選び方・特集

大人がはくべきデニムブランド40選! 長く付き合える理想のジーンズに出会おう

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

あらゆるボトムスの中で、一度手に入れたら最も長い付き合いになるのがジーンズです。それゆえ、確かなモノ作りを行うデニムブランドの一本をしっかりと押さえておきましょう。

確かなモノ作りを行うデニムブランドで、相棒となるジーンズを探そう

出典:楽天市場

出典:楽天市場

はき慣らして経年変化が表れたときに、それまでとは違った魅力を放ち始めるジーンズ。そんなジーンズ最大の特徴と言える経年変化を楽しむには、デニム生地の質や縫製のクオリティーが重要です。

出典:楽天市場

出典:楽天市場

しかし、実物を触ってみても生地や縫製のよし悪しなんてわからない……というのが現実でしょう。値段に見合ったものなのか、きれいに色落ちするのか、などは多くの経験を経てこそわかるもの。となると、何を選ぶべきなのか? という問いに対する最も簡単かつ間違いのない答えが「信頼の置けるブランド」になるわけです。ここでご紹介するデニム専業、またはデニムに一家言あるブランドは、それぞれに工夫を凝らしたプロダクト作りを行う猛者揃い。安心して相棒を探せるはずです。

ファッションのプロがレコメンド! 大人がはくべきデニムブランド40選

ここからは、デニム発祥の地が生んだ質実剛健なアメリカブランド、洗練されたデザインが特徴のヨーロッパブランド、高い技術力で独自の進化を遂げる日本ブランドの3つのテーマ別に、デニムブランドとおすすめの一本をご紹介。さらに、ビンテージデニムブームの立役者と言われる、東京・原宿の老舗古着店「ベルベルジン」のディレクター、藤原裕さんと、デニム好きスタイリストの柴山陽平さんがそれぞれのアイテムについてレビューしてくれました!

【レビューしてくれたファッションのプロ】
ベルベルジンディレクター 藤原裕さん

原宿の老舗古着店「ベルベルジン」のディレクター。ビンテージデニムアドバイザーとして、豊富な知識を基に他ブランドとのコラボやディレクションも行う。 2015年に書籍「THE 501 XX A COLLECTION OF VINTAGE JEANS」を上梓したほか、YouTube配信やメディア連載を通じてジーンズの魅力を発信している。

【レビューしてくれたファッションのプロ】
スタイリスト 柴山陽平さん

スタイリスト・石黒亮一氏に師事した後、2009年に独立。メンズ・レディース問わずカジュアルからハイブランド、オーセンティックなスーツスタイルまでスタイリングするほか、俳優やミュージシャンの衣装も数多く手掛ける。趣味のキャンプやスキーをきっかけにアウトドア関連の仕事も行うなど、ジャンルレスに活躍中。

PART1:ジーンズ発祥の地が生んだ質実剛健な「アメリカ」のデニムブランド

西部開拓時代のワイルドな暮らしが生んだ服、それがジーンズです。発祥の地・アメリカでは、今なお当時の質実剛健なモノ作りを現代に受け継ぐデニムブランドが割拠しています。また、近年ではLAやNYなどの都市圏を中心に、セレブリティーに愛される高価格帯のジーンズも注目を浴びています。

デニムブランド1:リーバイス

出典:楽天市場

出典:楽天市場

ジーンズの歴史は、1873年にリーバイス社がデニム生地のトラウザーズを補強するために、金属製リベットを活用する方法を発明したことから始まった、と言っても過言ではありません。その代表モデル「501」が登場したのは1890年。炭鉱夫やカウボーイ、工場労働者たちの作業着だった時代を経て、1950年代にデイリーウェアとして普及。現在まで永遠のスタンダードであり続けています。

ちなみに、現在は「501」とひと口に言っても、オリジナルフィットからスキニー、ユーズド加工を施したモデル、各年代のディテールを再現した「リーバイスヴィンテージクロージング」まで百花繚乱。写真のモデルは定番的なオリジナルフィットの「501」ですが、オーガニックコットンとリサイクルデニムを素材に使うことで、昨今のキーワードであるサステナビリティーを訴求しています。

藤原
藤原

2023年に150周年を迎えた「501」。定番のボタンフライのストレートジーンズは、アップグレードしつつも変わらないスタイルがすばらしい。何十年か後にビンテージとして価値が出ることも期待できます。

リーバイス「オリジナルフィット 501」

デニムブランド2:リー

出典:楽天市場

出典:楽天市場

リーバイスと並ぶアメリカンデニムの二大巨頭としてあげられるのがリー。両社はライバルとして意識しあっていたのか、リーバイスがリベット留めの特許を取得したのに対し、リーは「馬の鞍がリベットで傷付く」という理由でリベットではなく閂(かんぬき)ステッチによる補強を採用しています。また、リーバイスがざっくりとしたドライタッチな風合いの右綾のデニムを採用したのに対し、リーは基本的に表面がフラットでソフトな左綾のデニムを用いる(物資統制下にあった1940年代の「101-B」や1970〜80年代頃の一部製品には右綾生地のものもあります)など、同じように見えてまったくコンセプトの異なるジーンズを作っています。

そして、そのリーのモノ作り精神の決定版として結実したのが「101Z」。1955年に公開された映画「理由なき反抗」で、ジェームズ・ディーンが着用したことでも知られ、それまで労働着として認知されていたジーンズを一気にファッションピースにまで高めました。

藤原
藤原

リーは、カウボーイのデニムから進化したボタンフライの「101」のほか、フロントジッパーを採用した「101Z」が代表作。「101Z」は防縮加工を施した生地にきれいなシルエットのストレートデニムで、やはりかっこいいのひと言です。

リー「AMERICAN RIDERS 101Z ストレート デニムパンツ」

デニムブランド3:ラングラー

出典:楽天市場

出典:楽天市場

リーバイスやリーが今やファッション的なジーンズだとしたら、ラングラーは現役バリバリのワークウェア。今でも米国南部のロデオ競技会や牧場を訪れてみれば、カウボーイたちがはいているジーンズはほぼ例外なく、ラングラー製です。彼らがそれほどまでラングラーを愛する理由は、洗ってもよじれず破れにくいブロークンデニムの採用や、ガッチリと補強しつつも鞍を傷付けないフラットリベット、馬に乗っているときに使いやすいロデオ・ベン・ウォッチポケットなど、徹底的にカウボーイのことを考え抜かれた作りにあります。なかでも、1964年に誕生した「13MWZ」は、織り方を変えることでねじれを防ぐブロークンデニムを初めて採用したモデルとして知られています。

