フリースジャケットが頼りになる季節が到来。ダウンと肩を並べる冬の主役は選択肢が増え続けています。本稿では、選び方の要点を解説しつつ、おすすめ品を紹介します。
出典:楽天市場
フリースジャケットは、ダウンと双璧をなす冬の定番アウターとしてのポジションを確立しつつあります。双方ともにアウトドアが出自ゆえに、ブームが来ているのは明白です。そんななか、今ではハイブランドさえもが本腰を入れてフリースを手掛けており、おしゃれ着としてのステータスもかつてないほど高まっています。ゆえに、この冬も主役を任せることになるに違いありせん。
ということで、本記事ではそもそもフリースとは何かという基本の「き」をおさらいしつつ、失敗しないフリース選びのポイントを紹介しましょう。
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フリース自体が誕生したのは、1970年代のこと。その生みの親は皆さんもよくご存じのパタゴニアで、同社がウールセーターの弱点を解消した防寒ウェアを追い求め、繊維メーカーのモルデンミルズ(現在のポーラテック社)と共同開発したポリエステル製パイル素材が始まりでした。
高保温力が期待できるウールは、当時のアウトドアシーンでも重宝されていましたが、濡れると重くなって保温力も低下。乾きにくく、洗濯にも手間がかかるといった短所が目立ちました。そんなウールと同等の保温性を発揮し、なおかつ軽量で乾きやすくてイージーケアな奇跡の素材として開発されたのが、当時“シンチラ”と呼ばれたパイル素材だったのです。
これがジャケットに採用されるようになり、90年代のアウトドアミックス全盛時代に街着としてのポジションを獲得。ファッションブランドにおいても定番の仲間入りを果たし、現在に至るというわけです。
フリースを選ぶうえで留意したいポイントは3点。ひと口にフリースと言っても、素材感や厚みに違いがあり、プラスαの機能にもいくつかの選択肢があります。
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フリースにはアウターとして仕立てられたもののほか、ミッドレイヤーとしてインナー使いすることを想定されたものが存在します。前者は当然ながら生地が厚手で、シルエットはゆとりを持たせたものが主流。この冬であればトレンドに則り、オーバーサイジングで着られるアイテムが狙い目と言えます。いっぽうで、後者は生地も薄手でジャストサイズ。シルエットは多種多様ですが、インナー使いのしやすさも念頭に置くのなら、やはり細身のもののほうが中に仕込んだときのもたつきに悩まされません。
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フリースは毛足の長さもいろいろとありますが、これは生地の厚さにも影響します。大別すると、毛足の長いボアフリースと短めのマイクロフリース。前者はふわもこ感強めなので温かみがあってどこか愛嬌のある佇まいで、後者は短毛ゆえの古着然としたレトロ感が魅力で、大人っぽい印象に持っていきやすい素材感です。
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レッドオーシャン化して競争原理が働いたことと、日進月歩で進化を遂げる素材開発の技術が功を奏し、フリース自体の高機能化も進んでいます。ストレッチ性や防水性といった付加価値を享受できるフリースも珍しくなく、ものによっては風を通しやすいというフリースの弱点を「ゴアウインドストッパー」のライニングで解消したタイプも。キャンプでも着用するのか、あるいは自転車に乗るときにも着たいのかといった使用シーンを前提に、こうした付加価値も検討要素に入れるのが賢明です。
この冬は、フリースの代名詞と言っても過言ではない鉄板ブランドに加え、ファッションブランドからも秀作が揃い踏み。戦力になってくれるに違いない15着をご紹介します。
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フリースの生みの親として知られるパタゴニアが1993年に発売して以来、継続的に作り続けている名品が本作。ボディに採用した「ボンデッド・シェルパフリース素材」は、風を通しやすいというフリースの弱点を、裏面にラミネートした防風フィルムで解消したもの。体に触れる面には吸湿発散性と通気性に富むメッシュ素材を貼り合わせた3層構造で、保温性の高さと爽やかな着心地の両方を享受できる一着に仕上がっています。
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ザ・ノース・フェイスの代名詞と言っても過言ではない肩の切り替えを生かした、ブロックカラーが特徴の本作。インナー使いもしやすい、マイクロフリース仕立てです。肩の切り替えにはバックパックのショルダーハーネスが当たることを想定し、耐摩耗性にすぐれたナイロンを採用しています。また、袖口はやわらかで伸縮性に富むパイピング仕様で、フリース自体は静電気の発生を抑える静電ケア設計。快適さに対するこだわりが細部まで行き届いています。ボディのフリースはもとより、肩周りの切り替えにもリサイクル素材が用いられている点も好印象です。
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本作は、「E.C.W.C.S.(エクワックス)」と呼ばれる米軍の極寒冷気候向けレイヤリングシステムに対応したフリースジャケット。現行モデルに当たる第3世代で、ボディには毛足の長いフリースを採用しています。肩周りの切り替えには、インナー使いした際に滑りをよくするために、ナイロンを選択。
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軽量性・伸縮性・保温性の3拍子が揃う「ポーラテックハイロフトフリース」を素材に抜擢。本格的なフィールドシーンで躍動するのはもちろん、街着としても抜群の快適性を有しています。フロントがダブルジップなので、表情のアレンジを楽しみやすいのも◎。その名のとおり、ミッドレイヤー向けのジャケットですが、仕立ては適度なワイドフィットで動きやすさも申し分ありません。
