“走る”ライターが、履いて、走って、確かめた
“走る”フリーライターが、履いて、走って、確かめた!

初心者に適したランニングシューズ6選と、ケガなく走り続けるための基礎知識

ランニングは、走りやすい服装とシューズさえ準備すれば誰でもすぐ取り組める身近な趣味。しかし実際、せっかく始めたランニングを、ケガなどの理由でやめてしまう方がたくさんいらっしゃいます。理由はオーバートレーニングなどさまざまですが、すべて「知識なく走っている」ことが原因と言っていいでしょう。“走り方”を知らずに闇雲に距離ばかり重ねれば、やがてケガを引き起こすのは必然です。そこで今回は、長く楽しく走り続ける、もしくは記録向上を狙うために、最低限知っておいていただきたいことと、ビギナーランナーに適したランニングシューズをご紹介します。

どんなに楽しいゲームでも、操作方法を知らずにプレイすれば、すぐゲームオーバーになってしまう。何度もゲームオーバーになれば、「つまらない」と感じてしまうのも当然。ランニングも同じです

ケガの原因は誤ったランニングフォームにあるかも

「ドタドタ」と重い音を出しながら走る。「ザッザッ」と地面に足裏を擦りながら走る。そんなランナーの姿を、トレーニングやレース中によく見ます。「音が出る」ということは、それだけ地面と足が接した際に衝撃や摩擦が生まれているということ。「ドタドタ」なら強く地面を叩きつけているため反発衝撃を受けますし、「ザッザッ」なら摩擦が起きてブレーキが掛かります。これは、望ましいことではありません。

衝撃や摩擦は筋肉疲労を生み、時に関節や筋肉を痛めつける原因となるでしょう。これは、レース終盤などの疲れたタイミングだけでなく、自分では軽快に走っているつもりの状態でも起こります。それはなぜなのか? 理由は、ランニングフォームにあるかもしれません。例えば自分のフォームをスマートフォンで撮影したり、ジムのトレッドミルで鏡越しにチェックした際、「腰の位置が低く(落ちて)いる」「腰が曲がっている」「手足の動きがバラバラで連動していない」「上半身が使えず脚だケガ動いている」といったことはないでしょうか。ちょっとした身体バランスの崩れや歪み、あるいは体幹部の弱さなどが、こうしたフォームを引き起こします。

体幹が使えず上半身が支えられなくなると、腰が落ちてしまいます。すると、体重のほとんどが脚に掛かってしまい、負荷が上がることで脚の疲労が増えます

前傾姿勢を取ろうとした際、気持ちだけが先行して真っ直ぐな姿勢を維持できないと、腰が曲がって前かがみの姿勢になってしまいます。すると重心が前に偏ってしまい、下半身に掛かる体重負担が増加。「ザッザッ」と擦るように走っている人は、この傾向が強いでしょう。さらにかかと着地になりやすく、スピードにブレーキがかかります

左腕を引いたとき左足が前に出て、右腕を引いたときには逆に右足が前に出る。骨や筋肉はそのように繋がっていますが、疲労すると手足がうまく連動しなくなります。レース後半など手足がバラバラで、無理やり走っているように見える方はこの状態が考えられます。うまく推進力を生むことができず、疲労度合いに反して前に進めない状態になってしまうでしょう

腕が下がっている、あるいは横振りになってしまい、上半身から足へと動きが連動しません。すると足の力だけで走ることになってしまうでしょう。上半身を使うことで分散できるはずの負担が足のみに集中し、パワーに頼った走り方に。すぐに疲れが出はじめて、後半まで筋持久力が持たない可能性が高くなります

上で紹介したようなフォームに覚えのある方は、体幹部を中心に上半身をしっかり使い、体全体で走ることを意識しましょう。そして、骨盤を前傾させ、頭の上をまっすぐ引っ張られているような意識で重心を高い位置に保ちます。意見の分かれるところですが、僕は個人的にかかと着地はあまり推奨していません。接地衝撃がダイレクトにひざなどへ届くほか、スピードにブレーキが掛かると考えているからです。その状態でスピードを維持しようとすれば、余計な筋力が必要となるでしょう。また、関節部に“捻り”が生じないよう、つま先や膝が開かない(前を向く)ことも大切です。

写真で瞬間的に良いフォームを捉えるのは難しいですが、頭から腰、そして着地位置までが直線状にあり、しっかり腕の“引き”ができると、無理なく全身を使って走ることができます。このとき上半身は腕に引っ張られて横を向かず、視線と共にしっかり前を向けることがポイント

身体は真っ直ぐ、ストライドは後ろに。あごを引いて前を見ます。つま先やひざ、腰、胸、そして肩に至るまで、しっかり進行方向を向いてブレないようにしましょう

ソールが薄めのシューズは、自分のフォームを知るのに有効

フォームの崩れを感じる方は、ぜひランニングシューズの裏を見てみてください。かかと部分だケガ擦り減っていたり、その擦り減りにも左右差があったり。そうしたシューズの状態には、改善のヒントがたくさん隠れています。