藤原
藤原

ラングラーもアメリカ生まれのブランドとして有名なデニムブランド。カウボーイを意識したストレートなシルエットと、バックポケットに付くパッチがほかのブランドとの違いを表しています。サイドに赤ミミが付かないダブルステッチも特徴のひとつです。

デニムブランド4:ダブルアールエル

出典:楽天市場

出典:楽天市場

ラルフローレンのハイエンドカジュアルラインに当たるのが、ダブルアールエル。生粋のビンテージラバーにしてカウボーイフェチのラルフ・ローレン氏が、自身と彼の奥さんの所有する牧場の名前からネーミングしているだけあって、そのデニムに対するこだわりは並ではありません。スタンダードなリジッドものの色落ちのよさやシルエットの美しさを一度知ってしまうと、これ以外のリジッドデニムはいらないかなと思わされるほど。さらに超リアルでラギッドなユーズド加工が施されたものや、マニアックなビンテージのディテールを再現したアイテムなど、幅広いバリエーション展開でデニム好きを魅了し続けています。

藤原
藤原

ダブルアールエルのデニムは、デザインチームがいろんなビンテージデニムを研究して作っている印象で、シルエットや色落ち加工もかなりのこだわりようがうかがえます。ラルフローレンの世界観がきちんと見られるうえ、デニムに対する思い入れも伝わってきますね。

ダブルアールエル「スリムフィット ワンスウォッシュド ジーンズ」

デニムブランド5:ヤヌーク

出典:楽天市場

出典:楽天市場

LAで誕生したリラックス系デニムブランドのヤヌーク。レディースやキッズアパレルのイメージが強いですが、実は、日本が世界に誇るビンテージショップ「ベルベルジン」のディレクターにして、生粋のビンテージデニムマニアとして知られる藤原 裕氏とタッグを組んで製作されたアイテムが存在します。それが「No.XX(ナンバートゥウェンティー)」。藤原氏がチョイスしたビンテージデニムの色落ちを、最先端技術と職人の手作業で再現しています。ブランド独自開発の360度ストレッチ生地「プレミアムスクエアード」を使用していて、両立が難しいとされる履き心地とビンテージ感を高次元で融合しています。

藤原
藤原

本モデルははきやすさを重視したストレッチデニムで、ビンテージ加工の表情にもきちんとこだわった一本。年齢・性別を問わずどんな人にも似合うストレートシルエットもウリです。

ヤヌーク「No.XX」

デニムブランド6:ラグ&ボーン

出典:楽天市場

出典:楽天市場

アメリカのデニム業界におけるニューカマーは、大都市圏のセレブリティーを対象とした、デザインコンシャスでトレンドを踏まえたプロダクトメイキングを行うことが多いもの。しかし、ラグ&ボーンはニューカマーの中でも異色の存在と言えます。というのも、創業地は大都市から離れたケンタッキー州で、しかもデザイナーはイギリス人。トレンド集積地から離れたケンタッキー州をあえて創業地に選んだのは、老舗のデニム工場があったためだと言われています。創業の際に18か月間にわたって日本のカイハラデニムに通い詰め、理想の一本を作り上げたという逸話からもわかるとおり、そのモノ作りへの真摯な姿勢とクオリティーの高さは、数あるプレミアムデニムの中でも群を抜いています。

柴山
柴山

モノによっては、タックインしたときにシャツにインディゴが移染するのを防ぐためにウエストにコットンを裏打ちするなど、細かなところまで目が行き届いています。デニムだけでなくトップスやアウターなどトータルでアイテムを展開しているので、コーディネートもしやすいです。

ラグ&ボーン「フィット2 スリム」

デニムブランド7:ピーアールピーエス

出典:楽天市場

出典:楽天市場

元アカデミクスのデザイナーであるドンワン・ハレル氏と日本人デザイナーによって発足されたNY生まれのデニムブランドで、産声を上げたのは2002年のこと。高級素材として知られるアフリカのジンバブエコットンを使用し、日本の織機を駆使して生産しています。デビッド・ベッカム氏を始めとしたセレブリティーにも愛用されるなど、そのクオリティーはまさしく折り紙付き。この一本はすらっと美しいスリムシルエットとアメリカ産デニムならではのザラ感が魅力。バックヨーク裏に、リーの「ストームライダー」を思わせるブランケットライニングが施されているのもポイントです。

ピーアールピーエス「RAMBLER」

デニムブランド8:ギャップ

出典:楽天市場

出典:楽天市場

アメリカを代表するファッション量販店であり、今ではユニクロやH&M、ザラなどのファストファッション界隈で当たり前になったSPA(委託製造と自社店舗での販売を一貫して行う方式)の概念をいち早く提唱したブランドでもあるギャップ。ご存じのとおり、SPA方式のメリットは、中間コストのカットと大量生産によって高品質な製品をリーズナブルに販売できることです。なかでも、デニムは大量の販売数が見込めることもあって、SPAの強みを最大限に発揮できる商材。ギャップのジーンズは、しっかりとした生地や縫製に、よい意味で攻めすぎないノーブルなデザイン、さらには財布にやさしい価格設定と、日常使いにぴったりの要素を兼ね備えています。

藤原
藤原

ギャップのジーンズは低価格ではあるものの、レギュラー古着として流通しているはき込まれた同社のブランドのジーンズを見ると、モノ作りにこだわっていることがわかります。少し太めのシルエットもバランスよく、今の若い人にもハマるジーンズです。

ギャップ「ウォッシュウェル ソフトスリムデニム」

デニムブランド9:プリズンブルース

出典:楽天市場

出典:楽天市場

数あるアメリカンブランドの中でも、きわめて異色の存在と言えるプリズンブルース。1989年からオレゴン州の刑務所内で労働プログラムとして生産されているワークウェアブランドであり、当初は囚人服を生産していたのですが、現在は一般向けの製品もリリースしています。今や希少なMADE IN USAブランド、どころかMADE INSIDE USA(米国の牢屋製)というシビれるうたい文句で展開中。あくまで労務作業として生産されたジーンズのため、高品質ながらリーズナブルなうえ、どことなく無骨な佇まいなのもポイントです。

