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「Z585」「Z785」フルラインアップ試打! 今度のスリクソンは“直進性”で勝負する

オグさんです。

今回はスリクソン(SRIXON)の新モデル、「85シリーズ」をまとめて試打しましたのでその模様をレポートします。

ウッド類、アイアン2モデルをお借りしました!

ウッド類、アイアン2モデルをお借りしました!

「スリクソン(SRIXON)」とは住友ゴム工業のスポーツ用品事業本部が展開するダンロップのブランドで、ゴルフのほかにテニスも展開しています。トッププロはもちろんアスリートや上達志向の強いプレイヤーから多くの支持を得ており、ゴルフではボールの性能の高さも評価されています。アメリカツアーで戦う松山英樹選手と契約していることでも有名です。

近年のスリクソンは、アルファベットのZと数字3桁で表されたネーミングを採用、ウッド、アイアンともに複数のヘッドタイプを用意することで、ゴルファーのより細かいニーズに応えられるラインアップを形成。それを2年おきに発売してきました。

今回新しく発売されたのは「Z●85」シリーズ。数字の3桁目はモデルの性格の違いを表しており、2桁目が発売年次のナンバーで、若い番号ほど過去のモデルとなります。過去の「Z765」「Z545」というモデルで見てみましょう。両者を見比べてみると、それぞれ性格が異なるモデルで(3桁目の7と5)、765のほうが新しい(2桁目の6と4)シリーズとなります。ちなみに、末尾の5は識別に意味を持ちません。ぱっと見で、年代や種類がわかるこのネーミング、個人的にはいいなと思いますね。

今回のシリーズも過去のシリーズと同様、ウッド、アイアンともに2種類のヘッドタイプをラインアップしています。85シリーズの開発テーマは、「ドライバーを、ゼロから作り直せ。」というもの。今までの同シリーズは、高い評価を得ていましたが、どちらかといえばアイアンのほうが高評価だったと感じています。それをメーカーが自覚していたかはわかりませんが、あえてドライバーに絞ったテーマを掲げ、ウッドの進化をアピールしてきています。まずはドライバーから打っていきますよ!

■Z585 ドライバー

ヘッド後方ややヒール側に頂点を持たせた特徴的なヘッドシェイプ。ヘッドターンのしやすい設計と顔の形状をマッチさせ、無意識に覚える違和感をなくしています

コースを直線的に攻めるドライバー

ドライバーのヘッドは2タイプ用意されていて、どちらのヘッドにもクラウンの素材にカーボンを採用しています。こうしてヘッド上部を軽量化することで低重心化と余剰重量を生み出し、その重量配分をモデルによって変えることでヘッド性能に違いを持たせています。このZ585のテーマは飛距離性能とやさしさ。試打では「アスリートブランドが狙うやさしさ」とは何なのかを重点的にチェックしたいと思います。

余剰重量を生み出すためにカーボンクラウンを採用。ヘッド上部が軽くなることで低重心化にもつながります

余剰重量を生み出すためにカーボンクラウンを採用。ヘッド上部が軽くなることで低重心化にもつながります

お借りしたスペックは純正シャフト「Miyazaki Mahana」のSフレックス、ロフトは10.5度です。ソールを見てみるとややヒール側の後方にウェイトが付いていて、ボールのつかまりの1つの目安となる“重心角”を大きめにしようという意図が感じ取れます。

打ってみるとロフトよりもやや高めで、ゆっくりと飛んでいくいわゆる“棒球(ぼうだま)”の弾道が出ました。何球か打ってみましたが、多少芯を外しても同じような弾道が打てて曲がりも少ない。非常に直進性の高い仕上がりですね。打ち出し方向は少し左に出る印象。アスリートモデルの中では比較的つかまりがいいといえます。

とはいえフックになることはなく、打ち出した方向にそのまま真っすぐ飛んでいく感じです。打音はやや金属系の音を含んだ心地よい響きがあり、打っていて爽快感がありました。

XXIOなどにも搭載されている、打音を調整するためのヒレみたいなものがサウンドリブ。このシリーズも金属音を伴う心地よい打音を実現させています

強振してみると、自分のパワーでは少しスピンが増えた程度で効率のよい弾道はほとんど変わらず。振っただけ距離が伸びた印象でしたね。インテンショナルも試しましたが、直進性が高いだけあって、曲がりはそこそこ。毎回ボール操作しながらコースを攻略するというよりは、直線的に目標を定め、曲がりを極力抑えて攻めていくといった今風の使い方に適したドライバーだと思います。

