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人気の理由は!? 1,500W出力のポータブル電源ANKER「Solix C1000」を検証

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2024年は災害が多発したこともあり、防災意識が高まった。万が一に備えた生活インフラの確保が大きな関心事となっているが、電気については「ポータブル電源」の活用が注目されている。そんななか、価格.comの「ポータブル電源」カテゴリーではANKER(アンカー)「Solix C1000 Portable Power Station A17615(以下、Solix C1000)」が人気売れ筋ランキングの上位を維持している。今回は実機を検証しながら、「Solix C1000」の人気の理由を考えた。

定格出力1,500Wでほとんどの家電が使える

日本市場においてポータブル電源は、ステイホームが叫ばれたコロナ禍の時期に普及が始まった。元々はアウトドアや車中泊向けに、200〜300Whクラスの製品が人気を集めていたが、防災意識の高まりにともない、1,000Whクラスの製品に対する注目が高まった。

アウトドアや車中泊に用いるならスマートフォンを充電できて照明が使えればよかったが、災害時となると、ほかの家電を動かすためにより大きな電力が求められるからだ。

ANKER「Solix C1000」は、そんな災害時の備えとしても使える大容量のポータブル電源。容量は1,056Whで、アップルの「iPhone 15」(13Wh)なら約65回、ノートPC(50Wh)なら約17回の充電ができる。災害発生時は情報通信機器の電力確保が欠かせないが、これなら災害時でも安心して家族分のスマートフォンを充電できる。

「Solix C1000」の本体サイズは約376(幅)×205(奥行)×267(高さ)mmで、重量は約12.9kg。決して軽量ではないが、本体上部の持ち手を掴めば、持ち運びもできる。停電時に本体を運んでEV(電気自動車)やHV(ハイブリッド)車で充電する使い方も可能だ

「Solix C1000」の本体サイズは約376(幅)×205(奥行)×267(高さ)mmで、重量は約12.9kg。決して軽量ではないが、本体上部の持ち手を掴めば、持ち運びもできる。停電時に本体を運んでEV(電気自動車)やHV(ハイブリッド)車で充電する使い方も可能だ

「Solix C1000」の操作は簡単。液晶ディスプレイ横の主電源を長押しし、本体を起動させるだけで、4つのUSBポートが使用できるようになる。1アクションでスマートフォンなどの充電を行えるのは便利だ。

また、定格出力は家庭用コンセントと同じ1,500Wなので、ほとんどの家電が利用可能。炊飯器や電気ケトルなどの熱を発する家電も、短時間なら使用できる。

さらに、ドライヤーや電気ケトルなどの消費電力が高い機器を使って一時的に1,500Wを超えても、最大2,000Wに対応する独自技術「SurgePad」により継続的に給電が可能だ。

BluetoothとWi-Fiでの接続に対応しており、スマホアプリによる操作や設定変更にも対応する。遠隔で「Solix C1000」の動作状況を確認したり、設定操作を行ったりできる。

本体正面には、出力端子としてAC出力ポート×6、USB Type-Aポート(Power IQ対応)×2、USB Type-Cポート(100W、30W、Power IQ 3.0対応)×2、シガーソケットを装備。その上部には大型の液晶ディスプレイやLEDライトも備える。なお、液晶ディスプレイの中央にはバッテリー残量を%で表示する

本体正面には、出力端子としてAC出力ポート×6、USB Type-Aポート(Power IQ対応)×2、USB Type-Cポート(100W、30W、Power IQ 3.0対応)×2、シガーソケットを装備。その上部には大型の液晶ディスプレイやLEDライトも備える。なお、液晶ディスプレイの中央にはバッテリー残量を%で表示する

本体前面上部のLEDライトを点灯したところ。明るさは3段階に調整可能。SOSに使える点滅モードも使用できる。天面はフラットになっており、ワイヤレスチャージャー機能も使用できる。スマートフォン向けのモバイルバッテリーなども多く手掛けるANKERならではの便利機能だ

本体前面上部のLEDライトを点灯したところ。明るさは3段階に調整可能。SOSに使える点滅モードも使用できる。天面はフラットになっており、ワイヤレスチャージャー機能も使用できる。スマートフォン向けのモバイルバッテリーなども多く手掛けるANKERならではの便利機能だ

なお、AC出力ポートは、家電のコンセントを挿した状態でAC出力ボタンをオンにすると給電開始、オフにすると給電停止に切り替えられる。家電製品に給電しないときは、AC出力ボタンをオフにしておけば、待機電力を消費しない。