柴山
柴山

囚人が刑務作業の一環として作っているジーンズ、というエピソードだけでグッとくる人も多いはず。紙パッチにプリントされた“外で着るために塀の中で作っています”というメッセージもシャレがきいています。

プリズンブルース「リラックスフィット ジーンズ」

デニムブランド10:スティーブンソン オーバーオール

出典:楽天市場

出典:楽天市場

凄腕のビンテージディーラー&デニムのリペア職人にして、スタッズブランドHTCのディレクターでもあるジップ・スティーブンソン氏が作るデニムが、スティーブンソン オーバーオールです。1930年代から続くワークウェアファクトリーを生産背景に作られるデニムはいずれも無骨で男らしく、クラシック。そのアイテムにはブランドのシグネチャーとも言える1920年代以前の縫製を再現した1本針の折り伏せ縫いなど、ビンテージ好きらしいこだわりが随所に込められています。

こちらの「エンシニータス 150」は適度にゆとりがあるレギュラーストレートで、汎用性にすぐれるシルエットです。

柴山
柴山

1920年代頃のデニムや1950年代頃のストアブランドのアイテムに見られる1本針の折り伏せ縫いなど、マニアックな視点から再構築して仕上げられたジーンズは非常に独特。ガチッとしたマスプロダクション製品という面構えではなく、服を手仕事で仕立てていたころの温かみすら感じられる風合いです。

スティーブンソン オーバーオール「エンシニータス 150」

デニムブランド11:テラソン

出典:楽天市場

出典:楽天市場

米国のジーンズといえどデニム生地やジッパーは日本製で、縫製は中国といったブランドがほとんど。そんななか、徹底的にMADE IN USAにこだわり抜いているのがテラソンです。同ブランドの原理主義ぶりは徹底しており、リーバイスの「XX(ダブルエックス)」を生産していたコーンミルズ社のホワイトオーク工場が閉鎖される2017年まで同社のデニム地を使用(以後はディフュージョンラインにはそのままコーンミルズ社の生地を、スタンダードラインにはカイハラに特注した生地を使用)。また、革パッチはポートランドのタンナーグッズによるハンドメイド、リベットはケンタッキー州のメーカーのものを使用、そして加工を行わずリジッド状態でのみ販売しています。分厚いスレーキやバックポケットの補強など、随所に仕込まれた工夫ははき込んで使い倒すために施されたものであり、デニム本来の姿であるワークウェアとしてのあり方を真摯に追求しています。長く付き合っていきたいなら、まずはこちらのような王道のストレートシルエットから押さえておきましょう。

テラソン「アンカラ ストレートレッグ」

PART2:洗練されたデザインが特徴。「ヨーロッパ」のデニムブランド

ジーンズが長らくワークウェアとしてはかれてきた歴史を持つアメリカと異なり、ヨーロッパではあくまでファッションアイテムのひとつとしてとらえられてきたこともあって、デザイナーの個性や流行を反映したアイテムが多いのがヨーロッパ発デニムブランドの特徴。モダンでトレンドを踏まえた着こなしにジーンズを取り入れたいならば、以下のブランドたちが筆頭候補にあがるでしょう。

デニムブランド12:アー・ペー・セー

出典:楽天市場

出典:楽天市場

1987年にパリで生まれたアー・ペー・セーは、トータルウェアブランドの中でも特にデニムの品質が秀逸なことで有名。“フランスパンのよう”とも形容される、表面は硬く、中はやわらかい独自の生デニムを使った製品は、30年以上にわたって展開され続けるブランドの顔とも言える存在です。

なかでもおすすめしたいのが、定番型の「プチニュースタンダード」。股上深め&膝下テーパードという旬度の高いシルエットで、着こなしの格上げを簡単に叶えてくれます。そして、同ブランドならではの面白い試みが「バトラープログラム」。消費者がはき込んだ同ブランドのジーンズを店舗に持ち込み、色落ちや生地が問題ない状態と判断されれば、半額で新しいジーンズと交換してもらえるという仕組みです。はき込まれたジーンズはメンテナンスが施されて再び販売されるため、この仕組みはいわばユーザーを活用したエイジング加工であり、リユースであり、さらにはユーザーも大事にはきたくなるというサステナブルな試みです。いずれにせよ、デニム生地や縫製の品質に自信があるからこそ可能なサービスと言えるでしょう。

柴山
柴山

1990年代のデニム好きはアー・ペー・セー派かビンテージレプリカ派で二分されていたほど同ブランドのジーンズは人気で、今もその人気は継続中。すっきりとしたシルエットと美しい色落ちで、アメカジ以外のファッションにもよく似合うため、さまざまなコーデと組み合わせたい人におすすめです。

アー・ペー・セー「プチニュースタンダードジーンズ」

デニムブランド13:ディーゼル

出典:楽天市場

出典:楽天市場

1978年にレンツォ・ロッソ氏がイタリアで設立したディーゼル。共同設立者は、リプレイのディレクターやAGジーンズの創設でも知られるデニム界の重鎮、アドリアーノ・ゴールドシュミット氏で、創業当初からデニムは主力アイテムのひとつでした。デコラティブかつトレンド感のあるデザインを巧みに落とし込むクリエイティブで知られており、ハードなダメージ加工やラグジュアリーなシルエットがディーゼルのジーンズの特徴。しかしここで紹介するのは、2011年に発売するやいなや、極上のはき心地で大ヒットした「ジョグジーンズ」シリーズです。

スウェット素材をデニム生地のように織り上げており、デニムらしい風貌を残したまま着心地は部屋着級の快適さを実現。さらに、ディーゼルらしいハードな加工も可能と、まさに同ブランドの技術力とデザイン力の結晶と言えるアイテムです。こちらの一本も、職人の手作業によって精巧なビンテージ加工が施されています。

柴山
柴山

ディーゼルのジーンズは、ファッション誌の企画などでこれまで何度もスタイリングに活用してきましたが、その魅力はイタリアンストリートブランドらしいツヤっ気とインパクトのあるデザインです。特に名作「ジョグジーンズ」はイージーデニムの本命と言える一本です。

