本連載「だからザ・ノース・フェイスは選ばれる!」は、現在セールス絶好調のザ・ノース・フェイスが、ユーザーから選ばれる理由を検証する企画。第56回は、「IMPULSE SHORT TIGHT(インパルスショートタイツ)」をピックアップした。このプロダクトは、ウエスト周りに6つのポケットを配した、1枚ばきできるランニング用ショートタイツ。日々のトレーニングからレースまで、さまざまなシーンに対応してくれそうだ。
収納力抜群のザ・ノース・フェイス「インパルスショートタイツ」(品番:NB42475)の「ドーングレー」。価格は14,300円(税込)
ザ・ノース・フェイスの「インパルスショートタイツ」は、素材にストレッチ性と肌当たりがいいナイロントリコット生地を採用。前後の肌面は薄手のメッシュ素材を配置した二重構造で、快適なはき心地を実現しながら、体形はわかりにくいフィット感を実現している。
幅広い面で身体にフィットするウエスト部分には、行動食やスマートフォンなどの小物の収納に便利な6つのストレッチポケットを装備。後部中央ポケットには、400mLのソフトボトルも収納できる。股下の長さは、動きやすさとスタイルのバランスがいい25cm(Lサイズ)。つまり、ロードからトレイルまで幅広いランニングシーンで活躍する汎用性の高いショートタイツに仕上がっている。
ウエストのドローコードの結び目は、内側でも外側でもユーザーの好みで選べる
前面はスマートフォンを入れられる大型ポケットをセンターに、ジェルなど小物の収納に便利な小型ポケットを両サイドに配した
バックにもフロントと同様のポケット配置。中央ポケットには400mLのソフトボトルも収納できる。前後合計6つのポケットは使い勝手がよい
裏面には、股間やヒップのふくらみが目立たないように、通気性にすぐれたメッシュの生地を配置
「ニューイヤー駅伝」や各マラソン大会を見て気づいている人も多いと思うが、ランナー、特にエリートランナーの間で今、ショートタイツがポピュラーだ。これは身体へのフィット感がいいいっぽいで、以前と比較して身体の動きを制限しないこともあって、ショーツから履き替えているランナーが急速に増えているのだ。
そんなショートタイツに対するザ・ノース・フェイスの取り組みだが、実はかなり早かったことは意外と知られていない。2018年には「C3fit」とのコラボにより誕生した「ノベルティエレメントハーフタイツ」を限定リリース。太もも外側のパネル部分にサイドポケットをプラスするという、現在では多くのブランドが採用する意匠をいち早く採用していた。以降、ザ・ノース・フェイスでは、同様のショートタイツのリリースがなく、残念に思っていたが、今回、「インパルスショートタイツ」の展開を知り、うれしくなって早速購入してみた次第だ。
まず手に取ってみると、薄手のファブリックを使用しており、通気性にすぐれていそうなことが理解できる。いっぽうで、生地が薄いと股間回りのふくらみが気になるが、実際に履いてみるとその心配は杞憂に終わった。前面と後面の一部にメッシュの生地が配されており、それを防いでくれるのだ。
走り出すと、脚の動きを妨げない適度なフィット感が快適。段階着圧などのコンプレッションタイプではないが、過度な締め付けが嫌いなランナーも多いので、これくらいの着用感のほうが一般受けすると思う。腰回りのポケットにスマホや鍵を入れて走ってみたが、収納物の揺れはまったく気にならない。日課としている6kmランを終える頃にはかなり汗をかいていたが、吸汗速乾性にすぐれた生地を使用していることもあり、快適性を最後までキープしてくれた。これなら日々のランだけでなく、ハーフマラソンやフルマラソンでの着用もありだと思った。
以上のように、ザ・ノース・フェイスの「インパルスショートタイツ」は、快適な着用感とすぐれた収納力を組み合わせることで、日々のトレーニングからレースまで対応できる汎用性の高いショートタイツに仕上がっている。個人的には、最近ポピュラーなサイドポケットを採用してほしかったが、自分の周囲では「太腿部分にポケットがあると走りに影響する気がする……」と考えるランナーも少なくないので、本モデルはそうした意見を尊重したのだと思う。最近はショートタイツがブームということで、各ブランドからさまざまなプロダクトがリリースされているが、実際に履いてみると、本当の意味で満足できるショートタイツは多くない。その点で言うと、「インパルスショートタイツ」の満足度は高く、特にスタートからゴールまで快適な着用感のショートタイツを探しているランナーにおすすめのプロダクトだ。