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新型登場で選択肢が増えた次世代タバコ。それぞれどんな人に向いている?

《2019年最新》「アイコス」「グロー」「プルーム」を比較! 加熱式タバコの現状まとめ

2016年の加熱式タバコブームから、早いものでもうすぐ3年になる。2018年11 月には「アイコス」を販売するフィリップ・モリス・ジャパン(PMJ)が、今年1月には「プルーム・テック」を発売するJTが、それぞれ新型2種を発表した。その結果、2019年3月現在、加熱式タバコの選択肢は7つもあり、ユーザーにとってはうれしい半面、機種選びが難しくなった。そこでここでは、「アイコス」(PMJ)、「グロー」(BAT)、「プルーム」(JT)それぞれの特徴と現状を、改めてまとめてみたい。

上段左から、「アイコス 3 マルチ(IQOS 3 MULTI)」「アイコス 3(IQOS 3)」「プルーム・エス(Ploom S)」「プルーム・テック・プラス(Ploom TECH+)」「プルーム・テック(Ploom TECH)」、下段左から「アイコス 2.4 プラス(IQOS 2.4 PLUS)」「グロー(glo)」

ブーム当初は生産が追いつかず争奪戦になっていた「アイコス」だが、今はコンビニなどでも手に入るようになった

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・【使ってみた】新型アイコスは、「コンパクト」「連続10本吸い可能」の2機種!
・【動画】新型アイコス「3」と「3 マルチ」メーカー推奨の正しい掃除術
・「glo(グロー)」は「アイコス」の欠点を解消できる? 第3の加熱式タバコをいち早く体験した
・「プルーム・テック」と「プルーム・テック・プラス」を比較! 低温加熱式タバコはどっちがイイ?
・「プルーム・エス」と「グロー」を比較! それぞれどんな人に向いている?

<目次>
・燃やさないから煙が出ない「加熱式タバコ」
・「高温加熱式」と「低温加熱式」
・タバコ感最強機種「アイコス」
・フレーバー数が豊富な「グロー」
・圧倒的にニオイが少ない「プルーム・テック」
・低温加熱式の限界まで喫味を強くした「プルーム・テック・プラス」
・高温加熱式でもニオイの少ない「プルーム・エス」
・「アイコス」「グロー」「プルーム」はそれぞれどんな人に向いている?

燃やさないから煙が出ない。スモークレスが特徴の加熱式タバコ

加熱式タバコは、紙巻きタバコのようにタバコ葉に直接火をつけるのではなく、タバコ葉に熱を加えてニコチンを発生させる。煙が出ない代わりに、タバコ葉に含ませたグリセリン類によって蒸気を発生させて煙の代替とする。

したがって、モノを燃やす時に発生するタールの量が9割以上減り、人体への悪影響が低減できるというのが特徴だ。この「タールの悪影響低減」に関してはさまざまな議論が巻き起こっているが、加熱式タバコもニコチンを含むタバコであることは変わらないので、もちろん無害というわけではない。それでも、紙巻きタバコよりマシなことは確かだろう。副流煙についても同様だ。しかも、紙巻きタバコは1度火をつけると常に発煙するが、加熱式タバコは吸っている間しか蒸気を発生させない。PMJは、このような喫煙関連のリスクを低減する取り組みを「ハームリダクション(被害低減)」という考え方で訴えており、この理念はほかの2社にも共通している。

なお、加熱式タバコは税金がかかっている立派な「タバコ」であり、日本で流通しているノンニコチン・ノンタールの「電子タバコ(VAPE)」とはまったく別モノであるということは覚えておきたい。

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加熱式タバコから発生する蒸気は、紙巻きタバコの煙とは違い刺激臭が少ないうえ、服や髪にニオイがつきにくい(写真はアイコス 3 マルチ)

加熱式タバコには「高温加熱式」と「低温加熱式」の2種類がある

加熱式タバコは、加熱温度によって大きく2種類に分けられる。ひとつは「アイコス」(約300〜350℃)、「グロー」(約240℃)、「プルーム・エス」(約200℃)のような高温加熱式。もうひとつは、「プルーム・テック」(約30℃)、「プルーム・テック・プラス」(約40℃)が採用している低温加熱式だ。基本的には高温加熱式のほうが喫味が強くなり、ニオイも強い。低温加熱式は喫味が弱くなる半面、ニオイが限りなく少ないという特徴がある。

加熱式タバコそれぞれの特徴

ここからは、「アイコス」「グロー」「プルーム」それぞれの特徴を見ていこう。

紙巻きタバコユーザーも不自然さを感じにくい、“タバコ感”最強機種「アイコス」

人によっては「ポップコーン臭」と呼ぶ、独特の酸味のある臭気は感じるものの、喫煙者が吸って1番違和感の少ないタバコ感を感じさせてくれるのが「アイコス」で、喫味の強さはNo.1だ。2018年11月に「アイコス 3」と「アイコス 3 マルチ」が発売され、従来機「アイコス 2.4 プラス」と合わせて3機種展開となっている。

