本連載「だからザ・ノース・フェイスは選ばれる!」は、近年セールス絶好調のザ・ノース・フェイスが、ユーザーから選ばれる理由を検証する企画。第65回は「GRAVAL SLIP-ON WP(グラバル スリッポン ウォータープルーフ)」をピックアップした。
ザ・ノース・フェイス「グラバル スリッポン ウォータープルーフ」(品番:NF52442)。公式サイト価格は17,930円(税込)
このプロダクトは、ライトなアウトドアからライフスタイルシーンまで活躍する、防水仕様のアウトドアスリッポン。足の甲を覆うようにストレッチ素材を配置したデザインで、高いフィット感と着脱の容易さを両立している。
「グラバル スリッポン ウォータープルーフ」は、アッパーに耐久性のある人工皮革を配し、防水透湿素材の「HydroSeal(ハイドロシール)」を採用。また、安定感を高める4つのサイドウォールを持った、クッション性の高いミッドソールが歩行をサポートするとともに、ゆりかご状のロッカー構造で自然と足が前に出るような設計となっている。
アッパーには耐久性のある人工皮革を配し、防水透湿素材「ハイドロシール」を採用
アウトソールには、ドライな路面でもウェットな路面でも高いグリップ力を発揮する「Surface Control(サーフェスコントロール)」を採用。設置面が広く安定感のあるソールは、トレッキングにも対応できるラグパターンとなっており、不整地にも対応してくれる。ハイキングやキャンプなどのアウトドアシーンから、ライフスタイルシーンまで、まさにシームレスに活躍する仕上がりだ。
ドライな路面でもウェットな路面でも高いグリップ力を発揮する「サーフェスコントロール」を採用したアウトソールは、トレッキングにも対応できるラグパターンで、舗装路から不整地まで対応
シューレースを使用しないレースレス仕様だが、足へのフィット感は高レベル。長時間の歩行にも適応する
ザ・ノース・フェイスで防水透湿性にすぐれたフットウェアといえば、本コラムで7月に紹介した「TNF レイン ブーツ ゴアテックス」がヒットしたが、ややクセのあるデザインで、履く人を少し選ぶ印象だった。それに対し、今回取り上げた「グラバル スリッポン ウォータープルーフ」は、デザイン面、そしてプライス面でも、一般ユーザーが手を出しやすい一足である。
まず、足を入れてみると、シューズと足のフィット感の高さを感じる。実際に歩き始めると、ミッドソールの硬度、形状がウォーキングにマッチしていることがわかる。やわらかすぎないのだ。ランニング時の着地衝撃が体重の3倍程度なのに対し、歩行時の着地衝撃は体重の1.2〜1.5倍と言われており、ミッドソールがやわらかすぎると、路面に脚力を十分に伝えにくいとされている。
そして、このシューズが面目躍如となったのは、冷たい雨が降り続けた深夜。25分ほど歩いたが、シューズ内部に水が入ってこなかったことに加え、歩きやすさも秀逸で、家までの道のりを快適に過ごせた。これが一般的な非防水シューズだったら、シューズ内部はずぶ濡れになり、足は冷え切って悲惨なことになっていただろう。
防水仕様のため、雨の日の長距離歩行でも安心。防滑性が高いのもうれしい
「グラバル スリッポン ウォータープルーフ」は、高いレベルの防水透湿性と歩きやすさを兼ね備えており、1足持っておくと便利なシューズだ。その機能性と汎用性を考慮すると17,930円(税込)という価格設定は、かなりリーズナブルだと思う。
なお、本モデルには、「グラバル スリッポン」(公式サイト価格14,960円/税込)という、まったく同じデザインを採用した非防水タイプもリリースされており、そちらも良好なセールスを記録している。「グラバル スリッポン ウォータープルーフ」がどちらかというとアウトドアテイストなダークなカラーリングなのに対し、「グラバル スリッポン」はブラック/ホワイトやガーデニアホワイトといった明るいカラーリングを採用しているという相違点がある。個人的には価格差が2,970円しかないので、カラーリングが気に入るならば、「グラバル スリッポン ウォータープルーフ」をチョイスしたほうがお得感は高いと思う。悪天候でも水が靴内部に浸入してこないというメリットは、夏季だけでなく、冬季でも大いに実感できるだろう。