ディーゼル「D-KROOLEY ジョグ」

デニムブランド14:ジースターロゥ

出典:楽天市場

出典:楽天市場

1989年にオランダのアムステルダムで設立され、欧州のプレミアムデニムを代表するブランドとして知られるジースターロゥ。その代表作のひとつが、1996年に発表された世界初の立体裁断ジーンズ「エルウッド」です。2000年に発表された「リーバイス レッド」で一躍有名になった立体裁断ですが、実はデニムに取り入れたのはこちらのほうが先。雨宿り中のバイカーがはいていたデニムがインスピレーション源と言われており、膝部分を中心に25以上ものパーツで構成される構造は今見ても新鮮です。この一本はハードな生地加工も印象深い要素で、コーディネートの主役としても躍動。しかも、オーガニックコットンを採用したり、化学薬品を大幅削減したエコな染色を取り入れたりと、地球思いなアイテムでもあります。

ジースター「エルウッド 5620」

デニムブランド15:デンハム

出典:楽天市場

出典:楽天市場

ジョー ケイスリー ヘイフォードでパタンナーとして腕を磨いたジェイソン・デンハム氏が、2008年にオランダで設立したデンハム。生地から縫製、パーツ類まで日本で仕上げることによる高品質に加え、同社がデニム好きを惹きつけてやまないのがはいたときの美しさです。デンハム氏自身もパタンナーを務め、さらにイタリアの熟練パタンナーたちと共同で作り上げるシルエットは、適宜立体裁断が用いられ、飽和状態の5ポケットジーンズに新しい息吹を与えたとも言われています。特にこのテーパード型の「レイザー」は、日本で非常に高い人気を誇っているアイテムです。

そして、ブランドのデニム愛がひしひしと伝わる試みが、一部店舗で実施している無料のハンドウォッシュサービス。デンハムのジーンズを持ち込めば、スタッフが店先で手洗いしてくれるといううれしい施策です。長年はき続けるためのアドバイスもくれるため、お気に入りの一本に対する愛着が増すこと請け合いです。

藤原
藤原

デンハムといえば加工技術に定評がありますが、同ブランドらしい独特のシルエットを味わうなら、リジッドタイプもおすすめ。ファッション感度の高い大人の男性を魅了するこだわりの一本としてファンも多いですね。

デンハム「レイザー」

デニムブランド16:アクネ ストゥディオズ

出典:楽天市場

出典:楽天市場

アクネ ストゥディオズは、1996年にスウェーデンで創立されたファッション広告のクリエイティブ集団が、知人に向けてハンドメイドで作っていたジーンズが話題となり、現在は総合アパレルブランドへと成長しました。スカンジナビアンデザインらしいシンプルかつナチュラルで品のよいモノ作りが特徴で、生地の生産から縫製まで自社で手掛けています。

創業エピソードからもわかるとおり、ブランドの代表作のひとつがジーンズ。レディースを得意としていることもあってか、ユニセックスにはけるクリーンな印象のアイテムが多いのも特徴です。たとえば、この一本は美しくフェードしたインディゴデニムの色合いから、洗練されたムードを感じ取ることが可能。おまけに、計算された立体的なシルエットは“美脚見せ”も簡単に叶えてくれます。

柴山
柴山

ユニセックスでクリーンな印象のアイテムが多いですが、素材や縫製の質が非常に高いため、ハイブランドのアイテムと組み合わせても負けることはありません。パターンも巧みで、特にタイトなシルエットの一本なら、そのよさを存分に味わえます。

アクネ ストゥディオズ「North」

デニムブランド17:ヌーディージーンズ

出典:楽天市場

出典:楽天市場

日本でスキニーデニムを流行らせた立役者的存在がヌーディージーンズです。生産をイタリアで行うスウェーデンブランドとあって、デザイン重視のいわゆるセレブ系プレミアムデニムの一派かと思われがちですが、実は必ずしもさにあらず。使用している生地は色落ちにすぐれるカイハラ製のスペシャルオーダーで、“ジーンズははき込むうちに第二の皮膚になる”というコンセプトが表すように、経年変化による色落ちも秀逸です。

名作を世に数多く送り出している同ブランドですが、ハズさない一本としてレコメンドしたいのが、スキニーデニム人気に火をつけた不動の定番「シンフィン」。1950年代のキャロットシルエットをベースに、独自のセンスで美麗な細身シルエットへと昇華させています。ちなみに、こちらのモデルは特別にユーズド加工を施した日本限定モデルなので、無地Tシャツのシンプルなコーデでもこれさえあればサマになること請け合いです。

柴山
柴山

一般的にスキニーデニムといえば、ストレッチが強く入っているため色落ちが期待できませんが、ヌーディージーンズに限っては話が別です。日本が誇るデニム生地メーカーのカイハラと共同開発したデニムは、ストレッチ入りとは思えないワイルドな色落ちを見せます。

ヌーディージーンズ「シンフィン」

デニムブランド18:ヤコブコーエン

出典:楽天市場

出典:楽天市場

ジーンズのトレンドが、日本製のビンテージレプリカから欧州のプレミアムデニムブランドへと移り変わりつつあった2003年にデビューしたヤコブコーエン。その時代性を反映するかのように、ヤコブコーエンのデニムは「501」に範を取りつつも、イタリアらしいテーラードの技術で仕立てられているのが特徴です。スラックス的な立体縫製による美しいシルエットこそが同ブランドの持ち味であり、ジャケパンのスタイリングにおけるデニムの活用をいち早く提唱したことでも知られています。

ここでピックアップした「NICK」は、ブランドを代表するロングセラーとしておなじみで、ややローライズ気味のモダンなスリムテーパードシルエットが印象的。細身でありながら驚くほどノンストレスな着用感なのもさすがのひと言です。ちなみに余談ですが、新品のヤコブコーエンのデニムは独特なよい香りを発しているんですが、これは最後の色止め工程で使われる「パチョリ」というハーブによるもの。五感に訴えかけるモノ作りをしているあたりも、イタリアの伊達男らしいではありませんか。

ヤコブコーエン「NICK」

デニムブランド19:シヴィリア

出典:楽天市場

出典:楽天市場

1983年創業の実力派メーカー、ワンウェイ社が2006年にイタリアのアンコーナで創業したパンツブランド。クラシカルを根底に置きつつ、そのなかにモダンなアプローチを取り入れるのが、シビリアの得意技です。特にジーンズの完成度の高さには定評があり、スマートなタイトシルエットと驚くほどコンフォートなはき心地を両立したプロダクツは、日本でも高い評価を獲得。写真のモデルも見た目こそすらりとシャープですが、こだわりのパターンと動きを妨げないストレッチデニム素材によって、ワンランク上の快適さを実現しています。リアリティーあふれる経年加工にも注目したいポイント。

