みなさん、コニカミノルタプラネタリウムってご存知ですか? 1957年に国産第1号のプラネタリウムを作った千代田光学精工(のちのミノルタ)を前身にもつ、世界でも有数のプラネタリウムメーカーです。プラネタリウム機器の開発・製造・販売だけでなく、東京スカイツリータウンにある「コニカミノルタプラネタリウム天空」や、池袋サンシャインシティの「コニカミノルタプラネタリウム満天」など、直営のドーム型プラネタリウム施設も手がけており、最近では、オリジナルアロマでリラックスしながらプラネタリウムを楽しめる「ヒーリングプラネタリウム」が話題になりましたね。
そんな同社がこの夏、プラネタリウム運営で培ってきたノウハウとVRを組み合わせたまったく新しい体験施設をオープンします。その名も、「コニカミノルタ VirtuaLink(バーチャリンク)」。6月26日、東京スカイツリーのお膝元の東京ソラマチに「コニカミノルタ VirtuaLink in 東京スカイツリータウン」が期間限定でオープン。7月には、お台場にあるダイバーシティ東京プラザに「コニカミノルタ VirtuaLink in ダイバーシティ東京プラザ」を恒常施設としてオープンする予定になっています。
今回、6月26日の「コニカミノルタ VirtuaLink in 東京スカイツリータウン」オープンに先駆け、新施設をじっくりと体験してきたので、その体験レポートをお届けしようと思います!
コニカミノルタ VirtuaLinkキービジュアル
同社が新たに立ち上げた「コニカミノルタ VirtuaLink」。ここ最近、VR体験施設が続々とオープンしていますが、「コニカミノルタ VirtuaLink」の最大のウリは、VRデバイスを介して最大50人に360度映像のバーチャル空間を共有し、集団でVR体験ができるということです。今回体験させていただいた東京ソラマチの施設では最大26人(車いす専用席2席含む)、7月オープン予定のダイバーシティ東京プラザの施設では、さらに多くの人が同時に体験できるようにするとのことです。
コニカミノルタプラネタリウムが新たに立ち上げる「コニカミノルタ VirtuaLink」。最大50人がバーチャル空間でリンクするという、これまでにないVR体験施設となっています
VRシステムには、ソニー・インタラクティブエンターテインメントの技術協力を得て、「PlayStation 4 Pro」と「PlayStation VR」を組み合わせたインタラクティブシステムを採用。プラネタリウムのコンテンツ制作で培った映像技術により再現されたリアリティのある高品位なコンテンツに、参加者の行動によってストーリーが変化するインタラクティブ性や、プラネタリウムで行われているようなナビゲーターによるライブ解説などを組み合わせ、ここでしか体験できないサービスに仕上げたということです。
VRシステムには、家庭用ゲーム機向けのVRデバイス「PlayStation VR」が使われています
これまで、首都圏を中心にさまざまなVR体験施設がオープンしてきましたが、いずれも、「HTC Vive」や「Oculus Rift」といったPCと組み合わせて使用する専用VRデバイスや、スマートフォンと組み合わせて使用するモバイルVRデバイスを使用することがほとんどで、「コニカミノルタ VirtuaLink」のように、家庭用ゲーム機の「PlayStation 4 Pro」とPS4専用VRデバイスの「PlayStation VR」を組み合わせて使用するという施設はありませんでした。
「コニカミノルタ VirtuaLink」は、ビジネスとして立ち上げるVRサービスに家庭用ゲーム機を導入するという非常にユニークな施設となっているわけですが、プラネタリウムを核として映像ソリューションを組み合わせた総合サービス事業を目指したいというコニカミノルタプラネタリウムの思惑と、PlayStation プラットフォームを使ったB to Bビジネスに力を入れたいソニー・インタラクティブエンターテインメントの思惑が一致したことで、この異色のコラボレーションが実現できたということです。
同社は、「コニカミノルタ VirtuaLink」をプラネタリウムを核とした総合サービス事業の足がかりにしていきたいということです
