「エリアフィッシング」のいろは
ムカイフィッシングのMAX田中さんが提唱!

3時間のエリアフィッシングでも楽しめる「いきなりクランク」スタイルとは!?

「クランクベイト」は、「スプーン」と並んで出番の多いエリアフィッシング(管理釣り場での釣り)用ルアー。本稿では、「クランクベイト」を主役にした釣りのスタイルを紹介する

エリアの基本は標準ウエイトの「スプーン」ではないのか!?

連載第1回の記事で「エリアフィッシングの超基本! 1.5〜1.8gクラスのスプーンでタナを探れ」と紹介したというのに、3回目にして「クランクベイト」を主体にエリアの釣りを組み立てて遊ぶ方法を紹介するとはおだやかではない。連載のコケンにかかわるではないか。そんな釣りを提唱するのはムカイフィッシングのMAX田中さんだ。エリアフィッシングの根底を覆すというのだろうか? 

「あくまでも『短時間で気軽に遊ぶ』というスタイルでのことですが、釣れることを純粋に楽しむのが目的なら、いきなり『クランクベイト』を投げるのもアリです」(MAX田中さん)

アドバイザー/MAX田中さん
【PROFILE】
ムカイフィッシングにて開発と営業を兼務。「簡単に釣れる! 誰でも釣れる!!」をコンセプトにしたルアーをプロデュースし続ける。「クランクベイト」の釣りが得意

1日の3時間をいかに楽しくエリアで過ごすか

釣りは上達を目指さず、気軽に楽しんでもいい

「よりうまくなりたい」「人よりも1尾でも多く釣りたい」「その日のベストな釣りを見つけ出したい」といった奥の深い釣りができるのもエリアフィッシングの一面。そのいっぽうで、「朝の3時間だけ楽しみたい」「午後だけちょっと」「とりあえず釣れる感触を味わえれば満足」という、ライトな楽しみ方ができるのもエリアフィッシングの大きな魅力だ。そして、「釣るべき魚を足で探す必要がない」のが、この釣り最大の特徴でもある。自分が狙う魚は、間違いなく目の前にいる。だからこそ、エリアでは短時間でも釣りが成立する。

「特に首都圏のエリアでは、『3時間券』など、時間券を売るケースが多い。そんな短時間をエリアで過ごす人は、手早く釣れることを望んでいるんです。『スプーン』でタナを刻んで……という深い釣りにハマる前の段階の人からは、『簡単に釣れる方法で遊びたい』と言う声は多い。そこで提唱するのが、『いきなりクランク』のスタイルです」(MAX田中さん)

確かに、丸々1日は時間が取れないが3時間なら……という日はある。遠くのエリアに遠征するのは厳しいが、アプローチしやすい都市型のエリアなら、少しでもトラウトたちとたわむれることができる。

そんな短時間の釣りで求めるのは、やはり「釣れた」という結果だ。この際、イチからの組み立てや自身の釣りの上達を度外視して、とにかく釣れる魚を釣って満足したい。そんなときに投げるべきルアーが、「クランクベイト」だとMAX田中さんは言う。

休みの日や仕事終わりなど、限られた時間内でとりあえず何尾か釣りたい。そんな釣りでは、効率よく釣ることのできる「クランクベイト」が活躍!

「スプーン」と「クランクベイト」の違いとは?

大きな違いは「浮く」か「沈む」か

今では、「クランクベイト」にもさまざまなタイプがラインアップされるが、その基本はフローティングタイプ。それを前提とした場合、「スプーン」との違いは、巻きを止めたら沈むのが「スプーン」で、浮くのが「クランクベイト」だ。MAX田中さんはそのメリットを「大きいモノをゆっくりと引けること」だと言う。止めると沈む「スプーン」を、浮きも沈みもしない速度でまっすぐにゆっくりと巻いていくよりも、浮力があって止めると浮く「クランクベイト」をゆっくりと巻いていくほうがビギナーには簡単なのだ。でも、ゆっくりと引くだけなら、いわゆる1g以下の「マイクロスプーン」でいいのでは? その違いを聞いてみよう。

「スローという点では、『マイクロスプーン』も『クランクベイト』も同じです。ただ、大きく異なるのは、その大きさ。『クランクベイト』は大きく、『マイクロスプーン』は小さい。この大きさを武器に、スローに引いて強くアピールできるのが『クランクベイト』なんです。それに『マイクロスプーン』を使うデメリットとして、ビギナーの使うナイロンの3〜4ポンドのラインでは、太くて飛ばしにくいという点もあげられます」(MAX田中さん)

放流されたばかりのフレッシュなトラウトたちは、“強くて派手で速いルアー”に興味を示す。そのあと、水になじみ、何度もルアーを見るうちにニュートラルな状態になり、「強くて派手で速いルアーへの反応が鈍り始める。特に、速い動きについて行けない魚が増えていく。そこで出番となるのが、スローに引ける「クランクベイト」。このときに同じくスローに引ける「マイクロスプーン」を使ってしまうと、動きの強さやシルエットまで抑えられてしまうため、アピール不足に陥るのだ。

