今年も春ごろまでは「夏にかけてエルニーニョ現象が発生する可能性が高く、冷夏になるのでは」と言われていたのに、フタを開けてみれば結局のところ「どえらい高気圧で、全国的に平年以上の猛暑になる見込み」という予想に覆されてしまったみたい……。今年も地獄のような暑さがやってくるのは間違いないようです。絶望です。
気象庁が「猛暑日」(最高気温が35度以上)を超える暑い日に対し、「酷暑日」(最高気温が40度以上)という呼び名を制定した、というのも今年のニュース。7〜8月の天気予報で、「酷暑日」という文字が何度、登場するのでしょうか。考えただけで汗がふき出しそうです。
そうなるとやはり重要なのは、日常的な“暑さへの備え”。日傘やハンディファンをしっかり選んでおく必要はあるでしょう。
そこで今回は、2026年の新作ハンディファンのなかから、さまざまな機能を持った厳選8アイテムを全部試して紹介します。本格的に暑くなる前に、ぜひチェックしておいてください。
本稿を書いているのは6月下旬。梅雨真っ盛りということでまだ外の気温が本格的に上がりきっていません(現在の気温は26度)。この状態でハンディファンを使っても性能がわからないので、室内で暖房&加湿器をフル稼働させ、「むわっ」とした夏をエミュレートした上でテストしております。ご参考まで
Dyson HushJet Mini Cool ファン
2026年ハンディファン界隈のトピックとしてまずあげられるのが、「掃除機メーカーからの参入」です。なかでも、人気のダイソンが本格的なハンディファンを手がけるとなれば期待せずにはいられません。満を持して登場した注目の1台が、この「Dyson HushJet Mini Cool ファン」です。
ダイソンの新しい空気清浄機「Dyson HushJet 空気清浄機」と同型の星形ノズル。ハンディファンとしてはかなり異形のフォルムです
なんと、こんなに離れていても風が拡散せず、かなり強く届く! このパワーには驚かされました
本製品は、ダイソン独自の「HushJet エアプロジェクション」(ジェットエンジンなどの設計から着想を得たという気流制御技術)による星形ノズルを採用することで、乱流を抑えてパワフルな風を遠くまで届けられるようになっています。
風量はまさに「おお、すげー!」と驚くレベルで、最強の「ブーストモード」(最大風速25m/s)では、顔に近付けると呼吸がしづらいほどのパワーで風が送られてきました。風速で言えば今回紹介した製品中でも間違いなくトップクラスだと感じます。風が分散せずまっすぐに吹き出すので、めちゃくちゃ遠くまで届きます。
1点、本体下端に吸気口がある構造はちょっと気になりました。スティック型の形状ということで、どうしても本体の下のほうを握りたくなるのですが、そうすると手が吸気口をふさいでしまい、風が出なくなってしまいます。付属のネックストラップや縦置き用台を使うなら問題ないのですが、手持ちのときは握り位置を確認したほうがよさそうです。
どうしても本体下端を握りたくなりますが、そうすると吸気口がふさがって風が出なくなるので注意
シャーク「ChillPill」
もうひとつの掃除機ブランド発ハンディファンが、シャークの「ChillPill」(チルピル)。こちらは、一般的なハンディファンとはかなり違った、双眼鏡のような独特の形状が目を引きます。
上記の写真だと双胴ボディの右側の細いほうが電源部、左側の太いほうがファンユニットという構造になっています。風を受けるときは電源側を握ると、ダイヤル式の風量操作がやりやすいと思います。
手持ちで使う場合はこんな感じ。ハンディファンを使っているようには見えないので、「ハンディファンはちょっと気恥ずかしい」というおじさん勢にもウケそうです