柴山
柴山

ちょいワル親父なジャケパンスタイルにぴったりのイタリアンデニムです。イタリアは元々、美しいスラックスを作る専業メーカーが多いのですが、こちらもそんなイタリア発のファクトリーブランドのひとつ。いわゆるピタピタではなく少しゆとりを持たせているので、大人もはきこなしやすいです。

シヴィリア「ブラックデニム ブラスト ダメージ」

デニムブランド20:ピーティートリノデニム

出典:楽天市場

出典:楽天市場

2008年に設立されたイタリアの人気パンツ専業ブランド、ピーティートリノのデニムラインが、ピーティートリノデニムです。実は、ピーティートリノは元々ピーティー01で、ピーティートリノデニムはピーティー05というブランド名でしたが、2020年にそれぞれ現在のブランドネームへと刷新されています。デザインとしては、イタリアブランドらしい端正なシルエットと、ウォッシュやダメージを駆使した加工の多彩さが大きな魅力。また、ブランドの母体がファブリックメーカーということもあって、生地の品質もハイクオリティーを誇っています。本作はスーパースリムフィットの人気型「スウィング」。バックポケットの位置をあえて高めにすることで、足を長く見せるスタイルアップ効果を実現しています。

ピーティートリノデニム「スウィング」

PART3:高い技術力で独自の進化を遂げる「日本」のデニムブランド

かつてアメリカから中古で輸入した旧式力織機を現在に至るまで現役で稼働させ続け、世界に誇るデニムの産地となった岡山県児島。日本のデニムは、その生産背景のもと、糸の構造や織りの本数、洗い方に至るまで徹底的に研究が重ねられてきました。今では本家アメリカを超えた実力を有している、というよりも世界各国のハイクオリティーなデニムのほとんどは、実は日本で作られていると言っても過言ではありません。

デニムブランド21:エドウイン

出典:楽天市場

出典:楽天市場

創業60年を超える老舗エドウイン。日本のデニムブランドの多くが岡山県・児島の協力工場でモノ作りを行うのに対し、エドウインは古くから自社工場を有し、ワンウォッシュやストーンウォッシュ加工をいち早く取り入れるなどオリジナルなモノ作りを実践してきました。そして、同社の開発力の高さが伝わる好例が、フラッグシップたる「503」。専用の液体アンモニアに生地を浸すことで繊維を膨らませる「EKIAN加工」を用いることで、しなやかで快適なはき心地と日本人好みの濃紺を両立させ、1990年代の大ヒット作となったのです。

そして、現行の「503」は、「EKIAN加工」の魅力を最大限に引き出すために、繊維製品メーカーのクラボウ(倉敷紡績株式会社)の特許技術を使った精紡交撚糸を経糸に使ったデニムを採用するなど、さらなる進化を遂げています。さらに、オゾンの力で洗うエアウォッシュを加工に取り入れているのもポイント。これにより、生産時の使用水量を大幅に削減することに成功しています。

柴山
柴山

エドウインは単なるデニムブランドではありません。自社で縫製・加工工場を所有する、世界でも数少ないデニムメーカーのひとつです。同社の技術が込められた「503」は、当時、人気絶頂だった俳優、ブラッド・ピットが「ゴォ〜マ〜リ〜サン〜♪」と歌うCMで大ヒットしたことを覚えている人も多いのでは?

エドウイン「503 レギュラーストレート」

デニムブランド22:ドゥニーム

出典:楽天市場

出典:楽天市場

ビンテージレプリカのデニムブランドが“雨後の筍(うごのたけのこ)”のように誕生した1990年代の日本。そのなかで頭ひとつ抜けたモノ作りを実践していたのが、1988年にデニム界の巨匠として知られる林 芳亨氏が立ち上げたドゥニームです。ロープ染色やムラ糸、旧式力織機といった今ではおなじみのワードは、ドゥニームのモノ作りとともにデニム好きの間に広まっていったと言っても過言ではありません。特に人気なのが、ブランド創設時よりラインアップされている看板ジーンズ「XX」。ちなみに、2022年にブランドの公式サイトとSNSが突如閉鎖されましたが、2023年にウエアハウスの手によって電撃的に復活しました。写真の一本は、ウエアハウス製になる前に30周年記念として「66モデル」をシリアル入りで真空パックしたもの。ひょっとしたら数十年後にビンテージとして価値が出るかも!

藤原
藤原

ビンテージレプリカの先駆者ブランドであり、ここ最近再び注目を浴びているブランドのひとつです。1990年代の面影を復活したような定番のストレートジーンズですが、しっかりとビンテージ感を出しつつも、イメージを変えていない、安定したジーンズだと思います。

ドゥニーム「30th記念 真空パックデニム」

デニムブランド23:リゾルト

出典:楽天市場

出典:楽天市場

前述したドゥニームから続く話ですが、創業者である林氏が2010年に新たに立ち上げたデニムブランドがリゾルトです。ビンテージレプリカブームが去った後の設立ながら、林氏らしいこだわりのモノ作りと“美しいはき味”は健在。しかも、定番モデル「710」は、リーバイスの「66モデル」のシルエットや仕様をベースにしつつ、誰もが裾上げせずにはけるように7種類のレングスをラインアップしています。そのため、ジーンズ本来の美しいシルエットを、裾上げによって崩すことなくはけます。実はアメリカでは、「501」も幅広いレングス展開で販売され、裾上げせずにはくのが本来の姿。単に製品の再現だけでなく、実際のはき方に至るまでリアルに再現してみせるあたり、林氏の本気ぶりがうかがえます。

柴山
柴山

元ドゥニームの林氏が新たに立ち上げたデニム専業ブランドです。裾上げによってジーンズ本来のシルエットが崩れないように、レングスが細かく設定されているのが最大の特徴です。ウエストが細めでお尻が薄めの体型の人がジャストではくと、とても美しいシルエットに仕上がります。

リゾルト「ジーンズ Lot 710」

デニムブランド24:レッドカード

出典:楽天市場

出典:楽天市場

エドウインで「503」の立ち上げに関わり、リーバイスで「501」のモデルチェンジを手掛けるなど、世界的なデニムデザイナーとして知られる本澤裕治氏が2009年にスタートしたのが、レッドカード。国内の生産背景を生かした上質なデニム生地やリアリティーあふれるビンテージ加工を強みとするいっぽう、日本人の体型とトレンドにフィットした軽やかな仕立ても得意としています。定番モデル以外が欲しいけれど、欧州プレミアムデニムのようにツヤっぽいモデルは気恥ずかしい……。そんな方にこそ、トレンドを適度に取り入れながら抑制のきいたデザインと絶妙な価格設定のレッドカードが、ピタリとハマってくれるでしょう。

