レビュー

このバッグ、夜はスゴイんです! おとなしい見た目が豹変する意外なきっかけとは

ふと気づいたら、Tシャツからパンツ、シューズにバッグまで、全身黒ずくめだった、ということはありませんか? それはコーディネートとしておしゃれでも、夜間においては危険性をはらみます。なぜなら、黒は暗闇と同化し、クルマや自転車などから見えにくくなってしまうからです。筆者自身も、黒系でまとめた着こなしをすることがあるため、その点で懸念を抱いていました。

最近は、そうした夜道の危険性を低減するための、反射材を使った製品が増加中。しかし、どうしてもその“いかにも”な素材感やデザインが気になってしまい、取り入れるのに躊躇していました。何かよいアイテムはないか……と探していたところ、いい感じのバッグを発見! さっそく購入し、機能性や使い勝手を検証してみました。

“安全”と“反射材”。それぞれのプロが生み出した「オーロラに光るナップサック」

今回フォーカスする「オーロラに光るナップサック」は、夜道での安全を第一に考えた商品で、ジャンルの異なるスペシャリストのコラボレーションによって誕生しました。第一警備保障のグループ会社、EcoBuilds(エコビルズ)は、地域の安全を守るための活動を続けてきた“安全”のスペシャリスト。そして、30年以上さまざまな素材の研究/開発を行ってきた会社、丸仁(まるじん)はアパレル向け“反射材”のスペシャリスト。そんな両社が手を組み、本アイテムが生まれたのです。

夜道での安全性を追求した「オーロラに光るナップサック」

夜道での安全性を追求した「オーロラに光るナップサック」

「オーロラに光るナップサック」のフロントは、全面的に反射材を使用していますが、一般的なシルバーのものではありません。採用したのは、反射光が虹色に変化する特殊な反射材「ライトフォース」。通常時は無地の黒ですが、光が当たると7色に輝く様子は、かなりのインパクトがあります。

「ライトフォース」は、“再帰性反射”である点も特徴で、受けた光と同じ角度で光源に反射する特性を備えています。つまり、クルマや自転車のライトが当たるとその光源に向けて反射し、運転者がその反射された光を強く感じられるようになっているのです。

離れた場所からでも反射して見えます。「オーロラに光るナップサック」がクラウドファンディングを行った「Makuake」のページより引用

離れた場所からでも反射して見えます。「オーロラに光るナップサック」がクラウドファンディングを行った「Makuake」のページより引用

「ライトフォース」は、再帰性反射によって、離れた場所からも視認できるほどの明るさを実現しています。クルマのヘッドライトなら、57m離れていても光って見えるというテスト結果が得られているそう。遠くからでも識別できるため、夜間に存在を見つけてもらいやすくなります。

ちなみに「ライトフォース」には、丸仁の特許技術が使われています。日本だけでなくアメリカ、ドイツ、フランスでも特許を取得。国内外のスポーツブランドやハイブランドが同素材を採用していることからも、機能性や独創性の高さが伺えます。

ナップサックとしての特徴をチェック!

反射材ばかりに目が奪われがちな「オーロラに光るナップサック」ですが、実際に使うとなるとナップサックとしての使い勝手も気になります。ということで、仕様を見ていきましょう。

サイズは、34(幅)×44(高さ)cm。一般的なナップサックのサイズと考えて問題ありません。素材は、フロントの「ライトフォース」がポリエステル100%、背面側がナイロン100%で、無地のブラックを採用しています。

ストラップの長さは、トップの口を閉じた状態で、およそ80cm。成人男性の筆者が背負うにはちょうどよい長さに感じました。トップ部分にはループ状のハンドルが付属しているので、手持ちも可能。エコバッグなどとしても使いやすい2WAY仕様です。

広げた状態では、34(幅)×44(高さ)cm。使いやすい定番の大きさです

広げた状態では、34(幅)×44(高さ)cm。使いやすい定番の大きさです

ナップサックとしての仕様はいたってスタンダード。デザインも、ロゴプリントが入る以外はシンプルです。シーンやコーディネート、性別、年齢を選ばず、誰でも幅広く使えます。

ちなみに、ロゴにある「KEIBEADS(ケイビーズ)」とは、EcoBuildsが運営しているチームの名前。「警備会社と共に、人々の安心・安全を第一に考えた反射材アイテムの企画・販売」「警備会社と共に、警備会社×反射材の可能性を考えるイベントの企画・運営」「SNSを活用し反射材を広める活動」という3つの事業を行っています。

ナップサックがオーロラ状に光る様子を検証!

