冷蔵庫を選ぶ際に重要なのは、省エネ性能と冷凍・冷蔵機能。でも、本当にそれだけでいいの? メーカーごとの違いは? 本特集では、価格.comマガジン編集部が冷蔵庫選びのポイントをレクチャーするとともに、最新のトレンドを徹底解説。そのうえで、条件に合致するファミリー世帯(4人暮らし)に最適な容量500〜600L前後の冷蔵庫を主要メーカーごとにセレクトしました。
自分の家庭に適した冷蔵庫の容量は「(1人当たりの容量70L×人数)+常備品の容量100L+予備容量70L」を目安にするのが一般的でしたが、近年は生活スタイルの変化や従来は冷蔵庫に入れなかったものまで冷蔵保存するようになったことなどから、さらに100Lは大きめの容量を選ぶほうがいいと思われます。たとえば、4人家族の場合、前述の方式で算出した450Lに100Lをプラスし、550Lは欲しいところ。
また、容量が大きくなると電気代も上がりそうな気もしますが、一般的に大容量モデルのほうが省エネ性能はすぐれています。たとえば、パナソニックの幅685mmの冷蔵庫を容量違いで比べてみると、501Lの「NR-F504GV」の年間消費電力量は280kWh/年なのに対し、600Lの「NR-F604HPX」は273kWh/年。電気代にすると年間で200円程度しか差がないため、本体価格が8万円弱安い501Lのほうを選びがちですが、冷蔵庫にモノを詰め込み過ぎると冷却効率が下がり、ムダな電気代がかかってしまいます。購入してから10年は使うことを想定し、その間の家族の変化(子どもの成長など)を加味して必要な容量を求めるなど、長い目で見て考えるべきですが、ファミリー世帯の場合、容量が大きいことで損することは、まずありません。
冷蔵庫にギュウギュウに食材を詰め込むのは、冷却効率が落ちるのでNG。来客が増えるお盆や年末年始でも余裕を持って食材を入れられるだけの容量を用意しておいたほうが、便利で省エネです
迷ったらワンランク上の容量を選ぼうと上述しましたが、当然ながら、キッチンなどのスペースに置けるサイズであることは大前提です。設置スペースに収まることだけでなく、搬入できるかも必ず確認しましょう。近年は冷蔵庫の大容量化が進んでおり、700Lを超えるような大型モデルもありますが、その場合、幅800mm以上の設置スペースが必要なことも。設置場所、搬入経路をクリアしたサイズの中で、なるべく庫内容量が大きいものを選ぶようにしてください。なお、最新モデルには薄くても性能の高い断熱材が採用されているため、10年前のモデルと比べると同じ設置面積の製品でも容量が50L以上アップしていることもあり、買い替えれば必ずと言っていいほど容量アップは望めます。
たとえば三菱電機の2006年度モデル「MR-G40J」は幅658mmですが、2016年度モデル「MR-WX48Z」は幅が650mmにサイズダウンしながら、容量は74Lアップしました
また、設置できるサイズかどうかと同時に、ドアの開き方も確認しておいてください。近年は中央から左右に開く「フレンチドア」がトレンドですが、幅650mm未満のモデルでは片開きになることがほとんど。右開きと左開きのどちらが設置場所に適しているのかをチェックし忘れるとかなり不便なことになります。なお、シャープの冷蔵庫のように左右のどちらからも開けられる製品を選ぶのも賢い選択でしょう。
シャープは唯一、左右どちらにも開く「どっちもドア」を採用しています。片サイドを壁に接するように設置する場合や引っ越しが多い家庭では重宝するはず