付属のオプションのノズルユニットは、挿してひねるだけで簡単に装着可能。状況に合わせて付け替えましょう
最大の特徴は、ファンユニットの先端を付け替えることで、送風・ミスト送風・ペルチェ冷却プレートの3タイプのクール機能を選べること。気温が高すぎてファンから熱風しか出ない……! という場合も、冷却プレートでピンポイントに首筋や手首裏(太い血管が通っている部位)を冷やしたり、ミストの気化熱冷却で体温を下げたりといった使い方ができるわけです。
にミストは、メガネに水滴が付くぐらい量が多く、素早く涼感が得られました。
放出されるミストはかなりの勢い。一気に体感温度を下げたいときに効果的です
ちなみに、この双胴ボディは中央の軸からねじって90度回転させると、机に置いて卓上ファンとして使うことも可能です。この角度調整機構は、別売の取り付け用クランプやクリップを使ったときの風向調整にも便利です。ユニークなデザインですが、見た目だけでなくきちんと機能として成立しているのは「さすが、よくできているなー」という感じ。
ただ、価格.com最安価格が22,000円(税込、2026年7月3日時点)というプライスがアリかナシかは、個人でジャッジする必要はありそうです(筆者はちょっと腰が引けました)。
本体をひねれば据え置き型に。上下角を調整できないのがちょっと惜しい
リズム「Silky Wind Mobile 4」
通販サイトで人気の高いハンディファンの2026年最新版。ルックスはわりとベーシックで、ザ・ハンディファンといった雰囲気ですが、細かな部分に多くの工夫が感じられ、実際に試してみると「なるほど、これは人気になるわ」と納得させられます。
風が程よく顔を包む感じ。シンプルに気持ちのいい風がきます
まず最も重要なファン部分は、2枚の重なったファンによって風をまっすぐに送り出す二重反転ファンを搭載。拡散しやすい扇風機の風と違い、サーキュレーターのようにしっかりと肌当たりを感じる風が届きます。たっぷりとした風量も含めて、数百円クラスのハンディファンとは明らかにパワーが違うな、という印象です。
また、「Silky Wind Mobile」シリーズでおなじみとなっているボディ後端のカラビナも相変わらず使いやすいです。移動中にちょっとファンから手を離したいというときも、カバンのハンドル部分にサッと引っかけられるのは、それだけで重宝します。
ヘッドを曲げることで据え置き型に。裏側にすべり止めが付いているので、置いたときの安定感も問題なし
地味にうれしいのが、別売オプションの「日傘クリップ」と「マルチクリップ」。本体に取り付けることで、日傘にセットしたり、ベビーカーのフレームに取り付けてハンズフリーファンにしたりとさまざまな使い方が可能になります。
ハンディファンは可能な限り日差しの少ない場所(日陰や室内)で使うのがベストなので、特に日傘との組み合わせは相性抜群。こういったオプションが用意されているのはシンプルにありがたいです。
ハンディファンと日傘はセットで使ったほうが絶対に涼しい。専用クリップはあるとうれしい別売オプションです
ドウシシャ「ゴリラの扇風機」
超強力ふくらはぎケアガジェット「ゴリラのひともみ」など、やたらと迫力ある展開でおなじみドウシシャの「ゴリラシリーズ」からハンディファンが登場! ゴリラの顔は成人男性の2.2倍も大きいとのことで、本製品は一般的なハンディファンよりも圧倒的な大きさを誇る巨大モデル(直径16.5cm)となっています。
もはや小ぶりな据え置き扇風機だろというこのサイズ感は、手持ちで顔に近付けると、やはり迫力があります。
ゴリラサイズは、さすがにデカい! そして風量が多い!