「アイコス」の喫味が強いのは、本体またはホルダーに内蔵された加熱ブレードに専用カートリッジ「ヒートスティック」を刺して内側からタバコ葉を直接加熱するからだ。さらに加熱温度も300〜350℃と、全機種中で最高になっている。ただその分ニオイもきついのが、弱みといえば弱みだろう。

従来機「アイコス 2.4 プラス」より壊れにくく進化した「アイコス 3」(左)と、約10本連続吸いが可能な「アイコス 3 マルチ」(右)

内部の加熱ブレードにヒートスティックを刺して内側から加熱することで、強い喫味を実現

内部の加熱ブレードにヒートスティックを刺して内側から加熱することで、強い喫味を実現

「アイコス 2.4 プラス」は、まず「アイコスポケットチャージャー」を充電し、そこからさらに「アイコスホルダー」を充電するという、まどろっこしい2段階充電方式だ。「アイコス3」は同様の方式を採用しているが、「アイコス 3 マルチ」はバッテリー一体型になっている。これにより、機種によっては、「アイコス」の弱点と言われていた連続吸いも可能になった。新たに登場した2機種の場合、加熱完了までの待ち時間は20秒で、喫煙持続時間は約6分間となる。

「アイコス 2.4 プラス」は、「アイコス 3」よりも本体の値段が3,000円安い7,980円(税込)。加熱部の構造は変わっていないので、喫味もほぼ変わらない。導入コストを安く済ませたい、堅牢性は気にしないという人ならば、選択肢に入るかもしれない

30円安い新銘柄「ヒーツ(HEETS)」が追加され、ヒートスティックは全11種類に

紙巻きタバコユーザーの加熱式タバコへの切り替えの可否を左右するのが、好みの味わいに出会えるかどうかだ。2019年3月現在「アイコス」には、全11種類(地域限定販売製品を含まない)のヒートスティックが存在する。「マールボロ」7種類と、「アイコス」のために開発された新銘柄「ヒーツ」4種類だ。「ヒーツ」は前述のアイコス臭が抑えられているほか、価格も「マールボロ」(税込500円)より30円安い470円(税込)となっている。

全国発売されている「マールボロ」はレギュラー3種、メンソール4種の計7種類。喫味は強いがニオイもきつい

全国発売されている「マールボロ」はレギュラー3種、メンソール4種の計7種類。喫味は強いがニオイもきつい

2019年2月に全国発売となった「ヒーツ」はレギュラー3種、メンソール1種の計4種類

2019年2月に全国発売となった「ヒーツ」はレギュラー3種、メンソール1種の計4種類

バッテリー一体型で連続吸いが可能。洗練されたデザインも魅力の「グロー」

細身の専用カートリッジ「ネオスティック」を採用しているだけに、「アイコス」ほどタバコ感は強くないが、普段から「ケント(KENT)」ブランドを吸っている人や、軽めのメンソールを吸っている人に評判がいいのが「グロー」だ。本体の穴にネオスティックを差し込み、周囲から240℃で加熱する周辺加熱式を採用している。バッテリー一体型で、そのまま約30本分連続して吸うことができるのが大きなメリット。加熱完了までの時間は約40秒で、喫煙持続時間は約3分半となっている。なお、「グロー シリーズ2」という新機種が発売されているが、機能は同じ。また、2019年3月21日からは、コンパクトサイズで約15本連続して吸うことができる新モデル「グロー シリーズ2ミニ」が全国で順次発売予定だ。

「グロー」のデザインは洗練されており、さながらアップル製品のようなたたずまい。バッテリー一体型で「アイコス 3」のアイコスホルダーよりも重量はあるが、手のひらにスポッと収まるので、さほど重くは感じない

本体上の穴にネオスティックを挿入して使用する。「アイコス」のようなブレードがない分、手入れも簡単で、この穴に専用ブラシを通すだけ

左から、「グロー シリーズ2ミニ」「グロー シリーズ2」「グロー」

左から、「グロー シリーズ2ミニ」「グロー シリーズ2」「グロー」

ネオスティックのフレーバーは最多の18種類

「グロー」は、何と言っても選べるフレーバーが多いのが利点。もはや、色でフレーバーを覚えるのも難しいほどだ。「ケント」は10種類、後発銘柄「ネオ(neo)」でさえ8種類もある。とくにメンソールは14種類という選択肢の多さで、メンソール好きでも頭を悩ませてしまうだろう。また、フィルター内のカプセルを潰して清涼感をアップさせる「カプセルメンソール」は、加熱式タバコでは「グロー」でしか味わえないので、好きな人なら選択の理由になるはずだ。

