夏が近づいても、サンダルで出社というわけにはなかなかいかない世の中。下着に次いで、「靴下」もほぼ一年中、身につけている衣類ではないでしょうか? なのに、靴下にはあまりこだわらない人が多いような気がします。安売りされている3足セットのものを適当に買う……みたいな。まあ筆者がそうだったのですが、とある靴下を履いてから、もうその靴下しか履けなくなってしまったのです。
それが無印良品の「足なり直角靴下」。
今では愛用していて、ストックも大量にあります
「いや、普通の靴下ですやん」とお思いの皆さま、はいそうです。特に足ムレや臭いに対する機能が付いてるわけではありません。ではなぜこれを? と思われるでしょうが、まずはこの靴下の形をよくご覧ください。
一見普通の靴下に見えますが……
一般的な靴下(灰色)と比較してみました
一般的な靴下と、かかと部分をよく比較してみてください。この「足なり直角靴下」、かかとの部分が直角にできているという無印良品のベストセラー商品なのです。いやいやいや、普通靴下ってこんな形じゃないの? と思うでしょう。でも一般的な靴下と比べると結構違うのですよ。重ねてみましょう。
重ねてみました。上が一般的な靴下。下が直角靴下です
かかと部分とつま先部分の幅もかなり異なります
ご覧になっていかがですか? 形が結構違うことがわかりますよね。これがどう一般的な靴下と違ってくるのか? 検証していきましょう。まずはこのかかとの形と大きさです。直角靴下ということで、人間の足のかかとの角度に合うように90度の直角に設計されています。自然な角度で足にフィットするように設計されています。
現在、一般的な靴下は120度の角度で設計されていますが、実は靴下が生まれたときは足に合わせた90度だったんです。しかし機械編みの影響と生産性向上のため、徐々に120度が主流となっていったんだそう。無印が、履き心地のいい靴下を一から考えた結果、当初の90度にたどり着いたとのこと。
かかと部分が直角で足にフィットすることで、足の動きがスムーズになります。スムーズになるということは、余計な部分がだぶついたり、引っ張られたりしないので、靴下がズレにくくなるということ。結果、ズレないということで、履き口をきつく締め付ける必要がなくなり、血行もよくなり、心地よく履けるということなのですね。自然な角度になるだけで、履き心地が段違いによくなるんです。
一般的な靴下だと、かかとを合わせると足首のほうにだぶつく部分が出てきます。これがだんだんとズレてくる原因です
しかし直角靴下はかかとにぴったりフィットするのでどこも余る感じがありません
そしてもう1つの特徴がつま先部分の大きさです。これも特徴的。一般的な靴下が先っぽがほっそりしているのに対して、この直角靴下はかなり大きく、ずんぐりむっくりとしています。これが履きやすさを実現しているのです。
左から一般的な靴下、直角靴下(厚手)、直角靴下(薄手)です。つま先部分の幅の違いがわかりますか?
日本人の足って甲高の人が多いですよね。筆者も特にそうで、海外物の靴とか、甲がきつくて履けないときもあります。一般的な靴下だと、この甲の部分を圧迫されることが多いのですが、直角靴下はこの甲からつま先にかけて大きく作られており、とてもスムーズに履くことができ、締め付けも感じにくい構造になっています。
履きやすく、そしてフィット感もよく、とても快適です
さらにバリエーションの多さもこの直角靴下の魅力。現在筆者は、7足の直角靴下を愛用しているのですが、生地やカラーのバリエーションに加えて、柄の種類もいろいろあって選ぶ楽しさもあります。
こちらはビジネス用。薄手のコットン生地で革靴でも快適です
ペルー綿を使用したリブ靴下。柔らかくて暖かい生地です
カジュアルなストライプタイプ。かかと部分はしっかりとした作りです
5本指ソックスもあります
スポーツタイプは、つま先、かかと、足裏部分の生地がすべて異なる特別仕様
女性用にはさらに締め付けが少ない口ゴムなし仕様の直角靴下も多くラインアップされています。またベビー用、スニーカーイン用、フットカバー用など用途に合わせてバリエーションも豊富です。リボンやレース付きといった流行りのデザインはなかなか展開がないので、若い人には物足りないかもしれませんが……。
口ゴムがない女性用の直角靴下。ショートサイズも口ゴムなし仕様です
直角だからといって一般的な靴下より特別値段が高いということもなく、3足899円で販売されていることもあります。ちなみに、大きな28〜30cmのサイズのものはオンライン限定などで販売されているので足の大きい方はネットでチェックしてみるのがいいでしょう。
自分自身愛用していることもあり、かなり熱く語ってしまいましたが、この履き心地は一度味わっていただきたいです。2006年にたった3アイテムで始まった無印良品の直角靴下ですが、今ではその履き心地のよさで人気となり、2010年以降無印良品で発売されている靴下は、すべて直角靴下になっているそう。
とにかく、かかと部分の作りが秀逸です
足を動かしても、かかと部分がずれることがありません
このとおり。1日中履いていても快適です
筆者も昔は靴下の形にこだわったことなどなかったのですが、初めて直角靴下を履いたときすぐに履き心地のよさを体感できました。とにかくズレないのですよね。スニーカーだろうが、スポーツシューズだろうが、どの靴とも相性がよかったです。
筆者はショートソックスが苦手で、履いていると必ずといっていいほど靴の中でズレて、半脱ぎになってしまっていました。そこで直角靴下のスニーカー用のショートソックスを試してみたのですが、一切ズレず、脱げてしまうこともなく、足も動きやすく快適でした。さらにビジネスマンの方に試していただきたいのは、革靴との相性です。ビジネス用の直角靴下はやや生地が薄めの作りなのですが、履き口が落ちてこないので、スーツの足元から見える靴下も格好悪くならないのがいいです。
ふくらはぎ部分にかかる履き口の締め付けがない構造なので、足に靴下の痕が残らず、スルっと脱げるので快適ですよ。未体験の人にはぜひ一度味わっていただきたいです!