さすがにこれだけのサイズになると、風が届く範囲もかなり広め。普通に顔の前にかざすだけで、頭から首元まで一気に風に包まれる感覚が味わえます。
ファンの翼面積が大きい分、風量も圧倒的。たっぷりと風が広い面積に届くので、汗だくの状態でも汗がさっと引いていきます。特に最強ブーストモードである「G(ゴリラ)モード」は速攻でクールダウンできます。
最初は「CS? どういう意味?」と思ったんですが、2つを組み合わせてよく見るとなるほど「G」(ゴリラ)。いわゆるブーストモードです
卓上ファンとしてもかなりの大口径で、涼しい風が「どばっ」と届きます
さすがにこのサイズを外で持ち歩くのはちょっと……という場合は、ファン部を折りたたんで卓上ファンにして使うのもおすすめ。こうなるとまさに据え置き小型扇風機といった感じで、非常に快適です。たとえばオフィスで「この席、ちょっとエアコンの風当たりが弱いな」という場合も、しっかり涼しい風を届けることができます。
もうひとつピンポイントな機能として、ファン部中心にコンパクトミラーが付いています。汗で崩れたメイクを風で涼みながら直せるのは、女性にうれしい装備と言えそうです。
シャープ「プラズマクラスターオウルフローハンディファン PJ-HS01」
シャープ初となるハンディファンです。フクロウの翼を参考にしたファン形状と、グリルに刻まれた微細な凹凸構造によって、効率よく強い風とやさしい運転音を両立しています。コンパクトでありながら直進性のある力強い風をしっかりと届けつつ、人が不快に感じやすい高音域の風切り音を抑えた静音性の高さが特徴です。
これで連続運転時間が最大20時間(風量弱時)と長めなのは、とても優秀。ヘッドを折り曲げると卓上ファンとしても使えるのですが、据え置きで使用する場合はどうしても長時間の連続運転になりがちなので、バッテリーがタフなのはありがたいです。
ハンディファンにありがちな「キィーン」という高音域がカットされているおかげで、フルパワー運転時でもそんなにうるさくないな、という感じです
なにより最大の特徴は、シャープ独自の空気清浄技術「プラズマクラスター」を搭載していること。風に乗って放出されたイオンが衣類に付着した汗臭やミドル脂臭の元に作用して分解・除去することで、夏場の不快感を生み出すあのイヤなニオイを消臭してくれるんです。強い風でしっかり涼みながら、同時に衣服の汗臭まで解消できるのであれば、「かなりお得!」と言えるでしょう。
よく見ると、ファンガードの奥にプラズマクラスターイオンを発生させる電極が備わっています
衣類の汗臭もこれで消臭!……ただ、風を当て続けるだけでもある程度臭いは飛ばせるので、今回のテストでプラズマクラスターの効果を切り分けるのは困難でした。とはいえ、風とともに消臭イオンが衣服に届く安心感は他社製品にない強みと言えます
近年の猛暑/酷暑を考慮した高い安全性も大きな強みです。動作温度最大60度に対応したタフなバッテリーや、万が一の際にも燃えにくいアルミボディを採用しており、屋外でも安心して使用できます。
近年の夏は、場合によっては人間よりも先にハンディファンのほうが音をあげそうな暑さですから、機械のほうで高温環境下対策を取ってくれているのはありがたいです。
ライフオンプロダクツ「ペットボトルにも挿せるミストハンディファン」
気温が35度を超えて体温に近くなると、もはやハンディファンは熱風発生装置。汗もすぐ乾いてしまうため、気化熱冷却で肌表面の温度を下げることもできなくなってしまいます。
そこで有効なのが、風に微細な水の粒子を含ませることで気化熱冷却を促進させるミスト機能。数年前から搭載しているハンディファンはありましたが、2025年から2026年にかけて特に注目度が上がってきた印象です。
350mlのペットボトルがまるまるミスト用タンクに!
ファン下部の発生口から吹き出すミストが、風に巻き込まれて吹き付ける仕組みです
なかでも「ペットボトルにも挿せるミストハンディファン」はミスト機能に特化したモデルで、なんとミスト用の水タンクとして350mlのペットボトルを使う構造になっているんです。というのも、従来のミスト付きファンはせいぜいタンク容量が数mlしかなく、暑いからとガンガン使っているとあっという間にカラになっていました。
本体に水の吸引軸を挿し込み、水の入ったペットボトルにセットするこの製品なら、まずミストが足りなくなるという心配はありません。たっぷりのミストを含んだ涼風で、気化熱冷却し放題! 付属のネックストラップをペットボトルに装着すれば、ハンズフリーでも使えます。
ネックストラップをつけると、こんな感じ。懐かしのエビアンホルダーっぽい?