冷蔵庫の容量が大きくなると電気代がかかりそうな気がしますが、年々省エネ性能は上がってるので、10年前くらいの製品と比べると買い替え前よりも電気代が抑えられるのは間違いありません。ただ、電気代の目安となる「年間消費電力量」は2006年と2015年に測定方法が変わったため、数値を単純に比較して省エネ性能を比べることはできなくなりました。新しい測定方法のほうが庫内に入れる食材の量や周囲の温度の設定などを、より実環境に近い状態としているので年間消費電力量は高めに出るようになっていますが、決して省エネ性能が低くなったわけではないので安心してください。日本電気工業界によると、大型の冷蔵庫の場合、10年前のモデルと比べると電気代は約1/2に下がっているといいます。
最新の規格で測定されたものは「JIS C 9801-1」「JIS C 9801-2」「JIS C 9801-3」のいずれかが記されています
毎日使うものなので、使いやすい構造であることも大切。近年は庫内容量が大きくなり、たくさん食品が入れられるようになりましたが、その半面、最上段奥のものが取りにくい、入れたものが見つけにくいなど、些細なことですがストレスや食品ロスにつながることもあるので、冷蔵庫内の棚のレイアウトを変更できたり、整理して入れられる機構なども確認しておくといいでしょう。その際、スライドドアがどこまで引き出せるかや、庫内ライトの明るさなど、細かい部分も使い勝手に影響してくるのでしっかりチェックしておいてください。飲み物や調味料などを入れておくドアポケットの工夫も各社で異なるので、確かめておきましょう。また、上位機には電動のドアや引き出しを採用しているモデルもあります。両手がふさがっていても肘などでドアにタッチすれば開けられ、引き出しは軽い力で引き出せるので、このようなことで困った経験がある人は電動タイプにするといいかもしれません。
ドアポケットの棚に調味料などを斜めに入れられるタイプは、各調味料が見やすく、取り出しやすいというメリットがあります
パナソニックの冷蔵庫のように野菜室や冷凍室が最後まで引き出せると、奥に入れたものも発見しやすい!
シャープの一部の冷蔵庫には、冷凍室に縦横左右のスペースを自由に変更できる仕切り(4切り名人)が付いています。冷凍室も整理整頓したい人には魅力的な工夫でしょう
そして、野菜室と冷凍室の配置場所も確認しておくべき。一時期は、真ん中が野菜室のモデルは少なかったのですが、最近は、“真ん中野菜室”と“真ん中冷凍室”のどちらも同グレードにラインアップするメーカーが増えているので、ライフスタイルにあったレイアウトのモデルを選びましょう。
左写真が“真ん中冷凍室”レイアウトで、右写真が“真ん中野菜室”レイアウトの冷蔵庫。キャベツなど重量がある野菜の出し入れもしやすいので、調理で野菜を使うことが多い人には野菜室が真ん中配置のほうが人気です
さらに、お手入れのしやすさも確認しておきたいポイント。たとえば、自動で氷を作る製氷機があるモデルならば、どのパーツまで取り外して洗うことができるのかもしっかりチェックしておきましょう。また、野菜室は大きいので部屋ごと取り外さなくても手入れできる工夫が施されていると、かなり便利です。
三菱電機の冷蔵庫には、野菜室にクリーントレイを装備したモデルもあります。このトレイがあれば、お手入れもラクラク!