なかでも看板作の「リズム」は、持っておいて間違いなしのプロダクト。浅めの股上と流れるようなテーパードシルエットが、こなれたスタイルを演出してくれます。こちらの一本は軽量でもちもちとしたストレッチデニムを用い、スキニーならではの窮屈さを感じさせません。

レッドカード「リズム」

デニムブランド25:オアスロウ

出典:楽天市場

出典:楽天市場

独学でオリジナルジーンズを製作し、服飾学校を経て岡山・児島の老舗デニム工場へと就職した仲津一郎氏が2005年に設立したオアスロウ。徹底して日本製にこだわり、企画からパターン製作まで行うだけでなく、サンプル製作はデザイナー自身が縫製するという職人肌なブランドとしても知られています。仲津氏は、アトリエに買い集めたビンテージミシンを並べているほか、6歳のときに出会った1950〜60年代のデニム生地の色落ちを求めてブランドを立ち上げたほどのビンテージ好き。しかし、単にビンテージを精巧に再現するのではなく、現代を生きる大人の普段着としてマッチする絶妙な塩梅の仕上がりこそが、オアスロウの魅力です。

オアスロウ「IVY FIT 107 JEANS」

デニムブランド26:ヒステリックグラマー

出典:楽天市場

出典:楽天市場

1984年に北村信彦氏によって創設されたヒステリックグラマー。2021年に名作のスネーク柄がシュプリームとのコラボデニムジャケットで復活したり、1990年代に大ヒットを記録した「キンキージーンズ」が再発売されたりと、デニム界隈で何かと話題に欠かないブランドでもあります。

そして、アメリカンカジュアルに1960〜70年代のロックカルチャーをミックスするブランドだけあって、そのジーンズもロック精神が反映されたインパクトあるデザインが特徴。タイトなシルエットにダメージ加工やプリントを施したジーンズは、コーディネートの主役として申し分ありません。写真のモデルは、色味の違うパンツを解体して再構築した一本。定番のTYPE LOGOを並べたプリントが、アイデンティティーをさらにアピール!

柴山
柴山

スネーク柄に染め抜かれたデニムや、さまざまなデニム生地をボーダー柄でパッチワークしたベルボトムなど、衝撃的なルックスのヒット作がいくつも存在するブランドです。1990年代終わり頃のファッション雑誌のスナップは“ヒス一色”というほどの人気ぶりでした。そして、その存在感はいまだに健在!

ヒステリックグラマー「TYPE LOGO ローライズスリムストレートデニムパンツ」

デニムブランド27:クロ

出典:楽天市場

出典:楽天市場

その名前とおり、日本人の瞳や髪の色である「黒」をテーマに掲げ、MADE IN JAPANを守り続けているクロ。2010年のブランド設立当初から、そのデニムコレクションはファッション感度の高い人々からの支持が厚く、海外でも高い人気を獲得しています。定番モデルの1つ「アベニール」は、とにかくフォルムが秀逸。腰周りにゆとりのあるストレートシルエットをベースにしながら、ひざ下を適度にテーパードさせて美麗な印象に仕上げています。

クロ「アベニール」

デニムブランド28:ジョンブル

出典:楽天市場

出典:楽天市場

1952年に学生服メーカーのカネワ被服として創業した後、国産デニムの製造をスタートし、1967年にジョンブルとして立ち上がったのが同社の生い立ち。岡山・児島に有する自社の生産背景を使った質実剛健なセルビッジデニムのみならず、独自開発のストレッチデニムを積極的に使用したり、あえてライトオンスの生地を用いてモダンなデザインに仕上げたりと、デニムという素材を知り尽くしたモノ作りこそが、ジョンブルの真骨頂です。こちらのジーンズでは、通常の横伸縮に加え、縦の伸縮性もプラスしたオリジナルの2WAYストレッチ生地を採用。シュッとした美フォルムでありながら、締め付け知らずの気持ちよさです。

ジョンブル「ダブルストレッチテーパードジーンズ」

デニムブランド29:フルカウント

出典:楽天市場

出典:楽天市場

ビンテージレプリカブーム真っ盛りの1992年に創業したフルカウント。“家に帰っても寝るまで脱ぎたくないジーンズ”をテーマに掲げ、日本人のデイリーウェアとしてのモノ作りを行ってきました。そのモノ作りが最も伝わるエピソードが、他社に先駆けてオーガニックのジンバブエコットンをデニム生地に使用したこと。ジンバブエコットンは繊維長が平均35mmを超える超長綿の一種であり、しなやかで毛羽が少なく伸縮性にすぐれたデニムに織り上がるのです。その着心地のよさは「なんだかフルカウントの生地は薄い気がする……」と勘繰りそうになるほど。もちろん定番の生地では13.7オンスと生地厚をしっかりと確保していますが、ともすれば11〜12オンスぐらいの生地と勘違いしそうなほどライトなはき心地を実現しているのです。

柴山
柴山

リジッドデニムを色落ちさせてみたいけれど、窮屈なはき心地はイヤ……というわがままな人は、迷わずフルカウントを選びましょう。ジンバブエコットンならではのしなやかさあふれるタッチは、デニムに苦手意識がある人こそ体験してみてほしいですね。

フルカウント「1108 STRAIGHT LEGS」

デニムブランド30:マインデニム

出典:楽天市場

出典:楽天市場

スタイリストの野口強氏がディレクションを手掛け、岡山の自社工場で生産から加工まで行うMADE IN JAPANブランドのマインデニム。木村拓哉を始めとした、デニム好きとして知られるファッションアイコン御用達のブランドでもあり、なかでもスリムストレートのシルエットの美しさは群を抜いています。Tシャツを使ったスタイリングの妙で知られる野口氏渾身の一本を味わい尽くすなら、同じく同氏がディレクションを務めるスティーローのフォトプリントTシャツなどでコーディネートしたいところです。

藤原
藤原

プロデューサーのこだわりに裏打ちされたブラックデニムの人気は、マインデニムならでは。こちらも、ファッション感度の高い大人な男性に向けた、コンセプトがしっかりしたブランドです。