使用期間に対して極端に磨り減っていないか。また、多く磨り減っている部分も注意してみましょう。例えばかかと側部だけが減っている場合、その部分を地面にこすって走っているということ。足の外側に多くの負担がかかっています

「自分がどのように走っているのか」を知るには、ソールが薄めのシューズを履いてみるのも手です。「最初にどの部分が地面と接しているか」「左右で負荷の程度が違わないか」など、足裏から感じ取れます。ソールが厚いと、クッションが均等に衝撃を吸収してしまうので、こうしたことが分かりにくいでしょう。かかと部分が厚くなっていないフラットソールも、かかと着地を改善するのに適します。フォームを改善してケガしない走り方を身に付けたい方には、以下のようなシューズが向いていると言えそうです。

アシックス「SKYSENSOR GLIDE 4」

安定性が高くしっかりフィットする安心感があります。ソールがフラットに近いので、自然な足の運びが意識できるでしょう。 アシックス「SKYSENSOR GLIDE 4」

asics「SKYSENSOR GLIDE 4」

ナイキ「Nike Free RN Motion Flyknit」

着地から反発を押し返し、推進力を生み出すまでの動作が行いやすいシューズ。つま先からかかとまでソールの高低差も少ないので、フラットに近い着地フォームが身につきます。

ナイキ「Nike Free RN Motion Flyknit」

ナイキ「Nike Free RN Motion Flyknit」

2017年4月発売予定の「ナイキ フリー ラン フライニット 2」。「ナイキ フリー ラン フライニット」のプロダクトコンセプトを踏襲した新モデルです

ビブラム ファイブフィンガーズ「KMD SPORT LS」

ソールが薄く、「足裏のどこが地面に接しているか」がダイレクトに分かります。身体のバランスを意識できるでしょう。私も愛用しています。

Vibram fivefingers「KMD SPORT LS」

ビブラム ファイブフィンガーズ「KMD SPORT LS」

初めは「無理せず、気持ちよく」。段階的にトレーニングしましょう

トレーニング方法についても触れておきたいと思います。ランニングを始めると、多くの方々が「月に○km走ろう」など月間走行距離を目標として走り始めます。たしかに、目標を持つことは、継続するうえで大切なこと。しかし、走ることを義務のように捉え、いきなり毎日のように走り続けるのはおすすめしません。

走り始めたばかりの頃は、体力・筋力あるいは心肺機能なども弱い状態。そんなにたくさん走れる状態ではないのです。元気なうちは「意外と走れるな」なんて動けていても、やがて疲労が蓄積。それでも無理に走ってしまえば、すぐに限界を超えてケガへとつながります。走ってケガをしてしまい、走れなくなる。そして治ったらまた走り、再び無理してケガを再発するという悪循環。実は多くのランナーが陥っているのです。

ランニングで着実に“走れる”ようになるためには、段階的にトレーニングを組みましょう。まずは距離など考えず、とにかく気持ちよく走ることから始めてください。疲れていたり、気分が乗らなかったりすれば走らない。週3日程度、数kmでも走ることを続けていけば、少しずつ身体ができてくるはず。

「なんだか、いつもより疲れないな」
「身体が軽いから、もう少しだけ距離を伸ばしてみようかな」

など、身体や気持ちに変化が感じられたら、徐々に距離や時間を調整していきましょう。疲れているけど気持ちいい状態で走り終えられると、また走りたいという気持ちが湧いてきます。

走るスピードについても、いきなり全力ダッシュすれば肉離れなどの原因となります。まずはウィンドスプリント(7〜8割程度のスピードで短距離を走る)などで、普段より速いスピードを出すことに慣れていってください。疲労を蓄積しないためには休養も大切。「どうしても走りたい」という場合、例えば短めのジョギングなどを“つなぎ”として入れることで、走りながらも身体を休ませてあげるとよいでしょう。その際には、クッション性の高い脚に負担の少ないシューズを選ぶのがコツです。

ニューバランス「M1040/W1040」

長距離マラソン用に開発されたモデル。着地した際の安定感が高く、ブレなどによる関節の捻じれが防げます。

NEW BALANCE「M1040/W1040」

ニューバランス「M1040(左)/W1040(右)」

→価格.comでニューバランス「M1040」をチェック!

→価格.comでニューバランス「W1040」をチェック!

アルトラ「TORIN 2.5」

厚底ソールは高いクッション性を持ち、長距離のランニングでも足に負担が掛かりにくい構造。私は主に長距離LSDやウルトラマラソンレースで愛用しています。

Altra「TORIN 2.5」

アルトラ「TORIN 2.5」

ミズノ「WAVE INSPIRE13」

軽量かつフィット感があるので、負担なく走ることができるでしょう。ソールが柔らかく、着地時の衝撃吸収も大きくカットしてくれます。

ミズノ「WAVE INSPIRE13」

MIZUNO「WAVE INSPIRE13」

 

自分に合った相棒となるシューズを見つけ、ケガなく楽しんでランニングを続けていってください。

三河賢文

三河賢文

“走る”フリーライター。マラソン・トライアスロン競技を中心に、全国各地を走り回りながら取材・執筆中。83年生まれ・仙台市出身。ナレッジ・リンクス(株)代表。

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