「放流効果は薄れつつも、そんなにタフではないというエリアの一般的な状況では、速い動きについて行かないけれど、力のある動きには反応する魚が多くいます。そういう魚に対しては、水押しの強いルアー、つまり「クランクベイト」が効果的。だから、短時間の釣りや気軽な釣りでは、『クランクベイト』から投げるのが効率的なんです」(MAX田中さん)

ゲーム性を高めて釣るスタイルもあれば、釣りを難しくせず、より単純に釣るスタイルもある。基本は投げて巻くだけの「クランク」は「簡単に楽しみたい釣り」にも向いている

どんな「クランクベイト」を投げればいいの?

魚が多くいる水深1m付近を引きやすい「クランク」に出番多し

ビギナーを中心に考えた場合、釣りに行くことが多いのは、真冬以外の時期、つまり春先〜秋。この時期に活躍するのは、水深1m付近を泳ぐ「クランクベイト」だ。MAX田中さんは、その水深を最も魚の多くいる「ボリュームゾーン」と呼ぶ。まずは、そこを効率よく引ける「クランクベイト」を使うことが、効率的に釣る秘訣だ。

「弊社のルアーで言えば、まずは「トレモ35MR(F)」が効率よく釣れ、しかもビギナーが使いやすい『クランクベイト』だと思います」(MAX田中さん)

ムカイ「トレモ35MR(F)」は、波動が強めの「クランクベイト」。活性は残しつつも、通常のスプーンの速度についてこなくなったトラウトに波動でアピール。レンジキープもしやすいためビギナーも使いやすい

カラーは最低限、2パターンを用意する

ルアーをたくさん用意できないビギナーは、カラー数も絞りたい

汎用性の高い「クランクベイト」として、強めのアピールでスローに泳ぐ「トレモ35MR(F)」がボリュームゾーンでは有効であることはわかった。では、カラーに関しては、どうだろう? これもいきなりたくさんのカラーは用意できない。「これだけは!」という無難なカラーがあれば、まずはそれを知りたい。

「カラーは、派手系と地味系の両極は持っておくべきです。『真ん中の中間色だけではダメなの?』と思うかもしれませんが、色を1種類しか用意していないと、それを使ってうまくいかなかった場合、お手上げになってしまう。でも、派手と地味の両極カラーを準備しておけば、派手系がダメな場合は地味系で……と、緩急によるフォローで何とかなるケースが多いんです」(MAX田中さん)

上から、派手系、中間色、地味系。カラーのそろえ方としては、この3系統が基本。もっと絞るなら、両極の派手系と地味系を用意しよう

「クランクベイト」をサイズで使い分ける

まずはレギュラーサイズがセオリー

狙うレンジやアクションの質は同じまま、サイズ感だけで「クランクベイト」を変えて釣る「ルアーローテーション」というスタイルがある。たとえば、「トレモ」シリーズ内の3タイプを例にローテーションする順番をあげるなら、(1)「トレモ35MR(F)、(2)「グラントレモ40MR」、(3)「トレモスマッシュ!25MR(F)」となる。

ムカイ「グラントレモ40MR(F)」(写真上)……レギュラーサイズの「35MR(F)」のサイズアップモデル。レギュラーサイズで届く射程距離にプレッシャーがかかり始めたら、大きめのグラントレモで沖を攻略するムカイ「トレモ35MR(F)」(写真中央)……トレモシリーズのレギュラーモデル。今回のスタイルでは、まずこのモデルから使い始めようムカイ「トレモスマッシュ!25MR(F)」(写真下)……レギュラーサイズのサイズ感にスレた魚に有効なダウンサイズモデル。「グラントレモ」で沖を攻略したあとは、今1度、手前のゾーンを小振りの「トレモスマッシュ!」で攻める

「クランク」はタナをキープして泳がせやすい

コンスタントに釣果を出す基本は、一定の速度で巻き続けること

コンスタントに釣果を出す基本は、「スプーン」でも「クランクベイト」でも同じ。ただ、浮力があり、よりスローに引ける「クランクベイト」は、一定のタナをまっすぐに引く「レンジキープ」が「スプーン」よりも簡単なのだ。それも、MAX田中さんがビギナーに「いきなりクランク」のスタイルをオススメする理由でもある。

「クランクベイト」は、任意の水深まで、やや速めの巻きで潜らせたら、そこから一定のタナをキープする速度でまっすぐに引くのが1番釣れる方法。浮き上がらない速度を意識して巻いてくるのがコツだ。「スプーン」よりもタナをキープして泳がせるのは簡単なはず。最初はルアーを目で見ながら、巻きの速度を確認するといい