自分の家に合う容量やサイズを決め、その中から自分が使いやすいと思う構造の冷蔵庫を絞り込んでいくと、複数の製品が候補としてあがるでしょう。そこから1台を決めるときには、各社がウリとしている冷却技術や冷凍技術で使いたいと思うものから選択するのもありです。冷凍とチルドの中間の温度帯で凍らせないでストックするチルドルーム(パナソニック「微凍結パーシャル」、三菱電機「氷点下ストッカーD」、日立「真空チルド」など)は各社で特徴がありますし、素早く凍らせておいしさをキープする瞬冷凍室も、たとえば、パナソニックの「はやうま冷凍」は業務用レベルで急速冷凍できたり、三菱電機の「切れちゃう瞬冷凍」なら解凍せずに包丁でカットできるなど、独自の技術を採用。また、野菜室も鮮度を持たせるだけでなく、野菜の光合成を利用したり、野菜から出るガスを分解して有効活用するなどして、野菜のシャキシャキ感をそのまま数日感は保持できるような工夫を各社が施しています。
チルドルームと、チルドルームより約-3℃低い温度で保存する「微凍結パーシャル」(パナソニック)でイワシを1週間保存した様子。変色やドリップがパーシャル保存のほうが少ないことがわかります
雪に埋めて保冷するような効果が得られるシャープの野菜室で7日間保存したレタスとほうれん草(右)は、見た目にもみずみずしさがあふれています
各メーカーともいろいろなシリーズをラインアップしていますが、本特集ではファミリー世帯に人気のモデルをピックアップ。買い替えにも適応しやすい幅685mmのモデルを中心に、容量500〜600L前後の冷蔵庫をメーカーごとに紹介します。
一般的に冷凍は強力な冷気によって食品を凍結させますが、三菱電機はマイナス温度になっても凍らない「過冷却現象」を利用しているのが特徴。過冷却状態の液体に衝撃を与えたり、急激な温度変化を起こすと一瞬で凍結するため、この凍らせ方であれば食材の芯から均一に凍り、かつ、細胞破壊を抑えられるといいます。この原理を応用し、-7℃で凍らせても解凍せずに包丁でカットできる「切れちゃう瞬冷凍 A.I.」と、過冷却状態を維持し続け、約-3〜0℃で凍らせずに保存する「ひろびろ氷点下ストッカーD A.I.」を搭載しているのが「MR-WZ61H」の強み。一般的にチルドルームの横に配置されている給水タンクを手前に配置し、チルドルームの容量を大きく確保しているのもポイントです。そして野菜室には、太陽が出て沈むような1日の光の変化を再現する3色のLEDを搭載。野菜の光合成を促進させることで、栄養素を増幅させます。また、製氷装置が皿だけでなく、ポンプ、パイプ、フィルターも全部取り外して洗浄できるのもいいところ!
カラーはクリスタルホワイト、フロストグレインブラウン、グレイングレージュの3色展開です。「MR-WZ61H」と同機能を搭載した、幅650mm、容量547Lの「MR-WZ55H」もラインアップ
●「MR-WZ61H」のスペック
・サイズ:685(幅)×738(奥行)×1,833(高さ)mm
・容量(総容積/冷蔵室/製氷室/瞬冷凍室/冷凍室/野菜室):608L/328L/22L/34L/110L/114L
・年間消費電力量:273kWh/年
・ドア:フレンチ6ドア
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「切れちゃう瞬冷凍 A.I.」や「ひろびろ氷点下ストッカーD A.I.」といった三菱電機が誇る冷凍機能を搭載しながら、野菜室を真ん中配置にしたモデルです。野菜室は2段構造となっており、上段は左右で深さを変え、下段には長い野菜を立てて入れられるケースを用意するなど、整理整頓のしやすさに配慮。3色のLEDで野菜の栄養素を増幅させる機能も備えています。
カラーはフロストグレインブラウン、クリスタルホワイト、グレイングレージュの3色展開です。「MR-MZ60H」と同機能を搭載した、幅650mm、容量540Lの「MR-MZ54H」もラインアップ
●「MR-MZ60H」のスペック
・サイズ:685(幅)×738(奥行)×1,833(高さ)mm
・容量(総容積/冷蔵室/野菜室/製氷室/瞬冷凍室/冷凍室):602L/328L/115L/20L/34L/105L
