を微調整しなくても、ただどっしり座っているだけでOKです。
フレームに弾力があるため、クッションの端に背中が当たってもゴリゴリせず、あまり痛くないのも地味にうれしいポイント。従来品はそれもちょっとイヤだったんですよね。
クッションの上端ギリギリまで揉み玉が届いています
そして何より揉み玉のパワーがしっかり強い。座った姿勢でクッションにどっしり寄りかかっても滞りなく回転して、グイグイと背中を揉んでくれます。体感的には、割とちゃんとしたマッサージチェアって感じ。
実際、15分使っただけで、ガチガチのピキピキに凝りまくっていた背中にジワッと血が通ってきたようで、これはかなり頼り甲斐があります。揉み玉は回転するだけで、振動して叩くなどのモードはありませんが、このサイズと価格でそこまで期待するほうが無理筋でしょう。
積極的にクッションに背中を押し付けても、揉み玉が止まらずきちんと動きます。このパワーの強さはとてもありがたい
ひとつ気になったのは、これだけ見た目が椅子に溶け込むカメレオン感なのに、動作音はそれなりにする点。揉み玉の回転とレール移動にともなう「ウィーーーン」という音は、静かなオフィスなら同じデスクの島で作業している人までは聞こえてしまう可能性はあります。
ただ、個人的には「そんなもん、バレてもええやんか」という気はしないでもなくて。これを使うことで仕事効率が落ちるならまだしも、むしろ背中をほぐすことでダルさがマシになれば、よりがっちりと働けるわけですから。何なら社長に「これ全席に支給しましょうよ」と交渉してみるのもありかも。