マインデニム「S.Slim STR 5pocket」

デニムブランド31:サムライジーンズ

出典:楽天市場

出典:楽天市場

ビンテージレプリカ全盛の1998年に大阪で創業したサムライジーンズ。多くのレプリカブランドが「501」と同様に13.5〜14オンス前後のデニムを使用するなか、同ブランドでは15〜24オンスにおよぶ肉厚なデニムを多用するのが特徴です。激しい縦落ちに加えて、シルバーラメの入った「刀耳セルビッジ」や「鉄製松ノ木ボタン」「銅製銭型リベット」「諸行無常スレーキ」といった和のテイストを取り入れたアクの強いオリジナルディテールも、1990年代に誕生した関西のレプリカブランドらしいところ。思わずニヤリとさせられます。

柴山
柴山

関西らしさあふれるパンチのある生地やディテールワークは好き嫌いが分かれるかもしれませんが、とにかくゴツくてタフなジーンズが欲しい方はこちらがおすすめ。シルエットそのものは「501」を踏襲したシンプルなもののため、意外とはきやすいですよ。

サムライジーンズ「S710XX 19oz」

デニムブランド32:桃太郎ジーンズ

出典:楽天市場

出典:楽天市場

「デニム=岡山=桃太郎=桃太郎ジーンズ」と、まさに岡山・児島が誇るご当地ブランド代表と言えるのがこちら。その最大の特徴は“世界で最も濃い”とも称されるインディゴ染めです。しかも、単に濃いだけではなくロープ染色によって糸の芯には白を残しつつ、表面はほぼ黒に近い濃紺に染め上げて紡績されるため、はき込むほどに激しい経年変化を見せてくれます。また、自社内に藍染め用設備を有しており、定期的に本藍を使った手染め・手織りのデニムを発売するなど、染めにこだわった独自性豊かなモノ作りを行っているのも同ブランドの特色です。ヒップの2本線をトレードマークとする「出陣レーベル」から登場した一本は、15.7オンスの特濃セルビッジデニムを素材に抜擢。シルエットは王道的な細身ストレートで多彩なスタイリングとマッチしてくれます。

柴山
柴山

メディアの工場取材でも、染色の工程は撮影NGが出るほど企業秘密だらけです。特にデニムはほかの染料よりも扱いが難しいインディゴを使うため、色濃く染めるためには特別な手間と技術が必要とされているんでしょう。

桃太郎ジーンズ「0705SP」

デニムブランド33:エヴィス ジーンズ

出典:楽天市場

出典:楽天市場

国産レプリカデニムブームの最初期から活躍する老舗ブランドであり、カモメマークのペンキステッチでおなじみのエヴィス。ルーズでワイドなシルエットのジーンズをいち早く日本で提唱したことでも知られており、1990年代のストリートがエヴィス一色に染められたのは大人世代にとって懐かしい記憶でしょう。最近は、海外のライセンス生産モデルを、JAY-Zやトラヴィス・スコット、リル・ウージーといった大御所ヒップホップミュージシャンがはいたことで爆発的な人気を記録。その人気は日本にも波及し、'90sリバイバルやビッグシルエット&ヒップホップブームと一体となって、再びエヴィスが注目を浴びつつあります。

本モデルは、両側のバックポケットにあしらった細めのカモメペイントがチャームポイント。生デニムである「No.1」の生地感から、セルビッジ、リベットまで、オーセンティックなムードです。

柴山
柴山

ペンキで手描きされるステッチはさまざまなバリエーションがあり、バックビューの決め手になるインパクトがあります。1990年代に大ブームを巻き起こした際は、両足の膝裏からお尻にかけて大きく“M”のマークが入るビッグカモメ仕様のジーンズをワイドにはくのが定番でした。

エヴィス ジーンズ「No1 #2001」

デニムブランド34:ステュディオ・ダ・ルチザン

出典:楽天市場

出典:楽天市場

フランスで服飾を学び、1970年代後半に大阪アメリカ村で「マリジュアン」という伝説的なセレクトショップを営んでいた田垣繁晴氏が立ち上げたステュディオ・ダ・ルチザン。1990年代のレプリカブームよりも早く、1979年から旧式力織機によるセルビッジデニムを用いたジーンズ作りに取り組んでおり、いわば“「501」レプリカブランド”の元祖的存在でもあります。創業当初から児島に生産拠点を置いており、現在はデニム洗い加工大手の晃立(岡山県倉敷市児島)のグループ会社になったこともあり、裁断から縫製、加工に至るまで一貫して自社工場で行うことができる数少ないジャパンブランドのひとつです。

ステュディオ・ダ・ルチザン「SP-085」

デニムブランド35:ウエアハウス

出典:楽天市場

出典:楽天市場

1995年の創業以来、一貫して忠実なビンテージ古着の復刻にこだわり、糸1本からステッチの縫い目の本数、パーツごとの糸数に至るまで正確に再現を行うことで知られるウエアハウス。その再現ぶりは「色落ちしてしまえば、タグを見ない限りビンテージと判別がつかない」と言われるほどです。徹底してリアルさにこだわるゆえに長らくユーズド加工をリリースしてこなかった同ブランドですが、2018年に満を持してリリースした加工モノが「2nd-Hand」、通称“セコハン”シリーズです。デザイナーの塩谷兄弟が所有するビンテージから色落ちをサンプリングし、レーザー加工とウォッシュ、天日干し、サンディングにブラストなど複数の加工を重ねた色落ちと風合いは、まさにビンテージそのもの。ゴールデンレングスの30インチでリリースしているのも、せっかくの裾の色落ちを丈上げしなくて済むように、という配慮なのです。

藤原
藤原

一緒に仕事をさせていただいたことがあるブランドですが、デザイナーのビンテージに対する知識と研究は、ほかのブランドにはないほどのこだわりようです。色落ちの加工と今の時代に合った短いレングスなど、ほかのブランドがやらない、ファッション好きも納得するジーンズを理解した作り込みで、私も尊敬するデニムブランドです。