「クランクベイト」のアワセ

「クランクベイト」は、「スプーン」よりも抵抗が大きいため、瞬間的な強いアワセを入れると抵抗がかかり、ルアーが止まってしまう。すると、フッキングが弱くなり、バラシやすくなってしまう。そこで、「クランク」を使っているときは、アタリがあったらスムーズに身体とロッドを横に向けながら巻きアワセるのがキモ。この方法だと、抵抗がかからず、しっかりフッキングさせられるのだ

波動の弱い「クランクベイト」

強めの波動を嫌がっていると感じた場合、波動を弱めてみる

「トレモ35MR(F)」を筆頭にした「グラントレモ40MR」も「スマッシュ!25MR(F)」も、比較的動きに強いタイプの「クランクベイト」だ。効率を考えた場合、まずはこのタイプから使用するのはいいのだが、それで動きが強すぎる場合には、波動の弱いタイプの「クランクベイト」にチェンジするといい。

「たとえば、波動の強い『トレモ』がラーメンだとしたら、波動を抑えた『トレモセミロング45(F)』や『ZANMU35MR(F)』はさっぱりとした素麺やおかゆ。プレッシャーなどでタフになった状況で、『あまりコッテリしたモノは食べたくないけれど、少しお腹に入れておかないと……』という魚に口を使わせることができます」(MAX田中さん)

ムカイ「セミロング45F」は、ロールによる「寄せ」とウォブリングによる「喰わせ」のアクションを両立させたトレモシリーズの新作。強すぎず、弱すぎずのアクションでトラウトを誘う。レギュラーのトレモの強いアクションで反応が鈍ったタイミングで投入したい

ムカイ「ZANMU35MR(F)」は、弱アピール&デッドスローでハイプレッシャー下のトラウトに口を使わせる、ロングセラーにして定番アイテム。とにかくスローに巻いて低活性な魚に弱々しくアピール。激シブの状況下で、「ZANMU」だけが爆釣……というケースもある

ムカイ「エアースティックプラスASP-1602ULレガーレ」は、「クランクベイト」主体の釣りでも扱いやすいロッド。MAX田中さんも使用する。汎用性が高く、「クランクベイト」から「スプーン」まで幅広い釣りに対応。クランクでもバラシにくいULアクションや、高いコスパも魅力だ

「クランクベイト」の弱点、それは放流!

短時間のスタイルでも「放流系スプーン」を1種類は用意すべし

3時間程度のショートタイムのエリアフィッシングなら、「トレモ35MR(F)」の派手系、地味系の2個だけでも楽しめる! と断言しているのが今回の記事だ。だが、それだけでは釣りにならない状況がある。それが放流だ。

「放流が入ると、『放流系スプーン』の独壇場となります。『クランクベイト』では、手返しが悪すぎるんです。そのタイミングに備え、放流系と言われる「赤×金」や「オレンジ×金」の1.8〜2.5gクラスの『スプーン』を1個は持っておくべきです。でないと、そのチャンスタイムに指をくわえていることになりかねませんから。つまり、どんなに短い時間の釣りでも、『クランクベイト』2個と『スプーン』1個の計3個は持っておくべし。それが僕の考えです」(MAX田中さん)

ムカイ「クラウン1.8g」(写真上)と、「クラウン2.5g」(写真下)。アピールが強く、派手に泳ぐタイプのスプーンだ。放流に備えるなら、ゴールドベースに赤、オレンジ、黄色が入るカラーを選びたい

【まとめ】気軽に楽しむ釣りなら「いきなりクランク」もOK!

以上、短時間の釣りで満足するための秘訣を紹介してきた。
まとめると以下の通りだ。

(1)ビギナーの短時間な気軽な釣りでは、「クランクベイト」から始める方法もあり!
(2)まず選ぶべきは、水深1m付近を強めの動きで泳ぐ「クランクベイト」
(3)カラーは、最低でも派手系&地味系の2色を用意
(4)放流に備えて、1.8〜2.5gの赤×金やオレンジ×金のスプーンを1個は用意

筆者も実際にやってみた! 標準ウエイトの「スプーン」でタナを刻んで釣れる状況や、ルアーを絞っていく集中力を使った釣りも面白いが、もっと気軽な釣りもいい。投げて巻けば適度に釣れる。そのシンプルな楽しさが「いきなりクランク」のよさ。難しいことから解放されたいからエリアで遊ぶ。ルアーケースには「クランク」数個と「放流スプーン」1個。「簡単で楽しい!」をたくさん体験するには、このスタイル、アリだな(しみじみ)

協力していただいた釣り場

「朝霞ガーデン」
●住所:埼玉県朝霞市田島2-8-1
都心からもアクセスしやすい老舗管理釣り場。1日券のほかに6時間券や3時間券なども販売しているため、短時間の釣りも楽しめる

宮崎紀幸

宮崎紀幸

釣り雑誌を中心に取材&執筆を行うフリーランスライター。自身も渓流トラウトやライトソルトの釣りを楽しむ。エリアフィッシング専門誌「アングリングファン」などで執筆。シングルモルト好き。

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