そして、何と言っても「グロー」の存在感を一気に強くしたのが、2018年7月に発売された新シリーズ「ネオ」である。「グロー」のために新たに開発されたダークな重厚感あふれる吸い心地で、細身のスティックからは想像できない、深い味わいがあるのが特徴。特にレギュラーは、かなり紙巻きタバコに近づいた味わいだと感じた。

「ケント」はレギュラー2種、メンソール8種。ここまで種類があると、全部味わうだけでひと苦労だ

「ケント」はレギュラー2種、メンソール8種。ここまで種類があると、全部味わうだけでひと苦労だ

「ネオ」はレギュラー3種、メンソール5種。加熱式タバコのイメージをくつがえす渋みと深みを味わえる

「ネオ」はレギュラー3種、メンソール5種。加熱式タバコのイメージをくつがえす渋みと深みを味わえる

ニオイの少なさは、高温加熱式になっても変わらない「プルーム」

3メーカーの中で唯一、低温加熱式タバコの「プルーム・テック」を販売して独自路線を歩んでいたJTだが、2019年1月には、「プルーム・テック」同様の低温加熱式「プルーム・テック・プラス」に加えて、高温加熱式の「プルーム・エス」を発売し、高温加熱式タバコでも市場参入を果たした。「プルーム・テック」も引き続き併売されるので、JTは低温加熱式タバコ2機種、高温加熱式タバコ1機種という3機種体制になっている。

圧倒的なニオイの少なさだが喫味は軽い「プルーム・テック」

高温加熱式タバコがスティック内のタバコ葉を直接加熱するのとは違い、「プルーム・テック」はグリセリン類を加熱して発生させた蒸気を、微細に刻まれたタバコ葉を仕込んだ「たばこカプセル」に通過させることによってニコチン入りの蒸気を出すという、VAPE(電子タバコ)に近い仕組みを採用している。しかも、加熱温度は約30℃と低温だ。そのため、「プルーム・テック」はニオイが驚くほど少ない。隣で吸っていても気づかれないこともあるほどなので、ニオイに配慮が必要な環境で使用することが多い喫煙者にとって、救世主のような存在だ。ただし、喫味は非常に軽い。タール値で言えば3mg程度なので、もともと軽いタバコを吸っていた人以外は、物足りなく感じることが多いだろう。

吸えばスイッチがオンになる完全オートスイッチは7機種の中で「プルーム・テック」だけ。非常に手軽だ

吸えばスイッチがオンになる完全オートスイッチは7機種の中で「プルーム・テック」だけ。非常に手軽だ

「プルーム・テック」のたばこカプセルはVAPE風フレーバーが充実

「プルーム・テック」のたばこカプセルは、「メビウス」「ピアニッシモ」の2銘柄10種類だ。種類の豊富さは「グロー」にかなわないのだが、カフェモカ味の「ブラウン・アロマ」やトロピカルな風味の「パイナップル・ピーチ・イエロー・クーラー」など、VAPE風のフレーバーが充実しているのが特徴だ。

レギュラー3種類、メンソール7種類をラインアップ。既存フレーバーは味のリニューアルが行われており、順次味わいが長く持つようにリニューアルしているという

低温加熱式の限界まで喫味を強くした「プルーム・テック・プラス」

「プルーム・テックのニオイの少なさはいいけれど、もっと吸いごたえが欲しい」という声に応えて登場したのが、同じ低温加熱式の「プルーム・テック・プラス」だ。「プルーム・テック」の手軽さはほぼそのままに、加熱温度を10℃だけ高い40℃に設定し、たばこカプセルのタバコ葉の量を増やすことで喫味を強くした。スロートキックも強くなり、蒸気にも重みと深みが加わっている。また、カートリッジ内のリキッド量もアップ。たっぷりの蒸気で満足感を高めている。それでいてニオイはほぼなしのままなのだから、すごい。低温加熱式でありながら、5〜7mg程度のタール値のタバコを吸っていた人なら満足できるレベルにまで喫味がアップしている。

「プルーム・テック・プラス」は「プルーム・テック」より大型化し、VAPEのような見た目になった

「プルーム・テック・プラス」は「プルーム・テック」より大型化し、VAPEのような見た目になった

低温加熱式とは思えない、しっかりとした深い喫味を実現した「プルーム・テック・プラス」は、まさに未来のタバコだ

たばこカプセルは4種類と少ないが、ちゃんと「メビウス」の味がする

「プルーム・テック・プラス」専用のたばこカプセルはバリエーションこそ寂しいが、それを補って余りある喫味の強さがある。「アイコス」や「グロー」には及ばないものの、低温加熱式のニオイのなさでこれほどの喫味を実現できたのはすごいと思う。その要因で1番大きいのは、タバコ葉の増量だろう。リキッドも、喫味を上げるためにかなり工夫されているという。

