交換レンズ図鑑
【連載】交換レンズ図鑑 第2回

α7シリーズユーザー注目のMFレンズ、カールツァイス「Loxia 2/50」実写レビュー

カールツァイスは2014年10月16日、ソニーの35mmフルサイズミラーレス「α7」シリーズ用の交換レンズ「Loxia 2/50」の日本国内での発売日と価格を発表した。連載「交換レンズ図鑑」の2回目となる今回、このカールツァイスの新型マニュアルフォーカスレンズをいち早く試すことができた。α7Sで撮影した実写作例を掲載して、描写力や操作感をレビューしよう。

α7SにカールツァイスLoxia 2/50を装着。直線的で凝縮感のあるα7シリーズにマッチするコンパクトレンズだ

電子接点を持つマニュアルフォーカスレンズ

Loxia 2/50は、ソニーα7シリーズ用をうたう交換レンズ「ZEISS Loxia(ロキシア)」シリーズの第1弾製品。レンズマウントにEマウントを採用する、35mmフルサイズ対応のマニュアルフォーカスレンズだ。カールツァイス社が発売する製品としては、35mmフルサイズミラーレス一眼用のフルサイズ対応レンズは初の登場となる。

カールツァイスの最近の動向を見ると、APS-Cミラーレス一眼用としてTouit(トゥイート)シリーズ(Touit 2.8/12、Touit 1.8/32、Touit 2.8/50M)を、35mmフルサイズデジタル一眼レフ用としてOtus(オータス)シリーズ(Otus 1.4/55)をリリースするなど、自社で発売するデジタル設計のレンズを積極的にリリースしてきている。Loxiaシリーズについては、2013年10月16日に行われたα7シリーズの発表会において、カールツァイスのクリスチャン・バナート氏から「2014年中に35mmフルサイズ対応のEマウントレンズを発売する」という宣言があったが、その宣言どおりに製品化を実現したことになる。

Loxia 2/50の特徴を見ていこう。α7/α7R/α7Sといったα7シリーズ向けの光学設計を取り入れた、焦点距離50mm/開放F2の標準レンズだ。レンズ設計はカールツァイス伝統となるPlanar(プラナー)で、4群6枚の対称型のレンズ構成を採用(非球面レンズは未使用)。収差を抑えた良質な描写が得られるという。さらに、レンズの透過率を上げ、内面反射を抑える独自の多層膜コーディング「T*(ティースター)コーディング」を採用。カールツァイスとして総合的な光学性能を保証する、カールツァイスレンズの証でもある「T*レンズ」となっている。絞り羽根は10枚で、対応する絞り値はF2〜F22。最短撮影距離は0.45m。フィルター径は52mm。サイズは66.2(全長)×62.1(最大径)mmで、重量は約320gとなっている。オートフォーカス機構がないこともあってか、フルサイズ対応の標準レンズとしては比較的コンパクトなサイズにまとまっている。

Planar型のレンズ設計を採用。開放F値はF2

サイズは66.2(全長)×62.1(最大径)mmで、重量は約320g。コンパクトなα7シリーズとの組み合わせに適したサイズ感だ

金属製のフードも同梱。フードの内側は内面反射を抑える植毛加工が施されている

フードを装着してレンズキャップを付けることも可能

レンズの裏側にMade in Japanの文字

パッケージはTouitシリーズと同じデザインだ

Loxia 2/50は、カールツァイスのマニュアルフォーカスレンズらしく、金属製のしっかりとした筐体になっているのも特徴。鏡筒だけでなく、フォーカスリング、絞りリング、マウントのすべてが金属製という高品位な作りだ。フォーカスリングと絞りリングの間には、おおよその被写界深度がわかる被写界深度目盛りが付いている。ちなみに、Eマウント用レンズとしては、純正、サードパーティを含めて初の絞りリング搭載モデルとなる。

また、マウントに電子接点を搭載。レンズの絞り値をカメラに伝えて、露出やExifへの記録などでカメラと連動できるようになっている。α7シリーズのMFアシスト機能(フォーカスリングの回転操作にあわせて自動的にフォーカスエリアを拡大表示する機能。オン・オフの切り替えが可能)を利用できるのも便利だ。

フォーカスリングの回転角は180度。回転角の多くは1.2m以下の近距離に割り当てられており、細かいピント調整が可能

金属製マウントには電子接点が設けられている。また、マウント部には保護用の青色のゴムリングが付いている

さらに、動画撮影をサポートする機能として、絞りリングのクリック感を外す「DeClick(デクリック)」という機能も搭載。同梱の専用ツールを使ってバヨネット面の調整ねじを回すことで、クリック感の有無を切り替えられるようになっている。通常のクリック感のある絞り動作の場合、絞りが段階的に開閉してしまうため、動画撮影中に絞り値の変更を行うと、露出が不自然に変動してチラつきが目立ってしまう。また絞りが動く音も拾ってしまうことになる。Loxia 2/50では、DeClick機能を使ってクリック感を外すことで、絞りリングを無段階かつスムーズに動かすことが可能。絞り操作によるチラつきを抑え、露出感を一定に保った動画を撮影できる。絞りの動く音も拾わない。動画撮影にも強いα7シリーズ用をうたうレンズならではの機能といえるだろう。

同梱の専用ツールを使ってバヨネット面の小さな調整ねじを回すことで、絞りリングのクリック感の有無を切り替えられる

DeClickした状態でも絞り値の情報はカメラに伝わるようになっている

DeClick機能チェック動画(※音量注意)

※雨音が入っているため再生時は音量にご注意ください。
DeClickした状態で絞りリングを動かしながら夜景を撮影したムービー。F2からF8までゆっくり動かし、その後にF2にまで戻している。フリッカー対策のため、XAVC S方式の30p(ビットレート約50Mbps)記録で、シャッタースピードは1/50秒に設定している。また、オート感度で撮影しているが、F8まで絞っても適正露出が得られるよう、感度の上限をISO102400に設定している

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