レビュー

スポーツにはこれ! 肌触りと機能性を両立した「ウール混Tシャツ」実力チェック

ウォーキングにランニング、ハイキング、トレイルランニング――。

屋外でのアクティビティーを快適に楽しむのに欠かせないのが、吸汗速乾性にすぐれたウェアだ。

ジムでのトレーニングを含め、アクティビティー用ウェアとしてよく選択されるのが、ポリエステルを主とした化学繊維のもの。吸汗速乾性が高く、軽く、伸縮性も備えている。低価格で購入できる点も魅力と言えるだろう。

いっぽう、自宅でのリラックスタイムでは肌触りのよさを重視して、コットンやウールなどの天然繊維を好んでいる人が多いのではないだろうか。天然繊維には敏感肌にやさしい、環境負荷が小さいというメリットもある。

ハイブリッドウールを採用したゴールドウインの「アドバンスドライトハイブリッドウールティーシャツ(A/L Hybrid Wool T-shirt)」。公式サイト価格は14,300円(税込)。写真の筆者(178cm/65kg)は、サイズ2(1〜4の4サイズ展開)を着用

ハイブリッドウールを採用したゴールドウインの「アドバンスドライトハイブリッドウールティーシャツ(A/L Hybrid Wool T-shirt)」。公式サイト価格は14,300円(税込)。写真の筆者(178cm/65kg)は、サイズ2(1〜4の4サイズ展開)を着用

ゴールドウインの「アドバンスドライトハイブリッドウールティーシャツ(A/L Hybrid Wool T-shirt)」は、天然繊維の肌触りや快適性のよさと、化学繊維の機能性のいいとこ取りを目指したアクティビティーウェアだ。

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ウールは実は天然の機能素材だった!

ウールは、コットンやナイロン、ポリエステル、アクリルといった素材と比較して吸湿性にすぐれている素材だ。液体となった水分ではなく、湿気や蒸気を吸収することに長けているのだが、そのおかげでウール製のウェアは蒸れにくく、汗冷えもしにくい。ウール繊維は空気を閉じ込めやすく、保温効果が高いため、寒くなる秋冬に適していると思いがちだが、薄手のウール製ウェアは夏場にも適しているのだ。

防臭性・消臭性を備えているのもウールの特徴だ。

ウールは吸湿性が高いため、衣服内に過剰な湿気が残らず、肌の表面がべたつきにくい。また、繊維自体の表面は疎水性が高く、水分を保持しにくい。それゆえ、汗臭さの原因となるバクテリアの繁殖が抑えられ、臭いが発生しにくいのだという。

さらに、ウールはアンモニア臭などの臭い成分を繊維内部に吸着して封じ込める性質を持つ。繊維内部に吸着された臭い成分は、洗濯時に水に溶けて放出されるため、洗濯後も他繊維と比べて臭いが残らない。筆者は、ウール製インナーを愛用しているが、化学繊維はもちろん、コットンと比べても防臭性・消臭性にすぐれている印象がある。日常使いはもちろん、出張や旅行時にも重宝している。ハイキングやキャンプなどのアウトドアシーンで、ウールの機能性に助けられた経験がある人は少なくないはずだ。

ウール繊維束の内側にフィラメントを包み込んだ「NIKKE AXIO」

ゴールドウインの「アドバンスドライトハイブリッドウールティーシャツ」に採用されているのは、「NIKKE AXIO(ニッケ アクシオ)」という糸。ウールの繊維束の内側にポリエステルの繊維を螺旋構造で包み込み、美しい流れを描くようにする「IN-SPIRAL SPIN製法」によって作られている。

ウールと化学繊維のいいとこ取りをした「NIKKE AXIO」を採用

ウールと化学繊維のいいとこ取りをした「NIKKE AXIO」を採用

従来のウールとポリエステルの交撚糸は、ウールの繊維束の外側にポリエステル繊維を巻き付けて交撚させていたが、「NIKKE AXIO」は糸の表面にポリエステルが表れないため、肌触りや質感はウールそのもの。そして、ウールの内側にポリエステルを内包することで、ウールのみの糸に比べて速乾性や伸縮性、耐摩耗性にすぐれ、軽量性も備えた糸に仕上がっているわけだ。また、ウールのみの糸よりも毛玉ができにくく、洗濯を繰り返した後の外観変化も少ないという。ウールが持っている長所をそのまま備えながら、ウールの弱点をポリエステルで補強、そして従来のウールとポリエステルの交撚糸が抱えていた課題も解決した次世代の糸なのだ。