やっぱり気になるのが、オーロラ状に輝くという反射の様子です。そこで、いろいろな光を当てて試してみました。

まずは結論から。そんなに強くない光でも、光源から遠く離れなければオーロラ状の反射がしっかり確認できました。重要なのは、光源の方向から見るということ。角度がズレていると、たとえ光が強くても光って見えないのです。クルマのヘッドライトを横から当てるなどしてみましたが、光源と異なる方向からは光って見えませんでした。

実は、反射材の多くが再帰性反射の特性を持っていて、光源の方向にしか光りません。しかし、「ライトフォース」では、その再帰性反射が通常のものよりも強く感じられました。

スマートフォンのフラッシュライトを使って正面から撮影。光源から見るとこのように光ります

スマートフォンのフラッシュライトを使って正面から撮影。光源から見るとこのように光ります

強い光でも、光源と異なる角度から見るとオーロラ化しません

強い光でも、光源と異なる角度から見るとオーロラ化しません

クルマのヘッドライトが近い距離から当たっていますが、光源と異なる地点からなので、光って見えません

クルマのヘッドライトが近い距離から当たっていますが、光源と異なる地点からなので、光って見えません

また、光が強いほどオーロラ感が強くなることもわかりました。クルマや自転車のライトが当たった場合は、適度にオーロラ化する、という印象ですが、カメラのフラッシュのような強い光が当たると、オーロラ状に輝く、というイメージです。

自転車のライトを当てた状態。適度にオーロラ状に反射しているのがわかります(下の黒い箇所は自転車のカゴ部分)

自転車のライトを当てた状態。適度にオーロラ状に反射しているのがわかります(下の黒い箇所は自転車のカゴ部分)

クルマのヘッドライトを当てるとこんな状態に。光の当たり方や状態によって見え方は大きく変わりますが、クルマのドライバーが最も反射を感じます

クルマのヘッドライトを当てるとこんな状態に。光の当たり方や状態によって見え方は大きく変わりますが、クルマのドライバーが最も反射を感じます

スマートフォンのLEDライトをいちばん強く設定し、光を当てながら撮影。かなり強く反射しています

スマートフォンのLEDライトをいちばん強く設定し、光を当てながら撮影。かなり強く反射しています

スマホのフラッシュ機能を使って撮影。自動的に画像を補整してくれるからか、強く反射しながらもオーロラ状の色合いになっていることがよくわかります

スマホのフラッシュ機能を使って撮影。自動的に画像を補整してくれるからか、強く反射しながらもオーロラ状の色合いになっていることがよくわかります

【まとめ】必要な方向だけにオーロラ化するから実用的!

正直、筆者は検証するまで、「オーロラ状に輝いている状態のインパクトが強すぎて、夜間に普段使いするには目立ちすぎるだろうな」と想像していました。しかし、光源の方向にだけオーロラ化するため、むやみに目立つことはありません。

夜道を歩いていても、ライトをつけて走っているクルマや自転車の視界に入ったときにだけ運転者に向かって光り、すれ違う歩行者には普通のナップサックにしか見えない、といった具合です。

「オーロラに光るナップサック」を背負った状態で適度にオーロラ化している様子。光源の方向から見た場合に限り、暗い場所でも存在が目立ちます

「オーロラに光るナップサック」を背負った状態で適度にオーロラ化している様子。光源の方向から見た場合に限り、暗い場所でも存在が目立ちます

フラッシュなどの強い光が当たるとかなり独創的なオーロラ感を主張しますが、日常生活ではフラッシュを浴びるようなケースはあまりないため、必要以上に目立ってしまうことはないでしょう。

ただし、夜間に強い光を当てて撮影をするような場合にはかなり目立ちます。“映え”を意識して画像や映像の中で存在感を主張するなら、かなり頼れるツールでしょう。

通常はシンプルな見た目なので、ジム用バッグやエコバッグとしても使いやすいです

通常はシンプルな見た目なので、ジム用バッグやエコバッグとしても使いやすいです

基本的に、必要なとき、必要な方向にだけ7色に輝くので、必要以上に目立つことはなく、普段使いのバッグとして取り入れやすいと感じました。

ナップサックとしての仕様もスタンダードで、ジムに行く際には着替えとシューズがちょうど入るくらいのサイズ感。近所のコンビニなどに買い物に行く際のエコバッグとしても使いやすい大きさです。

ナップサックなので、背負えば両手が自由に使え、自転車で移動する際も重宝。もちろん、日が落ちてからの自転車移動でも視認性を高めてくれるので安心です。夜間に外出する機会が多い人は、オーロラ状に豹変する「オーロラに光るナップサック」で、安全性の向上を図ってみてはいかがでしょうか?

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2025/03/13 18:00
平 格彦
Writer
平 格彦
出版社の広告部、ファッション誌編集部を経て独立。雑誌、書籍、WEBメディア、オウンドメディアなどで執筆や編集を担当。株式会社com-textを設立し、編集・PR・ブランディングのコンサルティング、電子書籍の制作・海外展開などを行っている。
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岡田 太(編集部)
Editor
岡田 太(編集部)
雑誌とWebでファッション/ライフスタイル系メディアの編集長を務め、「価格.comマガジン」へ。被服費&趣味関連の散財でクレジットカードを使い倒してきた経験を生かし、現在はクレカを中心としたマネー記事を担当。
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