ウエアハウス「LOT1105」

デニムブランド36:キャントンオーバーオールズ

出典:楽天市場

出典:楽天市場

キャントンは、アメリカから輸入された中古デニムをはくのが当たり前だった1960年代前半に、大石貿易がアメリカのキャントンミルズ社からデニム生地を輸入してマルオ被服(現・ビッグジョン)に縫製を依頼し、1963年に立ち上がったデニムブランド。一説にはデニム国産第一号とも言われるブランドで、タロン社のジップやスコビル社のリベットも輸入して使用するなど、こだわり抜いた作りで人気を博しました。しかし、惜しくも1970年代に活動を休止。一時は表舞台から姿を消しましたが、2008年に日本産のデニムを使用して、キャントンオーバーオールズの名で復活を遂げました。

新生キャントンでは、当時のこだわりを継承したクラフトマンシップあふれるモノ作りを続けるいっぽうで、MHL.や1LDKといったブランドやショップとのコラボレーションを行うなど、ファッション感度の高いクリエイターやデニム好きからも厚い支持を集めています。

柴山
柴山

ビンテージのキャントンは、ビンテージジーンズの代名詞モデル「XX」と同じ生地を使っていたのではないか? など、マニアックなデニム好きたちの手によって解析が進められている伝説のブランドです。現在のラインアップはオーセンティックな5ポケットやデニムジャケットが中心で、そちらも国産最古の歴史に恥ずかしくないクオリティーを実現しています。

キャントンオーバーオールズ「552-02」

デニムブランド37:ビッグジョン

出典:Amazon.co.jp

出典:Amazon.co.jp

キャントンと並んで国産第一号のデニムブランドと噂される老舗が、ビッグジョンです。創業は同じく1963年で、アメリカのコーンミルズ社からデニム地の供給を受けて生産を開始しました。実はキャントンの西日本用の商品を製造していたのが、ビッグジョンだったと言われています。いち早くビンテージ加工を取り入れた後も、そのビンテージ加工ジーンズを3Dパターンや日本人向けシルエットに改良したモデルをリリースしたり、1973年には国産デニム地を採用した純国産ジーンズを発表したりと、積極的に技術開発。1970〜80年代にかけて定番のデニムショップへと成長しました。近年は歴史ある生産背景を武器に、ロンハーマンを始めとしたセレクトショップとコラボするなど、デザイン面でもリフレッシュを遂げています。

ビッグジョン「M3 キャロットレッグ テーパード」

デニムブランド38:バーガス プラス

出典:楽天市場

出典:楽天市場

東京・上野のアメ横で長年にわたって良質なアメリカンカジュアルを提供し続けている老舗ショップのヒノヤ。そんな同店のオリジナルブランドとして1997年に誕生したのが、バーガス プラスです。そのコンセプトは“究極のベーシック”で、時代やトレンドに左右されない筋の通ったデイリーウェアを展開しています。なかでも人気なのが、ビンテージのニオイを色濃くまとったジーンズ。

この「771」もそんな1本です。はき込むほどに深いインディゴブルーに濃淡が生まれ、ビンテージ調のヒゲやハチノスがはっきりと表出。シルエットはシャープのストレート型で、汎用性が抜群です。

バーガス プラス「Lot.771」

デニムブランド39:ジャパンブルージーンズ

出典:楽天市場

出典:楽天市場

母体となった岡山・児島のテキスタイルメーカーが海外展示会に生地見本として持ち込んだジーンズが話題となってヨーロッパで火がつき、日本に逆輸入されたブランドがジャパンブルージーンズです。そのため、日本の高品質なデニム生地を用いつつ、スキニーやタイトシルエットといったヨーロッパ流のファッションコンシャスなシルエットを持ち味としています。また、一般的なジーンズ作りでは、生産効率と伸び縮みするデニム生地の特性から“シュリンクトゥフィット”(直線で裁断し、洗って縮んだものをはくことで体の曲線に合わせる設計)が一般的。しかし同社では、看板商品「サークル」シリーズでウエスト部分のベルトを曲線に設定することで快適さを追求するなど、日本ブランドらしい細やかな気遣いのアイテムを提案し続けています。

ジャパンブルージーンズ「J301」

デニムブランド40:ベティスミス

出典:楽天市場

出典:楽天市場

ビッグジョンの下請け工場として1962年に創業し、国内初の女性用デニム専門メーカーとして立ち上がったベティスミス。自社工場を背景にさまざまなブランドのOEMを行うほか、生地や縫製、ボタンなど細かな仕様をパターンオーダーできる「倉敷オーダージーンズ」のサービスをスタートするなど、ファクトリーブランドらしい取り組みを行っています。なかでも、本モデルはセルビッジデニムを用いて仕上げたベーシックなスリムストレート。パターンオーダーする前に、色落ちやはき心地を確認する一本としてもおすすめです。

柴山
柴山

実は、倉敷・児島をデニムの聖地として国内外に向けて猛烈にプッシュしているのがベティスミス。行政と一体となって工場見学ツアーなどを主催しており、児島のデニム文化の担い手としても目が離せません。

ベティスミス「711」
関連記事
Gジャンを選ぶなら大人らしさにこだわって! 定番&高コスパブランド20選
Gジャンを選ぶなら大人らしさにこだわって! 定番&高コスパブランド20選
アウターとしてもインナーとしても活躍するGジャンですが、大人らしく着こなせるGジャンとは一体どんなものなのでしょうか? 選びのポイントとおすすめ品をご紹介!
2025/02/21 19:00
メンズブーツブランド厳選20! 国内外から名門メーカーばかりを選別
メンズブーツブランド厳選20! 国内外から名門メーカーばかりを選別
ブーツの魅力は存在感のある面構えと、信頼に足るタフさ。コンフォートな靴ばかりがもてはやされる今だからこそあえて履きたい、ブーツのおすすめブランドを紹介しよう。
2025/03/11 18:00
那珂川廣太
Writer
那珂川廣太
バイク専門誌と男性向けライフスタイル誌で編集を約8年務めたのち独立。ファッションはアメリカンカジュアルからトラッドまで幅広く執筆を行い、特にブーツやレザー、ジーンズ、古着の知識が豊富。
記事一覧へ
岡田 太(編集部)
Editor
岡田 太(編集部)
雑誌とWebでファッション/ライフスタイル系メディアの編集長を務め、「価格.comマガジン」へ。被服費&趣味関連の散財でクレジットカードを使い倒してきた経験を生かし、現在はクレカを中心としたマネー記事を担当。
記事一覧へ
本ページはAmazonアソシエイトプログラムによる収益を得ています
関連記事
SPECIAL
ページトップへ戻る
×