ちなみにもう1本のZ785ドライバーは弾道調整機能付きですが、このZ585のネックは接着されています。購入後の微調整はできないので、しっかり試打してからスペックを決めることをおすすめします。

■Z785 ドライバー

Z585と違い、ヘッド後方の頂点が芯の真うしろにくるシェイプ。カチャカチャ搭載でネックが太いこともあり、剛性感があってしっかりたたいていけそうな雰囲気がありますね

スイング軌道がそのまま弾道に表れる

もう1本のZ785ドライバーです。こちらは、飛距離とやさしさを追求しつつ、操作性も加味したモデルとなっています。Z585との大きな違いは、ネックのカチャカチャ、いわゆる弾道調整機能が付いていることです。シャフトを挿す向きを変えることで、ロフト角やライ角、フェース角を微調整することができます。カチャカチャを搭載しているところからも、アスリートが求める操作性をある程度重視している姿勢を感じますね。

打ってみると、Z585より球は低く、さらに低スピンの弾道が出ました。ボールのつかまりはニュートラルで、スイングの軌道がそのまま弾道に表れる感じ。狙った方向に打ち出しやすい印象です。操作性はZ585より高いですが、それほど敏感ではなくほどよい感じ。そのぶんミスヒット時に大きな曲がりが少ないので、ミスの許容性も持たせつつ少しだけ操作性に振った仕上がりです。

Z585に弾道調整機能が付いていないのは、搭載するとネック側がどうしても重くなってしまうから。より重心を低く深くしたかったからでしょう

2本をそれぞれカンタンに表現すると「直進性の高さでシンプルに狙えるZ585」と、「ある程度操作でき、自分の持ち球が打ちやすいZ785」といった感じ。どちらもアスリートモデルにしては打点のミスに強い(飛距離ロスが少ない)といえます

■Z F85 フェアウェイウッド

ヘッドはZ785に似た、スイートエリアの真うしろに頂点があるような形状。ドライバーもそうですが、フェースもボディも黒く染め上げられており、精悍(せいかん)な印象を受けます

ドライバーに比べて操作性がある

同シリーズのFW(フェアウェイウッド)、飛距離の欲しい3Wはドライバーと同じくカーボンクラウンを採用し、低重心化を図ることで低スピンの強い弾道を実現させています。それ以下の5W、7Wは“狙うFW”としていたずらに低スピン化せず、グリーンに直接落としても止まるように設計されています。

打ってみた印象は、非常に「当てやすい」と感じました。シャフトは基本的にドライバーと同じはずなのですが、ドライバーと比べてヘッドの操作がしやすくしっかりとミートできましたね。打ち出し角は高めでドライバーと比べるとスピンはやや多めの弾道。それだけにボールを曲げる操作もしやすく、よほど強振しなければ予想外のミスは起きなそう。グリーンを安心して狙っていけるFWですね。

■Z H85 ユーティリティー

ドライバーやFWにあった角が取れ、滑らかな輪郭のUT。ややトゥ側にボリュームがあり、つかまりすぎなそうな印象があります。左のミスが嫌いな人には安心できる形状です

直線的に狙えるUT

クラウンに段差を設けた「ステップクラウン」というテクノロジーを搭載し、ヘッドの大型化による慣性モーメント拡大と、低・深重心化を実現させ、スピンが効いて安定した高弾道を実現しています。

UT(ユーティリティー)は一転、オートマチックな印象を受けました。安定した高い弾道と曲がりの少なさで、直線的にグリーンを狙っていけますね。少々打点をミスしてもちゃんと球は上がってくれますし、飛距離ロスも少なかったです。アイアンのように操作して打ちたいという方には不向きかもしれませんが、間違いなくやさしいといえるアスリート向けのUTですね。

■Z U85 ユーティリティー

トップブレードが厚めなアイアン、といった形状のアイアン型UT。形は完全にアイアンでも、打ってみると予想以上にやさしいクラブです

割とオートマチックなアイアン型UT

中空構造を採用したアイアン型UTです。アイアン型というと操作性重視の難しいモデルという印象を持つ方が多いのですが、このモデルは思った以上に高さが出しやすかったですね。さすがにウッド型UTよりは上がらないですが、ごくごく一般的なスイングスピードがあれば十分使いこなせるでしょう。つかまりはやや抑え気味ですが、敏感な操作感はなく、オートマチックにラインを出していけます。

