本連載「だからザ・ノース・フェイスは選ばれる!」は、現在セールス絶好調のザ・ノース・フェイスが、ユーザーから選ばれる理由を検証する企画。第24回は、「ショートスリーブフライトハイパーベントクルー」をピックアップした。
本モデルは、気温が高い春夏のデイレース用に開発されたハイパフォーマンスランニングウェアで、ランニング中の衣服内換気を促進しながら、汗戻りによる冷えとオーバーヒートを軽減してくれる。
「ショートスリーブフライトハイパーベントクルー(S/S Flight Hypervent Crew)」(品番:NT12170)の「ショッキングオレンジ(SO)」。公式サイト価格は、11,990円(税込)
ザ・ノース・フェイスの「ショートスリーブフライトハイパーベントクルー」は、気温の高い春夏の日中のレース用に開発された、袋編み2層構造のハイパフォーマンスランニングウェア。
使用素材は、ポリエステル撥水糸を大きなメッシュで編み込んだ肌面生地と、通気性と透けにくさを生理学に基づいてマッピングした高機能メッシュ生地を使用。
通気性と透けにくさを生理学に基づいてマッピングした、高機能メッシュ生地を使用。部位によって織り方を変えている
肌面には、ポリエステル撥水糸を大きなメッシュで編み込んだ生地を使用
メッシュの大きさが異なる2枚の生地を組み合わせることで、発汗時の肌離れがよく、水分を生地表面で拡散乾燥させられる。つまり、走行中の衣服内換気を促進しながら、汗戻りによる冷えとオーバーヒートを軽減することに成功しているわけだ。
また、銀イオンによる抗菌防臭効果を発揮するポリジン加工が施されているので、汗の臭いが気になるこれからの季節はありがたい。さらに、夜間に着用することも考慮して、視認性を考慮したリフレクターロゴも採用している。
背面の「THE NORTH FACE」のロゴは、夜間走行時の安全性を高めるリフレクター仕様
実際に着て走ってみた!
今回は、メンズのMサイズをセレクト。
胸囲が大きめの筆者(168cm/66kg)が着てもほどよいフィット感で、身体にピッタリと沿う感覚だが窮屈感はない。
実際に走り始めると、20℃を超える天候だったのですぐに汗ばんだが、ポリエステル撥水糸を大きなメッシュで編み込んだ肌面生地は、べとつき感がなく快適。時々風が吹くと部位によって織り方を変えた表面のメッシュにより、衣類内部へと風が取り込まれるのを感じられ、しばらくするとかいた汗が引いていくのがわかる。
そして、一般的な吸汗速乾素材を使用したランニングトップスでは、汗冷えという現象が起こることもあるが、この「ショートスリーブフライトハイパーベントクルー」では、そのようなこともなかった。
表生地と裏生地を重ねた構造と言うと、サッカーの「2002年日韓ワールドカップ」のタイミングで、高温多湿の日本と韓国の夏に対応すべく、アディダスとナイキが2層構造のユニフォームを発表し、一定の効果を上げたことを思い出すが、今回ザ・ノース・フェイスが発表したこのランニングトップスは、機能性のレベルがそれらよりワンランクもツーランクも上。春から夏にかけての日中のレースに最適な機能性を追求しているというが、実際に着た感覚でも、まさにそういった高温時にピッタリの1着に仕上がっていると思う。
屋外の6kmランで2回、屋内のトレッドミルランで1回の計3回テストしたが、そのメッシュ構造により外気を衣類内部へと効果的に取り入れられる屋外での着用でこそ、本領を発揮する1着だと思った。
裾などの端の部分は、特殊な圧着法を採用することで、段差がほとんどなく、着用時のストレスは少なかった
以上のように、「ショートスリーブフライトハイパーベントクルー」は、かなり高いレベルの通気性と汗冷え防止効果を備えており、レース本番もしくはレースを想定した長距離走時に最適なランニングトップスであることがわかった。
価格は11,990円と決して安くないので、「ランニングは週に2〜3回で、走っても10km程度」というようなランナーは、ザ・ノース・フェイスのラインアップなら「ショートスリーブGTDロゴクルー(S/S GTD Logo Crew)」(税込4,730円)あたりで十分だ。トレイル、オンロード問わず実際に長距離のレースに参戦する予定があるランナーや、日々のランで20km以上走るようなランナーは、このアイテムの機能性の高さを享受することができる。また、他人より発汗が多く、汗の処理を的確に行ってくれるアパレルを探していたランナーは、トライする価値があるだろう。
カラバリはほかに「ブラック」と「ホワイト」をラインアップ