・年間消費電力量:286kWh/年
・ドア:フレンチ6ドア
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多くのメーカーが野菜室を最下部に配置したモデルを推していた時も、全モデルに真ん中野菜室を採用していた東芝「VEGETA」は、このレイアウトだからという理由で選ばれることも多い冷蔵庫。野菜室の容量が大きいので、野菜をたっぷり保存しておきたいならうってつけです。野菜室には、湿度を約95%以上に保持するミストチャージユニットが装備されており、野菜の水分減少率を抑制するほか、ビタミンCやβカロチンなどの栄養素が増加する効果もあり。使いかけの野菜をラップをせずに入れておいても、鮮度がキープされる「使い切り野菜BOX」も付属。冷凍室に、野菜を下茹でせずにそのまま冷凍できる「野菜そのまま冷凍」や、煮物や揚げ物を冷凍するのに役立つ「野菜冷凍ドライ」といった設定を用意しているのもユニークです。また、チルドルームは、-4℃前後の大風量で生鮮食品を芯まで一気に冷却する「速鮮度チルドモード」と冷凍した肉や魚を最適に解凍する「解凍モード」の2モードで切り替え可能。このほか、スマートフォンと連携し、専用アプリで冷蔵庫内にある食材リストを作って管理したり、ドアの開閉状況が通知される機能で家に居る家族のみまりもできるIoT機能や、冷蔵庫に搭載されたスピーカーからスマートフォン内の音楽やテレビの音を流す機能も備えています。
カラーはフロストグレージュとフロストホワイトの2色展開です。「GR-U600FZS」と同機能を搭載した、幅650mm、容量507Lの「GR-U510FZS」もラインアップ
●「GR-U600FZS」のスペック
・サイズ:685(幅)×745(奥行)×1,833(高さ)mm
・容量(総容積/冷蔵室/野菜室/製氷室/冷凍室):600L/302L/133L/22L/143L
・年間消費電力量:252kWh/年
・ドア:フレンチ6ドア
幅685mmで、できるだけ容量が大きい冷蔵庫が欲しいなら容量617Lの日立「R-HW62S」はいかがでしょうか。冷蔵室の全段をチルド温度(温度約2℃、湿度約80%)にできる「まるごとチルド」や、冷気の風量を一定時間増やすことで素早く食材を冷やすほか、お弁当を冷ましたり、食材のあら熱取りをする際にも役立つ「クイック冷却」などの設定が用意されています。そして、野菜室にはプラチナ触媒を装備した「新鮮スリープ野菜室」を採用。野菜から発生したエチレンガスを炭酸ガスに分解し、炭酸ガスで野菜を眠らせるように保存することで、みずみずしさや栄養素をキープします。7日間保存しておいた野菜の水分残存率が高いまま保持されるだけでなく、ビタミンCの残存率がアップしたという検証結果も出ているとのこと。
カラーはハーモニーシャンパンとピュアホワイトの2色展開です。「R-HW62S」と搭載している機能や本体幅は同じで、冷蔵庫の中を確認できるカメラやWi-Fi機能を備えた上位モデル「R-HXCC62S」もラインアップ
●「R-HW62S」のスペック
・サイズ:685(幅)×740(奥行)×1,833(高さ)mm
・容量(総容積/冷蔵室/製氷室/冷凍室/野菜室):617L/317L/24L/158L/118L
・年間消費電力量:303kWh/年
・ドア:フレンチ6ドア
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野菜室を真ん中に配置した日立の冷蔵庫は、今回ピックアップした「R-KWC57S」のほか、「R-KWC50S」(幅650mm、容量498L)と「R-KXCC50S」(幅650mm、容量498L、冷蔵庫カメラ搭載)の3機種。これら“真ん中野菜室”レイアウトモデル共通の大きな特徴は、2段の引き出し部を冷凍室/冷蔵室/野菜室に切り替えできること。上段を冷凍室、下段を野菜室にすれば“真ん中冷凍室”の冷蔵庫になり、上段と下段を冷凍室にすれば冷凍室の容量がアップします。保冷ゾーンが切替できると、家族構成や生活スタイルが変化した時にも対応しやすいので便利でしょう。なお、「まるごとチルド」や「クイック冷却」など冷蔵室の機能は上で紹介した「R-HW62S」と同じですが、野菜室は間接冷却で野菜の乾燥を抑えながら保存する「うるおい野菜」仕様となります。