今回、6月26日のオープンに先駆けて、「コニカミノルタ VirtuaLink」の第1弾コンテンツ「ワンダーポッド」を体験させていただきました。
「コニカミノルタ VirtuaLink」の第1弾コンテンツ「ワンダーポッド」
体験料金は1人1500円(税込)で、東京ソラマチの施設では朝10時から夜21時まで40分間隔で実施するとのこと。「PlayStation VR」を使用している関係で、体験できるのは12歳以上とっています
黒を基調とした施設内には、宇宙船をイメージした真っ白な卵型のチェアが多数並んでいます。卵型チェアにはそれぞれ「PlayStation VR」が設置されており、ユーザーはこの卵型のチェアに座ってVRを体験する仕組みになっています。
卵型のチェアがずらりと並ぶ施設内
卵型チェアのひとつひとつに「PlayStation VR」が設置されています
卵型チェアといえば、VRデバイスと組み合わせてボディソニックを楽しめる「TELEPOD」が有名ですが、実は今回のチェアにはそういったギミックは用意されておりません。座る向きも固定されており、「TELEPOD」のように360度自由に回転することはできないのですが、これは「PlayStation VR」のトラッキングエリアから外れないようにするためだということです。
また、卵型のチェアの前に用意された什器の中には、実際に「PlayStation 4 Pro」が設置されています。施設に設置されているすべての「PlayStation 4 Pro」をネットワークで専用サーバーに接続し、サーバー側で集中コントロールすることで、バーチャル空間の共有を実現しているそうです。
「PlayStation VR」の動きを検出するために、 卵型チェアの目の前には「PlayStation Camera」を設置。什器の下には、「PlayStation 4 Pro」が鎮座します
卵型のチェアの前に用意されたモニターに映し出される指示に従い、「PlayStation VR」を装着。ガイドの人の準備完了の点呼が完了したら、いよいよ「ワンダーポッド」がスタートします。
「コニカミノルタ VirtuaLink」で「ワンダーポッド」を体験。写真は、一緒に体験会に参加した編集部の三浦氏です
今回体験した「ワンダーポッド」ですが、参加者全員が協力し、地球や星空を作ったり、迫りくる隕石から地球を守るといったいくつかのミッションをこなしながら、バーチャルの宇宙空間を体験できるというストーリーになっています。
VR体験中は、視線中央にポインターが常に表示されており、頭の向きでポインターを動かして操作します。頭の向きで視線をコントロールするだけで操作できるので、VR初体験という人でも迷わず操作できそうです。
視線で操作し、さまざまなミッションをこなしていきます
隕石から地球を守るミッションでは、視線でバリアの張る位置をコントロールします。同じところに視線をあわせてバリアを張っていると、別の方角から飛んできた隕石に対応できないため、みんなで協力する必要があるのですが、これがなかなか難しい。ヘッドホンからは、ガイドさんによるアドバイスがリアルタイムに流れてくるのですが、私の体験した会では、何度も隕石が衝突してしまいました(笑)。
体験所用時間は、「PlayStation VR」の装着時間を含めておおよそ30分ということなのですが、感覚的にはあっという間に終わってしまいました。他のVR体験施設のような専用マシンを使った派手な演出はほとんどなく、合間にプラネタリウムのように宇宙についての解説もあるので、VRがあまり得意じゃないという人も十分楽しめそうです。
沖縄地方も梅雨が明け、いよいよ夏本番です。海や山でのアクティビティもいいですが、涼しい屋内スペースでゆったりとくつろぎながら、バーチャル空間で宇宙に触れてみるっていうのも面白そうです。興味のある方は、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
AV家電とガジェット系をメインに担当。ポータブルオーディオ沼にどっぷりと浸かっており、家のイヤホン・ヘッドホンコレクションは100を超えました。最近はゲーム好きが高じて、ゲーミングヘッドセットも増えてます。家電製品総合アドバイザー資格所有。