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レイヤリングした際にももたつかない格子状のマイクロフリースボディは、外からの風をシャットアウトし、内側からの湿気は外に逃す「エアシールド・テクノロジー」を採用したもの。冷たい風をブロックしながら、温かくやわらかな着心地をもたらしてくれます。ジッパーは手袋をしたままでも扱いやすいプルタブ付きで、フルでジップアップした際に首元に当たらないようにチンガードもプラスされています。
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アメリカ・ポーラテック社の両面起毛フリース素材を採用したスノーピークの一着がこちら。力が掛かり負担が大きい肘部分や、リュックなどで擦れやすい肩・腰部分を中心に、伸縮性にすぐれ引き裂きに強いリップストップ生地で補強していることが特徴です。袖口は、風の侵入を防ぎ、袖まくりのしやすいバインダー仕様。また、フェイスラインに触れないチンガードが備わっているなど、真冬でも頼りになるディテールが盛りだくさんです。
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初冬から着やすい、軽量かつ薄手のマイクロフリースジャケット。生地目が見えないくらい細かい毛羽で覆われた「フィラメントフリース」は肌当たりが非常にやさしく、じんわりと体を温めてくれます。インナー使いした際にアウターのデザインと喧嘩しない、シンプルに徹したデザインも魅力です。
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フリースを主役使いするなら、こんなインパクトある総柄仕様の一着を選んでみるのもひとつの手。インナーがシンプルな無地のニットやスウェットでも、こなれた着こなしへと導いてくれます。柄は、揺れる水面からインスパイアされたブランドのオリジナルパターン。インパクトあるルックスのみならず、防風・透湿フィルムを貼り合わせることですぐれた機能性を持たせているのも魅力的です。
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運動性の高いラグランスリーブを採用した、サイクリスト向けに開発されたモデル。シックなカラーリングとすっきりしたシルエットも印象的で、きれいめの装いとも高い親和性を見せてくれそうです。そして、充実した収納性も注目したい要素。フロントに3つ、左腕と背面にそれぞれ1つずつジップポケットを装備するので、小物を効率よく仕分けられます。
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チャムスならではの遊び心を感じさせるブロックカラーが目を引く本作は、3層構造のボンディング素材を採用。毛足の長いボアフリースの表地と、やさしい着心地をもたらすマイクロフリースの裏地の間に、防風フィルムをサンドイッチしています。カツオドリを描いた「ブービーバード」の刺しゅうロゴは、左胸のユーティリティポケットにさりげなく鎮座。
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スタイリングの色味が重たくなりがちな時季に取り入れたい、クリーンな色合いの逸品。弾力性&保温性の高いフリース生地で仕立てているので、着心地面も信頼が置けます。また、ミニマルなワントーンデザインながら、肩周りをコーデュロイで切り替えて巧みにキャラ出ししているのも特徴。このディテールは、デザインアクセントとしてきくのはもちろん、耐久性の向上にも役立っています。
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ブランドが独自に開発した「ハイパイルフリース」は、軽くて暖かなうえ心地よい肌触りも有しています。ライニングには速乾性のある素材を使っているため、暖房のきいた室内でも快適。しかも、ストレッチ性の高い一着なので動きを妨げられることもありません。サイドポケット裏には起毛素材を採用しており、ハンドウォーマーのように使える点も気がきいていて好印象!
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アウターとしてもミッドレイヤーとしても使い勝手がよい中間的な厚みと、ミニマルデザインが登山やキャンプ、自転車ライドといった幅広シーンで好評を博している定番モデル。ふわふわとした軽やかなマイクロフリースは、「ポーラテック パワーストレッチ プロ」と呼ばれる耐久性と伸縮性にすぐれたもの。また、袖口のサムホールに親指を入れて着用することで、自転車に乗る際のずり上がりを防げます。
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フランスの老舗ワークブランド、ダントンが手掛けるスナップタイプのカーディガンジャケットです。あえて裏地を設けず、両面起毛仕上げで軽さと保温性を両立させたシンプルな設計。フリース素材のボリュームもほどよく、秋口はアウターとして、冬場はミドルレイヤーとして活用できる汎用性にすぐれた一着です。カジュアルだけでなく、ビジネスシーンのアウターとしても期待大。
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1941年にスタートした国産シュラフメーカー、ナンガ。こちらはウールライクな見た目にフリースのパフォーマンスを兼ね備えた生地「ポーラテック サーマル プロ」を採用。ジップタイプのスタンドカラーブルゾンはアウターとして着ても、インナーとして着ても活躍すること間違いなしです。シンプルかつカジュアルなフリースは持っておいて損はありません。