急速充電と長寿命を両立した内蔵バッテリー

災害時の備えとして活用するなら、ポータブル電源の充電時間は短いほうがよい。この点で「Solix C1000」が魅力的なのは、約58分で充電できる超急速充電モードを搭載していることだ。

スマホアプリから超急速充電モードを選ぶと、ANKER独自の急速充電技術「HyperFlash」がオンになり充電を開始する。しかも、通常の充電モードでも約90分で満充電になる。

充電時間が短いのにもかかわらず、バッテリー寿命が長いのは注目だ。「Solix C1000」には3,000回以上の充放電に対応し、安全性の高さが評価されているリン酸鉄リチウムイオン電池が採用されている。メーカーによれば「10年使える」耐久性の高さを誇る。

スマホアプリでバッテリーの状態や温度などの管理が可能。「超急速充電モード」をオンにするとさらに早く充電できる。ただし、バッテリーに負荷がかかるため、急がないときは通常モードで充電するのがよい

スマホアプリでバッテリーの状態や温度などの管理が可能。「超急速充電モード」をオンにするとさらに早く充電できる。ただし、バッテリーに負荷がかかるため、急がないときは通常モードで充電するのがよい

リチウムイオン電池は基本的に、使用していないときも電力を消費する。そのため、多くのポータブル電源では、保管時の充電量を60〜80%にすることを推奨している。ところが、「Solix C1000」は100%で保管可能。半年で約5%しか電池残量が減らないという。

0.02秒でバッテリー電源に切り替えるUPS機能を搭載

アウトドア用途や災害対策としてだけでなく、パススルー給電やUPS(無停電給電装置)機能にも対応する「Solix C1000」は、家庭用のバックアップ電源として普段使いをするのにも適している。

パススルー給電とは、コンセントから入力された電力でポータブル電源内部のバッテリーを充電しながら、接続した機器にも同時に給電する機能のこと。いちいち充電と給電を切り替える必要がなく、通常の電源タップのような使い方ができるのだ。

「Solix C1000」にスマートフォンとプロジェクターを接続して充電・給電してみた。液晶ディスプレイを確認すると、160Wを出力し、残り43.2時間使える状態だった

「Solix C1000」にスマートフォンとプロジェクターを接続して充電・給電してみた。液晶ディスプレイを確認すると、160Wを出力し、残り43.2時間使える状態だった

また、ポータブル電源本体を家庭用のACコンセントから充電している状態で、AC出力ボタンを押して家電などのコンセントを接続すると、UPS(無停電電源装置)機能が利用可能になる。これは、停電やブレーカーが落ちたときなどに、約20ミリ秒(0.02秒)の瞬時で電気の供給元を外部電源からバッテリーに切り替える機能のことだ。

実際にプロジェクターを接続して映像を投影している状態で、「Solix C1000」のAC充電ケーブルを抜いて、バッテリーからの給電に切り替えてみたが、プロジェクターの動きに変化はなかった。デスクトップPCやWi-Fiルーターなどを接続してUPS機能を利用できる状態にしておけば、停電時にもインターネット環境が維持され、データを失わずに済む。

部屋の契約アンペアが上げられず、家電を同時に使ったときによくブレーカーが落ちるわが家では、UPS(無停電電源装置)機能が予想以上に重宝した。

【まとめ】過不足のないスペックとメーカーのブランド力に支持

「Solix C1000」が人気を集める理由は、過不足のないスペックと使いやすさ、メーカーのブランド力があげられそうだ。ACコンセントが6ポートあってさまざまな家電に一度に給電できるのに加えて、主電源をオンにするだけでUSBポートを使用でき、天面をワイヤレスチャージャーとして活用できるなど、細かい使い勝手への配慮もプラスに働いている。

とはいえ、ポータブル電源専業メーカーの製品にも、「Solix C1000」と同等かそれ以上の性能を備えたものがある。日本市場に進出して数年が経ち、メーカー各社に対する消費者の認知も進み、ユーザーへのサポート体制も強化されてきた。「Solix C1000」を中心に、各社のポータブル電源をじっくりと比較し、そろそろ導入を検討してみてはいかがだろうか。

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2025/07/20 09:01
コヤマタカヒロ
Writer
コヤマタカヒロ
デジタル機器から白物家電まで幅広い範囲で執筆活動を展開。特に炊飯器には注力しており、米・食味鑑定士の資格も所有。
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宮澤保生(編集部)
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宮澤保生(編集部)
学生時代から価格.comのヘビーユーザーで、外資系金融機関、出版社、新聞社を経て念願のカカクコムへ。趣味はドライブ、JAZZ鑑賞、映画鑑賞。ユーザー目線に立った記事の作成を心掛けています。
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