「このところ、夏がやけに暑い」――そう感じている人も少なくないと思いますが、その感覚は決して間違っていないようです。気象庁が公表しているデータ※によると、猛暑日、つまり日中最高気温が35度以上の日数は年々増加傾向にあります。今年もまもなく迎えることになる、うだるような暑い夏。そんな夏を快適に乗り切るためには、エアコンの準備が欠かせません。
寝室に設置しているエアコンは、筆者が2年ほどお手入れを怠っています。そこで、今回はフル活用する夏に向け、お金をかけずに臭い対策をしてみます
筆者はエアコンを使い始めるたびに思うことがあります。「なんだかカビ臭いな」と。筆者がエアコンのお手入れを怠りがちなのがその理由ではありますが、エアコンは定期的にしっかりとお手入れするのは容易ではありません。筆者と同様に、毎年のようにエアコンのカビ臭さに悩まされている人は少なくないはずです。
専門業者にエアコンのクリーニングを頼むと、1台につき1万円以上かかることが多いようで、物価の高騰が続く昨今、なるべく避けたい出費です。かといって、自分で本格的なクリーニングをするのは手間も時間もかかります。特別なお手入れ道具も持っていません。そこでネットで調べてみると、筆者でも簡単にできそうな、手軽な臭い対策が大きく3つ見つかりました。
■効果的とされるエアコンの臭い対策
・エアコンのフィルターまわりを掃除する
・エアコンの最低温度で1時間ほど冷房運転する
・エアコンの最高温度で1時間ほど暖房運転する
そこで今回は、ネット上で語られているこの3つの方法を試し、効果を検証してみました。結論から言うと、筆者の自宅環境においては確かに効果が実感できました。本格的な夏に向けてお金をかけずにエアコンの臭い対策をしたい人は、最後までチェックしてみてください。メーカーが推奨するものではありませんので、その点にはご注意ください。
まずは状態を確認するため、2年ほどお手入れを怠っていた寝室のエアコンをオン。今年初めての冷房運転です。すると、やっぱりどこか酸っぱさが混じった不快な臭いが放出されます。そこでまずは最もベーシックな対策である、フィルターまわりの掃除から実施してみました。
26度の冷房運転で状態をチェック。2年お手入れしていなかっただけあって、放出される空気はやはり臭いがします。このままでは不快なので早急に対策をしたいところです
エアコンに近づいてチェックしてみると、吹き出し口にカビ!? のような汚れを発見。フロントカバーを開けてみると、フィルターはホコリやカビなどの巣窟といった状態でした……。あわててフィルターを取り外し、風呂場でじっくりと水洗い。フィルター奥の熱交換器や吹き出し口に付着した汚れを拭き取りました。
吹き出し口から奥を覗くと、下のほうにカビのような黒い汚れが点在。フィルターはご覧のありさまでした。この状況にあわてながらもホコリがなるべく飛散しないように、掃除機でおおまかにホコリを吸い取ってからフィルターを取り外しました
フィルターはシャワーで入念に水洗い。汚れの大部分は表側に付着しているため、最初は裏側から水をかけるとスムーズに汚れが落ちます。水洗い後はしっかり乾燥させることも忘れないようにしましょう
奥まで汚れている吹き出し口は、指をよく伸ばしてできるだけ広範囲を拭き取り。熱交換器は思いのほかきれいに感じましたが、念のため筋目に沿って拭き取ります。フィンは鋭いため、指を切らないように注意が必要です
見違えるほどきれいに生まれ変わったエアコン。これなら臭いがしなさそう
ひととおり掃除を終えたので、冷房運転をしてみることに。肝心の臭いはと言うと……残念ながら、まだまだ残っています。筆者の感覚にはなりますが、当初の臭いの強さを「100」とするなら、「80」程度に減ったものの、臭いの根本は断ち切れていないという感じです。
エアコンのフィルターまわりの掃除はある程度の効果はあるものの、本質的な対策にはならないようです。
そこで次の対策です。「エアコンの最低温度で1時間ほど冷房運転する」を試してみました。この方法が臭い対策になる理由としては、冷房運転の際、室内機内に発生する結露水で熱交換器などの内部パーツの汚れが洗い流される点があげられることが多いです。そうだとすれば、結露水は多ければ多いほど効果的であるはずです。そこでエアコンを最低温度の18度に設定し、風量は最大にして1時間運転してみました。
エアコンの設定温度は本機の最低温度となる18度に、風量はフルパワーに設定。通常であればこのような使い方はしないと思いますが、冷房運転が弱まらないよう寝室の窓は開けておきました
風量が多い分、当初はカビ臭さがかえって強く感じられます。ところが、です。冷気が本格的に出始めると、臭いが和らいできた気がします。30分経過するころには、明らかに臭いが薄まっています。1時間を迎えると、冷房運転前の「80」から「20」程度まで低下したような感覚です。しっかりと効果が実感できるレベルです。