「プルーム・テック」(左)と「プルーム・テック・プラス」(右)のたばこカプセルは同サイズだが、両者に互換性はないので注意

高温加熱式でも絶妙な温度でニオイの少ない「プルーム・エス」

「プルーム・エス」は、「アイコス」や「グロー」と同じく、タバコ葉を紙巻きにした専用の「たばこスティック」を使用する高温加熱式タバコだ。「アイコス」のような加熱ブレードはなく、「グロー」と同じ周辺加熱式を採用している。加熱完了までの時間が約40秒で、喫煙持続時間が約3分半というのも「グロー」と同じだ。

加熱温度は約200℃で、この設定が実に絶妙。というのも、タバコ葉は加熱すると200℃周辺でニコチンを気化させるようになるのだが、それ以上温度が高くなると、ニオイが強くなる。200℃あたりが、高温加熱式特有の紙巻きタバコに近い喫味を実現しつつ、ニオイを最小限に抑える温度なのだ。

ただ、本当にぎりぎりの温度設定なので、上手に吸うために、多少のコツがいる。前半はゆるめにゆっくりと吸い、スティック全体に熱が通る30秒後くらいから、徐々に強めにすばやく短く吸うことで、スティック内を冷やし過ぎず、レギュラーでもおいしく味わえるようになる。

満充電から、たばこスティック約10本を連続して吸うことができる

満充電から、たばこスティック約10本を連続して吸うことができる

たばこスティックはわずか3種類だが「レギュラー」がうまい

現状、「プルーム・エス」の専用リフィル「たばこスティック」は、わずか3種類という必要最低限のラインアップにとどまっている。「レギュラー」に関して言えば、紙巻きタバコの「メビウス(MEVIUS、旧マイルドセブン)」ファンなら懐かしく感じてしまう味と香りを実現しているのに驚いた。そのため、周囲にニオイをあまり出さずに「メビウス」味を楽しめるという、不思議な感覚を味わうことができる。加熱式タバコ特有のニオイに耐えかねてメンソールを選択していた人も、ここでもう一度「レギュラー」を見直してみてもいいのではないか。クセのない、素直でマイルドな味わいは従来の加熱式タバコとはひと味もふた味も違う。

たばこスティックはレギュラー1種、メンソール2種の計3種類だが、タバコ葉本来の味わいを感じることができる

まとめ 「アイコス」「グロー」「プルーム」はそれぞれどんな人に向いているか

加熱式タバコの現状としては、ここにきて3社の思わくがはっきりしてきたようだ。「アイコス」と「グロー」は、喫味が強い方向へ舵を切り、ニオイの問題に関して積極的なアプローチはしていない。対して「プルーム」は、徹底したニオイ低減戦略をとりつつ、その中で可能な限り喫味を強くしている。自然とニオイが強くなる高温加熱式「プルーム・エス」でさえ、同じ方針だったのには驚いた。

この現状において、「アイコス」「グロー」「プルーム」は、それぞれどんな人に向いているのだろうか。

まず、喫味の強さを求めるのなら「アイコス」である。これは加熱式タバコブーム当初からずっと変わらない。

フレーバーをいろいろと楽しみたいという人は「グロー」だ。「ネオ」で「アイコス」に近い喫味の強さを味わえるうえ、メンソールはとくに種類が多く、強烈な「カプセルメンソール」も楽しめる。また、連続30本使用可能と、バッテリーの持ちはピカイチなので、頻繁に充電ができない人にも適していると思う。

ニオイが気になるのなら「プルーム」シリーズだろう。「プルーム・テック」では物足りないが、「プルーム・テック・プラス」なら満足できるという人は多いはずだ。「プルーム・エス」は高温加熱式の中でもっともニオイが少ないので、ニオイを抑えつつ高温加熱式タバコを楽しみたいなら、一度チェックしてみてほしい。

なお、ランニングコストを重視するなら、1カプセルを断続的に吸える「プルーム・テック」および「プルーム・テック・プラス」が有利となる。「アイコス」「グロー」「プルーム・エス」は、一度吸い始めたスティックを中断できないので、自然とコストが高くなってしまうのだ。

各加熱式タバコの値段や加熱温度、フレーバー数といったスペックについて下記の表にまとめたので、製品選びの参考にしてほしい。

清水りょういち

清水りょういち

元「月刊歌謡曲(ゲッカヨ)」編集長。今はめおと編集ユニット「ゲッカヨ編集室」として活動。家電や雑貨など使って楽しい商品のレビューに命がけ!

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