ウッド型との違いはFP(フェースプログレッション)値。いわゆる出っ歯具合です。ウッド類はレベルブロー傾向のスイング、アイアン類はダウンブロー傾向のスイングを持つゴルファーに合いますので、それぞれに苦手意識がある方は自分が得意なクラブに近いUTを選ぶとよいでしょう。

■Z585 アイアン

やや大きめでトゥ側にボリュームがあり、つかまりやすそうなイメージを抱かせる形状。プレッシャーを感じさせないやさしい顔をしたアイアンですね

■Z785 アイアン

こちらZ785はZ585と同様のシルエットを持ちながら、ひと回り小ぶりでグース度合いも少なくなっています。左のミスのイメージを感じさせない、上級者にとってやさしい顔に仕上げてありますね

どちらのアイアンも直進性が強い

アイアンはドライバー同様2タイプヘッドが用意されています。性質も同じような区分けの仕方で、飛距離とやさしさのZ585、従来のアスリートが好む性質を持たせたZ785といった具合です。Z585には、バックフェース周辺に溝を設けることでフェースをよりたわみやすくさせた「スピードグルーブフェース」が搭載されていて、ミスヒットに強い飛距離重視のモデルに仕上がっています。Z785は、ターゲットとするアスリートゴルファーのデータを収集し、高頻度に当たる打点付近を肉厚化することで打点のミスに配慮しつつも、打感と操作性を向上させた「ツアーキャビティデザイン」を採用しています。

Z585の分解モデル。フェース裏側外周に溝を設けることでよりフェースをたわませやすくしたスピードグループフェース。少々芯を外しても飛距離ロスが少なくなるように生み出された新しい技術です

打ってみると、Z585アイアンはドライバー同様、直線的にコースを攻略していくようなゴルファーに合うモデル。ヘッドが大きめで重心距離も長いため細かい操作を受け付けてくれません。そのぶん、強い直進性と打点のミスへの強さ、そして高い飛距離性能と、有り余る魅力を持っています。重心距離が長く深い、今風のデカヘッドドライバーとも相性がよいですね。

Z785アイアンを打つと、操作性は確かに持っているのですが、操作性第一というよりは、操作もできるけど、直進性の高い弾道が打てるアスリート向けアイアンといった感じを受けました。球の上下のコントロールはしやすいのですが、左右の操作性はマイルド。そういった意味では曲がりづらいやさしいアイアンとも言えますね。半面、ボールを操りたい方にはちょっとフラストレーションがたまるかもしれません。

Z585アイアンの特長は、飛距離性能と直進性の高さ、そしてミスへの強さです。アイアンでも曲がりを極力減らしてラインを出して攻めていきたい方にピッタリだと思います。Z785は、基本は直線的に攻めたいけれど、いざというときに曲げられるモデルを求める方にはいいですね。最初から操作性重視なら、別のモデルを選んだほうが賢明だと思います。

アイアンはどちらのモデルもトゥ側が高く、ややつかまりやすそうな印象を与えます。安心感につながる顔ともいえますね

以前は”9”もあったけど……

以前のモデルにはドライバー、アイアンともに、5シリーズ7シリーズのほかに9シリーズがあり、計3タイプが存在していました(Z965、Z945、など)。9シリーズのアイアンはマッスルバック形状で、完全に操作性重視に作られていたのですが、プロでもマッスルバックを使う選手が減り、需要が減ってしまったため製品ラインアップから削られてしまったのでしょう。マッスルバックは、ヘッドターンが大きめで操作したい方にはやさしいと感じやすいアイアンなのですが、そういったゴルファーが減ってしまったのだと思います。

ボールを曲げずに攻めたい人に合う

今作のスリクソンは、いわゆるデカヘッドでゴルフを始めた人たちが使いやすいと感じるであろうアスリートモデルに仕上がっているなぁという印象を受けました。5シリーズ7シリーズどちらも、ボールをあえて曲げる前提では作られていません。ほかのメーカーの競合モデルよりも、直進性をより強く意識したモデルに仕上がっている印象でした。パワーやテクニックはあるけどとにかく曲げたくない、といった方にマッチするのではないでしょうか。気になる方はぜひチェックしてみてください。

写真:富士渓和春

小倉勇人

小倉勇人

ゴルフショップ店長、クラフトマン、クラブフィッターそして雑誌の編集・執筆業も行う、歌って踊れるゴルフライター。好きなクラブはパター、左利き/右打ち。愛称は「オグさん」。

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