カラーはブラストモーブグレーとブラストシルバーの2色展開です。野菜室が真ん中レイアウトのモデルで冷蔵室の中を確認できるカメラを装備しているのは「R-KXCC50S」のみですが、全機種にWi-Fi機能を搭載。冷蔵庫と連携したスマホのアプリ上で冷蔵庫の運転状況をチェックしたり、アプリに登録して食材の管理も行えます
●「R-KWC57S」のスペック
・サイズ:685(幅)×740(奥行)×1,839(高さ)mm
・容量(総容積/冷蔵室/製氷室/上段切替室/下段切替室):567L/308L/23L/104L/100L
・年間消費電力量:343kWh/年
・ドア:フレンチ6ドア
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専用のファンとアルミプレートで食品を集中的に冷却することで、熱々のものを素早く冷ましたり、凍らせたりする「クーリングアシストルーム」が大きな特徴。「冷ます」「急冷」「急凍」の3つのモードが用意されており、お弁当などのあら熱取りには「冷ます」モード、下味つけやデザート作りには「急冷」モード、肉や熱々のごはんを急速冷凍するには「急凍」モードというように使い分けできます。これらの機能は「はやうま冷却」(冷ますモード、急冷モード)、「はやうま冷凍」(冷凍モード)と称されており、調理の時短をサポート。もちろん、おいしく保存できるのは当たり前で、業務用レベルの急速冷凍を実現する「はやうま冷凍」は食品の細胞破壊を抑えて冷凍するため、解凍加熱後のおいしさがぐっと上がるのだそう。そして、従来モデルにも搭載されている「微凍結パーシャル」も完備。肉や魚が凍り始めるギリギリの低温(約-3℃〜約-1℃)で保冷することで、たとえば、チルドで約4日間しか保存できなかった生のイワシが、微凍結パーシャルでは約7日間も保存できます。また、Wi-Fi機能については、スマホのアプリ上で冷蔵庫の運転状況を確認できるほか、スマホの位置情報を利用し、外出していると判断すると節電モードに切り替え、買い物先にいることを検知すると事前に庫内の冷却を強めて節電するといった機能も用意(アプリに通知が届くので、実行するかは任意)。さらに、アプリ上で気象警報を受信すると予冷運転を始め、停電時の保冷を長時間継続できるようにする「停電そなえモード」も新たに搭載されました。
カラーはアルベロダークブラウン、アルベロゴールド、アルベロオフホワイトの3色で、木目調デザイン。2023年2月中旬発売予定。「NR-F609HPX」とサイズや容量、基本的な機能は同じで、表面の仕上げをミラー加工とフロスト加工で選択できるラグジュアリーな最上位機「NR-F609WPX」もラインアップしています(2023年3月上旬発売予定)
●「NR-F609HPX」のスペック
・サイズ:685(幅)×745(奥行)×1,828(高さ)mm
・容量(総容積/冷蔵室/製氷室/クーリングアシストルーム/冷凍室/野菜室):600L/312L/19L/31L/113L/125L
・年間消費電力量:273kWh/年
・ドア:フレンチ6ドア
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野菜室を真ん中に配置した大きめ容量の「MEX」タイプは、密閉性を高めた構造の野菜室に、野菜から出るエチレンガスを分解して野菜の老化を抑える「パラジウム保鮮フィルター」や、野菜室の湿度を適切に保つ「モイスチャープラスフィルター」を装備。上で紹介した「NR-F609HPX」同様に、業務用レベルの急速冷凍ができる「はやうま冷凍」機能と約-3℃の微凍結で保鮮する「微凍結パーシャル」機能も備えていますが、こちらは切り替える仕様となっています。そして、パナソニックの冷蔵庫の特徴である「ワンダフルオープン」構造も採用。下2段の引き出し部(野菜室と冷凍室)は奥のほうまで引き出せるので、食品の出し入れがしやすく、庫内の収納物も確認しやすいでしょう。このほか、冷蔵室最上段の奥にも手が届きやすい設計にしたり、チルドルームの横に収納できるストッカーを付属するなど、使いやすいやすくするための工夫がたくさん施されています。