ウールならではのやわらかい肌触りが魅力

ウールならではのやわらかい肌触りが魅力

近年、汗冷えしにくく、防臭・消臭性を備えているという特性から、ハイカーの間ではメリノウールを使ったベースレイヤーが支持されている。ゴールドウインは、ウールの特性に加え、速乾性や耐摩耗性といった機能を備えた「NIKKE AXIO」は、長時間のアクティビティー用ウェアに最適な糸だと考え、それを採用したウェアの開発に着手したのだという。

背面は通気性を高めるためにメッシュ構造を採用

背面は通気性を高めるためにメッシュ構造を採用

【レビュー】化学繊維のシャツには戻りたくなくなるほどの肌触りのよさ

「アドバンスドライトハイブリッドウールティーシャツ」に袖を通してみると、すぐにウールならではのやわらかさ、肌触りのよさが感じられた。肌が敏感で化学繊維が苦手という人もおそらく問題ないはずだ。

ウール100%のTシャツと比べると、少しハリがある印象。1か月ほど着用した範囲の話になるが、ウール100%のものよりシワになりにくく、毛玉もできにくい。とはいえ、ポリエステルやナイロンと比較すればデリケートな素材。洗濯表示にも書かれているが、洗濯時は洗濯ネットに入れたほうがよい。生地の摩擦が毛玉の原因となるので、硬い素材のものとは分けて洗濯したほうがベターだろう。

快適性の追求のために、前身頃はさらりとした肌触りの天竺生地を、後ろ身頃は通気性を高めたメッシュ構造を採用している。気温の高い日のランニング時にも何度か着用したが、風通しはよく、大量に汗をかいた際にも不快感がなかった。ウール特有の防臭性・消臭性を備えているので、長時間のアクティビティー時に汗の臭いが気になるという人にもおすすめしたい。

夏は涼しく、冬は暖かいのでランニングウェアとしてオールシーズン活躍してくれるはず

夏は涼しく、冬は暖かいのでランニングウェアとしてオールシーズン活躍してくれるはず

【まとめ】快適に心地よくアクティビティーを楽しみたい人におすすめ!

「アドバンスドライトハイブリッドウールティーシャツ」は、ウール特有の肌触りのよさがありながら、高機能でタフという点が魅力だ。日常的に天然素材を愛用している人にとっては、その延長線上にアクティビティーに適したウェアがあるのはとてもうれしいのではないだろうか。

また本モデルは、ザ・ウール・マーク・カンパニーが管理・運営しているウールマーク認証を取得しているプロダクトでもある。

ウールマークは、ウール混率(※1)、耐光堅牢度(※2)、耐久性(※3)、洗濯試験(※4)、湿潤堅牢度試験(※5)といった検査が行われ、基準を満たしたものだけが使用の許される認証。つまり信頼の証を持っているというわけだ。

※1:繊維の含有量を評価し、製品の混率が表記どおりであることを確認
※2:最長10時間、定められた光源にさらして、色褪せないかを確認
※3:圧力をかけ、引っ張る、伸ばすなどをして強度を測定
※4:洗浄力の高い洗濯機で洗い、収縮や形状変化がないかを確認
※5:日常的に接するさまざまな液体に対する検査

コストの面では、化学繊維のTシャツよりはだいぶ高くなるが、それだけの満足度は得られるのではないだろうか。

新毛30%以上50%未満の商品が対象となる「WOOL BLEND PERFORMANCE (ウールブレンド パフォーマンス)」のマーク。本体部分は84%がウールだが、メッシュ部分がウール47%のため取得している

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神津文人
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神津文人
雑誌編集者(3媒体でトータル15年。モノ雑誌では副編集長を務める)を経て、フリーランスのライター&エディターに。ヘルス&フィットネス、スポーツ領域を中心に活動中。書籍の構成も手掛ける。趣味は柔術。ときどきランニング。
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牧野裕幸(編集部)
Editor
牧野裕幸(編集部)
アイテム情報誌「GetNavi」や映像エンタメ情報誌「DVD&Blu-rayでーた」(当時)の編集者を経て「価格.comマガジン」へ。スティック&ロボット掃除機、コーヒーメーカー、扇風機、電動歯ブラシ、電気ケトルなどの白物家電のほか、AV機器や加熱式タバコを担当しています。LOVE, LINKIN PARK.
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