環境にもよると思いますが、「エアコンの最低温度で1時間ほど冷房運転する」の方法は臭い対策として有効と感じられました。筆者は臭いに敏感なので、人によっては臭いをほとんど感じないレベルかもしれません。設定温度を26度に戻しても、臭いは抑制されたままでした
よほど多くの結露水で洗い流されたのかと思いきや、熱交換器を見ても特に水滴らしきものは見当たりませんでした。当たり前かもしれませんが、汚れがジャバジャバと洗い流されるというわけではありません。それでも効果は十分に感じられました
ここまでの対策でも臭いは完全に消えたわけではありません。そこで最後に、「エアコンの最高温度で1時間ほど暖房運転をする」という方法を試してみました。この対策は、乾燥をうながすことでカビの活動を抑えることを根拠としたもののようですが、本当に有効なのでしょうか。
最高温度の30度に設定し、風量を最大に。今回も暖房運転が弱まらないよう、部屋の窓を開けて検証してみました
検証結果は意外な結果でした。暖房運転が進むにつれて、エアコンの臭いが心なしか強くなったように感じられるのです。明らかに臭うというレベルではないのですが、「20」にまで抑えられていた臭いが「25」程度に戻ったという印象です。あくまで筆者の推測になりますが、エアコン内部を乾燥させると、湿気の揮発とあわせて内部に残ったカビなどの臭いの原因が舞い上がって放出されてしまうからではないでしょうか。
よくよく考えれば、内部を乾燥させたからといって、直ちにカビなどの臭いの原因が減るとは考えにくいですよね。暖房運転による対策は、カビを発生させにくくするかもしれませんが、エアコンの使い始めの臭い対策としては有効とは感じませんでした。
暖房運転による対策は効果が実感できませんでした。26度に設定を戻しても元の臭いと同レベルでした
今回は、ネットで見つけたお金をかけずにできる手軽なエアコンの臭い対策を試してみました。エアコンをお使いの環境や状態によって変わるかもしれませんが、筆者の環境では「エアコンのフィルターまわりを掃除する」と「エアコンの最低温度で1時間ほど冷房運転する」の対策の組み合わせに効果が感じられました。完全に臭いを消せたわけではありませんが、それほど気にならないレベルにまで改善できたので、臭いが気になる人は、このような手軽な対策をまずは試してみるといいかもしれません。
エアコンメーカー各社は、清潔機能が充実したモデルをラインアップ。お手入れの手間が抑えられるので、メンテナンスの時間をかけずに快適に冷暖房したい人は、買い替え時には清潔機能が充実したモデルが要チェックです。
パナソニック「エオリア CS-X406D2-W」
油汚れが付きにくく、ホコリ汚れを防ぐ「よごれんボディ」に、エアフィルターを自動掃除する「はずせるフィルターおそうじメカ」を搭載。エアコンのフラップを開いて奥まで掃除できる「はずせるボディ」でお手入れも楽。エアコン内部を自動洗浄して運転後に熱で乾燥させる内部クリーン機能なども備えています。
三菱電機「霧ヶ峰 MSZ-ZW4026S-W」
油汚れが付きにくく、ホコリ汚れを防ぐ「よごれんボディ」に、エアフィルターを自動掃除する「はずせるフィルターおそうじメカ」を搭載。エアコンのフラップを開いて奥まで掃除できる「はずせるボディ」でお手入れも楽。エアコン内部を自動洗浄して運転後に熱で乾燥させる内部クリーン機能なども備えています。
パナソニック「エオリア CS-X406D2-W」
結露水で熱交換器を洗い流すコーティング自動洗浄や加熱乾燥に加え、ナノイーXの充満でエアコン内部のカビ菌を自動で除菌する「ナノイーX 内部クリーン」を搭載。「フィルターお掃除ロボット」も装備し、お手入れの手間が少なくて済みます。冷暖房しながらナノイーXを放出できるので、空気を清潔に保つのにも役立ちます。
日立「白くまくん RAS-XR4026D」
熱交換器を凍らせて霜を付け、その霜を溶かして汚れを洗い流す「凍結洗浄 除菌ヒートプラス」に加え、カビの温床となりやすい銅製排水トレーを自動で掃除する凍結洗浄機能も搭載。特許技術による洗浄方式で汚れを一気に洗い流すため、カビや菌、ウイルス、油汚れなど、さまざまな付着物質の除去にすぐれています。
ダイキン「うるさらX AN406ARP-W」
加湿水や結露水を利用して熱交換器の汚れを洗浄する「水内部クリーン」を搭載。ストリーマ照射や送風、加熱乾燥を組み合わせることで、エアコン内部を清潔に保ちます。「ストリーマ空気清浄」により、空気中に浮遊するウイルス抑制にも役立ちます。
シャープ「Airest AY-R40P-W」
熱交換器を吹き出し口付近に配置する独自構造により、カビの原因となるホコリと高湿度をブロック。これに加え、吸い込み口の全面を集じん脱臭フィルターで覆い、従来のエアコン構造では防ぎきれなかった細かなホコリの侵入も抑制しています。この新構造はパワフルな空気清浄力の実現にも貢献しています。