カラーはステンレスシルバーとセラミックオフホワイトの2色展開。高さを1,750mmに抑えた野菜室が真ん中レイアウトの「NR-F489MEX」(幅685mm、容量483L)もラインアップしています。どちらも2023年2月下旬発売予定
●「NR-F519MEX」のスペック
・サイズ:685(幅)×699(奥行)×1,828(高さ)mm
・容量(総容積/冷蔵室/野菜室/製氷室/パーシャル・はやうま冷凍切替室/冷凍室):513L/284L/93L/14L/25L/97L
・年間消費電力量:283kWh/年
・ドア:フレンチ6ドア
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シャープの大容量モデルは、幅685mmよりも650mmのほうが充実しています。中央開きのフレンチドアタイプもラインアップされていますが、やはりシャープならではの左右どちらにも開けられる「どっちもドア」を選びたいという人はこれ! 容量は457Lと少し小さめですが、どっちもドアを採用したこれ以上の容量のモデルは2021年発売の「SJ-AW50H」のみとなります。
冷蔵庫のレイアウトは、全機種で真ん中野菜室を採用。冷凍室で囲むように野菜室を配置することで、雪の下に野菜を入れて保存するような低温高湿の環境を作り出します。この状況下で7日間野菜を保存すると、水分量の減少が抑えられるだけでなく、甘み成分が増幅するのだそう。そして、冷蔵室には、生鮮食材の保存に最適な高密閉構造の「うるおいチルド」(約0〜2℃)や生鮮食品やお総菜の保存に役立つ低温制御の「作りおきルーム」(約-2〜0℃)が装備しているほか、プラズマクラスターイオン発生ユニットを搭載しており、浮遊菌や付着菌の除菌します。また、冷蔵室の棚がすべて取り外せるのもポイント。庫内の奥までしっかりお手入れできます。
カラーはラスティックダークメタルとラスティックホワイトの2色で、2023年2月発売予定。冷蔵庫に残っている食材をアプリ上に登録しておくと、その食材で使い切りレシピを提案してくれたり、自宅周辺のスーパーの戸特売情報を献立とセットでお知らせしてくれたりするAIoT機能も搭載しています
●「SJ-MW46K」のスペック
・サイズ:650(幅)×630(奥行)×1,838(高さ)mm
・容量(総容積/冷蔵室/野菜室/製氷室/冷凍室):457L/240L/82L/20L/115L
・年間消費電力量:263kWh/年
・ドア:どっちもドア
シャープのフレンチドアタイプからも1台選んでみました。幅685mmに限定すると2022年発売の「SJ-X506J」が該当しますが、容量が502L。これよりも2L容量が大きい504Lを確保しながら、本体幅と奥行きがスリムな「SJ-GK50K」を選ぶほうがよさそう。野菜室は上で紹介した「SJ-MW46K」と同じ、真ん中レイアウトで、雪下の環境に近い状態で保冷する「雪下シャキット野菜室」を採用しています。プラズマクラスターイオンによる除菌や全棚取り外しできる構造といった冷蔵室の清潔機能も「SJ-MW46K」と同様ですが、ドア開閉時に入る湿気を吸着し、うるおいとして冷蔵室内に補給する「ステンレスパネル」や、半ドアになると自動でドアが閉まる「そっとクローズ機構」は「SJ-GK50K」にしかない機能。冷凍室は3段構造で、冷凍ケースを自由に仕切って整理できる「4切り名人」を備えているのも魅力です。
カラーはグラデーションスタッコブラウンとピュアホワイトの2色展開。「SJ-GK50K」と本体サイズや容量が同じで、「そっとクローズ機構」や「ステンレスパネル」、「4切り名人」など一部機能や機構が省かれた「SJ-MF50K」もラインアップしています。どちらも、2023年2月発売予定
●「SJ-GK50K」のスペック
・サイズ:650(幅)×684(奥行)×1,838(高さ)mm
・容量(総容積/冷蔵室/野菜室/製氷室/冷凍室):504L/265L/89L/22L/128L
・年間消費電力量:240kWh/年
・ドア:フレンチ6ドア
パソコン・家電からカップ麺に至るまで、何でも自分で試してみないと気が済まないオタク(こだわり)集団。常にユーザー目線で製品を厳しくチェックします!