屋内などミストが不要な場所では、ペットボトルと吸引軸を外せば卓上ファンとしても使用可能です。もちろん手持ちでも使えるんですが、形状的に持ちづらさはやはり否めないところ。個人的には、ペットボトル付きミストファンか、卓上ファンの二択だと思います。
エレス「iFan Frozen」
ミニサイズの扇風機そのもの、というザ・ハンディファンは若い女性ユーザーが多いことから、中高年男性のなかには「涼しそうだけど、ちょっと持つのが気恥ずかしい」と感じる人も多いのだとか。
そんな人には、パッと見にはハンディファンに見えない「iFan Frozen」がぴったりかもしれません。というのも、コンパクトな楕円筒ボディの外観はガジェット感が強く、まずハンディファンに見えないからです。
個人的には「暑いんだから、堂々とハンディファン使えばよいのでは」と思いますが、とはいえこれなら涼んでいても、気恥ずかしさは感じなさそう。
コンパクトながら、見た目以上のしっかりした風量があります
さらにポイントとなるのが、持ち手部分の大半を占める大型のペルチェ式冷却プレートです。一般的なハンディファン用冷却プレートの約2倍というサイズで、がっつりと広範囲を冷やすことができます。ハンディファンを握った手が汗だく、というのはよくあることですが、これなら本体を握るだけで手のひらを冷やしてくれて快適です。
また、熱がこもりやすい首筋や手首にサッと当てて血流を冷却することで、より効率よく体感温度を下げることもできます。
大型冷却プレートはスイッチを入れた瞬間からキンキンに冷えてくれます
首筋や手首の裏など、太い血管の通った場所を冷やすのがおすすめ。大型冷却プレートは広範囲を一気に冷やせるので効率的なクールダウンができます
本体がコンパクトなわりには風量があり、ファンとしての性能も間違いなし。これだけの機能を備えながら、高さ約12cm、重さ約140gというポケットに入るほどのコンパクトさなのはうれしいところです。なんなら、ほかのファンと合わせて2台持ちにしてもいいぐらい、携帯していてじゃまになりません。
JisuLife「Handheld Fan Pro1 Mini」
世界No.1※のポータブルファンブランドが今シーズンついに日本上陸! そのフラグシップモデルが「Handheld Fan Pro1 Mini」です。
なにより高級感のあるシックな雰囲気が特徴で、大人が持つのに相応しいハンディファンと言えるでしょう。グリップにはヴィーガンレザーを採用し、見た目のよさと合わせて、汗ばんだ手でもなめらかでしっとりしたグリップ感が得られます。
※ 出典:JisuLifeは、世界販売金額において4年連続世界No.1のポータブルファンブランドです。データ出典:ユーロモニター・インターナショナル上海。2021年から2024年の各ブランドのポータブルファン世界販売金額を測定。製品の販売、マーケティング、流通のために他社に商標の使用を許諾しているブランドは除外。ポータブルファンとは、USBケーブルを介して電力が供給される小型の扇風機と定義する。(2025年7月調査実施)
ヴィーガンレザーのグリップは、高級感と握りやすさを両立しています
独自開発の3相ブラシレスモーターが超高回転型。ジェット気流のような直進性の高い風で肌表面に留まる熱気を奪い、素早く体感温度を下げてくれます。
風量レベルはハンドルのホイールコントローラーで100段階調整が可能……なんですが、正直、そこまで細かな調整が必要かはよくわかりません。ただ、風量弱めにするとかなり音が静かなので、「オフィス内でこっそりと、できるかぎり強い風を浴びたい」などの細かい需要を満たすことはできそうです。
ホイールで風量を100段階コントロールが可能
肌当たりのよい風が勢いよく流れて、とても爽快です
もうひとつ大きな特徴が、4250mAhの高密度バッテリーを内蔵し、最大30時間の連続駆動という圧倒的なスタミナを実現していることです。これだけのスタミナなら、強めに駆動しても数日は充電なしに使い続けることができそう。日常的に使用頻度の高いハンディファンは、ついつい充電を忘れがちなツールのひとつなので、バッテリー持ちのよさはそれだけで価値のある要素と言えるでしょう。
一概にハンディファンと言っても、ただ単に「モーターで羽根を回転させているだけ」の製品はすでに時代遅れになりつつあります。
今回紹介した製品は、ファンブレードの工夫で肌当たりのよい風を生み出したり(安い製品と比較すると、明らかに違います)、風を集約させて効率よく体表面に溜まった熱気を吹き飛ばしたりなど、そもそも“風の品質”が別物です。快適性の面から考えても、気持ちのいい風を選びたいのは当然です。
それに加えて昨今は、ミストや冷却プレートなど、気温が上がりすぎて送風だけではどうしようもない状況にも対応できる機能を備えた製品がかなり増えています。特にミスト機能は気化熱冷却によって簡単に体感温度を下げられるため、非常に有効です。
今やハンディファンは、風の品質や機能で選ぶ時代。「なんとなく安いのを買った」では満足できずに買い直すことにもなるので、じっくりと、でも本格的な暑さが到来する前に、好みの1台を選んでみてください。